ミラノ10コルソ・コモ「ヨウジヤマモト 未来への手紙」展
パリからミラノへ飛んで、ミラノウニカの取材を終えた最終日、モードの最新を感じるショップで文化複合施設でもある「ディエチ コルソ コモ(10 CORSO COMO)」へ行ってきました。
ここで開催されていたのが、日本を代表するデザイナーである山本耀司にクローズアップした特別展「ヨウジヤマモト 未来への手紙」です。
広々とした会場には、ヨウジヤマモトの言葉が白い壁に刻まれ、彼が愛する黒を基調とした服が展示されていました。デビュー以来、こだわり続けている黒という色彩、シルエット、そしてフォルムの中に、赤やグレー、白の衣装やアイテムが随所に配置され、アクセントを添えていました。
それらはファッション研究者のアレッシオ・デ・ナヴァスケス(Alessio de’ Navasques)氏が、ヨウジヤマモトの象徴的なコレクションと最新のコレクションの中から厳選した25点です。
1986年秋冬の燕尾服から、2024年秋冬の最新作までのアーカイブは、「異なる時代間の対話の中で、時間の概念を打破する」という考えから、年代順ではなくテーマ別に展示されていました。
そこにはトレンドに流されない美学があり、それが彼の服が愛されている理由ともなっているのでしょう。
右は、1986-87年秋冬の鮮やかな赤で彩られたビクトリアンスタイルのシルクコートです。
写真家ニック・ナイト(Nick Knight)が撮影したことで有名なバッスルシルエットが印象的です。
本展はヨウジヤマモトが培ってきた過去の美学を再確認するだけでなく、彼が常に未来を見据え、新たな挑戦を続ける姿勢を強く感じさせるものでした。これからの彼のクリエイションにますます期待が高まります。
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