テキスタイル

2018年3月27日 (火)

ダイワボウノイ機能素材展 真価引き出す「リ・ファイバー」

 ダイワボウノイがこの14日~16日、同社東京オフィスで開催した2019年向け機能素材展に行ってきました。テーマは「Re Fiber リ・ファイバー」で、サブテーマが“ファイバー機能の真価を引き出すです。これには既存の繊維に現代的付加価値をつけた素材といった意味合いがあるようです。

その一押しが同社新開発の親水性ポリプロピレン短繊維の“DURON(デューロン)”です。
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 デューロンは水分率が約
0.3%あり、従来不可能だった静電気やピリングを抑制できるメリットがあるとか。もちろんポリプロピレンの軽量、断熱、速乾機能もそのままに生かされているので、機能性を求められるインナーやアウターなど、幅広く活用できるそう。

次にコットンではCOTTON USAマークに対応した空気精紡糸“NEW SOUTH(ニュー・サウス)”や、メキシコ綿で独特のふくらみ感を表現した“BRANNERO(ブランネロ)”を展示。

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また綿100%の耐水・撥水性と透湿・通気性を両立した超高密度織物“VENTILE(ベンタイル)”も、コートやアウトドアグッズとともに大きく展示。
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 何とスニーカーにもベンタイルが使われているのですね。

樹脂の中に溶媒に溶け込んだ機能材を分子レベルで分散させる技術“Magical Assist(マジカル・アシスト)”(写真下)も体験させていただき、技術の進歩に感動しました。

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同社が大きく展開している紙糸シリーズ“KAMIの糸”では、リーズナブルな「MORI()」とハイスペックの「HINATA()」の2タイプを拝見。見ただけでは区別がつきませんでしたが----

とくに健康関連では“アレルキャッチャー”に注目です。Img_84441jpg特殊技術で人工酵素(金属フタロシアニン)を染色させた繊維で、花粉やダニの死骸といったアレル物質を吸着するといいます。
 右はアレルキャッチャーを芯に用いたカーペットです。インナーを含め様々な用途で好評の様子。

さらに天然薬草の甘草エキスを吸着した“あまくさ”や、美容クレイとして用いられているミネラル成分を付与した“ミネラル・ピュア”など。

一口に機能素材といっても、ほんとうに様々。提案の一つひとつが興味深かったことでした。

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2018年3月26日 (月)

播州織総合素材展2018 「いいね!播州織」をテーマに

 「播州織総合素材展2018」がこの7日~8日、東京・渋谷の文化ファッションインキュベーションで開催されました。
 “播州織”は、兵庫県北播磨地域にある西脇産地の織物で、先染綿織物では国内最大のシェアを維持しているといいます。なお東京開催は、昨年再スタートして、今回で2回目です。
 出展したのは24社1団体で、「いいね!播州織」をテーマに、各社得意の素材を披露しました。

Img_83921  右は新商品試作コーナーです。
 サンプルは見るだけではなく、自由に持ち帰ることができるようになっていました。来場者にありがたい、他にはないサービスですね。

 とくに注目した素材をご紹介します。
明晃商事の“二重織ドビー”。パンツ向けのナチュラルストレッチ素材です。コットン100%で伸縮性があるというのが出色です。
島田製織の“コットンラメ・ダブルクロス”。細番手の綿と極細ナイロンフィルムによる爽やかな二重織。冷たい光沢が感じられます。
コンドウファクトリーの“ボコボコストレッチ”。“ボコボコ”というよりはきれいな凹凸を表現したジャカードです。しなやかなのにハリもある使い勝手のよさそうな生地です。
橋本裕司織布の“フリフリフリンジドビー”。フリンジが先染めにマッチしています。
オザワ繊維の“玉虫シャーリング”。コットン100%で光沢のある玉虫効果を狙ったもの。まさに技ありです。
 この他多数あり、書ききれません。

Img_83901  なお丸萬では、昨年同様「POLSポルス」を訴求していました。
 これはテキスタイルデザイナーの梶原加奈子さんとのコラボレーション・ブランドで、ストールを中心に、ハンカチやネクタイなどの取り扱いが増えているとのこと。

 西脇でもポルスのようなファクトリーブランドを展開するメーカーが多くなっているようです。これも最近の傾向ですね。

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2018年3月25日 (日)

テックスワールド・パリ⑵ 進化するアヴァンテックス

 今シーズンの「テックスワールド・パリ TEXWORLD PARIS」のホットポイントは、最先端テクノロジーを集めた「アヴァンテックス AVANTEX」のエリアです。このエリアには16社が出展しました。うちフランスが11社で、米国、イタリア、英国、台湾、韓国企業が各1社。この分野ではフランス企業の強さが際立っています。
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 様々な機能加工や導電繊維使いのウエアラブル衣料のアイディア、またサスティナブルのためのテクノロジー、さらに3Dプリンター使いのファッション表現など、各社各様の素材を実演付きで紹介し、進化のほどをアピールしていました。

 中でももっとも注目されたのが、ARMINE OHANYANです。
Img_71861  ARMINE OHANYANは、2016年のパリ・ファッション・テック・ウィークで優勝したアルメニア出身の女性デザイナーです。今春夏オートクチュールコレクションで発表した作品が館内のショー会場で披露されました。

 3Dによる未来的なヴィジョンにハンドクラフトの職人技を融合させたユニークなコレクションで、100%フランス製といいます。
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 モード界に新世代クリエイターが輩出しているのを実感させられたショーでした。

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2018年3月24日 (土)

テックスワールド・パリ⑴ 好評だった1日早い開催

 パリでいつもプルミエールヴィジョン・パリとほぼ同時期に開催されているのが、メッセ・フランクフルト・フランス主催の「テックスワールド・パリ TEXWORLD PARIS」です。
 今シーズンも2月11日から14日、パリ・ル・ブルジェで行われました。例年月曜日からの開催ですが、今回は中国の春節の影響もあり、一日早い日曜日から開催されました。結果報告によると、この初日の日曜日は、来場者総数の18%が来場し、出展社側からも好評を得られたとのこと。来場者数は4日間で13,606人と安定した数字で、81%はフランス以外の各国からの来場だったといいます。内訳は、中国からの来場が6%落ちたものの、トルコが20%増。またロシアも38%増となるなど東欧諸国の来場が大幅に増加、アメリカ人も大きく持ち直したといいます。
 出展社数は19か国753社で、その内中国企業が435社を占めています。プレミアム市場をターゲットにした新しいベンチャービジネスが伸びているようです。次に多かったのがトルコで95社が出展、その次が韓国で85社が出展していました。高級感のあるニットやシルキー、エコファー、レースなど30社を集積した韓国パビリオンには、大きな関心が集まっていました。またインドからは52社が出展、定評のあるエンブロイダリーのみならずシルク分野でも伸びているのを感じます。ちなみに日本企業は今回もゼロでした。

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 上は、2019年春夏トレンド素材を集めたエリアです。
 コンセプトは「infinite(無限)」で、テーマは4つあり、「caesuraカエスーラ(小休止)―静かでシンプル」、「jointジョイント―過去をモダンにアレンジ」、「scopeスコープ―海やスポーツイメージ」、「excessエクセス―無限の組み合わせ」。
 全体に洗練された印象で、これまで以上にファッション性豊かな付加価値の高いものが目立っていました。レベルアップしたテックスワールド・パリに改めて注目です。

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2018年3月14日 (水)

遠州織物コレクション2018 「浜松注染そめ」の実演も

 静岡県繊維協会主催「遠州織物コレクション2018」が、2月22~23日、東京・渋谷で開催されました。
 出展したのは、このブログで何度も掲載している古橋織布や福田織物など、14の企業・団体です。それぞれに得意素材が発表されるなか、注目は「浜松注染そめ」の実演でした。
 浜松では大正時代から注染による「ゆかた染め」が始まったといいます。この伝統を受け継ぐ二橋染工場の職人さんたちが、その手染めの工程を披露してくれました。
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 注染そめは、日本独自の染色技法で、型染めよりも一度に多くの布地を染めることができることが特徴だそう。
 長い布地を折りたたんで型を置き、防染糊を付けてまた折りたたむ、この作業を繰り返し、布地の上から染料を注ぎます。このとき布地の上で同時に混色が行われて、独特のやわらかいグラデーションが生み出されます。
 Img_82461jpg染料が下の布地まで浸透するので、裏も表と同じに染め上がるのです。
 以前、静岡のお祭りに行ったことがあります。美しい浴衣や手ぬぐいの模様はこんな風につくられていたのですね。やさしい温もりを感じたこと、納得です。

 ブースでは、辻村染織の伝統的な藍染め織物に惹かれました。
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Img_82541  同社は何と150年前の1868年創業の老舗で、武道用の刺し子織などを手がけているといいます。
 作務衣向けに好評の様子です。

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 またエム村松のジャカード織物にも目が行きました。
 右はたて流れジャカードに光るラメ糸入りのもの。
 今を感じるデザインです。

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2018年3月13日 (火)

2019年春夏コットン素材傾向―PV 及びMUより

 一般財団法人日本綿業振興会のHP内、プレスリリース(NEWS)の3月12日付けで、柳原美紗子が寄稿した「2019年春夏コットン素材傾向 PREMIERE VISION PARIS 及び MILANO UNICAより」の記事が掲載されました。http://www.cotton.or.jp/pr2018-03-12.htmlをクリックしてご覧ください。

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2018年3月10日 (土)

PVパリ⒃ ヤコブ・シュレイファーの溢れる色と光り

 スイスのヤコブ・シュレイファー(JAKOB SCHLAEPFER)は、サンギャレンを本拠地とする最高級のエンブロイダリー/レースのメーカーです。
 PVパリで、今シーズンもまばゆい色と光りに溢れるコレクションを見せました。華麗で贅沢なのに重厚というより繊細で、伝統に頼らない最新テクノロジーを採り入れた革新的ファブリックです。まさに名人芸を極めたクリエーション、その新作の一部をご紹介します。

Img_77521  まばゆいカラースパンコール刺繍のプリントです。
 多彩な彩りは洗練された華やかさで、グッチやドリス・ヴァン・ノッテンといったトップブランドが喜びそう。

 

Img_77551  ふんわりしたキルティングに透明PVC加工。
 冷たく透けて見える光りの装飾、その美しさに感動します。
 伝統のイノベーションとは、このような生地をいうのでしょう。

 

Img_77581  オーガンジーにアルミニウムのようなメタリックな加工のもの。
 クールな光沢、パリっとした感触が近未来感覚です。

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2018年3月 9日 (金)

PVパリ⒂ プリントやレースは巧みな技が光るシーズン

 PVパリのファブリックでは、ファブリックセレクション「ファンシー」のフォーラムを設け、2019年春夏を代表するプリントやジャカード、先染め、レース、刺繍のデザインを紹介していました。
 全体にビジュアルがシンプルになる一方で、巧みな技の技術が光るシーズンになってきそうです。繊細な技を得意とする日本企業にとって、より積極的に打って出る季節と思われます。

コッカ (Kokka)
Img_77911  初日から好調な出足で、今シーズンはインディゴブルーが人気といいます。
 右はトレンドフォーラムでも選ばれたインディゴ調ストライプで、絞り染め風のプリントです。
 手染め風の美しいぼかし具合に注目です。

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 右はチュールニットです。
 ジャカードの水玉柄をあしらったもの。
 日本ならではの匠の技を感じさせます。


北高 (Hokkoh)

Img_78011jpg  顧客はメンズとレディス向けが半々くらいだそう。メンズ向けにプリントは好調といいます。
 また流れはレーヨンに来ているとのこと。
 とくにリップルのような表面感のある生地にプリントしたものがよく、和調の柄が人気とか。

栄レース (Sakae Lace)
 日本が世界に誇るリバーレースのトップメーカーです。
 リバーレースはリバー編機でつくられる繊細で優美な表情が特徴の最高級レースですが、年々技術の継承が失われ、Img_78211 今ではこの編機を保有し動かしているのは、レースの名門といわれるフランスのソフィ・アレット社と、栄レースだけといいます。
 その新作は、フィルム糸を編み込み、和風の意匠を採り入れたもので、右は扇のモチーフを入れたもの。
 ビーズやリボン使いなどゴージャスなデザインが人気といいます。

リリーレース・インターナショナル (Lily Lace International)
Img_78151  今シーズンは優しいオフ白のラッシェルレースに目が留まりました。
 フォーラムでも展示されていて、引き合いが多かったものと思います。
 前回同様、京都らしさをアピールし、和紙使いのレースやコーティングなど、様々な興味深い加工にも挑戦、順調に売上を伸ばしている様子です。

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2018年3月 8日 (木)

PVパリ⒁ ハイファンシーとシルキー クールな光りが焦点

 PVパリのファブリックのなかで、ドレス系のやわらかいテキスタイルを得意とする企業が出展する「ハイファンシー」と「シルキー」。2019年春夏に向けて、その流れはトロリとしたしなやかな風合いや、フワリと滑らかでエレガントな感覚へシフト、しかも新たな焦点としてクールな光りが浮上しています。

スタイレム (Stylem - Zen Kiwami)
 今回は二つのブランドでブースを展開していました。
Img_77881  その一つが「ゼン・キワミ(Zen Kiwami)」で、オリジナル国産生地のコレクションです。今シーズンの人気は光る素材で、箔プリントや玉虫効果のあるものなど。少し洗いをかけたようなヴィンテージ感のある、やわらかいしなやかなクオリティ、中でもキュプロのタッチが好評といいます。
Img_77781  もう一つは、「レティンテ (Le Tinte)」で、イタリア・プラート産地でつくられるコレクションです。リネンを中心にファンシーツィードが復活し、柄ではストライプが継続する一方、シンプルをひねり、遊び心を加えたものが多くなり、チェックもマドラスなど、やや大柄なものが出ている様子です。
 いずれのブランドも強調していたのがエコ・フレンドリーで、エコ素材への要望が強まっていることを印象付けられました。

サンコロナ小田 (Suncorona Oda)
 今期で5回目の出展となり、前回比3割増という過去最高の来場数となったそうです。ブースは連日にぎわっていました。
Img_78821  これにはやはりトレンドが、薄く透けるオーガンジーに来ていることがあるようです。今シーズンも同社独自開発の「シルストロン」による7デニールのオーガンジーの新作を多数披露。虹色の光りを放つふんわりとしたものから、ビニールのような加工でストレッチするもの、ミラーのようなクールな光り、またシボ加工で独特のシワ感を出したものなど。
 PVパリのトレンドエリアでも多数とり上げられ、目を惹いていました。

坪由織物 (Tsuboyoshi Orimono)
 メタリックのシルクやシルク/ポリエステルが好評です。
 とImg_78271jpgくに水面を反射するクールな光り方を演出したものが人気といいます。
 透ける光沢はトンボやセミの羽根を思わせます。
 その煌めく美しさに誰もが魅了されるのではないでしょうか。

タキヒョー (Takihyo)
Img_77751  人気素材を伺うと、強いのは無地といいます。
 ビスコースがらみの軽いフリュイドなクオリティで、例えば玉虫効果のシャンブレー調のものが好評だそう。

 

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2018年3月 7日 (水)

PVパリ⒀ シャツ&ブラウス地はレディスにもメンズにも

 PVパリのファブリックでは、春夏という季節性もあって、軽く薄い、ときに半透明なシャツ&ブラウス地が、レディスにもメンズにも豊富に提案されています。
 しなやかでなめらかなコットンやシルク、それらのブレンド、また洗練されたリネンや繊細なスラブ・ネップ入りのナチュラルな味わいのもの、さらにヴィンテージ調のシャンブレーも。
 柄で目立つのはグラフィカルなストライプです。微細なドビー織を組み合わせたミニチェックや光沢を採り入れたものも目に付きます。
 
宇仁繊維 (Uni Textile)
Unitextile1  小紋工房が生み出すこだわりの服地、中でも伝統にひねりを加えた、デザイン性の高い先染めに目が行きます。
 ストライプも幅を少し広くして、一味違う感覚に。

Img_78071  アーガイル柄のカットジャカードです。P/C混。
 
 この他、透けるチュールやオパール加工など、旬な服地が人気とか。

桑村繊維 (Kuwamura)
Img_80891  ストライプやチェックなどの先染めが、どれということなく、全般に好調だそう。
 とくに右のようなセルビッチ系シャツ地への関心が高いといいます。

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