書籍・雑誌

2018年2月18日 (日)

戦後日本のファッション史 信用情報60周年記念号掲載

 本年2018年1月5日に発行された「信用情報創業60周年記念号 第12813号号外」に、 「戦後日本のファッション史」の柳原美紗子の記事が、掲載されました。

Scan0020_2  アパレル企業が誕生して60年余りが経過し、アパレル産業は大きく成長しました。
  とはいえ今や時代は転換期に突入し、不透明感が漂っています。見えない未来を切り拓くために、改めて過去と向き合う姿勢が求められているのではないでしょうか。
 ここでは戦後日本のファッションの変遷を10年ごとの年代順に振り返り、10ページにわたり解説しています。お知らせが遅くなりましたがご参照ください。
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2018年2月 1日 (木)

「イッセイさんはどこから来たの? 三宅一生の人と仕事」

 昨年12月、三宅一生氏と交流の深いクリエイティブディレクターの小池一子さんによる著書「イッセイさんはどこから来たの? 三宅一生の人と仕事」の発売記念トークイベントが、青山ブックセンター本店で行われました。
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 出演は、著者の小池一子氏、企画を手がけた三宅デザイン事務所代表の北村みどり氏、装丁を担当されたアートディレクターの浅葉克己氏で、制作までの貴重なお話を聞かせていただきました。

31kcvenybl_sx386_bo1204203200__2  本書は、2016年2月にタッシェンより発売された書籍「Issey Miyake 三宅一生」(北村みどり企画・責任編集)に収録された小池一子氏のエッセイ8章に、書き下ろしの第9章を加え、新たな読み物としてまとめた単行本です。各章の扉絵には、横尾忠則氏によるイッセイミヤケのパリコレ招待状の中から厳選した30点が掲載されています。

 トークでは、三人三様、三宅一生氏と繋がっているからこその知られざるエピソードがあふれていました。
 まずは三宅一生氏との初めての出会いから。小池氏は、多摩美の学生だった一生さんを田中一光氏に紹介されたことが始まりだそう。浅葉氏は80年代初め頃、広告制作プロダクションで知り合ったとか。北村氏は、三宅一生氏が日本で本格的に服作りを始めた頃、東洋系モデルを探していたことから、スカウトされたことが最初だったといいます。
 その後北村氏は、一生さんの腹心となり「アーヴィング・ペンと三宅一生」などの展覧会を始め、様々なショーやイベントを手がけていきます。横尾忠則氏デザインのパリコレのインヴィテーション制作の裏話や、「オム・プリッセ・イッセイ・ミヤケ」ブランドの秘話などを、楽しく語られました。

 書籍のユニークな仮名文字のタイトルについても話が出ました。小池氏は「一生さんと話していると、不思議な気持ちになって、この人どこからきたの?」といつも思うそうです。一生さんがスーパーコンピューター誕生と同年に生まれたことから、「宇宙から来た人としか思えない」と話されていたことも印象的です。
 またタッシェンから本が出版された後、2016年に国立新美術館で「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」が開催されました。このときの開幕パーティに、フランス大統領の使者としてジャック・ラング氏が来日し、なんと三宅一生氏にフランス政府から芸術文化勲章のレジオン・ドヌール勲章コマンドゥールが授与されたのです。小池氏は三宅氏の仕事がフランスで大きく評価されていること、同時に人とのつながりや友情に感動したと振り返っていました。ほんとうにすばらしい出来事で、一生さんは本当にもしかしたら宇宙人かもしれませんね。

Img_52371  本の裏表紙には、浅葉さんによる「一」の文字があります。「一」は一生氏と小池一子氏を表しているのですね。

 私も読んでみて、三宅一生氏のバイブル本になること間違いないと思いました。

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2014年1月13日 (月)

「モードの身体史―近世フランスの服飾にみる清潔・ふるまい・逸脱の文化」内村理奈著

 17世紀から18世紀にかけてのフランスは、ルイ14世治世下にあって、服飾文化の華が開いた時代です。本著は、この時代に焦点を当て、日常の身体行動の視点で、当時のモードを捉えた注目の書です。

 著者の内村理奈先生は、跡見学園女子大学マネジメント学部生活環境マネジメント学科准教授で、服飾文化学会理事でもあり、日本ファッション協会うらら会でもご一緒するなど、親しくしています。夏休みには研究のため、毎年フランスに渡られ、パリではBNに通われていると伺っていましたが、昨秋、とうとうその成果を書籍にされました。ご著書を、ようやく読了し、改めてそのすばらしさに感銘しています。

 とかく王侯貴族など上流階級のモードに偏りがちな西洋服飾史ですが、ここでは、庶民にもフォーカスされていることが大変新鮮でした。

 とくに第1部「清潔―身体感覚の秩序」にある、リヨンでの遺体調書からの比較考察については、大変興味を惹かれました。これで白という色がいかに贅沢なものであったのか、がわかります。当時の人々の清潔感、皮膚感が伝わってくるようです。白い下着は盗難の対象になるほど貴重なものだったというのも面白いお話です。フランス語でクリーニング屋のことを、今なおblanchisserie(漂白屋)と言う理由も頷けました。

 第Ⅱ部「服装規範―ふるまいの秩序」」では、現代も続く帽子の作法、その表象が、わかりやすい言葉で描かれています。普段よくかぶる帽子だけに、気づかされることの多い内容です。

 第Ⅲ部「逸脱するモード―秩序の揺らぎ」は、服飾研究では大変重要な部分で、読み応えがありました。中でも仮面に関する論考は、大いに参考になります。上流貴婦人たちのみが付けたという黒い仮面の意味が解き明かされ、納得です。
 
 それにしても膨大な文献資料をよく調べて、精査されていると、感心させられました。さすが学究の徒でいらっしゃいます。
 これは私の大切な座右の本とさせていただこうと思っています。
 
25637966_1_3  「モードの身体史―近世フランスの服飾にみる清潔・ふるまい・逸脱の文化」
 内村理奈著 (悠書館 2013.10)  3,780円(本体3,600円)

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2014年1月 5日 (日)

「生き続ける300年のモノづくり-京都府北部・丹後ちりめん業の歩みから」北野裕子著

 お正月休みに、北野裕子先生のご著書「生き続ける300年のモノづくり-京都府北部・丹後ちりめん業の歩みから」を拝読しました。著者とは、服飾文化学会で知り合い親しくさせていただいております。
 とりわけ3年前に開催された丹後での同学会夏期セミナーでは、先生が同地の織物を研究されていることもあって、大変お世話になりました。改めてお礼申し上げます。
 
 丹後地方は言わずと知れた「縮緬(ちりめん)の里」。今なお日本の生糸の約1/3を消費し、ちりめんの約6~7割を生産している日本最大の絹織物産地です。江戸期、八代将軍吉宗の時代にこの技術が導入されて以来、明治・大正・昭和と、激動の時代を生き抜き、急激なグローバル化への対応も乗り越えて、現在に至っています。しかもここ数年は、パリのテキスタイル見本市に出展するなど、世界に挑戦する企業も現れるようになりました。
 連綿と生き続ける小さな地場産業に、大きな光が当てられるようになってきたのは何故なのか。本著は、その歩みとともに背景を探り、今後の方向を見据えながら、業界が抱える諸問題をわかりやすい表現で解説しています。
 
 とくに昨今は、経産省の「クール・ジャパン」戦略などもあって、日本の伝統工芸が見直され、中でも大きな位置を占める伝統織物に世界の目が向けられています。こうした絶好のタイミングで出版されたのが、この著作です。
 この本には、成熟社会の中で、繊維産地が底力を発揮するためのヒントが散りばめられています。これからのモノづくりを捉え直す好材料として、繊維関連に限らず幅広い分野の方々に、ぜひお読みいただきたい一冊です。
 
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 「生き続ける300年のモノづくり-京都府北部・丹後ちりめん業の歩みから」
 北野裕子著 (新評論 2013.10)  4,200円

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2013年8月19日 (月)

「三宅一生─未来のデザインを語る」珠玉の一冊

 「三宅一生─未来のデザインを語る」を読了しました。ここには、世界の衣服デザイナー、三宅一生さんが語るデザインについての珠玉の言葉が収められています。
00024855_3       聞き手・編  テレビマンユニオン会長 重延 浩 
          岩波書店発行 定価 2900円+税

 「デザインには希望がある。そしてデザインは驚きと喜びを人々に届ける仕事である。好奇心を満載にして生きていくということが、デザインなのではないか。デザインには未来を見る目が必要なのです」の表紙を飾る言葉。
 「ただ消費するばかりでなく、つくることの大事さをもう一度考えよう」と呼びかける言葉。
 衣服は人間のためにある。人間が衣服のためにあるのではない」という「一枚の布」を発想されたときの言葉。
 どれもみな感銘させられます。
 
 高校生時代にイサム・ノグチの作品に出会ったことがきっかけで、デザインを意識するようになったことや、ファッションがデザインとして世の中に認められていない分野だったから、これは面白そうだ、と思い、ファッション・デザイナーを志したこと、そして「一枚の布」から「プリーツ ブリーズ」、「A-POC」、「132.5」の服づくりまでの軌跡、デザインミュージアム「21_21デザインサイト」立ち上げなど、つぶさに語られていて、とくに若い方々におすすめです。
 
 「21_21デザインサイト」の「21」は、単純に21世紀ではなく、視力2.1の意味だったこともこの本で知りました。デザイナーはパーフェクトサイトとされる視力2.0よりも、もう少しよく見える2.1で、先を考え、工夫し、実践していく人間であって欲しい、という願いを込めて命名されたとのこと。この精神が今、「国立デザイン美術館をつくろう」という運動に発展しているのでしょう。

 付録のDVDも付いていて、一生さんのデザイン哲学がより一層立体的に理解できるようなっているのも、うれしい一冊です。              

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2013年8月 2日 (金)

「あらいたて きもちいい!パンツ」重版出版

 今日、8月2日は「パンツの日」。「パン(8)ツ(2)」の語呂合せで、1984年に記念日に制定されました。パンツの日だからというわけではないのですが、2007年に私の監修で、刊行された図書、“ものづくり絵本シリーズ「あらいたて きもちいい!パンツ」”( チャイルド本社発行)が、この7月、重版出版されました。

 小さな子どもたちにとって、毎日はいているパンツがどうやってつくられているのか、原料から製品になるまでを、わかりやく解説してあります。
 普段何気なく身につけているパンツですが、植物の種子がつくり出す白いやわらかい丈夫な繊維、もめんからできていることを、子どもたちに知らせたい、そんな思いからできあがった絵本です。イラストレーター、ささき みおさんのふんわりとやさしい絵が、コットンにぴったりです。 
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    中島妙/ぶん ささきみお/え 柳原美紗子/監修 600円

 本を編集していただき、重版でまたしても大変お世話になりましたアルバの清家和美さん、本当にありがとうございました。      

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2013年5月21日 (火)

「不思議な一粒」木綿への愛と祈りの書

 「綿から生まれ、綿に返る」という理念を大切に木綿と向き合い、対話しながら木綿の力を提案し、創作活動を続けていらっしゃる工芸作家、岡嶋多紀さんから著作「不思議な一粒」が贈られてきました。
 木綿と和紙、この二つの素材にこだわり続けている著者の集大成ともいうべき豪華本で、表紙に茶綿入楮紙、中扉に色木綿入楮紙が使用されています。
 タイトルの「一粒」とは、棉の種のこと。この書には、一粒の種から始まった木綿が、織物から和紙へ生まれ変わり、“木綿往生”するまでの、木綿への深い愛と祈りが込められています。

 元アパレルのデザイナーだった岡嶋さんは、着捨て時代の屑になった木綿をいとおしみ、「たき織」と名付けた裂織を完成させ、ファッションやインテリアなどの様々な作品を制作しています。その後に出る残布や残糸も捨てられないと、コットンフラワーをつくり、それでもまだ残る布屑は漉いて和紙に仕上げます。ふわふわのコットンボールが、最後は色とりどりの繊維(綿)に再生する、捨てられない布―木綿和紙の誕生です。
 
 こよなく木綿を愛するアーティストの岡嶋さんに、私は以前からずっと着目し、展覧会やファッションショーにお伺いしてきました。世田谷のギャラリーを訪問させていただいたときには、見事なアートなフラワーのオブジェに、目を丸くしたことを覚えています。
 このところしばらくお会いしていなかったのですが、木綿和紙を手掛けられ、とうとう本を出版されたとは! 本当にすばらしいです。岡嶋さんに脱帽です。
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B5変型104頁(上製本/窓開き仕様段ボールケース)
発行:マリア書房
価格:¥4,725円(税込み)

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2013年4月13日 (土)

大人がときめくフリーマガジン「つなぐ通信」創刊!

Img18315x450_4   「Textile Treeテキスタイルツリー」主宰の成田典子さんから、「つなぐ通信」創刊号(2013 Spring)を届けていただきました。「いいものを、つないでいく」をコンセプトにした大人のマガジンで、年4回発行されます。

 巻頭言には、「先人たちが築き、受け継がれてきた“大切な原点”を拾い上げ、それを次世代に伝えること」が、我々の大事な使命とあり、本当にそうだなと感銘しました。魅力的なシニアにスポットを当てるインタビュー記事など、読み応えのある内容です。とくにイラストレーターでエッセイストの西村玲子さんによる「西村玲子のつなぐ暮らし」の連載は、おしゃれなライフスタイルに憧れるシニア世代にとってうれしいページでしょう。

 すべてカラー刷りで美しい写真も豊富。これがフリー(0円)でゲットできるなんて、時代は変わりました。渋谷PARCOパート1 4階のフリペーパー専門店「オンリーフリーペーパー」を始め、各所に置かれているとのことですが、現在設置・配布していただけるお店や施設を募集中だそうです。どこかありましたら、お知らせください。

 成田さんとは以前「テキスタイル用語辞典」を作成されるというので、テキスタイル資料でご協力させていただいたのがご縁です。繊維辞典というと、堅苦しいものが多いですが、これは素材のカラー写真が付いていてわかりやすく、読み物風コラムもあって、楽しく学べます。日本図書館協会選定図書でもあり、服飾や関連業界の方々にとっては大変参考になるお奨めの書です。

 「つなぐ通信」が創刊されて、改めてこの「テキスタイル用語辞典」への想いを新たにしました。すてきなつながりに感謝です。

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2013年4月12日 (金)

ユニバーサルデザインに求められる「サスティナビリティ」

 超高齢化社会に突入している変革期の日本で、求められているのは、使い手の側に立ったユニバーサルデザイン(UD)の提案です。UDとは「年齢・体型・性別・人種・障がいに関わらず誰もが楽しめるデザイン」で、その根幹を成しているのが、有限な地球に暮らす人間中心のアプローチです。いくら高品質で安価な商品が魅力的でも、ビジネス優先による環境破壊が潜んでいるとしたら、見過ごすことはできません。

 UDの背景にエコロジカルな視点、とりわけ「サスティナビリティsustainability=持続可能性」がキーワードとして浮上しています。何を持続させるのかというと、「良い社会と地球環境」です。つまり「サスティナビリティ」とは、「将来世代にわたってずっと良い社会と地球環境を保ち続ける」という考え方で、これが商品選択の重要な基準の一つになってきているのです。

 とくに3.11の大震災以降、「豊かさとは何か」が問い直され、大自然を脅威と受け止めながらも、自然と共存するライフスタイルや商品に高い関心を示す生活者が増加しています。生産現場でも、環境に配慮し限りある資源を次世代につなぐ発想のモノづくりが求められるようになりました。
 
 「今が良ければいい」から、「長続きさせる」方向へ価値観の大転換が起こっている現代。14年春夏に向けたパリのプルミエールヴィジョン(PV)やミラノウニカ(MU)でも、テーマのひとつとして掲げられたのが「サスティナブルなファッション」でした。ユニバーサルファッションは「着て楽しく、着易くて動きやすい」ことが大原則ですが、今後は環境問題に関しても、より積極的に取り組む必要があります。
 
 これについて、今月10日に発売されたトレンド先読み情報誌「FASHION COLORファッションカラー2014年春夏/2013-14年秋冬号」(日本色研事業発行)に、私が寄稿した記事が「UNIVERSAL DESIGN 」見開き2ページで掲載されています。書店でぜひお求めください。
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2013年1月24日 (木)

「コットンが好き」高峰秀子を振り返る

 高峰秀子を格別な存在として意識するようになったのは、1984年「コットンが好き」という本が出版されたときです。「二十四の瞳」以来ずっと憧れていた、あの大女優が何と「コットンが好き」をテーマに本を著し、私と同類!?なことがわかって、とてもうれしくなったことを覚えています。ちなみにこの本は大ベストセラーになって、2003年に文庫本化されています。

 コットンというと、ファッションのイメージは、さっぱりしていて飾り過ぎず、さりげない雰囲気ですが、昨年出た高峰秀子・松山善三・斎藤明美著「高峰秀子 暮らしの流儀」によると、「おしゃれのコツは飾り過ぎないこと、なにげなくあること」と書かれていて、「好んだ色は黒やグレー、キンキラキンは大嫌い。装いもアクセサリーも、シンプルなデザインのものを愛した」とあります。どちらかというと私もそういう目立たない好みですし、「コットンが好き」という人らしいな、とますますファンになりました。
 
Takamineposter_2  鎌倉市にある川喜多映画記念館では、昨冬来、「高峰秀子」展を開催しています。先日ようやく見に行く機会があり、子役でデビューした5歳から55歳で引退するまでの軌跡を振り返ってきました。   

 写真やポスターなどとともに、多数の脚本(ほん)が展示されていて、その中に自筆のスタイル画が描かれているものがいくつかあり、人物の描き方が上手と感動しました。聞けば映画衣裳もよく自分でデザインし、映画「女が階段を昇るとき」では衣裳デザインはすべて高峰秀子が担当したといいます。また「六條ゆきやま紬」では織物デザインまで行ったそうです。もちろん髪型はいつも自分で整えていたとか。スターでありながら衣裳まで考案したのは、高峰秀子が最初とのことでした。

 演技もさることながら、名文家で、絵やデザインの才能もあり、家庭では料理も上手と、何拍子も揃った女優は、他にはいないでしょう。自分に厳しく、晩年には潔く生活を縮小する生き方も、実に見事で、人生の達人とはこういう人のことを言うのかと思います。
 
51fg3ec8rrl__ss500__2  「コットンが好き」というところから、心に強く刻まれた女優、高峰秀子。その「暮らしの流儀」は、今やすっかり私の座右の書となっています。

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