テキスタイル

2024年3月27日 (水)

浅野撚糸 サロン型ラボストア「スーパーゼロラボ」オープン

  タオルで人気の岐阜県の糸製造会社「浅野撚糸」が東京・南青山の販売拠点を2月20日、リニューアルオープンすると伺い、私もプレス発表会に行ってきました。
 オープンしたのは「スーパーゼロラボ」と呼んでいるサロン型ラボストアです。店内には販売エリア、ショールームエリア、イベントエリアが備えられ、日本のテキスタイルと文化を発信していくといいます。特殊撚糸工法で製造した「スーパーゼロ」糸や矢橋工房の漆器、無農薬食品を取り扱い、内装は日本の職人の手仕事と端材、廃材を使用した木工家具などを組み合わせ、和の温もりと現代的な洗練を演出しています。
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1_20240417101201  テキスタイルデザイナーの梶原加奈子さんが手掛けるアパレルブランド「ASANO KANAKO KAJIHARA」の始動も話題です。商品構成は「スーパーゼロ」の特徴が分かる柔らかい風合いのストールが中心で、ウールやリネン、紙繊維使いなど、新素材の開発も進めているそう。
綿の一般的な原料がカシミヤのような風合いや上質感を持つ製品に生まれ変わっているのも驚きでした。
  梶原さんは「環境に配慮した取り組みも行い、ラグジュアリーブランドとしての成長を目指したい」。浅野社長は「南青山から世界に向けて、新しい拠点で海外バイヤーを魅了していく」と期待を込めて語っていたのが印象的でした

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2024年3月25日 (月)

産地単独展示会「遠州織物コレクション2024」

 遠州産地の織屋、産元等による様々な繊維素材を提案する、年に一度の産地単独展示商談会「遠州織物コレクション2024」(一般社団法人静岡県繊維協会主催)が2月中旬、東京・中目黒にて開催されました。

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左は榛地織物の綿100%手織り風あじろ、右はぬくもり工房の遠州綿紬

 今回は新作生地を含めた生地・製品展示約280点のほか、遠州織物を素材として産地の職人や作り手が連携して作り上げた地域ブランド「武襯衣-MUSHA-」製品80点が展示・販売されていました。

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 上は「武襯衣-MUSHA-」ブランドです。手の温もりを感じさせる優しい肌触りの製品が揃っています。

 もう一つ、注目したのが、HFP(浜松ファブリックパフォーマーズ)のコーナーです。遠州産地の後継者を中心とする若手事業者、織布、染色仕上加工、準備加工で構成された9企業が業態の枠を超えて連携し、新たなテキスタイルや製品を企画立案しているといいます。

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 今回は、代々受け継がれてきた有松絞りの伝統技法を生かしながら新しい表現にチャレンジし、ファッションだけではなくインテリア・アートなどのジャンルにも幅広く進出している久野染工場とコラボした暖簾(のれん)を製作。ファッションデザイナーの伊藤陽子さんプロデュースのもと、「遠州織物」✕「絞り染め」をアピールしていました。

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2024年3月15日 (金)

2025年春夏コットン素材傾向―PV 及びMUより

 一般財団法人日本綿業振興会のHP内、「プレスリリース」(2024年3月14日)に、柳原美紗子が寄稿した「2025年ル春夏コットン素材傾向 PREMIERE VISION PARIS 及び MILANO UNICAより」の記事が掲載されています。 https://cotton.or.jp/pr2024-03-14.htmlをクリックしてご覧ください。

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2024年3月 9日 (土)

25春夏PV (24) PVアクセサリー 変革へ新しい展開

 2025年の春夏シーズンは、社会の変化が生産方法や消費パターンに影響を与える移り変わりの時期です。この変革のコンセプトはアクセサリーに反映され、さまざまな形でその新しい展開が表れています。

フリーズ・フレーム Freeze Frame
 変態の瞬間が凍りついたように捉えられます。更新の象徴であるさなぎが、二つの状態の間にあるこの停滞した瞬間を表現しています。Ss25_access_valter_4679_01_65aaa2926abd6 変異した、透明な、虹色のアクセサリーも浮上します。


 変態の段階である繭が、透明感のあるアクセサリーに息づいています。
 右は、VALTER(イタリア)のブレスレット。

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イリディッセント(虹彩)

 今シーズン、光の演出は、移り変わるパステルのきらめきが装飾的なアクセサリーに現代風のタッチをもたらしています。
 右は、LAMPA(イタリア)のファンタジックなボタン。


ラディカルな企業論理 Radical Utilitarianism
 産業の進化を反映する新しい生産プロセスへ。自然と技術が共存し、職人技と革新を組み合わせた製品が生まれ、責任あるアプローチと持続可能な製品の道を開いています。

クリーン・クラフトマンシップ
Ss25_access_ayb_hislabor_154225_030_2402  クラフトマンシップ(職人の技)が注目を浴びています。籐細工、編み込み、織り構造は、プリミティブな材料でつくられ、人の手の痕跡を想起させるさまざまな表面に見えるテキスタイル構造ですが、決して粗野ではないのが特徴です。
 右は、AyB Hislabor(スペイン)のブレード。

マイクロ・プレシジョン
Ss25_access_mode_harmony_56608_2210_01_6   3Dプリントが複雑な構造への道を開きます。
 クリーンでテクニカルな装飾用アクセサリーに向けて、マットなゴールドや黒ずんだシルバーなどのクールでプレシャスなカラーが特徴。
 右は、MODE HARMONY(フランス)のボタン。

クラシックの再来 Revisited classics
 25春夏シーズンのトレンドは、変化をテーマにしています。装飾においては、植物や動物をイメージした自然のモチーフを基にしたファンタジーなハイブリッドが注目され、伝統的なクラシックスタイルが新たな視点で再考されています。ストライプや他の古典的なデザインも、サイズや色のバリエーションを通じて新しく解釈されています。

自然の強調
Ss25_access_lampo__lanfranchi_3052_01_65  花や植物をモチーフにしたデザインは、現実を超えた幻想的な世界を表現しています。自然はパターンとテクスチャの無限の源です。自然の豊かな創造性は、甲虫から水蛇までさまざまな生物によって表現され、光沢のある表面や深い虹色の反射も特徴です。
 右は、Lampo Lanfranchi(イタリア)のファスナー。

Ss25_access_goretti_hand_made_weaving_45 迷走するストライプ
 ストライプという最高のアイコニックなモチーフは、新しい色、厚み、リズム、方向を採用するなど通常のストーリーから解放され変容しています。
 右は、Goretti(イタリア)のブレード。

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2024年3月 8日 (金)

25春夏PV (23) PVデザイン 底流に「ミューテーション」

 25春夏のデザインの底流にあるのは「ミューテーション(突然変異)」です。テキスタイルデザインでは、この変化への称賛の意がさまざまな形で表れています。

ブリーチド (BLEACHED)
 同系色のパステルカラーのパターンがぶつかり合い、重なり合い、抽象的で漂白されたような効果を生み出しています。

ミルキーアブストラクト 
5_20240330183601  シミのような花のモチーフを連想させる、はっきりしない形が、乳白色と水彩画を思わせる効果の間を揺れ動いているデザインです。
 希薄に見える有機的あるいは抽象的なフォルムは、不思議な柔らかさを帯びています。花々は抽象的なまでに歪み、ミルキーな淡い色彩とぼやけた輪郭は、穏やかな憂いを帯びているようです。

ウォーターダウン
6_20240330183701  「ウォーターダウン」とは、水で薄める、という意味です。
 花などのモチーフは、水彩絵の具が水増しされて、淡い色調になり、パステルカラーが混ざり合ったり、コントラストをつけるダークトーンも分解されたり---。ランダムなぼかしの効果で、純粋に具象的でもなく、完全に抽象的でもない、魅力的な模様に仕上げられています。

XXL ミニマリズム (XXL MINIMALISM)
 「ミューテーション(突然変異)」のストーリーは、絵画技法の選択にも受け継がれています。インク消費量の制約を考慮しながら、強い視覚的インパクトを持つ版画を作るにはどうすればいいのでしょうか。その主な方向性が、XXLミニマリズムです。これは、大きなモチーフと限られたパレットを組み合わせ、スケールの効果を楽しむテーマです。

ナイーブなバイカラーデザイン
1_20240330183201  ナイーブな切り絵はその純粋なシンプルさに感情が揺さぶられます。
 ミニマルなデザインをテキスタイルに応用すると、プリントに必要な顔料が少なくて済み、環境フットプリントが削減されます。同時に、強烈な視覚的インパクトを生み出すデザインも可能になります。

線描きの花
2_20240330183301  控えめで詩的な線描きの花柄は、科学的な図解を思わせる細密なデザインから、より様式化されたバージョンまで、さまざまなスタイルで単一のモチーフを表現しています。
 ツートンの組み合わせは、ナチュラルな色合い(ベージュ地に黒のラインなど)だけでなく、対照的なビビッドカラーの組み合わせでサイケデリックなムードを醸し出したりもします。

マルチプリケーション(MULTIPLICATION 増殖) 
 物質の核心を想起させる視覚的インスピレーションとして、生命に不可欠な増殖する細胞を想起させるパターンが浮上しています。ミクロの斑点模様は、カモフラージュや動物のモチーフを思わせ、デザインに生命を吹き込みます。

生きている世界
3_20240330183401  今季の中心テーマである「ミューテーション(突然変異)」は、自然の回復力に敬意を表しています。あらゆる場所で、あらゆる規模で、無限のサイクルで発展し、増殖する生命のグラフィカルな表現や幾何学的なパターンが組み合わさったり、重ね合わさったり。ミクロのスケールで遊び心たっぷりに、また目の錯覚を生み出すキネティック・アート風に表現されたりします。

絡み合う葉
4_20240330183501  植物をモチーフとしたデザインは、自然の美しさや生命力を表現するだけでなく、持続可能性や環境への配慮を象徴する要素としてもクローズアップされます。
 エキゾチックで豊かなヤシの葉などが交差し、絡み合います。透明感や反射する光の演出で、目を欺くイリュージョンを生み出していていたりするものも見られます。

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2024年3月 7日 (木)

25春夏PV (22) ウルトラスエード フォトクロミックが楽しい

  プルミエールヴィジョン(PV)パリでもミラノウニカでも、いつも興味深く見ているのが、東レのウルトラスエードです。かつてはエクセーヌというブランド名で親しまれていましたが、いつの間にかこの名称に統合されました。
  材料はポリエステル繊維ですが、絶え間ない技術革新で、天然皮革スエードを超える特性を持った素材として社会に広く浸透しています。
植物由来の再生資源や東レの工場から出るポリエステルフィルム屑等に産業廃棄物を粗原料の一部に使用し、ISO 14001と ISO 9001認証にREACH登録と、環境配慮にも抜かりはありません。

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  今シーズンは前回のレーザーカット・ボンディングに加えて、三井化学のフォトクロミック加工を打ち出していました。人の手の熱で色が浮き上がってくるのが楽しいです。
 手をかざすと、右のようなきれいな赤に染まります。
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 再帰反射やアルミホイル使いの形状記憶のものなど、ウルトラスエードは遊び心いっぱい。ファンを惹き付けています。

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2024年3月 6日 (水)

25春夏PV (21) エンブロイダリーやレース メンズにも

  シャツ地や、メッシュ、その他の3Dニットにも表現の可能性を広げているエンブロイダリーやレース。メンズファッションにもロマンティックなタッチを加えています。
  繊細な糸刺繍やスパンコール、ビーズ、アイレット刺繍、ときにはオールオーバーで、輝くアラベスクから幾何学模様、アニマル柄など。とくに今シーズンは海のモチーフに注目です。うねる海藻や白みを帯びたサンゴ、真珠の光沢など。

リリーレース
 京都で創立50周年を迎えるレース製造卸の老舗です。ラッシェルレースを中心に、ジャカードレースやチュールレース、エンブロイダリーレースなど、Img_41601 加工法もこれまで見たことのないような工夫を凝らしたレースを提案していて、トレンドエリアで目立つ存在になっています。
 右は、フロッキー加工のレースです。

Img_4162  右は、光沢のある海藻を思わせる特殊加工のレースです。

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2024年3月 5日 (火)

25春夏PV ⒆ プリント 新しい視覚表現へ

 プリントはますますぼやけ、捉えにくいものへ。花やグリーンのモチーフは抽象化され、水彩画を思わせたり、柔らかなグラデーションを描いていたり。新しい視覚イメージを表現するものが増えています。

北高
 毎年1,000種類以上の新デザインを発表し、短納期を実現するためにそのすべてを在庫しているという同社。Img_41531 今回はメゾン系から中堅どころのバイヤーが多くなり、ビジネスは好調といいます。
 人気は、ボカシたようなタイダイ風のプリントとか。右はナイロン生地のものです。
 また日本画に見る、松に丹頂鶴を描いたような風景柄を大きく展示していたのも印象に残りました。Img_41491

コッカ
 大阪を拠点に自社開発のテキスタイルを専門にデザインしている老舗で、Img_41431 上の北高と同様、プルミエールヴィジョンのプリント分野ではお馴染みの企業です。
 今シーズンはコットンのカットドビープリントが人気で、右は「スノーカット小紋」と名付けた柄のもの。

Img_41461  また水彩画家の伊藤尚美さんとのコラボレーションシリーズも好評で、右のような自然の面影をとらえた配色が美しい絵画的なグラフィックプリントが注目されます。

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2024年3月 4日 (月)

25春夏PV ⒅ ニット これまでの伝統を破るニット生地

 アイコニックなカットソーやジャージー、ピケ、リブが重みを変え、これまでにない編成を駆使して伝統を打ち破るニット生地が増えています。密度の高いフリースやインターロック、極細ジャージーにスラブやドライな麻タッチがクラシックな雰囲気に独自の要素をプラス。ジャカードニットは幾何学的リズムのオープンワークで心地よいファンタジーを追求しています。

エイガールズ 
 今シーズンは未来に向けたサステナビリティへの取り組みとして、スパイバーとのコラボレーションコレクションや、リサイクルナイロンや耐久Img_44331 性に優れたコーデュラ使い、PLAポリ乳酸繊維のニットシリーズなどを訴求していたのが印象的でした。
 右は、ブースで人気のダメージ加工スエット生地です。

ミナミ
Img_41731pg  天然繊維を中心に、高品質・高技術・長寿命のニットテキスタイルを生産している同社。ブースでの人気素材は、右の綿/麻のナチュラルな感覚のニットや、玉虫調の天竺とのこと。

ヤギ
 ニット生地の在庫は300点以上。1m/1色から販売するとのことです。一方で裏毛の別注も、オーガニックやエシカルをテーマに打ち出していました。Img_41811

モリシタ
Img_45171_20240327205501  ウールやコットンを中心に、サステナビリティにこだわった繊細で滑らかなタッチのジャージーを数多く提案しています。
 右は、今シ―ズン好評だったという、ラメ糸使いの上品な光沢のあるジャージーです。

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2024年3月 3日 (日)

25春夏PV ⒄ デニム 多様な提案に注目

 柔らかさを取り入れ、褪せたウォッシュデニムを中心に、ジャカードや光沢加工のものなど、多様性に富んだ提案が見られます。

クロキ
 昨年春は高級ブランド最大手のLVMHと日本初のパートナーシップを結んだことで大きな話題となった同社。熟練の技術と感性でコットンやインディゴの特性を最大限に引き出すデニムで、メイドインジャパンのクオリティーの高さと魅力がさらに世界に広がります。 
 Img_41321  ブースでは友禅染のきものを飾って、日本発信であることを強調していました。

ジャパンブルー
 デニムの聖地と言われる岡山県倉敷市児島のデニムメーカーです。プルミエールヴィジョン・パリは二回目の出展で、リピーターも多く好調といいます。

Img_41381  今回は、デニムはもちろんですが、ミリタリーのヴィンテージウェアをリプロダクションしたコレクションを打ち出して、人気を集めていたのが印象的でした。

日本綿布
 目に付いたのはジャカードデニム新作です。つくれば売れると、絶好調の様子でした。
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