ファッションビジネス

2017年10月28日 (土)

JFW-IFF MAGICセミナー デジタル化が与えるインパクト

  JFW-IFF MAGIC 9月展のセミナーで、カート・サーモン マネジング・ディレクターの河合 拓氏が登壇しました。Img_28041jpg テーマは「アパレル業界の課題と近未来 ~デジタル化が与えるインパクト~」です。数多くの企業の立て直しを手がけてきた経営コンサルタントが、アパレル業界の現状を俯瞰し、その課題や論点を語りました。

 まず、なぜ今デジタルなのか。これには流通小売業の人手不足があるといいます。2025年には200万人も不足するというのです。しかしそれを補うのがITで、無人レジやRFIDの導入などで解決できるといいます。
 次にアパレル業界の課題と論点です。アパレル市場はこの20年で3分の2(金額ベース)に減少しました。購入の仕方も変化し、百貨店売上が凋落、ECマーケットへシフトしています。
 今後、百貨店向けアパレルはますます苦しくなり、専門店SCは飲食や雑貨など異業種連携によるクロスインダストリービジネスへ、激安アパレルはIT化と国際化がさらに進むとみられています。
 こうしたなかで、経営を圧迫しているのは家賃、人件費、それに余剰在庫であるといいます。とくに大きな問題はつくり過ぎによる供給過多で、この余剰在庫の適正化には、MD領域にフォーカスした改革が必要。このためAI 技術の活用が求められるといいます。
 さらにデジタル化のインパクトとして挙げたのが、ユニクロのパーソナルオーダーを始めとする受注生産型モデルです。受注生産と計画生産のハイブリッドにより、さらなる在庫極小化へ向かうといいます。
 最後に第4次産業革命で、国をまたいで海外と組むことがますます重要になってくるとのこと。
 一企業ではなかなかできないことばかり。
 激変するアパレルビジネス、難しい問題が山積みのようです。

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2017年10月27日 (金)

JFW-IFF MAGICセミナー 高級ブランド導入成功の軌跡

 先般開催のJFW-IFF MAGICセミナーで、世界を相手にビジネスを拡大してきた商社、八木通商の代表取締役社長、八木雄三氏が登壇されました。Img_27951 モンクレールやマッキントッシュ、ファリエロ・サルティなど数多くの高級ブランドを導入し、成功を収めているカリスマ経営者です。「どの様にブランドビジネスをグローバル市場で成功に導くか」をテーマに、世界のファッション市場における変化にチャレンジし、それをいかにしてチャンスに変えてきたのか、その軌跡が語られました。

 同社は昨年創立70周年を迎えたといいます。発足以来、繊維輸出を手がけ、世界に拡大しようとしていた矢先の1971年、ドルショックが起こりました。しかしこれが大きな転機となったと、八木氏は振り返ります。当時まだ29歳だったとか。ラグジュアリーな高級ブランド品の輸入に徹するようになり、幸運にも利益を出せるようになっていったといいます。
 その後市場はドレッシーからカジュアルへ変化していきます。仕入れ先もそれまでの高級ニットやドレスから切り替え、バッグや靴といったアクセサリー分野を強化していったそうです。こうした洞察力と対応の早さも成長の要因だったといえそうですね。
 今や押しも押されもしないグローバル企業となり、その戦略に変わりはないようです。これはいいと思うブランドがあれば買収し、欧米やアジアなど世界に出店して販売していく方向と抱負を述べられました。

 次に同社が扱うブランドビジネスの中で、モンクレールとマッキントッシュを挙げて、そのサクセスストーリーを紹介しました。
 モンクレールは、元はフランスのグルノーブルのスキーウェアメーカーだったそうです。1995年にイタリアのメーカーにより買収されましたが、八木氏がこのブランドと巡り合って、独占輸入するようになったのは、1996年だったとか。しかしモンクレールはその後倒産し、再度買収、倒産が繰り返され、2008年に今度はアメリカの投資会社により買収されました。不安定な仕入先で大丈夫かと心配もしたそうですが、しかし世界最高級のダウンをつくろうというモンクレールの姿勢は変わらなかったといいます。プレミアムダウンという原料しか購入しないモンクレールを、同氏は、ダイヤモンドの原石のように思ったそうです。そして2009年に現モンクレールCEO、レモ・ルッフィーニ氏と合弁でモンクレール・ジャパンを設立しました。軽量でスリムなダウンウェアのアイディアがヒットし、青山や銀座に旗艦店をオープン。今や堂々のドル箱ブランドです。

 マッキントッシュは、スコットランドの伝説的ブランドで、当初は売りにくいとためらったそうです。しかしゴム引きクロスの明快なオリジナリティに動かされ、英国大使館を通じて契約の話もあり、2007年に子会社化したといいます。輸入品は順調で、また三陽商会とライセンス契約して誕生した「マッキントッシュ フィロソフィ」も好調に推移しているそう。「マッキントッシュ ロンドン」はあと少し時間がかかるが成功させるとのこと。

 「これからもブランドを発掘し、磨いていく。オリジナルのスタイルがあって、感性に優れているかどうか。相手の資質を見極めることが何よりも大事」という八木社長。その素晴らしいカンと目利きぶりに改めて感動しました。

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2017年10月23日 (月)

JFW-IFF MAGICセミナー インディテックス(ZARA)は今

 先般開催されたJFW-IFF MAGICセミナーで、もう一つ興味深く拝聴したのが、ディマンドワークス代表の斎藤孝浩氏のご講演でした。Img_27881jpg 同氏が2014年に出版した「ユニクロ対ZARA」はベストセラーとなりました。(このブログ2015.2.23付け参照) その後もZARAを持つインディテックス社は拡大を続けています。同氏は本セミナーで「グローバル市場で独り勝ちしている、世界一のアパレルチェーン、インディテックス(ZARA)は今どんなことに取組んでいるのか」をテーマに、インディテックス社の変化のポイントを3つ挙げて解説されました。

 一つは、ハイブリッド型生産ポートフォリオです。
 ZARA全体で65%を占めるトレンド商品は、これまでスペイン、ポルトガルで生産し、多くの工程を内製化してきました。しかしここ2年で近隣国のトルコやモロッコの工場にまで広がったといいます。もちろん完成品を重視して適量を生産しているそうです。残り35%のベーシック商品は、中国やインドなどアジアの生産基地でつくられていて、トレンドとべーシック商品を上手に使い分けているといいます。また商品企画は店頭を起点に高速でサンプルを作成。近隣国でスピード生産したものは、チャーター便の空輸を活用し、同社スペインの物流拠点であるサラゴザに集められ、仕上げ・検品は自社で行っているそうです。
 二つ目は、オムニチャネル戦略です。
 実店舗とオンラインの連携などIT化を進めていて、モバイル決済アプリの“InWallet”を自社開発し導入。店頭での商品ピックアップ、クリック&コレクトの比率は66%といいます。来店頻度が高まり、購買促進につながっているそうで、2016年には店頭売り上げが10%上昇したとか。またRFIDを全店舗に採用し、在庫管理を適切に行えるようにしたり、インターラクティブなフィッティングルーム内でのコーデ提案をしたり、顧客がより良い体験ができるように図っているとのこと。
 三つ目は、サステイナブル経営です。
 2002年に早くもサステイナブルレポートをスタートさせたというインディテックス。サステイナブル活動には積極的で、2016年1月にスタートした国連のSDG’s(サステイナブル・ディベロップメント・ゴール)と連動した経営を行っているといいます。SDG’sは国連加盟国が 2030年までに理想の世界をつくるための合意です。17の開発目標があり、ZARA はその全てに取組んでいく方針で、7つの優先事項を取り上げてアニュアルレポートを発表していくといいます。

 斎藤氏は、常に先手を打つインディテックス社に、余裕のようなものを感じているそうです。「ZARAをウオッチすることで、日本の未来の流通革新が見えてくる」の言葉が印象的でした。

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2017年10月22日 (日)

JFW-IFF MAGICセミナー 日本ブランドが勝ち残るには

 先般のJFW-IFF MAGICで行われたセミナーで、ファッションデザイナーの田山淳朗氏が登壇。質問に応えるという形式で対談されました。Img_27811 田山氏と言えば、海外市場に挑戦し、中国でも事業を広げています。また数々のファッションデザインコンテストでは審査委員長も務めている日本有数のデザイナーです。「2010年代のファッションと2020年代のファッションの展望」という興味深いタイトルもあって、会場には田山ファンが大勢駆けつけました。
 まず海外ビジネスで成功するヒントから。そのポイントは現地の人と一緒に現地生産することだそうです。日本のようなオケージョンやモチベーション需要はありませんし、日本での思い込みは通用しないといいます。中国では赤が好まれるといわれますが、実はそうではなくて、逆にシックさが好まれ、モード志向であるそうです。サイズも背丈や裄丈が日本とは異なっていて、日本でつくったものをそのまま持ってきても売れないといいます。
 次に2010年代のファッションについてです。勢いのあったファストファッションは定着し落ち着いてきたと語ります。早い、安いが売りだったファストも、工賃上昇でサステイナブルな高額商品をつくり始めていて、アセアンに移行した生産基地もいずれはなくなるとみているようです。
 ネットも進化し、ショーで見た商品をすぐに買う「シーナウ・バイナウ」の動きは今後ますます拡大。またクリエーションやモード発信も、AIの登場などで大きく変化してくるといいます。
 最後に2020年代に向けて。心構えとして、自己のアイデンティティがますます求められるようになってくるといいます。日本人デザイナーは所属ブランドや企業への帰属性が強過ぎるのが欠点だそう。もっと自分らしい個性を発揮して「つくりたい服をつくる」ことが大切、と説きます。翻って外国人デザイナーは自身が考えた服がつくれればよいのであって、つくることができればどこでもよいと考えます。だから帰属意識は薄い。その代わりアピール力は強いといいます。

 日本のファッションデザイナーやブランドが今後、世界市場で勝ち残っていくためのポイント、さらに2020年代のクリエーションや製造、売り方、流通について言及もあり、さすがに奥が深いです。海外展開を考えるデザイナーブランドには、とくに参考になるお話しだったのではないでしょうか。

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2017年10月21日 (土)

JFW-IFF MAGICセミナー サステイナブルへの変革目指す

 先月9月26日から28日まで東京ビッグサイトで開催されたファッションイベント「IFF MAGIC Japan」では、今回も業界をけん引する企業やオピニオンリーダーらによるセミナーが多数行われました。
Img_27781jpg_2  その一つが、ファーストリテイリングのサステイナビリティ活動に関するお話でした。ファーストリテイリングは、言わずと知れたユニクロやジーユーを持つグローバル企業です。登壇したのは、ファーストリテイリングのサステイナビリティ担当グループ執行役員新田 幸弘氏で、「サステイナブルなビジネスへの変革を目指して」をテーマに、同社の方針や活動の軌跡を語られました。

 同社サステイナブル活動の始まりは2001年に設置した「社会貢献室」です。最初に瀬戸内の自然を守る活動「瀬戸内オリーブ基金」を立ち上げ、次いで売れ筋フリースのリサイクルを開始します。2005年には社会貢献室を「CSR部」に改称し、2006年から全商品リサイクルへ拡大させていきます。難民キャンプへ古着を寄贈することになったのもこの頃からで、2011年初頭に、UNCHR(国連難民支援高等弁務官事務所)とパートナーシップを締結。この後起きた東日本大震災では、115万点の衣料品と14億円を寄付したそうです。
 しかし寄付だけではなく、別の形で支援はできないかと考えたのが、2010年にスタートしたバングラデシュでのソーシャルビジネスだったといいます。ノーベル平和賞受賞の経済学者ムハマド・ユヌス氏によるグラミン銀行と組んで、「グラミン・ユニクロ」を設立し、貧困層への融資や職業訓練などに取り組むようになります。
 こうした中、2013年にバングラデシュのダッカでラナ・プラザ崩壊という悲惨な事故が発生しました。大手同様、ファーストリテイリングも批判の対象となり、再発事故防止に向けて、動き出します。しかし2015年、国際人権NGOの調査報告書で下請け工場での過酷な工場労働問題が糾弾され、デモ騒動へ発展してしまいます。改善に向けた取り組みを本格的に進めるため、2016年にCSR部を「サステイナビリティ部」に改編。世界第3位の小売業にふさわしい持続可能性の強化に乗り出すことになったのです。
 本セミナーで新田氏は、人権や労働環境を守ることは当たり前のこと、このことなくしてユニクロの未来はないとも断言されました。サプライチェーンのトレーサビリティ(追跡可能性)を高めるため、この春からほぼ全ての取引先縫製工場の情報を開示し、ジーユーの工場も今年中に開示するとのことです。
 最後にサステイナビリティは、全社を上げての事業目標であると述べられ、2020年までに達成できるよう、ロードマップをつくっているといいます。サプライチェーン、商品、店舗とコミュニティ、従業員の4つの領域で推進していく方向で、たとえばサプライチェーンでは、人権・労働問題や環境配慮、廃棄物の利用、商品ではサステイナブルな素材の選択、動物愛護、安全性や耐久性、店舗とコミュニティでは、個店の地域社会への貢献や難民支援、従業員では倫理的行動や多様性、ワークライフバランス、キャリア開発促進などというように、世界をより良い方向へ変えていくと強調しました。
 グローバル企業として、社会的責任の大きさを痛感しているファーストリテイリング。今後の活動が注目されます。

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2017年9月 1日 (金)

「アメリカのファッション産業とライフスタイル」を紐解く

 先般、開催されたジャパンジュエリーフェアでは、異業種やファッション関連イベントも用意されていました。その一つが、アメリカのファッション業界に関する最新情報セミナーです。
Img_07521_2 講師はファッション業界の情報発信地であるニューヨークに精通するファッションジャーナリストで、杉野学園ドレスメーカー学院 院長の布矢 千春さん。「アメリカのファッション産業とライフスタイル」をテーマに、業界の仕組みやメディア戦略、美術館とマスコミの関係性など様々な角度からアメリカのファッション業界を紐解かれました。

 冒頭、アメリカではファッションをアートというよりビジネスと捉えていると指摘。ヨーロッパ、とくにフランスを見ている私としては、ちょっとびっくりしました。でも確かにアメリカで起こったビジネスの潮流は、スモール・ビジネスが日本に入ってきたように、早晩日本にも来ています。しかもそのスピードは年々早まる一方です。アメリカの動向を注視していかなければ、とまずは気が引き締まります。

 最初は布矢さんが毎回取材されているニューヨーク(NY)コレクションから。主催団体は現在、インターナショナル・マネジメント・グループ、略してIMG(International Management Group)」で、それまで運営してきたアメリカファッションデザイナーズ協議会CFDA (Council of Fashion Designers of America)を買収したといいます。2015年に冠スポンサーだったメルセデス・ベンツが降板、その後は冠なしで、様々な企業がスポンサーになっているとのこと。ファッションに関わることで自社の広告宣伝に利用し、ファッションを通してビジネスを成立させようとしている実態が語られました。
 デジタル化も進行し、コレクション会場への入場は招待状ではなくスマホで、GPS機能とも連動しているといいます。日本もいずれそうなっていくのでしょうね。
 コレクション会場では、NYで再開発中の主な3つの施設を紹介。ハドソンヤード地区、グランドゼロの近辺、ウエストフィールドワールドセンターだそうです。今度行ってみたいですね。
 次に美術館について、ファッション業界との驚きの繋がりが明かされました。例えばNYを代表する美術館のメトロポリタンミュージアム、通称MET(メット)は私立美術館で、その集金システムを支えているのはラグジュアリーブランドといいます。館内にはヴォーグのカリスマ編集長であるアナ・ウィンター氏の名前を冠したファッション専用の展示スペース、「アナ・ウィンター・コスチューム・センター」があり、各界のセレブの装いに世界のメディアが注目するメットガラは、同美術館の巨大な資金調達源になっているとのことです。このパーティ券は一枚25,000ドルと高額ですが、それにも関わらず殺到するというのですから驚かされます。とはいえ購入しているのはブランド企業自体なのだそうですが---。
 さらに寄付社会アメリカのチャリティイベントについても触れ、以前は成功したから慈善事業に寄付するというものだったのが、今はビジネスの動機が慈善事業になっているという現状や、ウエルネス志向で人気上昇中のアスレジャーも話題にしました。そして最後に取り上げたのがヒップスターが集うブルックリン地区のお話です。そのボーイズカルチャーが今、日本の若者たちにブームを呼んでいるだけに印象に残りました。これは時間切れで少し残念!

 それにしても揺れ動くアメリカの生情報は私にとって大変新鮮で、刺激的でした。すばらしいご講演に感謝します。

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2017年8月24日 (木)

WEF公開シンポジウム⑶ 服が売れない時代にすべきこと

 WEF公開シンポジウムでは、最後にパネルディスカッションが行われました。Img_99151 パネラーは、このブログ⑴で紹介したお二人、西塚瑞穂氏と森川 亮氏、それにデザイナーの横森美奈子氏です。コーディネーター役はファッション・ジャーナリストの生駒芳子氏で、生駒氏の質問に、パネリストが答えるというカタチで進行しました。
 質問は多岐にわたりましたが、とくに服が売れていない時代に何をすべきか、10年後をどうみているのか、に興味がいきました。

 森川氏は「日本は幸せ過ぎるのか、新しいものを生み出す力に欠けている。イノベーションへの取り組みが遅れていて、韓国の方がむしろ積極的。少し変人と思われるようなユニークな人、イノベーターが活躍できるような環境が必要」、「10年後にはAIロボットが部屋にいて、情報をロボットとシェアする時代になるだろう」といいます。
 西塚氏は「賢い=安いではない。誰かとつながり共感したいという気持ちに変わりはないので、キーはこれからもゲストとお気に入りの店員。個人的なコミュニケーションを強化していく」。
 横森氏は「ファッショントレンドがノームコアになって、ファッションへの興味が薄れている」、「若者たちは普通の格好でよいと思っているので、10年後にはユニフォーム化するのではないか。しかしそれでいいのかという層も出てくる。自分の条件をインプットすると服が出てくるといった風になるのでは」と指摘。 

 いずれも心にグサッとくるような印象的なお話でした。

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2017年8月23日 (水)

WEF公開シンポジウム ⑵ 女性向け動画メディアに注目

 先般のウィメンズ・エンパワメント・イン・ファッション(WEF 尾原蓉子会長)主催の公開シンポジウムで、二人目の登壇者は、Cチャンネル代表取締役社長 森川 亮氏。Img_98961jpg 「動画でコミュニケーションし、行動し、物を買う時代」をテーマに、基調講演されました。
 ちなみに「Cチャンネル」は、ライン(LINE)の元社長だった同氏が、2年前に立ち上げた若い女性向けのインターネット動画雑誌です。

 同サイトを見ますと、そこには女性の関心を惹く動画がズラリ。実用に役立つハウツーものが中心で、メイクやファッション、ヘア、ネイルから料理、トラベル、さらに恋愛まで、カテゴリー別にアップされています。
 こうした情報はクリッパーと呼ばれる動画制作者がつくって発信していて、タレントやモデル、また社内のメンバーらがセルフィ―動画を撮って自分で編集し動画を投稿しているといいます。
 スマホで閲覧しやすい縦型サイズも特徴で、時間も短い1分動画です。このスピード感がいいですね。これからは写真よりも動画の時代、ということを印象付けられます。

 講演で、森川氏は、今やコミュニケーションはクローズドがメインといいます。ミレニアム世代は今、SNS離れを起こしていると。彼らの興味はフェイスブックやツィッターからインスタグラムへ、つまり文字から写真へ移り、それが動画へシフト。それも一部の人だけが見る、時限式のライブ発信がホットといいます。
 メディアの変化も、次のように指摘します。かつて映画は映像を見に行く時代をつくり、テレビは映像を受け止める時代をつくった。Cチャンネルは映像でコミュニケーションする時代をつくるといいます。
 これまで映像業界の課題は、スピードが遅い、コストがかかることでしたが、メディアもファッション業界のファストファッションのようにSPAモデルを目指さなければ、とも。ほんとうにすばらしい先見性です。
 Cチャンネルは、メディア業界を変革し、グローバルメディアのナンバーワンになると宣言しました。何しろ創業2年で、すでに10か国に展開し、900万人がリーチしているそうです。 
 テレビのコマーシャルは見たくないけれど、中身のいい動画ならスマホで繰り返し見て楽しめます。商品特性をハウツーで見せ、そこにちょっとしたエンタメ感覚も入っているのですからなおさら、何度も見たくなるものもあるでしょう。それも一分以内という短いメッセージです。この「繰り返し見る」ことができるというのも重要な要素といいます。
 スマホでハウツー動画コマーシャル、メーカーがこれを利用しない手はないと思います。新時代の幕開け、そんな感想をもったご講演でした。

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2017年8月22日 (火)

WEF公開シンポジウム ⑴ テレビショッピングに学ぶ

 去る7月下旬、東京ウィメンズプラザホールで開催されたウィメンズ・エンパワメント・イン・ファッション(WEF)主催の公開シンポジウムに参加しました。
 WEF会長の尾原蓉子氏によると、今回は、“店舗の外”で深く静かに進む潮流から二つの事例に照準を当てたといいます。一つはテレビショッピング、もう一つは若い女性向けファッション動画メディアです。異なる客層、異なる手段で生活者にアプローチする革新的企業の戦略と実践を学ぶことで、ディスラプション(旧来の秩序破壊)的変革が進むファッションビジネスにおける成功の条件を探るのが狙いといいます。
 テーマは「顧客フォーカスで共感と感動を呼ぶファッションビジネス・イノベーション~テレビショッピングと女性向け動画のファッション雑誌から学ぶ~」。
 大変興味深い内容でしたので、ここにその概略をまとめておきたいと思います。

Img_98941  まず登壇したのが、ジュピターショップチャンネル執行役員マーチャンダイジング本部副本部長の西塚 瑞穂氏です。「心躍る瞬間を。顧客と共鳴し合う売り場づくりの挑戦」と題して基調講演されました。(実は同社について、このブログ2014.7.9付けでも取り上げていますのでご参照ください。)
 ご存知のように、同社はテレビショッピング専門チャンネル「ショップチャンネル」を運営する、1996年創業の日本初のテレビ通販会社です。最近はオムニチャネル政策も功を奏し、20期連続、増収をキープし続けているといいます。2016年には前年比2.1%増の1,549億円の売上を達成したとか。
 顧客は90%が女性で、50代が26%、60代が35%、また70代以上も20%だそう。シニア層が多いことがわかります。女性に人気のカテゴリーを中心に幅広く、連日約500アイテムを紹介しているそうで、分野別では、ファッション、ビューティ、食関連が各3分の1くらいとか。商品は基本的に1時間ほどかけて丁寧に説明していくので、ユニークなエピソードがあるなどといったストーリー性のある、こだわりの商品が選ばれることが多いといいます。
 1日に7万2千件もの電話があって、1万2千箱を出荷したこともあったとか。生放送だからこそのリアルな臨場感のある情報を伝えることを大事にしていて、お客の反応を読み、その場で活かす、お買い物目線に立った進行を心がけているとも。
 またゲストとキャスト(司会者)によるお客の心の琴線に触れる生トークも重要なポイントといいます。例えば「横森美奈子のリアル・クローゼット」のように、デザイナーの生の声が聞けたり、お気に入りの販売員が実際に試着して見せたりすると、消費者の購買意欲はよりいっそう掻き立てられるのだとか。
 こんな風にして売り上げた一日の最高記録は、2013年10月4日に販売したカシミアマフラーで、6万3000本に上ったといいます。

 最近よく「モノよりコト消費」と言われます。生放送のテレビショッピングは、モノをコトとしてバーチャルに体験できる強みがあります。同社のミッションとは、いかに客と心を通い合わせ「心躍る瞬間」をつくれるかだそう。心に響く生トーク、ますます期待したいですね。

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2017年8月 3日 (木)

2018春夏モード・イン・フランス展 ⑴ フランス大使も来臨

 フランス国内に先駆けて、2018年春夏のコレクションを発表する第43回モード・イン・フランス展が、この7月26~28日に東京・渋谷で開催されました。3日間を終えて、参加企業は56社61ブランド、来場者数は昨年7月展並みの1,600名だったといいます。出展したレディースウェアのブランドは大部分が結果に満足で、新規顧客の獲得も好調だったとのこと。サンプル発注も多く、今後の正式発注に期待している様子といいます。

 初日のカクテルパーティには、ローラン・ピック駐日フランス大使もご来臨して挨拶されました。
Img_99571  
 同展を主催するフランス婦人プレタポルテ連盟のパトリシア・ブラフマンさんによる記者会見も行われました。そのポイントは三つです。
 一つは日本市場の重要性です。日本はフランス婦人服の輸出先として8番目に大きい国で、今後も成長が見込まれ、重要な地位を占めているといいます。
 二つ目は最近ニュースを騒がせているEPAの大枠合意について。2019年の関税撤廃はフランス企業にとって大きな朗報と評価しています。
 三つ目は「エスパス・ラベル」の新設。これはとくにクリエイティブでエッジの効いたブランドを集めたエリアだそう。次回1月展よりスタートするとのことで、期待されます。

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