ファッションビジネス

2017年2月16日 (木)

2018春夏テックスワールド ⑴  CCI出展は今回が最後

 パリのル・ブルジェで、この6日~9日、テックスワールド(TEXWORLD 略してTW)パリ展が開催されました。これは世界中のテキスタイルが一堂に集結する巨大な見本市です。初日はプルミエールヴィジョン・パリ展の前日でもあり、ラグジュアリーブランドも数多く訪れます。

 出展したのは、TW展に25か国732社、アパレルソーシング展に272社でした。TW展では、中国が412社と圧倒的な存在感です。次いでトルコが89社、韓国77社、インド54社、台湾25社、パキスタン24社、タイ12社、香港9社と続きます。米国は1社、国際綿花評議会(COTTON COUNCIL INTERNATIONAL 略称CCI)が出展していましたが、来期はないということです。日本企業の姿は今回ありませんでした。
 実は多くの企業がTW展をグローバル市場に参入するための登竜門と考えています。ここで手応えをつかみ、この後プルミエールヴィジョン・パリに乗り出すというパターンです。

 今期が最後となった上記CCIも、次回9月展からはプルミエールヴィジョン・パリ展に出展するとのことです。理由はクライアントの減少だそう。
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 写真は今回ブースでサービス活動を行ったCCIのスタッフです。
 左からロンドンのステファニー・ティエール・ラトクリフ(STEPHANIE THIERS-RATCLIFFE)さん、 香港のアリッサ・ロー(ALLISA LAU)さん、デュッセルドルフのエデルガルド・バウマン(EDELGARD BAUMANN)さんです。

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2017年2月 4日 (土)

第24回ミラノウニカ 未来を見つめて華やかに開幕

 この1月31日に日本を出発し、ミラノに来ました。欧州テキスタイル見本市を視察し、テキスタイル動向を取材する旅行で、ミラノの後、ロンドン、パリを巡ります。

  ミラノでは、2月1日から3日開催の2018春夏ものを発表するイタリアのテキスタイル見本市、第24回ミラノウニカを取材しました。

 昨年9月にフィエラミラノ・ローへ会場を移転し、2度目の開催となる今回は、レイアウトを刷新し、ブースの位置がわかりやすくなりました。またバッジのQRコードをチェックする出展社も増えた印象です。その一方で感じたのが、会場の広さです。モーダインファブリックをはさむようにイデアヴィエラとアクセサリーエリアが配され、トレンドエリアはアクセサリーエリアの最端です。前回の経験をもとに改良されたそうですが、トレンドエリアは遠く、やはり入口近くがよいと思いました----。

Bozzaautomatica10  初日恒例のオープニング・セレモニーは会場を出た先にあるビジネスセンターで行われました。登壇したのは、エルコレ・ポッド・ポワーラ会長やミラノ市ファッション評議員クリスティナ・タジャニ氏、システマモーダ会長のクラウディオ・マレンツィ、経済発展省政務次官のイヴァン・スカルファロット氏といったお歴々です。各人各様に、世界に扉を開き、ハイエンドに目を向け未来を見つめながら、テクノロジーと現代性をより重視した見本市にしていくとスピーチしました。
 とくにポアーラ会長は、新しく導入するインタラクティブなプラットフォーム「MU365」を紹介。各企業の大きなビジネスチャンスにつながるアセットと、アピールしていました。 
 出展企業は今回、イタリア企業300社とイタリアを除くヨーロッパ企業65社、それに日本企業40社と韓国企業22社を加えた総数427社です。前回同様、まずまずの人の入り、商談も活発のように見受けられました。

 翌日、ポワーラ会長の記者会見があり、これによると各企業の初日の反応は概ねポジティブとの感想を得たといいます。ヨーロッパ市場及び日本、中国も安定し、米国はトランプ政権下、何が起こるかわからないものの好調。とくに縮小していたロシア市場に期待を寄せている様子でした。
 また来期について、7月への変更は、メンズのみならずレディス関連でも好意的に受け止めているといいます。次の上海ウニカもできればタイミングを少し早めたいとコメントされていました。
 さらに中国の記者から、またしても中国メーカーの出展の可能性はないのかと訊かれて、それはないときっぱりと否定。日本や韓国メーカーは、イタリアでできないような価値あるものをつくっていることが評価されているといいます。ミラノウニカとしては、中国はやはりマーケットとみているのでしょう。
 最後に新WEBサイトの「MU365」に触れ、話題の「See Now Buy Now」のフレーズをもじって、「See Now Pay Now」と語ったユーモアもセンスがある、と思ったことでした。

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2017年1月12日 (木)

全国アパレルものづくりサミット― パネルディスカッション

 (昨日のブログの続きです。)

 第4回「全国アパレルものづくりサミット」の第二部は、パネルディスカッションでした。登壇したのは、日本発ものづくりを核とするビジネスを展開しているセンチュリーエール代表取締役社長 森本 尚孝氏、バーンズファクトリー代表取締役 松浦 永氏、メーカーズシャツ鎌倉取締役会長 貞末 良雄氏、それに日本アパレル工業技術研究会会長 近藤 繁樹氏です。3社のトップは、それぞれ独自のビジネスについて語られ、また近藤氏は、ビジネスの国際標準化やJ∞QUALITY事業に関する興味深いお話しをされました。
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 そのポイントをまとめてみましょう。

 森本氏が代表を務めるセンチュリーエールは、高品質な紳士服オーダースーツを手がけて54年になられるとか。世界中どこから客が来てもオーダースーツを出せる体制を整備。ロンドンのサヴィルローのテイラーともコラボし、英国の伝統を日本製で具現化しているといいます。
 今世界はオーダーブームだそう。AIを活用し、フィッティングの仕組みを確立、最新自動縫製も採り入れながら日本の匠を活かすものづくりを進めているといいます。

 バーンズファクトリー代表の松浦氏は、同社のT.P.S(Twin Plover Seam)ミシン縫製(写真右)を紹介。これは日本でしか流通していないミシンだそうで、突合せで縫うので縫い代が出ません。Img_31401jpg_2
 ロビーではカシミア100%のパッチワークのコートを展示していました。(写真右)
 都内板橋区の丸編みカットソーメーカーで、一本の糸から製品まで、日本製こだわったモノづくりを目指すファクトリーです。

 メーカーズシャツ鎌倉会長の貞末氏は、海外進出にますます前向きです。一昨年ニューヨークに2号店、昨年は台北に、また次は韓国や香港にも出る意向のよう。工場の将来を考え、売上数量増が工場の希望になるといいます。
 ネット取引も年間売り上げの25%を占め、64か国にダイレクトに販売しているそうです。ただし最近はデリバリー事情が悪化しているとの懸念も示されました。とはいえ海外に出店したことで、胸ポケットのないシャツを求められるなど、多くのことを学んだと述べ、あくまでも謙虚。新しい体験の中に機運を見つけることが大事と諭されたことが印象的です。

 日本アパレル工業技術研究会の近藤会長は、アパレル用国際インフラづくりや、2014年から携っているJ∞QUALITYの動向などを解説。織り編み、染色、仕上げ、縫製の4工程のすべてが日本製と認証された企業数は現在、715社、商品認証数993品番に上っているそうです。
 とくに注目は日本発の3次元サイズ国際標準への取組みです。日本が売れるインフラを、アマゾンやグーグルに先駆けてつくろうと提案されているのです。グローバルなインフラへの挑戦、大いに期待しています。

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2017年1月11日 (水)

全国アパレルものづくりサミット― ITとデジタル技術の進化

 第4回「全国アパレルものづくりサミット」(主催:日本発ものづくり提言プロジェクト)が、昨年12月17日、東京・新宿の文化学園で開催されました。今回は、「ITとデジタル技術の進化」という大きな情勢変化を踏まえて、日本発ものづくりの活路を考えようというものでした。テーマとなったのは「今、改めて考えよう!日本のものづくり― ITとデジタル技術の進化の中で」です。来場者は約300人を超し、この問題に対する関心の高さが伺えました。 

 いつものように二部構成で、第一部は、大きな影響力を持つ「楽天」と「Makuake(マクアケ)」のプレゼンテーション、第二部は、パネルディスカッションです。同プロジェクト実行委員会発起人、久米繊維工業会長の久米信行氏の司会進行でスタートしました。

Img_31322jpg  第一部では、まずサイバーエージェント・クラウドファンディングの代表取締役社長・中山亮太郎氏が、同社が運営するクラウドファンディングサイト「Makuake」について語りました。
 Makuakeを立ち上げたのは、3年前だそうです。それが今や国内クラウドファンディング利用度ナンバーワンに成長し、これまでに調達した資金は約20億円以上とか。
 クラウドファンディングとは、「つくりたいモノやサービス」のアイディアを持つ人が、専用のインターネットサイトを通じて呼びかけ、不特定多数の人から広く比較的少額の資金を集める方法です。資金を提供する側は、思い切ったコンセプトの新商品や面白い体験などを先行的に購入できます。つくり手からすれば、売上金を使ってつくるといった仕組みなので、リスクはありません。同氏はこれを先行予約販売型プラットフォームと呼んでいます。
 成功例として、水をはじくパーカや、防弾チョッキにも使われる強力なケブラー素材使いのジーンズ、ストラップと組み合わせられる腕時計「ノット」など多数紹介。「ノット」は銀行からの融資で、ついにリアル店舗をオープンさせたといいます。
 いずれも共通点は、人に語りたくなるようなストーリー性があることだそう。ヒットさせたい企画があれば、Makuakeへどうぞというわけです。ネット掲載は無料、集めた金額の15%はMakuakeのものだそう。
 最近は中小だけではなく、大手も使い始めているといいます。
 商品的には、アパレル関連の比率が高いそうで、ファッションは今後ますます伸びると思いを寄せていました。

 次にバトンタッチしたのが楽天のスタイライフ事業部 ビジネスマネージャーでファッション事業部シニアマネージャーの松山 奨氏です。来年創業20周年で、現在、ネット通販の3割強のシェアを誇る楽天は、2020年には、シェア5割を目指すといいます。日本のEコマースと言えば、すなわち楽天といってもいいほどの存在感で、その影響力の大きさは誰もが認めるところです。楽天カードの伸び率もトップ、スーパーポイントで買い物促進を図るなど、楽天経済圏を確立しています。
 この同氏が、スマホ時代のヒットの手がかりを解説しました。
 とくに印象的だったのは、従来の3Lが、スマホの登場により3Fに変わったという部分でした。3Lは、Long page、Live、Long tailのことで、それが3F、つまりFirst view、Flick、Fastになったといいます。画像を見てフリックする回数が多いほど、購入率が高まるそう。もちろんアクセス数も重要です。このため良い写真やコピー、動画を埋め込むことが求められているといいます。中でも動画は焦点になるとか。こうした手続きや編集、ビジュアルなどのサービスについても言及。
 とくにファッション分野は、年間15%の成長率、商品数も17%増と年々伸びているそうです。クロスボーダートレーディングも活況で、世界35カ国で日本製を販売、メイド・イン・ジャパンの価値をシームレスにアピールしているといいます。楽天の世界発信、ますます期待されます。

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2016年12月29日 (木)

エコプロ2016~健康とエネルギーの未来展⑷UDの店づくり

 (昨日のブログの続きです。)

 今回の「エコプロ2016~健康とエネルギーの未来展」で、UDつまりユニバーサル・デザイン(Universal Design)への取組みにスポットを当てた企業がありました。それが丸井グループです。「すべてのお客さまと共に~Diversity & Inclusion~」をテーマに、年齢・性別・身体的特徴などを超えて、客の誰もが快適に買い物を楽しめる店づくりのアイディアを提案していました。
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 ブースでは、前面に大きくシューズ売場を設置。注目は豊富なサイズです。メンズもので22.5cm~30.0cm、レディスもので、19.5cm~27.0cmと、通常より大きいサイズや小さいサイズのものを揃えています。これならほぼすべての客に合う靴が見つけられそうです。
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Img_29371  LGBT(性的マイノリティ)にも対応していることを示す「レインボーフラッグ」も掲出し、誰もがショッピングしやすいことを訴求していました。
 LGBT応援イベントへの参加など、積極的に支援している様子が伝わっくるようでした。

 この店舗は、丸井グループの「博多マルイ」で実施されているUDの店づくりを形にしたものといいます。その事例を一部ご紹介しましょう。

Img_29161jpg Img_29191  左上 トイレ案内では、距離も分かると安心感が高まります。
 右上 電動車椅子用のコンセント。外出先で充電ができると、いざというとき安心です。 

Img_29441jpg Img_29471  左上 杖置きホルダー。杖を使っている方に、カウンターやトイレなどにこれがあると便利です。
 右上 車椅子対応のカウンター。カウンターの下に空間があることで、安心して利用できます。

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 左上 「音」や「香り」を効果的に使うことで、視覚障がいのある方にも「空間認識」しやすい環境づくりをしています。
 右上 手すりがついていて、立ち上がりやすい椅子。視覚障がいの方もひじかけの向きで、来た方向がわかるようになっているとのことです。

 この他、触知マップや誘導点字ブロック、床面カラーの切り替えなど、UDのアイディアがそこかしこに取り入れられていました。

 丸井グループでは、このようにUDの考え方を基本にした居心地のよい店づくりを目指しているといいます。同社の姿勢にすっかり共感、感銘させられました。他の商業施設においてもUDの店づくりが拡がるよう、期待しています。

 

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2016年12月13日 (火)

ファッション~社会潮流からディレクション、品揃えまで~

 先般開催された「第7回ファッション ワールド 東京 秋」で、栗野 宏文 氏による特別講演会が行われました。栗野氏といえば「ユナイテッドアローズ(UA)」を日本最大のセレクトショップに成長させ、現在も顧問として活躍されている業界を代表するクリエイティブディレクターです。「ファッションが必要とされるとき~社会潮流からディレクション、そして品揃えまで~」と題して、社会潮流から浮上する問題点とその展望が語られました。
 いくつものキーワードやキーフレーズが挙げられ、それらをどのようにディレクションに落とし込むか、ここではその一端をご紹介します。

 前半は服が売れにくい現状を、様々な角度から分析。
 ・服を多く持たない時代になったこと。生活者は買い物に熟考し、コスパを意識。中古売買やレンタルシェアも当たり前になってきた。
 ・最大公約数的価値から脱却し、少数派志向の時代に入ったこと。「個」の面白さや楽しさが求められている。だから真の意味で「独自性」のあるブランドしか生き残れない。カスタムメイドが伸びているのも、人と違うものへの欲求から。
 ・ファッションは~レス化。ジェンダーレス、シーズンレス、エイジレス、ジェンダーレス、タイムレスなど、新しい価値への転換が必要。
 ・ファッション≠洋服。ファッションは服よりも「食と美(美容)」へ向かっていることなど。

 Img_31311jpg後半はUAの方向性やあり方について言及。そのポイントは次のようです。
 ・客の気持ちに寄り添うこと。
 ・少数派思考であり続ける。
 ・個の創造性と革新性の追求。
 ・ファッション=カルチャーなど。

 様々な具体的事例を挙げての解説はさすが重鎮です。私もすっかり引き込まれました。「ユナイテッドアローズ」の今後に目が離せません。

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2016年12月12日 (月)

「sacai」を世界的ブランドへ押し上げたディレクションとは

 デザイナーの阿部千登勢さんが手がける「sacai (サカイ)」は、日本を代表するファッションブランドという以上に、世界のトレンドを引っぱる存在になっています。今や売上げも100億円を超えるビッグ・ブランドです。その成長の原動力になったのが、10年程前に「sacai」のクリエイティブディレクターに就任し、ブランドPRからデザインまで幅広くブランディングに携わってこられた源馬大輔氏です。

Img_24081pg_2  先般開催された「第7回ファッション ワールド 東京 秋」で、同氏による特別講演会が開かれました。テーマは「『源馬大輔』的ディレクションの極意」です。WWD 向千鶴編集長が、同氏にそのディレクションの極意をインタビューするという形式で進行しました。
 会場には、「sacai」のような世界的ブランドを目指そうという業界関係者が数多く集まり、満席の盛況でした。その概要は次のようです。

 まずは阿部さんとの出会いから。
 源馬氏は当初、阿部さんから「私を一流にしてください」と言われたといいます。「sacai」は前後左右、自由自在の組み合わせで新しいクラシックを創造するブランドです。そこで「何よりも伝えることがすべて」と考えた同氏は、メッセージを持っていただこうと「ハイブリッド」をキーワードに据えたそうです。
 当時、展示会のみだった「sacai」に、世界を目指すにはパリコレで認められることが一つのステージになる、パリへ行くならランウェーショーで見せることを提案したのも源馬氏でした。「見せ方で見え方は異なる」の言葉も説得力があります。「良いものだから見てください」というだけでは足りない。そのブランドの背景や雰囲気まで見えてこないと、良さは伝わらないといいます。
 向氏が「sacai」のムードのある広告ヴィジュアルを見て、「ここまで大胆に制作するのは珍しい」と評すると、源馬氏は、「ショ―のルックブックは事実だが、それだけではデザイナーのコンセプトは伝わりにくい」。さらに「事実は脳裏に焼き付きにくい。しかしムードは脳裏に焼き付いて離れない」と、これも名言と感心しました。
 また「sacai」が世界に大きく飛躍する契機となった、英国のスタイリスト、カール・テンプラー氏のことも話題になりました。2010年に彼と契約したときに、「ヨーロッパの王道をいくのか? それともアウトサイダーでいくのか?」と問われたそうです。何よりも「ラグジュアリーブランドに勝ちたい」という気持ちもあって、「王道のプラットフォーム」を選択。テンプラー氏のスタイリストの領域を超える仕事ぶりも功を奏して、今があるといいます。
 昨年からは靴のデザイナー、ピエール・ハーディをパートナーにシューズブランドを立ち上げ、そして今年はケイティ・ヒリアーとバッグのブランドもスタートさせました。これもラグジュアリーブランドでは売上げの6~7割がバッグなど雑貨だからだそう。
 ナイキやアップルウオッチなど様々なブランドとのコラボレーションの成功も見事です。その秘訣はと訊かれて、「自分たちが心から楽しめるかどうかが、判断の基準」。「阿部さんも自分が着たいと思う服をつくっている」、それをデザイナーのパーソナリティを含めて、どう伝えていくかが重要といいます。

 「sacai」を堂々の世界的ブランドへと押し上げたその裏には、このような人物の活躍があり、様々な才能で支えられていることを強く印象付けられた講演会でした。

 

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2016年10月11日 (火)

JFW-IFF⑸ 想いの連携が鍵!渋谷109のオムニコマース

  先般、東京ビッグサイトで開催されたJFW-IFFセミナーで、「街とネットを活性化させる渋谷109のオムニコマース」をテーマにシンポジウムが行われました。Img_11091jpg 登壇されたのは東急モールズデベロップメント シニアマネジャーの沢辺 亮氏、ファナティック代表の野田大介、AMS 取締役の古田俊雄氏です。

 渋谷109は、EC事業に2004年から取り組み、2012年頃まで順調だったそうですが、次第に低迷、その後サイトのリニューアルが検討されるようになったといいます。
 そしてこの10月9日、これまで複数あったサイトは統合され、大幅に改編されました。
 リニューアルされたサイトは、ネットとリアルが結ばれ、商品情報やニュースが豊富、検索機能も充実しています。新作やコーデの提案も見やすくなり、スタッフの顔もふんだんに盛り込まれて、ランキングもあるなど、すてきなサイトです。これでますますオムニチャネル化が進むことでしょう。

 それにしてもショップごとに異なる在庫やデータを連携させ、サイトを一つにまとめるには並大抵ではないご苦労があったようです。鍵は想いの連携!だったとか。
 ファッションの街、渋谷のランドマーク、渋谷109。その未来へ向けたオムニコマースに参加者たちも興味津々。熱心に耳を傾ける姿も印象的でした。

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2016年10月10日 (月)

JFW-IFF⑷ 「日本のファッションビジネスの生きる道」

 先般東京ビッグサイトで開催されたJFW-IFFでは、多数の興味深いセミナーが行われました。
Img_11111jpg その一つが業界の注目人物、三越伊勢丹常務執行役員 三越日本橋本店長 中 陽次氏とクールジャパン機構 代表取締役社長 太田伸之氏を迎えての座談会です。「日本のファッションビジネスの生きる道~日本発で世界を目指せ~」をテーマに、日本のファッションビジネスの向かうべき方向について、意見が交わされました。
 冒頭、太田氏は、海外における和食の人気を伝えるビデオを放映。売れるビジネスは「よい材料を調達し、コストを下げる工夫をしている」と、その秘訣を示唆。また中 氏は三越日本橋店のスローガン、「カルチャーリゾート宣言」を紹介しました。
 次いで、服が売れていない現状を、太田氏は、「これは日本だけではない世界的な現象」といい「ラグジュアリー売場は今、どこも閑古鳥が鳴いている。ただしイッセイミヤケなど売れているブランドもある」といいます。中 氏は「洋服文化の停滞が要因」と分析。「季節感やオーダーメイドの見直しなど、文化を積極的に仕掛けていく」と今後の方針を語られました。
 ニーズをどうとるかについて、太田氏はユニクロを引き合いに、「売れているのはアイデンティティーが明確で、魅力的な素材を使い、リーズナブルに提供しているブランド」。「日本の優れた素材を使って、適切な価格で販売すること」がポイントといいます。中 氏は、「長年にわたり現在も売れているのがイッセイミヤケ、コムデギャルソン、ヨージヤマモト。いずれも個性を貫き、価格に媚びない。そうした個性をつくるために、新繊維、たとえばスパイバー(クモノス繊維)などの採用や、人間国宝といわれるような方とのコラボも考えている」。太田氏は日本の素材の優秀性に触れ、「パリコレは日本の生地なしでは成立しない」。「たとえば天池合繊の天女の羽衣はm/¥4,000以上でも売れている。世界のトップレベルを行く日本素材をアパレルは発見しきれていない」とも。
 最後にファッション業界への提言として、中 氏は「前を向くことが大切。テキスタイルを武器に、新しい仕組みで服をつくり世界に売り込む。独自のデザインで価格はビビらないで、日本発のラグジュアリーを目指す」と強調。太田氏は「今、メンズを推進しているが、ラグジュアリー市場も変化している。普段はTシャツやジーンズ、夜の場面ではタキシードを着用するという具合に。ストリート感覚のデザイナーも出てきているし、そうした顔がつくれるデザイナーとのコラボを提案する。日本には素材があり、それを使ってつくれば世界一になれる」と断言。
 お二人の率直な語り口に、これからの方向が見えてくる気がしたプレゼンテーションでした。

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2016年8月30日 (火)

「VRが拓く未来への扉」セミナーで驚愕のVR体験

 今月初めに行なわれた国際ファッションセンターのKFCネットマーケティングセミナー「VRが拓く未来への扉」に参加しました。最近ファッション業界でも、VR(ヴァーチャルリアリティー)を利用したプロモーションが広がっていることから、興味津々でした。初めてのVR体験はまさに驚愕! ヘッドマウントディスプレイ(HMD)をつけて入った空間は、実にスリリング!でも面白かったです。

 セミナーでは、まずユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの伊藤 周氏がVRについて解説されました。
 
Img_77851 VRとはVirtual Realityの略で、「仮想空間」と和訳されています。しかしVirtualは「虚像」ではないことから、これは誤訳だそう。「実質的現実」あるいは「ほぼ現実」の意味であるといいます。
 またもう一つ注目されているのが、Augmented Reality、略してARで、「拡張現実」と訳されているものです。
 ARはVRを内包するもので、VRの次に来るのがARと考えられているようです。ポケモンGOにも適用されている概念ですね。しかし現在のところ、非ゲームの世界で花開くのはVRの方といいます。
 VRは、つまりHMD ヘッドマウントディスプレイのことで、スマホの進化とともに様々なものが開発され、2013年に登場した Oculus Riftは、小売り販売などに積極的に活用されています。Diorは昨年、オリジナルのヘッドセット「Dior Eyes(ディオールアイズ)」を発表して話題になりました。ショーや展示会でハコスコを配る企業も増えていますね。
 これは、いずれネットやスマホのような必須アイテムになっていくもの、と思われます。

 次にプロノハーツの藤森匡康氏が、同社の事業を紹介されました。とくに力を入れているのは製造業とゲーム業界の融合による、楽しいモノづくりといいます。2014年にドラえもんのひみつ道具、「どこでもドア」をつくってパリのジャパンエキスポに持っていったお話しを伺い、夢がついに現実になった、と思いました。何しろ遠く離れた場所にいても、HMDで見れば、実際に自分がそこにいるかのように感じられるのですから。
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 この後、prono DR(ヘッドマウントディスプレイ)や、ホログラム映像を現出させる最新のホロレンズなどを体験させていただき、本当にビックリ!

 ファッション情報が、「見るもの」から「体験・共有するもの」へ変化していることを体感したひとときでした。

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