テキスタイル

2018年10月24日 (水)

来秋冬イタリアヤーン 「ハイブリダイゼーション」テーマに

  2019/20秋冬イタリアンヤーン展示商談会、「ワークショップ・フィラーティ東京」が、この3~4日、東京・文化服装学院にて開催されました。これは毎年2回イタリアのフィレンツェで催されている国際展示会「ピッティ・イマジン・フィラーティ」の東京版です。今回もイタリアの諸々の地域から24のヤーンメーカーが参加しました。
Img_71151
 目玉はイタリアンテキスタイルのエクスパート、エレメンティ・モーダのオルネッラ・ビニャーミさんによる2019/20秋冬トレンドのゾーン展示です。
 ビニャーミさんによると、メインテーマは「ハイブリダイゼーション hybridization」、つまり「混淆、異種交配、掛け合わせ」です。多種多様なもの同士が入り混じり、組み合わさってものがつくられることで、新しい世界が拓かれ、従来のような境界がなくなるシーズンといいます。
 この中で提案された4つのサブテーマは次のようです。

◇センソリアル (sensorial 感覚的)
  複雑で刺激に満ちた世界で、レーダーとなるのは感覚。視覚や触覚など、その微妙な感覚に軸足をおいたテーマ。
Img_71091
◇コンタミネーション (contamination 不純) 
 自然と都市環境が相互に影響し合う。自然のパワーやエネルギーをいただいて人生をよりよく生きる考え方。
Img_71101jpg
◇オーガニック・トランジション (organic transition 有機的移行)
 自然そのものから自然を超えるハイパーナチュラルへの変容。
Img_71081_2
◇アウト・オブ・コンフォーミティ (out of conformity 不適合)
 過去をリノベーション。時代や文化をオープンにミックス、キッチュにならないように現代風に。
Img_71111jpg

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月22日 (月)

「桐生テキスタイルコレクション2019 A/W」

 2019年秋冬に向けて、桐生産地の有力企業による「桐生テキスタイルコレクション2019 A/W」が、この4~5日、東京港区のテピアで開催されました。出展したのは11社で、各社得意の新素材が揃い、会場は華やいだ様子でした。とくに目立っていたのは装飾的なカットジャカードで、色や柄の織り組織から糸使い、長短の毛足などを繊細に工夫したものが多くなっています。以前にも増して、洗練された印象を受けました。

◇津久弘織物工場
 美しい変化に富んだカットジャカードに、いつも魅せられています。
Img_71221 Img_71201















◇小林当織物

Img_71261jpg  昨年、工場見学で訪れた企業です。その時見た最新鋭の電子ジャカード機で織られたものでしょう。
 エレガントなカットジャカードがたくさん並んでいました。右は綿複合です。

◇ミタショー
Img_71361  ウールを中心に様々な素材使いで、ジャカード生地を提案しています。
 伝統の千鳥格子も多きめの柄にして、少し野趣のある雰囲気に仕上げています。

◇須裁
 この展示会への出展は初参加とか。明治39年創業の老舗です。
 「デコラージュ(Decollage)」というフランス語で「離陸」の意味を持つ言葉をブランド名に、興味深いジャカード織物を提案しています。
Img_71421  
 上の格子柄も単に色違いというだけではなく、糸の切り方などが微妙に異なっています。

◇Tex. Box
 今シーズンもニードルパンチによる楽しさ満開の生地を紹介。
Img_71311
 タータンにひねりを加えたものや、また刺繍のように見えるものなど。刺繍糸のような太い糸は、実は廃棄された糸だそうです。
Img_71291jpg Img_71281

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月21日 (日)

丹後織物総合展「タンゴ ファブリック マルシェ」

 この3~4日、丹後織物総合展「タンゴ ファブリック マルシェ」が東京都渋谷区のヒルサイドテラスアネックスA棟で開かれました。
 京都府の京丹後市と与謝野町は、着物の代表的生地「丹後ちりめん」の産地です。2020年は創業300年を迎えるとのことで、なかなか盛会な様子でした。出展したのは13社で、洋装と和装の両方の素材が並び、バラエティー豊かな構成になっています。

 伝統の技法に現代の織技術・デザインを融合させた生地には、思わず「おやっ」と思う、特別な生地がありました。

 丹後町の民谷螺鈿は自然素材にこだわっています。Img_70741唯一無二の貝殻を織り込んだ「螺鈿織」の他に、皮革を織り込む「レザー・テキスタイル」、また右の写真のような木を織り込んだ「ウッド・テキスタイル」を開発されていて、興味深かったです。これらの生地でつくった財布などの小物も提案されています。

Img_70891  与謝野町の山政テキスタイルは合繊服地メーカーで、虹のような光沢のパールちりめんが際立っていました。
 これは蜘蛛の巣箔加工というものだそうです。

Img_70841jpg 上は、初参加した丸仙の「ちりめん美人」ブランドのもの。「丹後ちりめんをもっと身近に」をテーマに、ボディタオルなど絹の特性を活かした生活雑貨製品を紹介していたのも印象的です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月18日 (木)

2019/20年秋冬コットン素材傾向―PV 及びMUより

 一般財団法人日本綿業振興会のHP内、「Newsプレスリリース)の10月15日付けで、柳原美紗子が寄稿した「2019/20年秋冬コットン素材傾向 PREMIERE VISION PARIS 及び MILANO UNICAより」の記事が掲載されました。http://www.cotton.or.jp/pressrelease.htmlをクリックしてご覧ください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月16日 (火)

PVパリ⒇ デザイン力の高さを示す日本の品質

 2019/20秋冬は全般に洗練されたエレガントな趣の中に、思いがけない装飾効果が求められるシーズンです。
 トレンドフォーラムでも、目が向けられたのはファンシーな表面変化や仕上げ加工のもので、日本の高いデザイン力を見せる素材が数多く見られました。

 サンコロナ小田は、同社のシンボルでもあるエアリーなオーガンジーをベースに、中肉ストレッチを強化していたのが印象的です。Img_64331
 とくに注目は右のモルフォデニムです。
 スパッタリング手法による薄膜の玉虫シャンブレーが、幻想的なイマジネーションを呼び起こす美しい素材です。


Img_62691jpg  宇仁繊維
の小紋工房では、右の木の葉柄のカットジャカードが一番人気といいます。
 植物の葉という自然を連想させるモチーフと、イエローカラーに注目が集まる、シーズントレンドを上手に反映した生地です。 

Img_62951  桑村繊維は先染めシャツ地が好調の様子です。とくにシャーリングによる不規則な凹凸の表面感に、モールヤーンを格子状に打ち込んだ織物が好評とのこと。
 柄は大柄化しているといいます。

Img_61301jpg プリント生地の北高では、伊藤若冲の絵柄から取った柄が人気で、右の雄鶏の柄はフォーラムでも大きく掲げられていました。
 今年はパリで「ジャポニスム2018」のイベントがくり広げられています。この影響もあるのでしょう。日本的なイメージは例年になく受け入れられているようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月15日 (月)

PVパリ⒆ アスレジャーを推進する日本のニット

 今期PVパリが推進したのがエコ素材と、もう一つがスポーツです。スポーツ&テックエリアを新設するなど、スポーツを業界の戦略的発展の軸と位置付けていました。
 多くのメーカーがスポーツウエア向け素材や機能性素材にスポットを当てるなか、日本のカットソーのニットメーカーでは、アスレジャーを推進する動きが広がっているようです。アスレジャーとは、「運動競技(Athletic)」と「余暇(Leisure)」を組み合わせた造語で、スポーツウエアを普段着として着用するスタイルを指しています。 

 エイガールズでは、テーマを「アクティブ・ラグジュアリー」とし、スポーツのムードを採り入れたニットを提案していました。
Img_62321  
Img_62301  ウールの段ボールニットや裏毛、右のようなスエード調のブークレ・ブラッシュト・ジャージー(綿/ナイロン)など。
 今シーズンは「オーガニック」コーナーを設け、サステナブルもアピールしていました。

Img_64101jpg  宮田毛織では、キルティングのベストを仕立てて展示、新開発のキルティングニットを訴求していました。
 右はコットンにポリエステルやポリウレタン複合のもの。
 ダウンに代わる軽くて温かい素材です。

Img_64191  ミナミはパーカ向けなど裏毛が得意。今シーズンも独自のオリジナルを提案しています。
 とくにゴツゴツした感じに見えて実はしなやかなパイルや、ポリウレタンコーティングでレザー調に仕上げたしっかりしたタッチのジャージーが好評といいます。

Img_64141  カネマサでは、布帛風のきっちりとしたジャージーが人気といいます。
 たとえば右のようなハイゲージのニットです。千鳥格子などとのダブルフェイスのジャカードニットで、右は綿100%のものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月14日 (日)

PVパリ⒅ エコ素材を発信する日本企業が増加

 今期PVパリは、“責任あるクリエ―ション”を掲げる「スマート・スクエア」が、エリア面積を倍増する1,000㎡規模で開設されるなど、サステナビリティの重みが急速に増すシーズンとなりました。もとよりエコなコットンも、より環境負荷の少ない生産体制へ動きを強めています。
 こうした中、エコ素材を発信する日本企業が増加しています。

 タキヒョーでは、循環社会を意識した取り組みを訴求し、とくにコットンで合繊のスポーツ機能を採り入れた合繊風コットンをアウトドア向けにアピールしていたのが印象的でした。綿100の薄地オイルコーティングやかすりのように見えるものなど、綿高率混で展開しています。
Img_62821_2 Img_62841jpg


 またリサイクルポリエステルやリサイクルナイロンも、天然風に見えるものを追求しているといいます。
 さらに同社独自の英国式紡績糸によるシェットランドウール素材も軽さと肌触りの良さで人気だそう。この他ヤク/オーガニックコットンのブランケットなども揃えて、天然素材に力を入れている様子が伺えました。 

 シバヤも自然素材にこだわるメーカーです。
 今シーズンはテキスチャードな特殊加工が一押しでした。たとえばコットンのペーパーライク加工Img_63891やウールのラフな凹凸加工の「バンピー・フィニッシュ(Bumpy finish)」など。
 またフェイクファーやパイルでは、右のようなリサイクルウール使いで、海のマイクロファイバー汚染を防ぐ提案を見せています。

 瀧定名古屋のJAファブリックでは、自然環境への配慮をブース全体で打ち出していました。カラーは暖色系に統一、什器はすべて木製で、北欧調の演出です。主軸のウールはRWS(レスポンシブル・ウール・スタンダード)認証のものだそうです。ポリエステルもリサイクルを増やし、エコを訴求していました。
Img_63181  
Img_63111  チクマも、リサイクル合繊やキュプラ、クリーニング不要のウォッシャブルなウールなどを提案、エコに的を絞った展開を見せていました。
 右はウール/ポリエステル混です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月13日 (土)

PVパリ⒄ ニッケ デニムを大々的に打ち出す

 ニッケ(NIKKE 正式名称は日本毛織)といえば日本が誇る毛織物製造のトップメーカーです。PVパリが日本に門戸を開いて以来、毎シーズン出展し、PVアワードにも入賞しています。 
Img_63021  今回、その社名のサインボードにデニム生地が貼り付けられていて、ちょっとびっくり!
それもセルビッチデニムです。

 同社は今季、来秋冬シーズン向けにデニムを大々的に打ち出していたのです。もちろん最高級の梳毛デニムです。日本でも展開しているニュージーランド産の希少なエキストラスーパーファイン「マフ」ウールデニムと思われます。ストレッチ性を持たせたものも多く、綿混もほんの一部でしたが見られました。
Img_63051  
 インディゴ調のカラーリングで表現したデニムの質感には、滑らかなものからツィーディなタッチのものまで様々。いずれもウールならではの柔軟性や弾力性があって洗練された高級感があります。
 デニムはもうカジュアルだけにとどまらない、テーラードなスーツやドレス、パンツ地にも広く受け入れられる素材になっていることを、改めて印象付けられました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月12日 (金)

PVパリ⒃ クラボウデニム「リターン・コットン」訴求

 サステナビリティ(持続可能性)への関心が強まるなか、PVパリのジーンズエリア「アッパー・ジーンズウェア」に出展した企業も、エコを前面に打ち出していました。
 その一つがクラボウデニムです。
Img_63711 
 今シーズンは同社デニムのプレミアムライン「プライムブルー」をメインテーマに、「リターン・コットン」の名称で、“責任あるクリエ―ション”を訴求していました。
Img_59941  これは紡績工程で発生した未使用繊維を利用したリサイクルデニムです。
 紡績の際、どうしても発生してしまう落ち綿を、日本では「もったいない」精神もあって昔から再資源化してきました。とはいえ品質の方は今一だったのですね。
 それをクラボウでは、遜色ないデニムとして生まれ変わらせていました。
 今や、リサイクルされた素材であることが付加価値を生む時代。クラボウのような大手メーカーが乗り出したことで、この動きますます広がりそうです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月11日 (木)

PVパリ⒂ デニムに勢い 日本製デニムに熱い視線

 デニムが秋冬も勢いづいています。日常に使いやすい居心地のよいデニムを中心に、80年代風のビンテージ感覚な本ものデニムや、きちんとした感覚のすっきりとしたダークなデニムなど様々。

  PVパリのジーンズエリア「アッパー・ジーンズウェア」に出展した日本企業は今シーズンも、他にはない差別化されたデニムを提案。バイヤーの熱い視線を浴びていました。

◇ショーワ

 中でも人気を一身に集めていたのがショーワです。

Img_59861_3  バリエーションに富んだ展開で、とくに工夫をこらしたオリジナルデニムに関心が寄せられていました。

Img_59831jpg_2  右はパンチング加工のメランジデニムです。
 温かそうなボコボコしたケバと、カラフルなカラーミックスが楽しい、綿100%のデニムです。
 PVトレンドフォーラムでもひときわ目を引いていました。
 ブースでもこのシリーズは好評だそう。

Img_59901jpg_2  また加工でもう一つ、マークされていたのが、プリーツデニムです。
 右はプリーツにブリーチングした、ポリエステル混デニムで、今後はこの分野にもより力を入れていきたいといいます。

◇日本綿布
Img_63681_2  
Img_63671jpg_2  ベーシック調に加えて、同社が誇るジャカードデニムの新作が目に付きました。
 バイヤーの入りも上々といいます。

◇クロキ
 来場者が少ないと言いながらも、固定客はがっちりつかんでいる様子です。
Img_63741_2 前面にデニムのトップスを並べるなど、品揃えの一層の充実を図っていました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧