テキスタイル

2019年3月17日 (日)

PVパリ(21) 持続可能で独創的な日本のニット生地

 高度な技術と独創性を誇る日本のニット、持続可能な素材提案も欠かせないと、対応に力を入れています。

エイガールズ
 「バック・トゥ・ネイチャー」をテーマに、サステナビリティを打ち出していたのが印象的です。

Img_05431 新素材としてとくにキュプラをマークし、糸から開発したといいます。

Img_05471  右は、表ベンベルグ、裏コットンのリップルストレッチニット。
 キュプロのコンパクトな編地をスエードのような感触に仕上げたものも。

Img_05511  またラメが好評とのこと。とくにシルバーが微妙なニュアンスで光る裏毛や、見る角度によりオーロラのように光るラメも人気といいます。

カネマサ莫大
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ニットで布帛のような生地が好評とのこと。
 一見紙もしくは不織布のようにも見えましたが---、ところが綿100%の丸編みジャージーでした。
 心地よいエコフレンドリーな素材です。


宮田毛織工業

Img_05661  人気素材は落ち感があってドレープ性に富むエレガントなニットといいます。
 トリアセ/ポリエステルが主体。

Img_05651  奥のコーナーには、新内外綿のコットン/テンセルによるボタニカルダイ製品が展示されていました。エコを求めるバイヤーへの提案として人気のようです。

東光商事
 白いTシャツをずらりとウインドーに並べたところ、これが好評だったそう。
Img_04981  生地はハリ感を持たせたスムースで、布帛のような仕上がりのもの。落ち綿使いのリサイクルコットン使いといいます。

Img_04961jpg  今シーズン、大人気となっているキリンのモチーフのプリントにも注目です。コシノヒロコ・テキスタイルラボによるデザインだそう。

ミナミ
 全体に色味のきれいなスエット地が人気といいます。
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Img_05361  サッカー風の裏パイルも好調。
 テリークロスも。
 だらだらと落ち感があってドレープする質感への関心も高いとのこと。

森下メリヤス工場
 ピックアップが多かったのは表面加工されたもの、ふくれ加工や楊柳調のもの。
 またオーガニックコットンやリサイクルコットンも多くの引き合いがあったといいます。
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2019年3月16日 (土)

PVパリ⒇ プリントは爽やかさとともに赤が目立つ展開

 今季、プリントセクションに出展した日本企業の人気素材を見ると、爽やかな白地のグラフィックに加えて、赤い地色やモチーフのものが、いつになく目立っていました。
 今シーズンは赤がトレンドのキーカラーとなっていますので、プリントにもその影響が表れているようです。

北高
Img_03281  綿/レーヨンの爽やかなジオメトリーが好評といいます。
 また大胆な和柄への関心も高いそう。
 モチーフは虎や雄鶏のモチーフなどいろいろある中で、とくに赤地に白い鶴のモチーフが受けているといいます。
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コッカ
Img_03351  全体にシンプルな水玉やチェック柄で、輪郭をぼかした感じのものに動きがあるようです。
 白地にやさしい色使いですが、甘さを抑えたすっきりとした感覚です。
 意外にもスイカのモチーフが、フォーラムにピックアップされて、人気を集めていたのが印象的でした。
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2019年3月15日 (金)

PVパリ⒆ 色・柄にインパクトのある装飾的素材

 PVパリでは今シーズン、色・柄にインパクトのある装飾的素材がトレンドの一つとなっています。日本の出展企業の中にも、これに倣うかのようにファンタジーあふれる生地でバイヤーを魅了しているメーカーがいくつか散見されました。

宇仁繊維
 光を感じる蛍光色が人気といいます。
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Img_05161  チュールレースやラッセルレース、それらにPVCコーティング、あるいはボンディングなどのテクニカルな生地がブースを華やかに彩っていました。


サンコロナ小田
 パリッとしたオーガンジーに円形ラバープリントの生地やサッカー風にシュリンクさせたソフトな花柄プリントが好評といいます。
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栄レース

 プリントで大柄が人気のように、レースの柄もリピートが大きくなっているそう。
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 ラメはどちらかというと控えめに入れたものが好評だそう。また絞り染やグラデーション調の色合いのもの、リバーレースにコード刺繍を取り入れたものも動きがよいといいます。

リリーレース
 今シーズンは和紙のレースが好調。
 和紙にコーティングやメッシュに透明なホイルコーティングのものも。
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2019年3月14日 (木)

PVパリ⒅ さわやかな先染めもサステナブルが合言葉

 さらっと爽やかな明るい先染めが広がっています。繊細な透け感やサッカー調など表情のあるものが多く、どれも洗練されたエレガント感にあふれています。素材はサステナブルが合言葉。天然繊維のコットンやリネンから、キュプラ、テンセル、またペーパー、バイオ合繊など、土に還る循環型素材使いのものが目に付きます。

桑村繊維
 ガラス張りのブースが新鮮です。
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Img_04611  綿/リネン、綿/ポリエステルなど混紡が良好で、軽量で、サッカーのように表面感のあるものが人気とのこと。


スタイレム(Blackコレクション)
  イタリアの著名テキスタイルディレクター、マウロ・クレリチ氏が手がける日本製テキスタイルコレクションです。
 今シーズンは麻や綿、キュプラ使いのしっかりとしたコンパクトな質感のものや、透け感を組み合わせて立体的に見せたもの、カットジャカードなど。光沢はラメよりも樹脂系のコーティングやチンツ加工へ。また経糸プリントのほぐし織の提案も見られました。
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スタイレム(ZEN kiwamiコレクション)

 日本の各産地の特徴をいかしたテキスタイルコレクションです。細かいメッシュ調のファンシーな先染めに目が留まりました。Img_05571  Img_05531jpg


タキヒョー

Img_06201  サステナビリティを意識し、独自のタグを考案するなど、エコに力が入っています。
 コットンやリサイクルポリエステル、またペーパー使いなどが目立っていました。

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2019年3月13日 (水)

PVパリ⒄ 合繊はサステナビリティにシフト

 今や環境への配慮は、ファッションテキスタイルに必須とあって、PVパリに出展している大手合繊メーカーは、サステナビリティへシフトした取り組みを加速させています。

 小松マテーレは透湿防水素材「サイトス(SAITOS®)」のシリーズで、環境配慮型の「サイトス・ジーエフ(SAITOS®-GF)」と「サイトス・ジーアール(SAITOS®-GR)」の2つの素材を発表していました。ところで「小松マテーレ」は、元「小松精練」で、昨年10月に社名変更したといいます。イメージ刷新と様座なモノづくりメーカーであることを強調する狙いがあったようです。

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 ともに植物由来を原料とするポリウレタン樹脂が採用されていて、サイトス・ジーエフは従来品に比ベ約5倍の透湿性を実現し、サイトス・ジーアールは、内側にストレッチ性を60%向上させた透湿防水フィルムを取り付け、身体の動き合わせて伸縮する素材に仕上げたといいます。
Img_04711  デニムはポリエステル100%のインディゴ染めで、中白を実現、洗いをかけて白っとさせることもできるなど、本物のコットンデニムそっくり!でした。
 他にも麻そっくりのガーゼ「アサコ(ASAKO)」、ウールのような「カールカール(Karl Karl-KS®)」など、同社の技術力にはいつも驚かされます。

 

東レは「センビズム(SENBISM)」の統一ブランド名で、海外向けに日本発の高付加価値ファッションテキスタイルを発信しています。
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Img_04751  今シーズンのテーマは「アドバンスト・エコ(ADVANCED ECO)」で、バイオ合繊やリサイクル合繊を打ち出していました。
 右は、見た目ナチュラル感あふれる生地ですが、ポリエステル100%でサトウキビ由来の素材です。

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2019年3月12日 (火)

PVパリ⒃ ドレスアップした高級感のあるデニム

 デニムを扱うメーカーが増えています。デニムの生地自体に魅力があるということでしょう。とくにデニム専業ではない、テーラードなウール地メーカーが乗り出していて、ドレスアップした高級感のあるデニムを展開しているのが注目されます。

ニッケ
 このブログ2018.10.13付けでご紹介したように、今回もウールデニムを前面にプッシュしていました。中白ではないのですが、ロープ染色のコットンデニムに似たヴィンテージ感覚のある白みを表現しているデニムです。
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 素材はニュージーランド・メリノが中心。とくにトレーサビリティ可能な原産地認証システム「Zque(ジーキュー)」認証のものを増やしていくそうです。

チクマ
 今シーズンの人気は二つあり、その内の一つがウールデニムです。
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 高級感のあるウールとはいえ、上記ニッケのものよりカジュアルで、ナチュラル感が強いのが特徴。綿混のものも扱われています。
 もう一つはペットボトルからの再生繊維、リサイクル・ポリエステルだそう。

柴屋
 いつ行っても混んでいるブースで、人気のほどがわかります。
Img_04451jpg  全般に好調で、とくに引き合いが多かったものの一つがデニムのラメシリーズだそう。シルバーラメ入りのジャカードデニムで、チラチラと輝く光が神秘的な奥行きを感じさせる、高級感のあるデニムです。

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2019年3月11日 (月)

PVパリ⒂ アッパージーンズウェア エコとセルビッジ焦点

  PVパリの「アッパージーンズウェア」エリアには、日本のメーカー3社、クラボウ、クロキ、日本綿布が出展していました。海外進出には積極的で、昨年12月にロンドンで初めて開催されたデニム・プルミエールヴィジョン(デニムPV)にも参加し、大盛況だったそう。今年5月28日・29日、ミラノで初開催されるデニムPVにも参加するとのこと。
 ブースでは、サステナブルなデニムを求めるバイヤーが多く、またセルビッジ・デニムにも焦点が当てられているといいます。

クラボウ
 前回同様の展開で「プライムブルー」がメインテーマ。昨年の9月展でも提案していた「リターン・コットン」(このブログの2018.10.12付け参照)が目に付きました。Img_04491jpg これは落ち綿を再資源化したリサイクルデニムです。
 また綿100%なのに色落ち・色移りしにくい進化系デニム「AQUATIC(アクアティック)」やヴィンテージ調のセルビッジ・デニムが引き続き好調といいます。
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日本綿布
 先般開催のミラノウニカ2月展に初出展し、手応えがあったといいます。今回も好感触を得ているとか。セルビッジを始めジャカードデニムも好評で、全体に流れに乗っている様子でした。
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クロキ
 とくにサステナブルなデニムへの要望が強いこともあって、オーガニックコットンのセルビッジの品番をプッシュされていたのが、印象的です。
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2019年3月10日 (日)

PVパリ⒁ PVファブリックに日本から2社が初出展

 今シーズンのPVパリに出展した日本企業は55社、その内初出展は、PVファブリックの2社とPVレザーの1社でした。ちなみに前回9月展では新規はゼロでした。今回は少し意気が上がってきているように思えます。
 ここではPVファブリックに初めて参加した蝶理と紀南莫大小工場をご紹介しましょう。

蝶理
 グローバル展開を加速している繊維商社が、いよいよPVパリにやってきました。初参加ながら商談件数は100社以上あったと、まずまずの手応えを感じている様子でした。
Img_08581  とくに人気があったのは、エコな合繊とストレッチのものだそう。
 前者は、再生ポリエステル繊維の「エコブルー ECO BLUE」で、これはペットボトルのみならずポリエステル100%の繊維製品全般をリサイクルし、繊維として何度でも再生可能にする、完全循環型リサイクルシステムをうたうもの。
 後者のストレッチは、ポリウレタンを使用しない高品質なストレッチ素材「テックスブリッド」です。
 いずれも蝶理が独自に開発した素材で、海外での本格展開が期待されます。

紀南莫大小工場
Img_05391  綿ジャージーの代表的産地である和歌山が拠点の老舗ニットメーカーです。
 初めての出展で、期待が大き過ぎたのか、最終日、ちょっと浮かぬお顔をされていました。
 人気はインディゴ風の表起毛の裏毛で、裏が詰まった感じのするものとか。
 エーゲ海コットンやスーピマなどこだわりの原料で、今後さらにサステナブルに力を入れていくといいます。

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2019年3月 8日 (金)

PVパリ⑿メゾン・デクセプション➁ ヴィラ九条山体験語る

  「ヴィラ九条山」は、アンスティチュ・フランセ日本が運営するフランスの国外アーティスト・イン・レジデンス、つまりフランスのアーティストを日本に招聘し、滞在しながら創作活動を行わせる京都の邸宅であるそう。フランス人アーティストにとっては憧れの施設といいます。私も今期PVパリで初めて、京都市内にこのような場所があることを知った次第です。

 今回の「メゾン・デクセプション」では、初の「ヴィラ九条山」展開催とともに、同じホールのコンフェランス・スペースにて、この企画展に参加した6人のアーティストによる「日本でのレジデント体験を振り返る」と題したパネルディスカッションが行われました。
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 司会役はシャルロット・フーシェ=イシイ ヴィラ九条山館長とコンサルタントの大江ゴティニ純子さん、そしてパネリストの一人が私もよく存じ上げているテキスタイルデザイナーの梶原加奈子さんでした。
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 ヴィラ九条山は1992年に設立され、2014年に改装されたそうです。そのとき以来日本人もフランス人とのデュオに限って受け入れられるようになり、ファッション・テキスタイル分野にも門戸が開かれたといいます。梶原さんは昨年、同じテキスタイルデザイナーのポーリーヌ・アバスカルさんと組んで参加されたのですね。
 ポーリーヌさんと一緒に工場を回って、彼女が何に関心を示すのか、梶原さんにはそれがとくに刺激的に感じられたそうです。日本人では気づかないヒントがたくさんあったようです。たとえば仕上がるまでの途中の段階の柄に惹かれたり、日本の間引くという美意識に感心したり、また色に立体的な奥行きを持たせる濃淡の技法に目を見張ったり---。そのときのエピソードを交えて、楽しそうに語られました。
 他のパネリストたちも日本の職人さんたちと接して学んだことなど、日本での思い出を振り返りながら、それぞれクリエーションをプレゼンテーション。
 フランスと日本の芸術や文化交流がこんな風にして進んでいたことに、改めて感動したことでした。

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2019年3月 7日 (木)

PVパリ⑾ メゾン・デクセプション① 出展した日本の匠

  プルミエールヴィジョン(PV)パリの2月展は、希少なノーハウに的を絞った「メゾン・デクセプション Maison d'exceptions」が開設される会期です。今年も昨年同様、皮革見本市のPVレザー会場内で8回目となるこの特別展示が行われました。出展したのは25のアトリエで、テキスタイルやレザー、アクセサリーに関する並外れた技術を紹介しています。今回はフランスの羽根細工や手織り、カンボジアのシルク、インドの手刺繍、アラブ首長国連邦の手づくり織物の6つの工房が初めて招待出展され、活気を見せていました。

 日本からも既におなじみの顔となった匠の技を誇る6社が参加していました。

セミアリッチ 瀬美庵織 CEMIA-RICH CEVIANORI
 今回で3回目の出展で、ブランドを手掛けるのは淺田佑治さんです。淺田さんの祖父が確立した京都・綾部の黒谷和紙を緯糸に織り込んだ手織りの織物を、工房の名称に因んで“瀬美庵織”と名付けて、現代風にアレンジ、世界に打って出ているといいます。

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 上が経糸が綿、緯糸が和紙の瀬美庵織。和紙がかもし出す“侘び寂び”の美に惹き込まれます。有力ブラントからも声が掛かっているとのこと。

京組紐オーミヤ KYOKUMIHIMO BY OMIYA
 京都で三軸組織という希少な着物地を織っている近江屋が、今回は“京組紐オーミヤ”と名前を変えて出展していました。

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 “三軸 SANJIKU”は、元来、京組紐から生まれた生地であるそう。そこでアイテムを組紐に絞り、幅や太さ、色など様々なタイプのものを提案。装飾やアクセサリーへの展開が楽しみです。

遊絲舎 YUSHISHA 
 初回から欠かさずに出展している藤布の工房です。ブースでは今回も代表の小石原将男さんが、藤蔓の糸を績む実演をされていました。
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 メゾン・エ・オブジェにも出ているとのことで、クッション地などインテリア雑貨にも少しずつ広がっている様子です。

武藤 MUTO
 「触ればわかる」のキャッチフレーズ通り、ここのストールは感触のすばらしさで定評があります。とくにラミー麻のふんわりとしたやわらかな風合いは驚きでした。
Img_03381 綿や麻、絹、カシミアなど天然繊維の中でも最上の品質を用いた極細番手糸を、シャトル織機でゆっくりと織り上げ、染めも藍やボタニカルダイなど自然のものが使われています。型染め絞りや有松絞りなど、古来よりの伝統なのにそれとは感じさせない現代性があるのもすばらしいと思いました。

天池合繊 AMAIKE TEXTILE INDUSTRY
 超極細ポリエステル織物「天女の羽衣Super Organza」で、現代のスーパーメカニカル工房として今回も出展。
Img_03551jpg 前回も見られた表ナイロン、裏シルクの二重織で、二重の間に輝く玉虫のラメ糸などを入れたオーガンジーなど、バリエーションが拡がり、引き続きバイヤーに大人気の様子でした。


スクモレザー SUKUMO LEATHER

 このエリアへの出展は3度目です。世界でも稀有なレザーの本藍染めの提案が、様々なメディアに取り上げられ、有名ブランドのバッグからのオファーも相次いでいるようです。
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