文化・芸術

2018年4月25日 (水)

パリのイヴ・サンローラン美術館を訪問して

 この2月にパリを訪れたときに、真っ先に向かったのがイヴ・サンローラン美術館でした。そこで遅ればせながら、このすばらしい美術館を紹介します。
 セーヌ川に程近いアルマ・マルソー駅で降りて、カフェを抜けるともう、イヴ・サンローラン美術館です。ナポレオン3世様式の邸宅で、以前から美術館として機能していましたが、ピエール・ベルジェ=イヴ・サンローラン財団によって改装し直されて、昨年10月に新たにオープンしたのです。
Img_70241jpg  薄暗い館内に入ると、まず目に飛び込んできたのが、照明を浴びて輝くきらびやかな衣装です。もう息を呑む美しさ!

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 さすが「モードの帝王」と呼ばれたイヴ・サンローランです。ここには1962年に立ち上げたファッションブランド「サンローラン」の最初のオートクチュールコレクションから、2002年にメゾンが閉鎖されるまで、約半世紀にわたる膨大なコレクションが保存されているといいます。

Img_70271  右の写真はブランドのアイコニックな作品で、左は「スモーキング」(1966年秋冬)、右は「サファリドレス」(1968年春夏)です。
 イヴ・サンローランは、男性用のタキシードやパンタロン、また男性が狩猟のときに着用するサファリスーツを、こんな風にクールな女性用に仕立て上げたのですね。
 当時は女性の社会進出が始まった時代でした。男性の服を着ることで、女性たちは自信を持って行動するようになり、大いに励まされたに違いありません。

 ビデオコーナーでは、心に残る印象的な作品を見ることができます。イヴ・サンローランの偉業を支えたピエール・ベルジェ氏との交流などが、15分ほどの短編に収められています。

Img_70371  その上の階は、生前そのままに再現されたアトリエになっています。息遣いが聞こえてきそう。そんな気配を感じたりもして----。Img_70381_3
 
 親交のあったベルナール・ビュッフェが描いたイヴ・サンローランの肖像画も展示されていました。

 階下に下ると、アートに彩られたコーナーが現れます。向かって左から、マチス、ピカソ、それに有名なモンドリアンルックのドレスもここにありました。
Img_70411jpg  
 久々にタイムスリップして、贅沢空間を堪能しました。
 表に出ると、入場を待つ人の列がさらに長く伸びていてちょっとビックリ。待つけれど一見の価値ありです。パリにいらっしゃったら、ぜひ訪ねてみてはいかがでしょう。フラッシュなしなら写真撮影も可能です。

 なおモロッコのマラケシュにも同様の美術館が開館しているそう。今度はそちらにも行ってみたいものです----。

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2018年4月22日 (日)

「KIRE・KIRE・TEN ―現代の民族衣装―」展

 既に終盤となった「KIRE・KIRE・TEN ―現代の民族衣装―」展に行って来ました。キレ=布に焦点を当て、若手デザイナーブランドのデザイナーたちが「現代の民族衣装」をテーマに制作したファッション展で、この23日まで池袋・パルコミュージアムで開催されています。

 展示は2つに分かれています。一つは、既に東京コレクションなどで活躍している気鋭のブランドの作品です。
Img_96001jpg  正面手前はPERMINUITE(半澤慶樹) × ワタノブテックス(トーションレース)。

Img_96011jpg  右はS0SHIOTSUKI(大月壮士) × Tex.Box(ニードルパンチ) TAKUMA FUKUMORI(横振り刺繍)。

 この他、HATRA(長見佳祐)、KOTONA(山下琴菜)、RYOTAMURAKAMI(村上亮太)、mikio sakabe(坂部三樹郎、シュエ・ジェンファン)らも出品しています。

 もう一つの展示は、本展でデビューしたばかりという新進ブランドが中心です。「ここのがっこう」出身のデザイナーたちが多く出展していました。
Img_96191jpg  ここはまさに日本の夜祭り! 赤い光が照らす中、提灯がぶら下がり、輪投げ遊びコーナーもあって、ゲームでもしたくなるような雰囲気です。楽しくも不可思議な幻想的空間が演出されていました。

Img_96131  右はRe:quaL≡(土居賢哲)× 遠藤繊維工業(横編み)。
 たまたま居合わせたデザイナーの土居さんによると、これはビジネスバッグを持って通勤する日本のサラリーマンの典型的な姿をイメージしたものだそう。
 既存のスタイルを打破して新しい価値観を生み出そうと、必死にもがいている精神状態を感じる作品です。
 他に、ANNA KOJIMA(小嶋杏奈)、ayatsunemi(常見彩耶)、BIRDMAN(シュエ・ジリン)、CHIHARU EGAMI(江上千晴)、Fumiku(林史佳)、HIROKO HASEGAWA(長谷川博子)、LIMTWEA(イム・トゥエ)、maimori(森麻衣)、medetasy(石田萌)、natsucoendo(遠藤夏子)、PITECAN THROPUS(大橋佳奈)、Seiran Tsuno(津野青嵐)、渡辺未来(渡辺未来)が参加しています。
 また協力生地メーカーは、吉田染工/遠藤繊維工業/奥田染工場/笠盛/久野染工場/妙中パイル織物/Tex.Box/トシテックス/ファイブワン/村田刺繍所/ワダノブテックスで、企画コーディネートは糸編(セコリ荘)。

 各デザイナーたちは生地メーカーとコラボし、メーカーの工場に足を運んでプリントしたり、刺繍したり、様々な加工を施して生地を開発したといいます。ファッションは素材、つまりキレ=布から始まります。本展では全作品に、普段は表に出てこない生地メーカーの名前が記されていました。こうすることでファッションにいかにキレ=布づくりが重要か、がわかります。
 これまでにない画期的な展覧会でした。今後の拡がりを期待しています。

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2018年4月16日 (月)

「蓮沼執太: ~ ing」 音を使った体感型アート展

 先日、東京・銀座の資生堂ギャラリーで開催されている企画展「蓮沼執太: ~ ing」の内覧会に行ってきました。
 蓮沼執太さんといっても私には初耳でした。国内外で活躍する音楽家で、身の回りの音を使って作曲したり、アート作品をつくったりしているアーティストです。
 メイン会場に入ると、そこには金管楽器の残骸が敷き詰められていました。これは「Thing~Being」というインスタレーションです。この上を歩けば誰でも否応なく音が鳴ります。これも作品の一つとは! そう、本展は音を使った体感型アート展なのです。

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 現れた蓮沼さんもこの作品の上に立って、概容を解説してくれました。
 まずタイトルですが、「~ ing」は「カライング」と発音するそうです。「~」の後、スペースを空けているのは、自分と他人、モノと自分、聴覚と視覚、美術と音楽などといった関係性を表現しているとか。 現在進行形の「ing」に、ここではそれ以上の意味を持たせたかったといいます。
 Img_95741これら楽器の廃材は、すべて浜松のヤマハ工場から出たものだそう。音楽を生み出す楽器を破壊する工程を見て、この作品を思いついたとか。壁面には四方にミラーシートを貼り、そこにいる人の姿をぼんやりと映し出しています。また床面には資生堂の別のビルの風景を映した映像がプロジェクション・マッピング(これはちょっとわかりにくい)されていて、雑踏の音が聞こえてくるようです。いずれも自分と他者との関係性を表しているといいます。

Img_95901  もう一つ、興味深かったのが、「Tree with Background Music」という作品です。
 スピーカーから時折大きな音を出すと、植物のアレカヤシの葉がザワザワ揺れます。
 まさに音声を可視化した象徴的アートです。

Img_95931  さらに「We are Cardboard Boxes」は、単なる積まれた段ボール箱と思いきや、そうではありません。この箱からは蓮沼さんが段ボールを使って演奏した音楽が流れてくるのです。荷物のような段ボール箱から音楽が聞こえてくる、その意外性が楽しい!

 この他、音を拾うフィールドワークのビデオなど、百聞は一見に如かず、です。
 開催は6月4日まで、銀座に行かれたら立ち寄ってみてはいかがでしょう。

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2018年4月10日 (火)

「巡りゆく日々 サラ ムーン写真展」が圧巻!

Scan0042  銀座に行った序に、「シャネル・ネクサス・ホール」で開催されているサラ ムーンの写真展に行って来ました。 
 タイトルは「巡りゆく日々」です。時の流れの中で、一瞬一瞬変化していく美をとらえた画像は圧巻! 

 写真には色がなく、ほとんどが白黒のモノトーンです。展示室の真白な空間が、光りと影で表現された作品、約100点をより一層強調しているようでした。

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Img_95481  右は「浴女」のシリーズです。

 現代でもっとも注目される写真家の一人といわれているサラ ムーン。1960年代にはモデルとして活躍し、趣味だったカメラが1970年代に認められるようになって、シャネルなどトップメゾンの仕事に携わるようになっていきます。
 私もその頃、初めて「キャシャレル」の香水、「アナイス・アナイス」の広告写真を見て、感動したことが忘れられません。Img_95501詩情あふれる絵画のようなイメージのとりこになりました。
 左手前は「ベールの女」。

 今また、そのときの感覚に出会ってしまいました。でも今回はファッション写真だけではなく、厳しい自然や社会の孤独を反映した作品も多く見られます。
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  会期は5月4日まで。銀座にいらっしゃったらお見逃しなく。

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2018年4月 9日 (月)

「パリ凱旋・傘寿記念 与勇輝展 創作人形の軌跡」

 今、銀座松屋で開催されている「パリ凱旋・傘寿記念 与勇輝展  創作人形の軌跡」を見て来ました。会期終了(10日)が迫り、入場制限が行われていて、30分待って入場しました。

1  入ってすぐ真向いに、置かれているのが、左のちらしにも使われている「たま」という作品です。月並みな表現ですが、人形はほんとうに生きているかのようです。猫のたまも動き出しそう。
 展示されているのは、ほとんどがかつての日本の庶民的な子どもたちの様々な姿を写した人形です。喜怒哀楽、様々な表情を浮かべて、そっと佇んでいます。私も昔はこんなだった、と思いながら懐かしい思いで拝見しました。
 立ち姿の人形には、何の支えもありません。すっくと二本足で立っているのも考えてみれば不思議です。そのつくりを知る資料も展示されています。人形制作をされたい方には、大いに参考になりそうです。
 ビデオコーナーでは、昨年80歳になられ、傘寿を記念してパリで展覧会が催された模様などが語られていました。年齢を感じさせないエネルギーはどこから来るのでしょう。
 最後に、与氏が「人形は自分自身なのです」と語られていたのが印象的でした。

 なお本展は明日までですが、4月25日から京都高島屋、その後横浜高島屋へ巡回するとのことです。人形たちが放つ圧倒的な存在感に、直に触れてみてはいかがでしょう。

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2018年3月28日 (水)

企画展「コシノヒロコ クリムトへのオマージュ」

 今、東京・銀座のKHギャラリー銀座で、5月19日まで、企画展「コシノヒロコ クリムトへのオマージュ」が開催されています。
 コシノさんは以前から19世紀末のウィーンを代表する帝政オーストリアの画家、グスタフ・クリムトの絵画を着想源に作品を制作されてきたといいます。今年1月に放映されたNHKの日曜美術館で、クリムトをテーマにした回があり、このときコシノさんが出演されて、ご自身との共通点などを語られていたことを思い出しました。

 初日に行われたレセプションパーティで、コシノさんから本展への思いを伺いました
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 まずは目玉となっている「WORK ♯1078 幸せの青い鳥」(上の写真)です。
 これはクリムトを意識して描いた大作で、発表したのは5年前だったといいます。そのときこの絵をどうしても売ってほしいと乞われて手放してしまったそうなのです。今回、ぜひ展示したいと、この作品を取り寄せたとのこと。持ち運べるように屏風をイメージして4つの部分に分けて描いてあることも明かされました。
 NHKの日曜美術館から、この絵の再現を依頼されたそうですが、同じものはできない、と断られたことも披露。Img_84231作品にはその時点での新しい表現をとり入れたくなるからだそうです。ファッションデザイナーとしてのDNAが騒ぐのですね、きっと。
 それでもクリムトを感じる最新作が2点、出品されています。左はその一つです。

 独自の美を追求したクリムト。コシノさんも金や墨と和紙、布といった重厚なマチエールと深みのある色彩で呼応しつつ、時代を超越した新しい美を生み出しています。その革新的表現を堪能させていただきました。

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2018年3月23日 (金)

パリで「シェイラ・ヒックス」展 力強い生命の異空間

 2月初旬に訪れたパリで、「シェイラ・ヒックス(Sheila Hicks) ライフライン」の個展が、ボンピドゥセンターで開催されていました。シェイラ・ヒックスは、繊維で造形するテキスタイルアート作家です。
 一歩足を踏み入れると、そこはまさに力強い生命の異空間。サブテーマの「ライフライン=生命線、命綱」を表象するインスタレーションに目を奪われます。
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 目に入ってきたのは、太い毛糸が天井から何本も垂れ下がる作品です。巨大な樹木の森の中にでも入ったかのよう。Img_72391
 大きな石を模したボールもゴロゴロしています。
Img_72601jpg 絵画のようなパッチワーク作品も見られます。それは活き活きとカラフルに彩られた命の森です。
 生命の本質に迫る様々な糸の造形が印象的でした。

 実は私はこの作家をまったく知りませんでした。友人を介して知り合った方に教えていただき本展に興味を持ったのです。
Img_72531jpg_2 シェイラ・ヒックスはアメリカのネブラスカ州生まれで、1950年代後半からメキシコやインド、モロッコなど探訪し、先住民の織物のイメージを取り入れた作品を発表しています。現在も糸による彫刻のようなインスタレーションを制作し続けていて、パリ6区に在住とのこと。

Cid_2b7725b8d9c64d9f81585c5cd690903  私の親友がシェイラ・ヒックスの作品をカメラに収めていて、後で送ってくれました。
 右がその写真です。
 2015年10月下旬、ルイ・ヴィトンのサンジェルマン・デプレ店のショーウインドーで、偶然撮影したものだそう。
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 私たちも知らず知らずのうちに、あちらこちらでシェイラ・ヒックスの作品を目にしているのかもしれません。
 今年で84歳になられ、今なお精力的に活動されている様子です。またどこかで作品に巡り合えるかも、と思うとうれしくなります。

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2018年3月21日 (水)

パリの百貨店はアートも楽しみ!

 この2月初旬のパリでの出来事を書いています。
 パリに行けば必ず訪れるのが百貨店です。シーズンのファッションを見て回る一方、アート展も行われていて、何があるのかしらと毎回、楽しみにしています。

 パリ左岸の「ボンマルシェ」では、中央のエスカレーターが巨大な渦巻模様で飾られていました。
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 迷路のような線格子がモダンです。見上げると、天井には青い空に白い雲が浮かんでいて、爽やかな空気が流れているよう。これはアルゼンチンのアーティスト、レアンドロ・エルリッヒ氏の「SOUS LE CIEL (空の下)」という作品です。ショーウインドーもこの作品で彩られていました。 
 行くたびにアートのあるボンマルシェです。今回も、アートが同館のパリらしい上質で洗練された趣を盛り上げていました。

Img_69741  またパリ右岸のギャラリーラファイエットでは2階にアートスペースがあり、時折(年3回とか)アート展が開催されています。無料で誰でもオープンというのもうれしいです。
 私が行ったときは「Always Someone Asleep and Someone Awake」というコンテンポラリ―アートが展示されていました。
 様々なオケージョンシーンをテーマにしたインスタレーションでした。

 館内は春一番の明るい色にあふれていて、ウキウキするような楽しさがいっぱい。
Img_69781jpg  
 パリの百貨店はファッションもアートも楽しめる、今を感じる貴重なスポットです。

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2018年3月11日 (日)

生誕140年記念展 木島櫻谷 PartⅠ 近代動物画の冒険

1  今、東京・六本木の泉屋博古館分館で「生誕140年記念特別展 木島櫻谷 PartⅠ 近代動物画の冒険」が開催されています。
 https://www.sen-oku.or.jp/tokyo/

 先日、この内覧会に出席しました。
 木島櫻谷の木島は「このしま」と発音するのだそうです。そんなことも知らずに参加した展覧会でしたが、その何とも情趣あふれる動物画にすっかり魅了させられました。

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 私がもっとも魅せられたのは、ちらしにも使われている「観月」です。NHK日曜美術館の「夏目漱石先生この絵はお嫌いですか」で紹介されたこの名画が、正面奥に展示されていました。(下の写真)Img_82911 雪の竹林に薄明るい月とキツネが一匹描かれていて、その足跡がどこまでも続いている光景です。鞍馬・貴船で描いたとか。キツネは寂しそうでもの言いたげに見えます。夏目漱石が何故この絵の悪口を言ったのか、ほんとうに不思議です。

 画伯は群青色が気に入っていたそう。没後、Img_82961高価なこの顔料絵具が発見されたのですね。「観月」には黒っぽくした焼群青も使用されているといいます。竹林や木立に微妙な奥行きが感じられるのはこのためなのでしょう。櫻谷は、日本画に西洋画の技法を採り入れた先進的な画家だったようです。

Img_82901  手前は「猛禽図」です。風に向かって今にも飛び立とうと、羽ばたく鷲を描いています。
 櫻谷26歳のときの作品で、初公開だそうです。

 
 

Img_82921  「獅子虎図屏風」です。
 獅子(ライオン)を写生するために、当時できたばかりの動物園に何度も通ったとか。
 猛獣なのに優しそうな表情をしています。

Img_83021   筆跡も瑞々しいたくさんのスケッチも見ることができます。

Img_83101jpg   幻の名画といわれた「かりくら」も見事に復元されて紹介されていました。
  毛がなびく様子など、精緻な筆さばきがすばらしい!

 本展は、昨年京都の泉屋博古館で開催された木島櫻谷の生誕140周年記念展の巡回展です。東京では「PartⅠ 近代動物画の冒険」(4月8日まで)と「PartⅡ 四季傑作屏風+近代木島櫻谷屏風尽くし」(4月14日~5月6日)の二部に分けて行われます。
 いずれも屏風絵が多く、スケールが大きいだけに臨場感があって楽しめるのでは、と思います。イベントも多数予定されていますので、足を運ばれてみてはいかがでしょう。
 なお写真撮影については、美術館より特別の許可をいただきました。

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2018年2月20日 (火)

ロンドン「オーシャン・ライナー~スピードとスタイル」展

 ミラノからパリへの旅の途中、ロンドンを訪れ、ヴィクトリア・アンド・アルバート(V&A)博物館で始まったばかりの「オーシャン・ライナー~スピードとスタイル Ocean Liners: Speed and Style」展を見て来ました。
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 オーシャン・ライナーとは「遠洋定期船」のことです。本展では、定期航路に就いた旅客船の中で、船旅の黄金期だったといわれる20~30年代に就航した豪華客船に焦点を当て、デザインの観点からみた展示が行われていました。
Img_67901  豪華客船は、たとえば有名なノルマンディー号やクィーン・メアリー号、クィーン・エリザベス号など、さらに映画で涙したタイタニック号も、です。 
 当時の装飾が施された船内は、もう洋上の宮殿のようです。

 ファッションデザイナーたちはそんな船上のライフスタイルに注目します。
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Img_68131jpg_3  晩餐会のためのイブニングドレスから、普段着や水着、ジュエリーなどのアクセサリーまで、様々なシーンに対応する商品をデザインしていたことがわかります。
 乗船客たちは嬉々として、その最新ファッションを披露したのですね。

Img_68431  上は30年代の水着です。

Img_68121  上はベルリン生まれのハリウッド女優、マレーネ・ディートリッヒが着装したクリスチャン・ディオールのニュールック・スーツです。1949年のもので、クィーン・エリザベス号に乗船し、ニューヨークに到着した時の映像も流れていました。

Img_68521pg  タイタニック号については、入口付近の壁に、ポスターが掲示されていました。
 縦長のもので、右の写真がそれです。思っていたほど大きいものではありません。

 最後の最後に、タイタニック号の木彫りのパネルの一部も見ることができました。
Img_68751jpg  アールヌーボー様式の凝ったもので、1912年4月14日夜に沈没した残骸といいます。プロジェクション・マッピングを使い、まるで洋上にゆらゆらと浮かんでいるように展示されていました。

 見終わって、予想以上のすばらしい内容にびっくりしました。さすがV&Aです。クルージングがブームの昨今、ファッション関係者にとってきっと参考になる展覧会では、と思いました。
 開催は6月17日までです。

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