文化・芸術

2019年3月 3日 (日)

松屋銀座で「ベニシアさんの手づくり暮らし展」開催中

 今、松屋銀座で「ベニシアさんの手づくり暮らし展」が11日まで、開催されています。先日、その内覧会が行われ、参加しました。

 ベニシアさんはあのイギリス人女性、ベニシア・スタンリー・スミスさんです。由緒正しい英国貴族の家系に生まれながらも、19歳で放浪の旅に出て、京都・大原で出会った日本の古民家で素朴な手づくりの暮らしをされているのですね。10年ほど前に、その生活ぶりを紹介する写真展が開かれ、これがNHKの記者の目に留まり、Eテレで「猫のしっぽ カエルの手」という番組が放映されるようになったとか。私も時折見ていて、そのたびに古民家の古き良き暮らしっていいな---と憧れています。その後制作された「ベニシアさんの四季の庭」というドキュメンタリー映画も見ました。意外にも波乱な人生を過ごされていて、感動したことが思い出されます。

 本展では美しい写真や映像、スケッチとともに、ご自宅のお庭やキッチン、愛用のテーブルウェアなどが再現されています。テレビや映像では伝わってこない、ベニシアさんの穏やかな暮らしを体験できる、ちょっとすてきな展覧会です。

Img_00081  お庭の風景です。ベニシアさんの庭づくりの原点は、一家が1956年に移り住んだジャージー島の農場での体験にあるといいます。

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Img_00171jpg  絵もお得意で、スケッチが多数展示されています。

Img_00611  本展の一番の見どころがこの広い空間です。

Img_00621   とくに暖炉は大のお気に入りだそう。

Img_00451  キッチン台にはスペイン風のタイルがはめ込まれています。

Img_00541jpg  ピクニックセットです。布には手づくりの刺繍が施されています。

Img_00831  最後にご夫妻で仲睦まじく手をつないで登場。ご主人は山岳写真家の梶山正氏です。

  なお、写真は美術館より特別の許可をいただきました。詳細は、http://www.matsuya.com/m_ginza/exhib_gal/details/20190228_venetia_8es.htmlを参照ください。

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2019年2月22日 (金)

パリ装飾美術館で「ジャポニスムの150年」展

 今回パリへ行き、一番見たかったのがルーブル美術館に隣接する装飾美術館の「ジャポニスムの150年」展でした。
 本展は日仏友好160年を記念して開催されている日本文化と芸術の祭典「ジャポニスム2018:響きあう魂」の公式企画の一つです。
 展示会場は3フロア、2,000㎡を超えるという大規模なものでした。大きく「発見者」、「自然」、「時間」、「動き」、「革新」という時代にとらわれない5つのテーマで区分けされていて、そこにフランスと日本の相互交流の歴史を伝える工芸、デザイン、ファッションが横断的に展示されています。
 膨大な展示資料の中、私の興味はやはりファッションでした。そこでここではファッションをピックアップし、そのいくつかをご紹介します。

 まず「発見者」のコーナーでは、19世紀後半、日本美術に出会ったコレクターたちが集めた室内装飾や工芸品が展示されています。
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Img_09071  当時、日本趣味がブームのように広がっていったことがわかります。

 右は1889年のパリ万博の目玉となったエッフェル塔が描かれた扇です。

 次に「自然」では、竹や藤、菊の花などの植物からツバメなどの鳥、虫など、日本の四季折々のモチーフを取り上げ展示。

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 左上は本展のアドバイザーを務めている コシノ ジュンコの作品、竹製のビュスチェ(1998年)です。
 右上はケンゾー タカダよる竹をイメージしたコットンプリントのシャツとロングスカートのアンサンブル(1974年春夏コレクション)です。 

Img_09541  上の写真中央の衣裳は、ジョン ガリアーノによる「ボヘミアン レディさん」と題された作品(1998年春夏コレクション)です。

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 左上はキャロ姉妹のクレープデシンのコート“カサノバ”(1925年)。
 右上はポール ポワレによるシルクタフタのアフタヌーンドレス(1922年)。

 「時間」では江戸時代にタイムスリップします。

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 ここではクジャクの羽根をあしらった華やかな陣羽織や西陣織 友禅染めの着物、裃など---、多種多彩に出品されています。ヨーロッパの作家のものも多数見られて、日本人顔負けの優れた技量に驚かされたりしました。

 「動き」では琳派をイメージさせるものが目につきました。

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 左上は、ジュンコ コシノによるラッカー加工のシルク地“リンパ”のドレス(2015年)。
 右上は、ピエトロ セミネリの“よろい” (1968年)の作品。

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 上の写真は、左がジュンコ コシノの“墨流し”によるダイナミックな動きを表現した手描きの着物(2015年)、右がイッセイ ミヤケの“コロンブ(白い鳩)”と名付けられたドレス(1991年)です。

 最後の「革新」では、イッセイ ミヤケ、コム デ ギャルソン、ヨージ ヤマモトのご三家とともに、ユイマ ナカザトやソマルタなど有力若手ブランドの作品もマネキン展示されていました。

Img_10151  イッセイ ミヤケの田中一光の作品をモチーフにしたシリーズです。

Img_10291  右はコム デ ギャルソンの川久保 玲による“よろい”を思わせる作品(2016年秋冬コレクション)です。

 この他様々。それにしても素晴らしい作品の数々でした。

 パリの装飾美術館には1万点を超える日本のアートのコレクションが所蔵されているといいます。これはその厳選された作品と日本から貸し出された作品、日本の影響を受けて欧州で制作された作品で構成された展覧会でした。会期は3月3日までです。
 これでもう「ジャポニスム2018:響きあう魂」の企画は打ち止めです。でももしまた今度どこかで---と、期待しています。

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2019年2月20日 (水)

パリ百貨店 現代アート展や趣向を凝らしたイベントが人気

  パリの百貨店は毎シーズン、現代アートの展覧会や趣向を凝らしたイベントを無料で提供するなど、集客に余念がありません。

 まずは左岸のル・ボン・マルシェで行われていた現代アート展です。ポルトガル人の女性アーティスト、ジョアンナ・バスコンセロス(Joana Vasconcelos.)の作品が、本館吹き抜けの空間全体を占拠するように悠々と展示されていました。
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 これは北欧神話の「ヴァルキリー(Valkyrie)=戦場で生きる者と死ぬ者を定める女性、およびその軍団のこと」を表象したものだそうです。「シモーネ」という女性の名前が付けられています。
 今月はこの百貨店創業以来の「Mois du Blanc (白いホームリネンの月)」。それもあって、白いアートを創作したといいます。使用された白い布はすべて手作業でつくられていて、手織りや手刺繍、かぎ針編み、パッチワーク---、その気の遠くなるような手仕事の技にも圧倒されました。

 次にギャラリーラファイエット・パリ・オースマン店です。昨年クリスマスシーズン以来行われているという、「グラスウォーク」が来場者の人気を集めていました。

Img_22201jpg  これは地上からの高さ16mに設置された長さ9mの空中通路です。

Img_22161jpg 私も歩いてみましたが、中央部が透けていて、下を覗くとやはり怖い。高所恐怖症の方は無理でしょう。でも最先端から眺めたアールヌーボー調の丸天井はさすがに見事でした。

 さらにパリではないのですが、ロンドンでもセルフリッジで、アートストアを期間限定で出店。アートを創ったり、集めたりしませんか、とクレヨンなどの文房具からギャラリーの限定版までディスプレーしてアピール。とくに草間弥生の“パンプキン”が展示販売されていたのが印象的です。
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2019年2月17日 (日)

ミラノ「フォンダシオン プラダ」でもう一つのバロック体験

 ミラノに来て、話に聞いていた「フォンダシオン プラダ Fondazione Prada」を訪れました。2015年にオープンしたプラダの複合文化施設です。
 地下鉄ロディ駅から寂れた道を歩き、10分ほどで目印の金色の建物がある場所に到着しました。Img_19121 ここはレム・コールハス率いる建築事務所OMAが元蒸留所をリノベーションしたものだそう。新×旧や人工×自然の対比が巧みで、いかにも現代アートの発信拠点らしく思われました。

Img_19621  エントランスは、まさにその金色に塗られた建築物です。「ホーンテッドハウス Haunted House」と呼ばれているとのことで、今思うと、地下のクロークからして静かで薄暗い、神秘的な雰囲気でした。

 展覧会場はいくつかに分かれています。その内、メイン会場のポディウムとトーレ(タワー)での展示をご紹介します。

 ポディウムでは、「Sanguine:バロックのLuc Tuymans」展が開催されていました。  
Img_19221jpg  Sanguine(サンギン)とは、「赤」、「暴力」、「活力」を意味する言葉です。絵画では残酷さと演劇化を際立たせる技法をこう言うそうです。これはベルギーのアントワープで活動しているアーティスト、Luc Tuymans(リュック・タイマンス)のグループによる企画展でした。

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 見ていると茫漠とした不安感に襲われる、ときにおどろおどろしい、グロテスク極まるといった作品も---。現代社会の深層に存在する何か訳のからないものを代弁しているでしょうか。
 もう奇怪そのもの、バロックのもう一つの側面を体験させられました。

 トーレ会場は、敷地の一番奥にある昨春公開されたというビルです。ここでは明るいモダンな印象のインスタレーションが展示されていました。
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 プラダのモードの発想源かと思えるような作品も見られました。

 このところエルメスやルイ・ヴィトン、シャネルなどアートに誘うラグジュアリーブランドが多くなっています。プラダもその一つ、アートに力を入れていることを今更ながら印象付けられたことでした。

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2019年1月27日 (日)

安野ともこのコスチューム展 浅田真央の衣裳も間近に

 今、話題の安野ともこのコスチューム展「Thanks a million」を見て来ました。
Img_02551jpg_2   場所は「andMade 北参道」で、入口にはたくさんの花束が飾られていました。
 安野さんはフィギュアスケーターやミュージカル、映画、CMなどの衣装、それにジュエリーのデザインも手掛けています。それだけに華やかな雰囲気がいっぱいでした。
 本日までの開催ですので、きっと混んでいることでしょう。

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Img_02641jpg  入るとすぐ横が、あの浅田真央さんの衣裳コーナーです。ソチ五輪で実際に着用したフィギュアスケートの衣裳がすぐ間近に展示されています。テレビで見た真央さんの美しい姿がありありと浮かんできて---、感動が思い出されます。そしてその奥にあるのは、アイスショーの「サンクスツァー」のときに着たものであるそう。
 Img_02741  左はザギトワ、右はメドベージェワの衣裳です。とにかく緻密で細かくて手が込んでいて、ちょっとびっくり。

Img_02671jpg  上中央は満島ひかりさんがドラマの中で着た赤いロングドレス。シルエットが美しい!
 その両側にあるのは、ミュージカル「キャバレー」で長澤まさみさんが着用したという、ちょっとセクシーなコスチュームです。

 この他いろいろ。こんなに近くで見ることなんて絶対にありえない、貴重な衣裳の数々です。しばしすてきなひと時を堪能させていただきました。

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2019年1月23日 (水)

「子どものための建築と空間展」学びと遊びの建築デザイン

 今、パナソニック汐留ミュージアムで3月24日まで「子どものための建築と空間展」が開催されています。先日このプレス内覧会に行ってきました。
 これは建築デザイン史にみられる特徴的な子どもの学びの場と遊びの場を紹介する展覧会です。こんなところで学びたかった、こんなところで遊びたかったと思うような建物の模型や写真資料などが展示されています。

Img_00221  ギャラリートークではパナソニック汐留ミュージアムの学芸員 大村理恵子さんと、青森県立美術館の学芸主幹 板倉容子さんのお二人に、ご案内していただきました。

 展示構成は時代順に明治から現在まで5章仕立てになっています。章ごとに色分けされているのもわかりやすいです。(撮影については特別な許可をいただきました。)

 第一章は、「青」で「子どもの場の夜明け 明治時代」です。
Img_00301jpg_2  当時は子どもの教育に近代的な教育システムが採用されて、校舎建築では西洋と日本の様式をミックスしたスタイルが目立ったといいます。長野の開智学校の模型を始め、東京女子師範学校附属幼稚園(現茶の水女子大学附属幼稚園)の珍しい写真(右手前)も見ることができました。

 第二章は、「赤」で「子どもの場の世界の発見 大正時代」です。
 大正デモクラシーの思想を受けて、子どもの人権や個性を大切にするという考え方が入ってくるのです。
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 右は羽仁もと子創立の「自由学園 明日館」の模型や、フランク・ロイド・ライト設計の木の椅子が展示されているコーナーです。

Img_00061  子ども服も登場します。上写真の左は資生堂が販売を手掛けていたという男児服です。1920年代初めは欧米でも子ども服は改革期で、動きやすいシンプルなファッションになっていったのです。上写真の右は東京家政大学所蔵の女児服です。ローウェストや別布使いのデザインが流行していたことがわかります。

 第二章と第三章の間にはインターミッションが設けられています。
 「戦争前夜に咲いた花」として正面に戦艦「三笠」の模型、また慶応幼稚舎の校舎などの写真が架かっています。

 第三章は、「紫」で「新しい時代の到来、子どもたちの夢の世界を築く1950-1970」です。
 科学的視点に基づくスタンダードが生まれて、Img_00491jpg標準設計の校舎が次々に建てられていきます。その一方、円形建築など、オリジナリティのある建物もデザインされたのですね。
 右はその一つ、丹下健三設計の「ゆかり文化幼稚園」です。

 第四章は、「黄」で「おしゃべり、いたずら、探検―多様化と個性化の時代 1971-1985」です。
 米国からオープンスクールという新しい教育メソッドが導入されて、Img_00541オープンスペースを取り入れた新しい試みの建築や遊具に目が向けられるようになります。
 右は「タコすべり台」、何とも楽しそうです。

Img_00691  上はイサム・ノグチのモエレ沼公園の遊具広場と設計図です。これはイサム・ノグチ遺作の初公開資料だそうです。

 第五章は、「緑」で「今、そしてこれからの子どもたちへ1987-」です。
Img_00701  ここでは学校はどうあるべきか、地域の人々とのつながりをも考慮した建築の姿を浮かび上がらせています。

Img_00171  最後に、「ペタボーの空」という誰でも遊べる遊具コーナーに出ます。これは小さな棒状の面ファスナーを投げてペタペタくっつけていく遊びです。私もやってみました。意外と楽しかったです。子ども時代に帰った気分になるかも---。

 なお、詳細はHPを参照(https://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/19/190112/)してみてください。

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2019年1月 7日 (月)

銀座「セイコードリームスクエア」でブランドの歴史を体感

 昨年末、12月20日にオープンした銀座の「セイコードリームスクエア」に行って来ました。
Img_95721  1階はミュージアムになっていて、インテリアは 銀座のシンボル“和光時計塔”の内部をイメージしているそうです。また展示品は、墨田区東向島にあるセイコーミュージアム所蔵の一部であるとのこと。係の方が親切にご案内してくれました。

Img_95731jpg  時計の歯車の台に、セイコー(SEIKO)ブランドの歴代の名品が展示されています。
 1881年の服部時計店創業時の時計から、Img_9574120世紀初頭の花形懐中時計(写真右)、1960年の初代グランドセイコーなど、当時の面影を伝える時計がミニチュアとともにディスプレイされていて、見ていて楽しくなります。

Img_95781  ちょっと「ぎょっ」とさせられたのが、時計の残骸(写真上)です。これは関東大震災に見舞われて、溶けた修理時計だそう。このときセイコーの前身「精工舎」は全焼したといいます。

Img_95811jpg  この最大の危機を乗り越えて、震災後の翌年、1924年に誕生したのが写真右の時計だそう。
 「精巧な時計を作る」という創業の原点に立ち返り、初めて「SEIKO」というブランド名を冠した時計といいます。
 私の父たちのまさに憧れの腕時計だったでしょうね。

 このフロアでは時計職人による組立の実演もあったそうですけれど、今回は残念ながら見ることができませんでした。

 セイコーの歴史を体感して上の階に上ると、そこはもうすてきなショッピングエリアです。
1  4階までフロアごとに、縁起のよい初夢とされる、一富士、二鷹、三茄子それに四扇の額装が架かっているのも夢をそそります。

 今年も楽しい夢多き一年でありますように!

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2018年12月25日 (火)

オレリー・マティゴ展 絵や写真に刺繍を施すユニークな作品

 先月初め、東京・表参道のスパイラルビルで、絵や写真に刺繍を施すユニークな作品の展示販売が行われているのを拝見しました。
Img_85541 タイトルは「Aurélie Mathigot ~クロシェのカメラがとらえる刺繍の風景~」です。

 Aurélie Mathigot(オレリー・マティゴ)は、日本で「コムデギャルソン」とのコラボレーションで知られるフランス人造形美術家です。
Img_85501  ごく日常的な風景を切り取り、クロシェ(かぎ針編み)を中心に、刺繍や様々な素材を独自の世界観で作品に仕上げています。 
 細かいステッチで浮かび上がらせたステッチの美しさが、印象的でした。

 展示販売では、「コムデギャルソン」の財布や、「東京プリント」の傘、「パトリック」のスニーカー、「おつつみ」のプリントのスカーフなどがディスプレーされていました。

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2018年12月14日 (金)

庭園美術館 旧朝香宮邸からアール・デコを再考する

 東京都庭園美術館は旧朝香宮夫妻の邸宅で、1933(昭和8)年に建造されたといいます。
Exotic181006_5   内部のデザインは、壁飾りから家具、照明器具にいたるまで、アール・デコとよばれる装飾様式で統一され、まさに"アール・デコの美術品"! 訪れるたびにその優雅さに魅了されます。
 この美術館で今、特別展「エキゾティック×モダン アール・デコと異境への眼差し」が開催されています。

 先般この関連企画として服飾文化学会主催の講演会「旧朝香宮邸からアール・デコを再考する」が行われ、参加しました。講師は同美術館の学芸員 関 昭郎 氏です。
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 アール・デコとは、いうまでもなく両大戦間期のフランスに花開いた装飾様式のことです。 旧朝香宮邸の室内装飾を手掛けたのはアンリ・ラパン(1873-1939年)という人物で、1925年のアール・デコ博覧会ではフランス大使館の応接サロンをデザインするなど、活躍したといいます。作品は今と比べるとかなり装飾的で、繊細な家具の意匠など、ときに装飾過多と思えるものがみられたりもします。
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 関 氏は、アール・デコを理解するには、この時代の精神を探ることが肝要と、次の3つの要素を挙げて解説されました。それは「古典主義(クラシシズム)」と「モダニズム」、「エキゾティック」です。古典主義は、18世紀のロココに代表される装飾趣味、モダニズムは、技術革新に導かれた単純化への傾向で、アール・デコの前身であるアール・ヌーヴォーも、フランスにおける前衛美術と結びつく新様式だったといいます。エキゾティックは、話題のジャポニスムから1931年の植民地博覧会まで、異文化とのぶつかり合いがもたらした美意識です。
 アール・デコはこれら3つの要素が複雑に組み合わさったスタイルと指摘、その多様性を紐解いていく必要があると語られました。当時も今と同様、“ハイブリッド”が盛んだったのですね。

 なお展覧会は3章構成になっています。1章「モードのエキゾティシズム」、2章「装飾のエキゾティシズム」、3章「パリ国際植民地博覧会と植民地主義の表象」です。国の重要文化財となった優美な邸宅に、フランスの美術館所蔵の国内初公開作品を含む約85点が出品されています。

1  ファッション関連の作品も、ポール・ポワレの中近東風のガウン(右)やロシア・バレエをヒントにしたポショワール(ファッション版画)、1925年にアメリカからやって来て時代のアイコンとなったダンサー、ジョセフィン・ベイカーのポスターなど、興味深い展示品を多数見ることができます。
 アジアやジャポニスムへの関心が高まっている現在、本展で多彩なアール・デコの表現を見つめ直してみてはいかがでしょう。開催は来年1月14日までです。どうぞお見逃しなく。

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2018年11月24日 (土)

「神々のやどる器―中国青銅器の文様―」展

 先日16日、東京・六本木 泉屋博古館分館にて「神々のやどる器―中国青銅器の文様―」展の内覧会が催され、タイトルに「文様」とあるのにつられて参加しました。中国文明にはなじみが薄かった私ですが、拝見して中国を身近に感じるようになりました。

 日本がまだ縄文の頃、中国では3,500年以上も前から青銅器がつくられていたといいます。その悠久の昔、青銅器は中国最古の王朝といわれる殷、その後を継いだ周の時代に、複雑な造形へ発達していくのです。
 施されている装飾は彫刻ではなく、すべて鋳造で、鋳型の凹みによるものであることにも驚嘆しました。精密さにおいて、それはまさに超絶技巧!そのものです。古代中国の工人たちの技術は、後世の中国のみならず日本の伝統的な金属工芸品にも大きな影響を与えているのです。

 本展の会場は大きく2つ、殷・周そして商の青銅器と秦・漢以降の青銅の鏡に分けられています。
   (写真の単体撮影は、今回特別に許可していただきました。)

  まず青銅器です。
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  青銅器は先祖を特別な器で手厚くもてなすために、儀式や祭祀用としてつくられたものだそうです。
 そこにあしらわれている文様は、獣を象ったものが多いのですが、単なる動物ではなくて、神の化身として表現されたものといいます。実在しない想像上の生き物、龍とか鳳凰のモチーフもたくさん見られます。

Img_87331 右は、「虎卣(こゆう)」で、商時代後期 前11世紀頃のもの。卣(ゆう)とは酒器のことで、この時代、食器が頻りにつくられたようです。
 これはトトロのような耳をした虎で、口の中に人が入っています。虎型の神様に人間が守られている様子を表したものといいます。脇には皇帝の象徴といわれる龍、把手はバクのような動物、象の鼻の形の尻尾が付いているのもおもしろいです。

Img_87231  右は、「戈卣(かゆう)」という背中合わせの二羽のミミズクを表現した器です。ちょっと内股気味なのもカワイイ。商後期の紀元前12世紀頃のもの。
 ここにも龍などいろいろな動物がいて、何がいるのか観察するのも楽しいですね。

 他にも鼎(かなえ)など様々な青銅器が見られます。

Img_87751  上の「鐘」は、西周~戦国時代にかけて制作されたもののレプリカです。叩いて音を楽しめますよ。

 次に銅鏡の展示です。
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 秦の始皇帝の時代から漢代に流行したのが、青銅の鏡だそうです。持っていると幸運が訪れるとのことで、当時のラッキーアイテムだったといいます。

Img_87971  右は、神人竜虎画像鏡という後漢中期1~2世紀のものです。外側四方に二神二獣が並んでいます。青龍と白虎が対置し、人物像は仙人への憧れを表しているとか。

Img_87901  右は、唐代8世紀頃の貼銀鍍金舞鳳凰八稜鏡です。鳳凰は徳の高い賢人を表す吉祥文様だそう。

 見終わって、十二支に見る動物など、改めて日本と中国の繋がりの深さに気付かされました。

 なお開催は12月24日までです。ご興味のある方はどうぞお早めに。詳細はWEBサイトhttps://www.sen-oku.or.jp/tokyo/program/ でご確認ください。

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