経済・政治・国際

2014年8月12日 (火)

“ファッションはカルチャー” と捉えて発信を!

Cimg57461  先般のJFW-IFFで開催されたセミナーで、注目されたのが、ユナイテッドアローズ上級顧問クリエイティブディレクション担当の栗野宏文氏による「ファッションリテールのこれからの在り方」。ファッション業界のキーマンの登壇とあって、会場は満席、立ち見が出るほどでした。 

 同氏は、ご自身の持論でもある“ファッションはカルチャー”を基に、これからの小売りのあるべき姿について、次のように語られました。

 最近、危機感を感じていることは、二つ。一つは、どこに行っても似たものが多くなり、つくる側の心情が伝わってこないこと。低価格品は、今や衣料品市場の45%を占めるまでに膨らみ、ネット購入も増えているが、ファッションに対する客の気持ちは醒めている。買い物への高揚感も薄れているのでは。もう一つは、ファッションが目立ちたい服へ移っていること。「セルフィ(自分撮り)」が流行り、目立つことがファッションになり、トレンドの使い捨てと、懸念している。
 しかしこのような価値観の変化を否定はしない。けれどファッションとは本来、感動を与えるものであったはず、と強調。服はもともと、たとえばピカソの絵のように、人生を変えるほどのインパクトを与えるものではなかったのかと。
 そして、これからのファッションビジネスに求められるのは、つくって売る側が感動し、受け取る客にも感動を与えられるようなものを提案していくことだ、と主張します。根底に流れているのは、カルチャーであり、ものづくりのストーリーで、その重要なキーワードとなるのが、「クオリティ」、「クリエイティビティ」、「エシカル」。
 たとえ有名でもこれがなければ切ると断言。有名無名を問わず、多少ハードルが高くても、デザイナーの強い表現力や個性のあるものを取り扱うといいます。実際、同社では、このところメジャーではないブランドの買い付けが増えているとか。また「エシカル」については、昨年スタートして好調なブランド「テゲ」に触れ、とくにアフリカのクラフトマンシップという文化を伝えていきたいとも。

 よく大きなトレンドがないと、言われますが、人はいつでも、それぞれ違う格好をしたいと思っている。だから今までになかったゾーンをつくる業態は成功するのですね。青山の「コム・デ・ギャルソン」が売り切れ続出というように。

 “ファッションはカルチャー”と捉えて、発信し続けることが生き残りへの道。イージーに甘えず、勇気を出して、取り組んでいきたいものです。

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2014年7月27日 (日)

2020年を超えて ~UDが起こす社会変革~

 先日、「ユニバーサルデザインビジネスシンポジウム2014」が、東京・千代田区で開かれ、情報のユニバーサルデザイン(UD)の普及を目指す活動をされているユーディット会長兼シニアフェローの関根千佳氏が、「2020年を超えて ~UDが起こす社会変革~」をテーマに講演されました。2020年は東京オリパラリンピックの年でもあり、これを契機に社会やコミュニティのデザインも変わるべきであると語られ、認識を新たにしました。

 実は日本はフランスなど他の国々に比べ、かなりUD先進国と思っていたのです。ウォッシュレットや自動ドアが普及していますし、点字ブロック設置なども進んでいます。ところが、情報面では完全に後進国だったのですね。
 とくに外国人旅行者からは不満が相当あるようです。たとえば海外から日本の情報が得られにくい、来日しても無線lanやWifiなどのネット環境が整っていない、ジャパンレールパスではのぞみに乗車できない(これはジパングも同じ)、クレジットカードを使えない店が多い、地図や案内が多言語化されていない、関西方面ほど和式トイレが多い----など、問題点が指摘されています。

 観光庁は、2020年までに外国人観光客を2,000万人にするという目標を掲げ、また65歳以上の高齢者も2020年には3,300万人になります。ということは、情報・移動で障害を感じる人が、5,000万人を超えるということです。
 同氏は、このために2020年までにあって欲しいサービスとして、次のことを挙げられました。
① どこへでも行ける周遊カード。これ一枚あればJRや私鉄など移動に関する支払いすべてOKで、自国からネットで購入でき、オンライン座席予約可能。
② 国際パーキングパーミット制度の周知徹底。海外では違反すると高額の罰金が課せられる。
③ 誰でもトイレの有効活用。ニーズのある人を優先するよう、たとえばICカードをかざすと、中の人に行列があることなどを知らせるシステムをつくる。もちろんトイレをより広くし、数も増やすことが必要。
④ いつでも自国語でOKのコールセンター。24時間365日対応、救急医療もクラウドからサポート可能にする。
⑤ いつでもどこでもみんなでボランティア。手話や点字、ガイド、ヘルパー、医師、看護師など、情報を開示し、必要な人をサポートする仕組みを整える。ここではとくにシニアの活躍が期待される。
⑥ 古い建物のUDリノベーション。たとえば明治時代のファサードはそのままにして、車いすで入れるように改装するなど、観光の目玉の一つにもなる。
⑦ 完全にアクセシブルな情報提供。すべての自治体や企業などで、サイト等の多言語化を推進する。

 この他、UD環境整備のための課題は、まだまだたくさんあるようです。

 とかく内向きになってガラバコスと化す日本ですが、これではいけないと、改めてユニバーサルな都市のあり方を考えさせられた、心に沁みるセミナーでした。

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2014年7月 9日 (水)

TVショッピングもネット販売サイト活用へ

 オムニチャネル化の波が、TVショッピングにも押し寄せていることを改めて感じさせる講演会(ユニバーサルファッション協会主催)が、先月末、東京・京橋で開催されました。

Cimg51251  講師は、ジュピターショップチャンネル執行役員の秋吉優樹氏で、「TVショッピングの特徴と今後の課題」をテーマに、TVショッピングの強みや成長戦略について語られました。終盤、とくにネット活用について力説されていたことが印象的でした。 

 概略は次の通りです。
 まずジュピターショップチャンネルについて。業界最大手のTV通販会社であることはいうまでもありません。創業は1996年で、BS やCS配信などの伸びもあり、2007年には、売上が1,000億円を突破、今なお増収を続けています。24時間365日、生放送による通販番組を放送していることもあるのでしょう。アンケート調査によると、約55%が同社を知っていると答えるなど、認知度も業界トップを誇ります。
 顧客層は、女性が90%と男性を圧倒。その75%は40代から50代、60代で、商品シェアはジュエリーとファッションが40%、美容と健康関連が30%だそう。共通点は、女性が「若く、美しく、楽しく」なれるものといいます。

 次にTVショッピングの特長について。1点あたりの商品情報の豊富さと、即配送の利便性がメリットといい、放映後、売上効果がスピーディにわかることから、次の予測に生かすことができ、販売ロスを減らせるとも。
 また視聴者から信頼が得られる司会進行役のキャストと取引先ゲストが、もっとも重要と強調。そしてTV向け商品のポイントとして、「ユニーク」、「バリュー」、「サプライズ」の3つのキーワードを挙げ、人気商品をピックアップして紹介。

 さらに同社のビジネスのけん引役という、お買い得商品を揃えた「ショップ・スター・バリュー」や「アニバーサリー」企画番組に言及。何と夜中の0時から1時の間が売れ行きのピークと聞いてびっくり!

 最後に今後の課題について。「Exceed TV Shopping」を合言葉に、テレビからネットへの誘導を図る、新しい取り組みを発表。これには近年、:テレビ配信網が頭打ちとなり、これ以上の枠取りが困難になっていることや、ECサイトからより若い層を取り込みたい意向などがあるようです。

 「ショップチャンネル、まずはWEBで!」という同社の新TVCMに、TVショッピング時代もいよいよ転換期を迎えていると、痛感させられた講演会でした。

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2014年7月 4日 (金)

ファストファッション時代の価値と課題を語る

 「ファッションビジネスの大転換期なのに実態がつかめていない」、との認識から、去る5月下旬、「ファストファッション時代の読み方;その価値と課題」と題する特別講演会(東日本ファッションビジネス学会主催)が開催されました。

Cimg44361  講師は、ファッション流通コンサルタントでディマンドワークス代表の斎藤孝浩氏。綿密な資料に基づく現状分析は、流通に疎い素人にもわかりやすく、ポスト・ファストファッション時代のビジネスの方向性を示唆する内容でした。

 あれから少し日数が経ってしまいましたが、その概略は次のようです。

 まず日本のファッション小売業を取り巻く情勢から。衣料品の市場規模は、2003年と2012年のデータで比較すると、この10年で3%縮小。また百貨店と総合スーパーの売上も、ともに約35%減少した。その一方で、専門店は26%増となり、通販関連は倍増した。
 次にこの10年間で売上を伸ばした専門店として、ユニクロとしまむら、それに外資系アパレル専門店のザラやH&M、GAP、フォエバー21などを挙げ、2000年代後半以降、デザインのスピードアップが加速。トレンドファッションの低価格化を実現したファストファッションによる第4次流通革新が起きた。
 このファストファッションのスピードを支えているのが、製販直結企業の店頭での週次サプライチェーンマネジメントや、デザイン機能の内製化など。これにより発注から店頭までの期間は、一般のアパレル製造では90日以上かかるのに対し、自社工場を持つザラは約15日、自社管理の外注工場によるH&Mは約45日、フォエバー21は約30日で、シーズン中の市場変化に機敏に対応できる体制を整えている。
 またグローバルSPAといっても、違いがあり、ユニクロやGAPは、少品種大量生産でファッションベーシックに強く、多品種小量から中量生産では、H&Mとフォエバー21はマーケットトレンドに、ザラはコレクショントレンドに強いなど、特徴があることも指摘。
 さらに、ファストファッション時代到来の背景には、マーケットの成熟による、コーディネートパーツ需要の高まりが大きい、という。しかし課題も多く、使い捨てられる商品の行き場をどうするか、リサイクルインフラの必要性や、生産現場に無理をさせていないかなど、企業の社会的責任が問われる時代になっているとも。
 最後に、ポスト・ファストファッション時代の流通革新について。商品そのものだけではなく、商品提供方法の革新が求められるとし、進化する顧客の購買行動を補完するオムニチャネルリテイリングが重要という。その例として、ネットで情報検索し店舗で現物を確認して、店舗で購入する、あるいは後でネットで購入する顧客に対し、ウエブストアでの店舗在庫情報の開示や、店頭ITを駆使して在庫を探し出すシステムなどを紹介。また手持ちの服に買い足しを促進するコーディネートレシピアプリ「WEAR」にも触れ、このアプリの誘導によるショッピングサイト「ZOZOTOWN」の購買頻度や買い上げ率が高まっていることなど、既存流通がカバーし切れない消費心理・消費行動を補足するITデジタルの重要性を語られて、締めくくった。

 ポスト・ファストファッション時代については、もっとお聞きしたかったのですが、時間切れとなってしまいました。次回が、楽しみです。

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2013年12月24日 (火)

「2014年ヒット商品・サービス大予想」セミナーから

 今月初め、日経トレンディ編集長の渡辺敦美氏による「2014年ヒット商品・サービス大予想」のセミナーに参加しました。
 
 これによると、昨年はイノベーションの年で、今年はアベノミクス消費で上り調子に転じた節目の年。ランキングのトップに躍進したコンビニコーヒーのように、新しい市場が切り拓かれた年だったと分析。
 
 2013年のヒットの方程式は、①価値コンシャス(価値を認めれば、高くても買う)。たとえば「金の食パン」。 ②目的を割り切り、明快なもの。 バナナをおいしく食べる「ヨナナスメーカー」や、布団用クリーナーの「レイコップ」。 ③目立つプチブラ、大阪発。「フライングタイガーコペンハーゲン」のように。 ④40代や50代狙い。健康志向の「ベジップス」。また「あまちゃん」。これは3世代の物語で、80年代のアイドルの登場も人気の要因だった。 ⑤時短。驚きの早さと手間がかからないことで大ヒットの「ネイルシール」、また「ノンフライヤー」も。
 
 2014年のトレンドでは、消費者は、旅行や趣味、記念日などの行事には費用をかけるが、概して冷静で、節約傾向になるといいます。
① 「小容量」「個食」×「健康」: 代表的なものに「スムージー」。からだによい機能性野菜をこれで摂取し、カスタマイズできる。新鮮なサプリメントとして食材のキット化も進行中。介護食にもなる。
② 少子「後継者」狙い: 余裕のあるシニア層が子や孫を連れて滞在する「親・子・孫3世代リゾート軽井沢」のようなリゾート地。アウトレットモールも「家族みんな」を取り込む。また「フリクションいろえんぴつ」は、子どもだけでなく大人の趣味市場も開拓する。
③ 王道復活: 1970年代~80年代狙いのもの。当時の楽しい思い出やファッションが蘇る。エクストリームけん玉もその一つ。またミリタリーやスタジャンなど、その頃メンズに流行ったものが、女子に採り入れられて人気を集める。また今年、富士山グッズが出たように、地方の伝統や技術が今風のアレンジで見直される。たとえば「東北カリスマ演出トレイン」。
④ 身の丈バブル: バブルっぽい雰囲気が出てくるが、消費者は賢くなり、身の丈に合ったものを買う傾向。
⑤ シニア、おひとりさま: 小さなお惣菜など、個食対応が進み、結果として巨大市場になる。また小型ドラムの洗濯機や食洗機など家電も小型化。

 さらに2014年のポイントとして、①80年代、90年代の懐かしいものが復権する「懐かし系」。 ②小容量でも楽しくて、少しリッチな「少量デラックス」。 ③好き、楽しい、かわいい「エモーショナル消費」。
 
 さすがに鋭い分析力です。今後のモノづくりのヒント満載のセミナーでした。 

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2013年9月27日 (金)

PV 9月展結果速報:来場者大幅増で欧州経済回復か?

 プルミエール・ヴィジョン(PV)プリュリエルのプレス担当から、今期(9月17日~19日)の結果速報が届きました。

_ksp2809_image_lecteur_video  これによるとPVとエクスポフィルの来場者数は、52,804名で、前年同期比14%増という驚くべき数字です。出展企業も774社で前年と比べ4%増。
 PVプリュリエル傘下の6つの見本市も全体で62,932名が来訪し、3.6%の増加。出展社総数は1,950社でした。

 とくにPVでは、74%がフランス以外の国々からの来場で、中でもヨーロッパは15%も増えています。大きく伸びたのは南欧で、イタリアが41%増、スペインでも16%増、ポルトガルからは27%増。またイギリスは14%増、ベルギーは12.5%増、デンマークは21%増。2期続けて落ち込んでいたドイツも1.5%増。これでようやくヨーロッパが舞台の前面へと見事に返り咲いたのではと、経済回復への期待が高まっているようです。
 
 さらに米国は16%増、日本2%増、韓国も8%増。中国は何と21%増と大幅増加で、より高品質を求めるマーケットの広がりをうかがわせます。なお為替が下落したブラジルは8%減というように、減速した国もあり、経済活動の影響を反映する数字が表れていることが、興味深いところでしょう。
 
 ユーロ危機などで大揺れに揺れた業界でしたが、これでようやくトンネルを抜け出し、前進したと受け止めることができそうです。

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2013年5月10日 (金)

米綿の需要増進に日本は重要なパートナー

 「コットンの日」のイベントで、CCI国際綿花評議会の理事長ジミー・ウェブ氏や専務理事ケビン・ラトナー氏ら首脳が来日し、記者会見で、コットンキャンペーンの成功を高く評価し、日本との関係は非常に重要と強調しました。
 
 米綿の生産状況は、作付面積が減少したものの、イールド(収穫量)が上がり、供給に影響はないといいます。世界的にみると、中国やインドは需要が伸びているにも関わらず、生産量が下がり、供給が追い付いていないのが現状。一方米国は、生産高では中国やインドに次ぐ世界第3位ですが、輸出では、依然として世界第1位の輸出国です。
 ここ2年続いている綿価格の高騰は、中国の動向が鍵を握っているといいます。中国は現在、1,000万トン、世界在庫の60%を占める綿花を備蓄しているそうで、この動き次第で価格が不安定になる懸念があるといいます。
 中国市場に見られる二つの傾向として、一つには、綿価格が高いことから、他繊維を混ぜる動きが顕著になっていること。しかしこれに対しては消費者の反発が強く、最近は多少高くても綿100%や綿リッチへ回帰する傾向が見られるともいいます。
 二つには、サプライチェーンの変化で、生産拠点が中国から他国、つまり東南アジアや中東、南米などへ移っていて、繊維大国の中国も、紡績供給量が不足し、今や綿糸も輸入国になっているそうです。
 
 またコットンファブリックの今後の在り方として、指摘されたのが、米国スポーツウェアメーカーのアンダー・アーマー社のチャージド・コットンです。これは吸水速乾性と伸縮機能のあるコットン素材で、同社はそれまでの合繊に代えてこの素材を採り入れたところ、業績が上がり大成功。オフタイムにも着用可能な幅広いデザイン展開で人気を集めているといいます。
 ウェブ氏が着用されていたシャツも、綿100%でノーアイロンとのことで、機能面での綿素材の進化は米国でも目覚ましいものがあるようです。
 
 さらに米綿の優位性について、①異物混入がなく品質が高いこと、②繊維長が長く強いこと、③納期をきちんと守っていることなど、適切な管理運営で出荷できていることを挙げ、さらに綿の良さについても、①経済的に持続可能な作物、②自然に回帰する、③CO2排出量は最少、④社会的プログラム(水量や農薬・化学物質など畑から市場まで)の調査研究で、常に最適になる努力をしていること(例えば農薬使用量は10年前に比べ半減した)、⑤花も綿花も美しい!  とアピール。

 最後に、米国の消費者はまだ消費を控えている状態で、消費活性化の鍵は新興国市場が握っているといいます。日本はこれからも有望な重要市場であり、大いに期待していますと、締めくくられました。
 

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2013年4月19日 (金)

「消費者はコットンが好き」2012グローバル・ライフスタイル・モニター 調査結果より

 米国コットンインコーポレイテッド社のマネージャーでマーケット・アナリシス、CSPMのジャスティン・コーテス氏が来日し、この15日、東京・渋谷で「小売と消費者の最新情報」と題するセミナーが行われました。 

Cimg34811  同氏はこのセミナーで、2012年にCCI国際綿花評議会が実施したグローバル・ライフスタイル・モニター調査結果を基に、日本と米国の小売と消費者動向を分析し報告されました。大変興味深いレポートでしたので、概略を紹介します。

 まず経済状況について、GDPトップは2012年に米国、次いで中国、そして日本でしたが、2020年には米国+22%、中国+73%、日本は+7%となり、米国は依然1位の座を守りますが、中国も著しく成長します。
 人口は2020年までに、米国+6%、次いで中国+3%で、日本-3%と減少。しかし日本の都市人口は+1%となり、可処分所得の高い層が増えるとみられています。また高齢化により2020年に、日本人の平均年齢は50歳、中国人は40歳になります。
 インターネット普及率は、2020年までに日本88%、米国83%、中国55%で、世界最大のインターネット人口国は、中国と予想されます。
 さらにアパレル支出の成長予測では、2020年に米国は+15%でトップ、中国は+90%で2位、次いでインドが3位、日本は4位に転落するでしょう。

 次に日本市場ですが、2001年と2012年の比較で、服を購入するためにショップへ立ち寄る頻度は、46%から35%に低下。また品質は落ちても低価格品を求める人が48%から52%に上昇、服以外のものに出費する傾向も32%から41%に上っています。
 服の購入先はユニクロを含むファストファッションが23%、専門店20%、百貨店とチェーン店が各15%、インターネット14%で、この10年でファストファッションとインターネットが急速に伸びています。またネット購入品目でもっとも多かったのは衣料品です。
 このため小売りはPBを増やし、ネット販売に力を入れていますが、高齢化と働く女性の増加に合わせて、より年齢の高い層にシフトする必要があるのではないかと分析しています。

 米国では、概して小売りの売り上げは好調とのことですが、天候や財政悪化でラグジュアリー関連は悪影響を受けたといいます。全般に景気が不透明なこともあって、価格帯を多様化して乗り切る小売りが多く、オムニチャネルが拡がっているとも。
 また新しい動きとしてアスレティックスポーツウェアの多機能性が評価され、ヨガパンツなど、10人中9人がふだん着として着用していて、ニュー・カジュアルウェアとして売り場が拡大しているそうです。
 価格については、9割が品質に対して高価格と答え、質が低下しているといいます。品質がよくて長く使えるものなら、多少高額でもよいという消費者が増えていることは確かなようです。

 コットン製品については、10人中8人が好ましく思っているのに、市場にあまり出回っていなくて、品質が落ちたと感じるのは、コットンのものが少ないからだそう。消費者はコットン衣料の価値に気づいているのです。

 日本でも、消費者は明らかに「コットンが好き」と回答しています。全体の8割が綿や綿混素材を今のファッションにふさわしいと考えていますし、84%が綿や綿混素材の服を好んでもっともよく着ているといいます。

 日本における調査結果の詳細は、一般財団法人日本綿業振興会http://cotton.or.jp/glm2012.pdfで詳細が掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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2013年2月 9日 (土)

ミラノ・ウニカ成功裡に閉幕

 ミラノ・ウニカ(MU)の最終報告によると、第16回開催展は、前年同期比+5.5%となる19000人を超える訪問客を集め、盛況のうちに閉幕したとのことです。そして「これはイタリア繊維産業が支持された結果」という、MU会長シルヴィオ・アルビーニ氏の喜びの言葉を伝えています。

 訪問客が増えたのは、とくにイタリア国内からの来場増によるもので、逆に外国からは-2%とわずかに低下。これは中国の春節やミュンヘンでのテキスタイルフェアと重なったことによるものとしています。しかし重要な国からの来客は、日本+25%、USA+20%、インド+19%、メキシコ+19%、フィンランド+16%、トルコ+6.5%、スイス+3%と増加。香港と英国も高い数字を維持し、またカザフスタンやコロンビア、南アフリカ、アンゴラから初めてバイヤーが来場したといいます。

 全般に訪問客、出展者とも、満足の声が聞かれたとのことで、イタリア繊維産業の回復と成長が期待されます。

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2013年2月 1日 (金)

日本の繊維製品立て直しはエコマインドで

 低迷する日本の繊維業界で、「メイド・イン・ジャパンのよさを発揮させるには、エコロジカルなマインドを採り入れることが大事」というのは、NPO法人日本ファイバーリサイクル推進協会理事長の木田豊氏。

 ユニバーサルファッション協会の定例会で、「最近の繊維3R動向とリクチュールファッション」をテーマに行われた同氏の講演は、改めて3R(リサイクル、リデュース、リユース)の重要性を浮き彫りにしました。

 日本の繊維産業の生産はリーマンショック以降減少し、在庫は増大の一途。全国百貨店売上高は、昨年ようやく16年ぶりにプラスにはなったというものの、繊維製品の輸入浸透率はますます増えて、2005年の95.4%が2012年には96.7%になり、アパレル縫製業は壊滅状態です。
 これを立て直すには、エコマインドこそキーポイントといいます。日本のテキスタイルは優秀で、縫製技術も優れているので、あとはそれに3Rの精神を入れればいいと。3Rはもともと日本から発信された考え方ですし、日本製の底力はそこにありそうです。

 今、若年層やファッション感度の高い層で、ものを大切にしようという動きが広がっていて、古着ショップやフリーマーケットが人気を集めています。リフォームやリペア業の伸びも目覚ましい。その一方で、繊維製品のリサイクル率は低く、約75%が可燃ゴミになり、温暖化ガスを発生させているといいます。

 ゴミになる前に工夫して再利用するのが、リクチュール。端材や残反、古着、故繊維(再生品)などをクリエイター、デザイナーたちの手によってクオリティの高いモノに作り替えるというもので、他にない一品物としてつくり出される商品です。これにより3Rはおしゃれで楽しいものになります。
 昨年「リクチュール塾」を起ち上げられ、今後はリクチュール塾卒業者によるリクチュールデザイナー協会を設立されるという同氏。最後におっしゃった「捨てない、さらに捨てない」は、ファッションの未来を示唆しているように思います。

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