テキスタイル

2019年5月18日 (土)

2020春夏尾州マテリアルエキシビション⑵ 優秀作品展

 2020春夏尾州マテリアルエキシビションでは、「ジャパン・テキスタイル・コンテスト2018 優秀作品展」も併催されました。

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 これは昨年実施されたコンテストで「JFW-JC」でも展示されたといいます。今回はそれをじっくりと拝見することができました。
 審査総評によると、全体にサステナブルへの意識が高まり、イージーケアなどの機能性や軽量化へのアプローチ、日常生活での利便性へ向けての開発に関心が集まったといいます。
 いずれ劣らぬ作品が並ぶ中、ここではグランプリと新人賞をご紹介します。いずれも播州・西脇産地でつくられたコットン素材を使用した作品でした。

 まずグランプリです。
 受賞したのはコットンの「ニュー・ギャバジン」でした。西脇産地の東播染工所属のデザイナー、小野 圭那さんが憧れのギャバジンコートを思い描いて創作したといいます。

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 密度の詰まったギャバジンは一見シンプルな無地のようですが、よく見ると角度によりチェック柄が見え隠れし立体的な奥行きを感じさせます。 これはジャカードではなく、ドビー機で織り出したものだそう。ギャバジンというベーシックな織組織を捻って、変化する意匠をさりげなく採り入れたデザインが高評価されたようです。
Img_16541jpg  仕上げには塩縮加工を施して、自然なシワ感が演出されています。
 少し硬めのタッチにもこだわったといいます。 
 洗練された上質な風合いとラフなビンテージ感を程よいバランスで表現した、文字通りの新感覚「ニュー・ギャバジン」。コートのみならず様々なアイテムに展開が期待されます。

  なお、右のトレンチコートを制作したのはコ・ハクション(ko-haction)を手掛けるデザイナー、小池俊介さん。

 
 次の新人賞も、西脇産地のメーカー、島田製織のデザイナー、白本 恵美さんが受賞。
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 Img_16571jpg 「夜と波」と題した、伝統的な“よろけ織”をエレガントに表現した作品です。
 素材は細番手コットンとキュプラの組み合わせで、落ち感と見る角度により異なるサテンの光沢がポイント。
 “よろけ織”という播州ならでは波状の視覚効果と動きのある光沢感、軽い滑らかな感触が高級感を増幅しているようです。

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2019年5月17日 (金)

2020春夏尾州マテリアルエキシビション⑴ 天然複合が人気

 一宮地場産業ファッションデザインセンター(FDC)主催の「2020年春夏尾州マテリアルエキシビション」が、4月16~18日、東京・北青山で開催されました。第18回目となる今回は、尾州産地のテキスタイルメーカー16社が参加し、1,290点の新作生地を展示。
 来場者はこのところのアパレル不振の影響もあってか、昨年同期比微減の1,112名。サンプルリクエスト数も10,492点、社数1,577社と、いずれも前回比1割弱程度下回ったといいます。
 
 素材では毛織物で培った天然素材複合が人気で、とくに麻やコットンに化合繊を組み合わせたものが多くなっています。全体に軽やかな薄地が中心で、ふくれやしじら、ドライなタッチ、スラブ使いから、フリュイドな落ち感、ラメなどの光沢感、またサマーツィードも復活傾向です。カラーでは春夏らしいビビッドで明るい色調が目立っています。
 さらに吸放湿性や接触冷感、UVカットなどの機能素材やリサイクルなどサステナブルへの関心もますます高まっている様子でした。
 
 会場中央にはいつものように、FDCが提携しているネリーロディ社のトレンド情報を基に製作されたトレンドコーナーが設けられ、開発素材194点が展示されました。下記にその一部模様をご紹介します。
 
DREAMER ドリーマー
・詩的パイオニア 
・持続可能な社会へ向けてイニシアティブを打ち出す

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Img_16691 Img_16751 鈴憲毛織 後染めトリアセコットン       虫文毛織 綿/麻ボーダー
清涼感ある透け感ギンガムチェック     細番手のサラッとした風合い
  
SEDUCTION セダクション
 ・陽気な快楽主義者
 ・「喜び」を体現するトロピカルな雰囲気

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Img_16921jpg Img_16901 長大 リネン/コットンラメ         林実業 ドビーの風通織楊柳
薄く軽いラメ入りジョーゼット        綿とリネンの収縮差を利用
  
ORIGIN オリジン
・原初からのインスピレーション
・古代のエレガンスをピュアにモダンにしたバージョン

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Img_17061jpg Img_17111 渡六毛織 シアーデニムストライプ      宮田毛織工業 テレコメッシュ 
透け感デニム ラメをミックス            綿100%異組織の目移しJQ

 

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2019年3月27日 (水)

「コダワリノヌノ2019」展 コダワリの産地各社ど真ん中

 この13~15日、東京・南青山で開催されていた「コダワリノヌノ 2019」展を久し振りに訪れました。

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 共通テーマは「コダワリの産地各社ど真ん中」です。各産地メーカー独自の技あり素材が多数披露されました。
 
 注目の生地をご紹介します。

高橋織物 (滋賀県高島市)
 滋賀県高島産地でコットンの強撚糸技術を活かした織物を得意としているメーカーです。高島縮みのクレープや楊柳、ガーゼ、ボイル、ジョーゼット、ナチュラルストレッチなど。
 今シーズンはプリント加工による凹凸感を表現した素材をプッシュしています。
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島田製織 (兵庫県西脇市)

 播州織の中でも最高級細番手糸使いの洗練されたエレガントな綿織物に定評があります。
 とくに今季は、綿リッチ・キュプラ混や和紙混が注目されます。
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ワンエニー (岡山県岡山市)

 オパール加工やジャカードデニムなど、独創的なデニムが目に付きました。
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カナーレ (愛知県一宮市)

 尾州産地のメーカーで、ションヘル織機による織物がすばらしい。ツィードの手織りのような温もりのある風合いに魅せられます。
 糸の間からのぞくラメの上品な光沢が今年風です。
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2019年3月25日 (月)

2019桐生テキスタイル展 「毎日が新しい!」テーマに

 この3月6~7日、2019桐生テキスタイルプロモーションショーが東京北青山で開催されました。今シーズンはテキスタイル部門26社に加えて和装部門8社が参加し、全体に華やかな雰囲気でした。
 テーマは「Every day is a new day 毎日が新しい!」。これはヘミングウェイの小説「老人と海」の主人公が語っているフレーズだそうです。不漁が続き運のなさを嘆きながらも、老人は海に出ていく―― ここにはこれまでの経験を最大限に発揮し、新たな挑戦をすることが明日へつながるという意味が込められているといいます。

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 チャレンジングなテキスタイル揃いの中、目を惹くのは色使いの美しいジャカード織です。また光るモノもたくさん見受けられました。桐生の職人ならではの匠の技にも注目です。
 
<和装部門>
 老舗の後藤織物では華と粋をテーマに七五三祝い帯をメインに展示。美しさに目が点になりました。
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<テキスタイル部門>
堀辰
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Img_01341jpg  ラメから天然繊維と幅広い糸に対応できる技術を持ち、新しい時代のニーズを吸収したものづくりを行っているといいます。
 ラメ入りの幾何学ジャカードはコットンリッチ混です。
 シンプルなドレスに仕立てられていました。
 
小林当織物
 5連ジャカードからドビーまで、30台の高速機でQRに応えていることをアピール。
 透明な光沢を放つポリエステルフィルム糸使いのジャカードがフレッシュです。
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ミタショー

 今の時代感覚にぴったりな生地がいっぱい!
 魅力あふれるコレクションを見せています。
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Tex.Box

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 ニードルパンチ専門の加工場で、何と前面にデニムの着物を衣桁にかけて展示。裾模様はウールとのことです。
 「楽しいテキスタイルづくり」を目指しているといいます。

トシテックス

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 小幅のラッセル編み機による付属テープの開発に力を入れていて、これらのテープはアクセントとして好評を博しているとのこと。残布を利用したフリンジやストールなど、ここに来ればきっと楽しいモノに出会えます。

イヅハラ産業
Img_01731   「フリル織」や「フリンジ織」、「ウェーブ織」の特許技術を持っています。
 今季は新技術として、「ペプラム織」を発表していました。
 右は、上下ひとつながりのワンピースです。一見、ペプラムトップとスカートのセットに見えますね。
 ジャカード織物でオリジナルなスタイルを演出している稀有な会社です。
 その技術のすばらしさと気品のあるファッション力にはいつも圧倒されます。

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2019年3月19日 (火)

2020年春夏コットン素材傾向―PV 及びMUより

 一般財団法人日本綿業振興会のHP内、「Newsプレスリリース)」の3月18日付けで、柳原美紗子が寄稿した「2020年春夏コットン素材傾向 PREMIERE VISION PARIS 及び MILANO UNICAより」の記事が掲載されました。http://cotton.or.jp/pr2019-03-18.htmlをクリックしてご覧ください。

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2019年3月17日 (日)

PVパリ(21) 持続可能で独創的な日本のニット生地

 高度な技術と独創性を誇る日本のニット、持続可能な素材提案も欠かせないと、対応に力を入れています。

エイガールズ
 「バック・トゥ・ネイチャー」をテーマに、サステナビリティを打ち出していたのが印象的です。

Img_05431 新素材としてとくにキュプラをマークし、糸から開発したといいます。

Img_05471  右は、表ベンベルグ、裏コットンのリップルストレッチニット。
 キュプロのコンパクトな編地をスエードのような感触に仕上げたものも。

Img_05511  またラメが好評とのこと。とくにシルバーが微妙なニュアンスで光る裏毛や、見る角度によりオーロラのように光るラメも人気といいます。

カネマサ莫大
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ニットで布帛のような生地が好評とのこと。
 一見紙もしくは不織布のようにも見えましたが---、ところが綿100%の丸編みジャージーでした。
 心地よいエコフレンドリーな素材です。


宮田毛織工業

Img_05661  人気素材は落ち感があってドレープ性に富むエレガントなニットといいます。
 トリアセ/ポリエステルが主体。

Img_05651  奥のコーナーには、新内外綿のコットン/テンセルによるボタニカルダイ製品が展示されていました。エコを求めるバイヤーへの提案として人気のようです。

東光商事
 白いTシャツをずらりとウインドーに並べたところ、これが好評だったそう。
Img_04981  生地はハリ感を持たせたスムースで、布帛のような仕上がりのもの。落ち綿使いのリサイクルコットン使いといいます。

Img_04961jpg  今シーズン、大人気となっているキリンのモチーフのプリントにも注目です。コシノヒロコ・テキスタイルラボによるデザインだそう。

ミナミ
 全体に色味のきれいなスエット地が人気といいます。
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Img_05361  サッカー風の裏パイルも好調。
 テリークロスも。
 だらだらと落ち感があってドレープする質感への関心も高いとのこと。

森下メリヤス工場
 ピックアップが多かったのは表面加工されたもの、ふくれ加工や楊柳調のもの。
 またオーガニックコットンやリサイクルコットンも多くの引き合いがあったといいます。
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2019年3月16日 (土)

PVパリ⒇ プリントは爽やかさとともに赤が目立つ展開

 今季、プリントセクションに出展した日本企業の人気素材を見ると、爽やかな白地のグラフィックに加えて、赤い地色やモチーフのものが、いつになく目立っていました。
 今シーズンは赤がトレンドのキーカラーとなっていますので、プリントにもその影響が表れているようです。

北高
Img_03281  綿/レーヨンの爽やかなジオメトリーが好評といいます。
 また大胆な和柄への関心も高いそう。
 モチーフは虎や雄鶏のモチーフなどいろいろある中で、とくに赤地に白い鶴のモチーフが受けているといいます。
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コッカ
Img_03351  全体にシンプルな水玉やチェック柄で、輪郭をぼかした感じのものに動きがあるようです。
 白地にやさしい色使いですが、甘さを抑えたすっきりとした感覚です。
 意外にもスイカのモチーフが、フォーラムにピックアップされて、人気を集めていたのが印象的でした。
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2019年3月15日 (金)

PVパリ⒆ 色・柄にインパクトのある装飾的素材

 PVパリでは今シーズン、色・柄にインパクトのある装飾的素材がトレンドの一つとなっています。日本の出展企業の中にも、これに倣うかのようにファンタジーあふれる生地でバイヤーを魅了しているメーカーがいくつか散見されました。

宇仁繊維
 光を感じる蛍光色が人気といいます。
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Img_05161  チュールレースやラッセルレース、それらにPVCコーティング、あるいはボンディングなどのテクニカルな生地がブースを華やかに彩っていました。


サンコロナ小田
 パリッとしたオーガンジーに円形ラバープリントの生地やサッカー風にシュリンクさせたソフトな花柄プリントが好評といいます。
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栄レース

 プリントで大柄が人気のように、レースの柄もリピートが大きくなっているそう。
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 ラメはどちらかというと控えめに入れたものが好評だそう。また絞り染やグラデーション調の色合いのもの、リバーレースにコード刺繍を取り入れたものも動きがよいといいます。

リリーレース
 今シーズンは和紙のレースが好調。
 和紙にコーティングやメッシュに透明なホイルコーティングのものも。
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2019年3月14日 (木)

PVパリ⒅ さわやかな先染めもサステナブルが合言葉

 さらっと爽やかな明るい先染めが広がっています。繊細な透け感やサッカー調など表情のあるものが多く、どれも洗練されたエレガント感にあふれています。素材はサステナブルが合言葉。天然繊維のコットンやリネンから、キュプラ、テンセル、またペーパー、バイオ合繊など、土に還る循環型素材使いのものが目に付きます。

桑村繊維
 ガラス張りのブースが新鮮です。
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Img_04611  綿/リネン、綿/ポリエステルなど混紡が良好で、軽量で、サッカーのように表面感のあるものが人気とのこと。


スタイレム(Blackコレクション)
  イタリアの著名テキスタイルディレクター、マウロ・クレリチ氏が手がける日本製テキスタイルコレクションです。
 今シーズンは麻や綿、キュプラ使いのしっかりとしたコンパクトな質感のものや、透け感を組み合わせて立体的に見せたもの、カットジャカードなど。光沢はラメよりも樹脂系のコーティングやチンツ加工へ。また経糸プリントのほぐし織の提案も見られました。
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スタイレム(ZEN kiwamiコレクション)

 日本の各産地の特徴をいかしたテキスタイルコレクションです。細かいメッシュ調のファンシーな先染めに目が留まりました。Img_05571  Img_05531jpg


タキヒョー

Img_06201  サステナビリティを意識し、独自のタグを考案するなど、エコに力が入っています。
 コットンやリサイクルポリエステル、またペーパー使いなどが目立っていました。

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2019年3月13日 (水)

PVパリ⒄ 合繊はサステナビリティにシフト

 今や環境への配慮は、ファッションテキスタイルに必須とあって、PVパリに出展している大手合繊メーカーは、サステナビリティへシフトした取り組みを加速させています。

 小松マテーレは透湿防水素材「サイトス(SAITOS®)」のシリーズで、環境配慮型の「サイトス・ジーエフ(SAITOS®-GF)」と「サイトス・ジーアール(SAITOS®-GR)」の2つの素材を発表していました。ところで「小松マテーレ」は、元「小松精練」で、昨年10月に社名変更したといいます。イメージ刷新と様座なモノづくりメーカーであることを強調する狙いがあったようです。

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 ともに植物由来を原料とするポリウレタン樹脂が採用されていて、サイトス・ジーエフは従来品に比ベ約5倍の透湿性を実現し、サイトス・ジーアールは、内側にストレッチ性を60%向上させた透湿防水フィルムを取り付け、身体の動き合わせて伸縮する素材に仕上げたといいます。
Img_04711  デニムはポリエステル100%のインディゴ染めで、中白を実現、洗いをかけて白っとさせることもできるなど、本物のコットンデニムそっくり!でした。
 他にも麻そっくりのガーゼ「アサコ(ASAKO)」、ウールのような「カールカール(Karl Karl-KS®)」など、同社の技術力にはいつも驚かされます。

 

東レは「センビズム(SENBISM)」の統一ブランド名で、海外向けに日本発の高付加価値ファッションテキスタイルを発信しています。
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Img_04751  今シーズンのテーマは「アドバンスト・エコ(ADVANCED ECO)」で、バイオ合繊やリサイクル合繊を打ち出していました。
 右は、見た目ナチュラル感あふれる生地ですが、ポリエステル100%でサトウキビ由来の素材です。

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