文化・芸術

2017年5月20日 (土)

大エルミタージュ美術館展 仮装ナイト王宮にタイムスリップ

 森アーツセンターギャラリーで開催されている「大エルミタージュ美術館展00601_l―オールドマスター西洋絵画の巨匠たち」で、“仮装ナイト”に招待されました。 ドレスコードは舞踏会をイメージした仮装とあり、戸惑いましたけれど、コスプレなどしたことがありません。いつもより少しドレスアップして行きました。

 会場に着くと、入口付近からもう仮装した人たちで華やいでいました。ロココ風のロングドレスに巻き毛のウィグ、ティアラや帽子、仮面----を装い、もうびっくり!
 それにしてもこのようなイベントを催すとは、さすが森アーツセンター、おしゃれです。

 「戴冠式のローブを着たエカテリーナ2世」(1760年代)の肖像画の前では、女王様や王女様、王子様スタイルに扮した人たちがいっぱい。ロマノフ朝の王宮にタイムスリップしたかのようでした。
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Img_78451  仮装を楽しみながら、展覧会を鑑賞しました。
 (写真は特別な許可を得て撮影しています。)

 エルミタージュ美術館はかつての帝政ロシアの首都、サンクトペテルブルグにあり、その始まりはエカテリーナ2世の絵画コレクションからだったとか。310万点を所蔵し、その内絵画だけで17,000点といいます。本展ではルネサンスからバロック、ロココのオールドマスター、つまり巨匠たちの傑作85点が勢揃いしています。

Img_78261  ティッツィアーノの「羽根飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像」(1538年)は、初々しい女性の美しさが光ります。
 モデルはティッツィアーノの恋人だったとか。

 

Img_78281  また有名なフランス・ハルスの「手袋を持つ男の肖像」(1640年頃)も展示されていました。
 白いレースの付いたフォーリングバンドが印象的です。
 本展ではこのようなフランドルの画家たちの名作が充実しているように思いました。

 ルーカス・クラナッハの「林檎の木の下の聖母子」(1530年頃)も神秘的で、色使いが美しく、見入ってしまいました。(撮影は不可でしたけれど、ちらしやポスターに使われていますので、ご覧ください)
 フラゴナールの「盗まれた接吻」(1780年頃)や、シャルダンの「食前の祈り」(1740年)、フランソワ・ブーシェの名画など、図版などでよく見る名画もずらり。

 なお展覧会は6月18日までです。詳細はURL http://hermitage2017.jp/を参照ください。

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2017年5月18日 (木)

「アスリート展」デザインの視点でアスリートを紐解く

 いろいろな人がいて、身体も様々。でもいつも運動している人はどこか違っていて、人を惹きつける力があるようです。中でもアスリートと言われる人たちには、抜きんでた魅力を感じます。Top_poster それがどこから出てくるのか、デザインの視点でアスリートを紐解く展覧会「アスリート展」が、東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTで開催されています。少し前のことになりますが、私も見に行ってきました。 

 デザインとアスリートなんて、どういう関係があるのかと思っていましたけれど、行ってみるとその意図がわかります。身体の動きを抜きにしてファッションデザインは考えられない、その当たり前のことが展示されています。

 まずはアスリートたちの躍動する一瞬の動きをとらえた写真がすばらしい。どういう角度で撮ったのか、もう人間とは思えない身体つきに、見とれてしまいます。
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 次に驚かされるのが「驚異の部屋」(写真上)です。陸上競技選手の動きを基につくられた実物大の模型やプロジェクション映像がギャラリー全体に流れていて、実際にマラソンなどのスポーツが行われているスタジアムに入り込んだような気分になります。

 メインホールには、様々な装置がずらり。体験型のものが多くて、自分もやってみようという気にさせられます。
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Img_58881  「バランスコントロール」。
 自分の体型とアスリートとの体型がどれくらい似ているか、シルエットで計測します。
 みんな一生けん命やっていました。

Img_58631  「身体コントロール:タイミング」
 アスリートがどのように力を調整し、タイミングをコントロールしているのか、自分でやってみて体感します。

 

Img_58671  「身体コントロール:グレーディング」。
 綱を引っ張って、力を試します。
 体力測定のようでもあり、自分の身体能力の衰えを痛感させられました! 

Img_58601  「身体拡張のギア」。
 アスリートの身体づくりの秘密のツールが展示されています。

 この他、多数あって紹介しきれません。

 アスリートの動きを、体験を通して気づかせてくれる異色の展覧会でした。開催は6月4日までです。

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2017年5月17日 (水)

墨の表情が美しい器「墨の瞬」コシノヒロコのおもてなし展

 “NIKKO×コシノヒロコ 「墨の瞬」コシノヒロコのおもてなし”展が、6月25日までKHギャラリー銀座で開催されています。Img_127423_1これは洋食器メーカーのニッコー(NIKKO)が、コシノヒロコ氏のデザインによる新商品「墨の瞬(すみのとき)」シリーズ発売に合わせて開かれている展覧会です。

 一昨日、このオープニングパーティに招かれ、行ってきました。
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 コシノ氏は今回、「墨の世界のルーツを表現した」といいます。幽玄な墨絵が壁を飾る一方、陶器になって、テーブルセッティングされました。
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Img_77201  右は、芦屋のご自宅にある長さ30メートルもの墨絵の一部だそうです。
 空間に勢いよく乱れ散る、五線譜でも舞っているかのような墨跡が見事です。

Img_77181  そこから絵が切り取られて洋食器にデザインされました。

 洋と和のハーモニーが何とも典雅、美しい!

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 左はコシノ氏、右はニッコー社長の三谷明子氏です。
 お二人のお付き合いは30年前にさかのぼるそうで、そのときの初めてお仕事が今も続く「藍がさね」シリーズとか。これは階上に展示されています。
 お互いによい関係で続けられているのは、奇跡的と話されていました。
 そのような親密なコラボレーションなくしては誕生しなかった新しい和の世界---。ほんとうにすてきですね。

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2017年5月16日 (火)

「自転車とモード展~門外不出のヤガミ・コレクション~」

 自転車の普及が女性のモードを変えたと、よく言われます。実際のところ服装史上で、どうだったのでしょうか。29dd45db277943ffa9740dd80eeb4b28 このことを知る展覧会「自転車とモード展~門外不出のヤガミ・コレクション~」が今、伊藤忠青山アートスクエアで開催されています。
 先日、同展を監修された日本自転車普及協会自転車文化センター学芸員の谷田貝一男氏とアートテラーのとに~氏によるギャラリートークがあり、私も参加させていただきました。

 まずはヤガミ・コレクションって何?からです。これは自転車を業とされてきた八神史郎氏の自転車コレクションだそうです。1996年に名古屋にサイクルギャラリーヤガミを開設されましたが、87歳になられた現在は公開を中止、東京での展示は初めてとか。日本では自転車の個人コレクションとしては最大級を誇り、他にはないといいます。

 本展では1800年代からの自転車とドレスの変遷をたどります。
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 自転車は1817年ドイツで発明され、1819年には早くも女性用自転車が誕生したといいます。当時の女性服はシュミーズドレスで、跨がなくてもよいようなつくりになっていたのです。これは展示されていませんでした。

 1861年に前輪にペダルが付いた自転車が登場し、クリノリンドレスの女性が乗っているポスターが出てきます。Img_76531jpg男性はもちろん乗ったのでしょうが、女性は実際に乗ったとは思われず、これはあくまでも広告用だったといいます。

 右は1884年につくられた同型の英国製自転車です。

 1872年に前輪が大きい自転車「オーディナリー」がつくられ、人気を集めます。
 バッスルスタイルの女性の自転車姿のポスターがありますが、Img_76191これも広告だけだったと思われているようです。

 右は1896年のフランス製モノ・サイクル、一輪車です。現存する2台のうちの1台で、大変希少、かつ貴重なものといいます。 

Img_76231  前輪駆動式のトライシクル(三輪車)です。1884年に英国で製造されたもので、三輪はスピードが出ませんが、誰にでも簡単に乗れるということで、様々なものがつくられたといいます。
 これは前輪駆動の珍しいもので、多くは後輪駆動式だったそうです。

Img_76261jpg  1885年に現代とほぼ同じ形の自転車が誕生します。前輪と後輪が同じ大きさで、チェーンによる後輪駆動です。
 右は1889年のアメリカ製「セーフティ コロンビア」。女性の乗りやすさを重視したスタイルになっています。

Img_76311jpg  白い車体の自転車は、1950年にアメリカでつくられた「ボーデン スペース ランダー」と呼ばれるもの。
 ファイバーグラス製で「錆びない、腐食しない」をアピールしたそうですが、強度に問題があり、未来の自転車として残ることはできなかったとか。

 この他に様々な自転車が展示されています。

 最後に興味深かったのが、日本で明治時代に女学生が乗った自転車の展示です。Img_76101_2  女学生はロングスカートのような女袴で自転車を乗り回したようです。
 そんな錦絵も多数展覧されています。

 興味のある方は、5月28日までですのでお早めにどうぞ。

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2017年5月14日 (日)

津村耕佑展「RECOMBINATION」テーマにパズルウエアー

 今、東京・青山のスパイラルガーデンで津村耕佑展が開かれています。津村耕佑(KOSUKE TSUMURA)氏と言えば、アートや建築などジャンルを超えて内外で活躍しているファッションデザイナーです。
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 テーマは「組み換え」という意味の言葉「RECOMBINATION」で、Img_75921同氏が考案されたパズルウエアーを活用した作品が展示されていました。パズルウエアーは突起とスリットを持つピースです。それを複数組み合わせることで、多様な造形をつくり出しているのです。
 その発想源は、何と細胞分裂といいます。ピースを細胞と見立てて眺めると、作品の意図がわかった気がしました。

Img_75971  素材はテキスタイルから資材、紙や段ボールなど様々です。それらを思いつくままに、自由につないでつくった、といった感じです。組み合わせるだけで縫製は不要ですので、誰でもできます。飽きたら別の形にしてみるなど、パズルやブロック遊びでもしているかのように楽しめます。

 同氏が1994年に発表した「ファイナル ホーム(FINAL HOME)」もユニークでした。これは「どのような状況においても適応できる」をコンセプトに開発されたシリーズで、ポケットがたくさん付いている透明ビニールのような素材の服に感動したことが思い出されます。

Img_76091  会場ではプチプチを使ったパズルパーツ「プチプチタングル」も販売されていました。(8P
で864円)。プチプチのクッション性、断熱性を生かし、自分ならではの形をつくってみてはいかが、という提案です。
 ところでもう一つ、このピースのデータがWEBサイトで公開されていることもお知らせしておきます。ダウンロードして使えるようになっているのです。つくる楽しさがますます広がりますね。

 なお展覧会は21日までです。

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2017年5月12日 (金)

川口 拓 個展 絵ハガキに込められたシンプルなデザイン

 アートインストラクターの川口 拓 氏が、東京・青山のオーアーゲーハウス東京で14日まで個展を開いています。
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Img_75841_2  会場ロビーの広い空間には、桐でつくられたオブジェが3体たたずんでいました。壁面に架かっていたのも、木の目の美しさを生かした桐のレリーフです。

 形は究極のシンプル! 見る者の想像を掻き立てるコンセプチャル・アートでした。

Img_75861_2  右は「大黒天」。

 その発想は絵ハガキにあるようです。カラフルな色鉛筆やマーカーなどを使って描いたラフスケッチのような絵ハガキが展示されていて、その数、何と88枚です。
Img_75851_2  川口 氏は、いつとはなしに人に絵ハガキを送るようになったそうで、一つひとつに「梢のささやき」とか「幸せな夢」とか、思いのこもったタイトルが付いていました。こうした絵ハガキはまさにご自身の分身だ、といいます。(写真が白く飛んでしまいました) 

 シンプルとは言っても、あたたかさやさしさがにじみ出ているのはこのためだったのですね。一本の線が、こんなにも豊かな表情を生み出すとは----、と感銘しました。

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2017年5月 9日 (火)

「シンプルの正体 ディック・ブルーナのデザイン展」

 カワイイ「ミッフィー(うさこちゃん)」に会いたくて、「シンプルの正体 ディック・ブルーナのデザイン展」に行ってきました。松屋銀座で9日まで行われていた展覧会で、ぎりぎり間に合ってよかったです。20170301dickbruna 中は人でもみ合うほどではありませんでしたけれど、かなり混んでいました。
 右はそのメインヴィジュアル「ブラックベア」です。
 ディック・ブルーナ氏は、オランダ人絵本作家でグラフィックデザイナーです。(今年2月に逝去されたことが惜しまれます。) 「シンプルの正体」というタイトルにもありますように、改めてブルーナ氏のシンプルの哲学を印象付けられました。
 彼の目指す究極のシンプルとは、豊かな世界です。余計なものは限りなく省き、記号のように幾何学的で、カラーは6色しか使っていません。マティスの切り絵を連想させます。けれどあの温かさや優しさは、ほんとうにスゴイ! 心が和みます。子どもだけではなく大人も楽しめるというのは、このためなのですね。

 最終章は、写真撮影が可能で、4組のデザイナーが「シンプルの明日」をテーマに作品を発表していました。
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 プロダクトデザインではグルーヴィジョンズ(groovisions)の実験的新作が面白い。蝶を記号に置き換えて、グラフィックな構造だけにしたものとか。

Img_73851_2  ファッションではミントデザインズ(mintdesigns)が、ミッフィーとブラックベアをモチーフにしたテキスタイルのドレスを発表していました。青空にドレスが風ではためく何気ない日常の風景という演出も好ましく映りました。 
Img_73971jpg_3  最後に中村至男氏の絵画作品です。
 ブルーナ氏のペーパーバックに魅せられたという同氏。ミッフィらしい震える線で描かれていました。

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2017年5月 4日 (木)

「赤を巡る旅展」 日本の暮らしを彩る赤の魅力を紐解く

 日本の暮らしを彩る赤には、古来より、祝事や魔除けの意味があったといいます。この独自の伝統文化を受け継ぐ赤い色の魅力を紐解く展覧会、「赤を巡る旅展」が、5月14日まで、東京・世田谷文化生活情報センター 生活工房で開催されています。ディレクションを手がけたのは、衣服造形家でSANADA studioを主宰する眞田岳彦氏です。Img_70861jpg
 同studioのご案内を受けて、4月16日に行われたトークイベント「日本文化と赤の色」に行ってきました。

Img_70901 まず、進行役の眞田氏が、「日本の赤とは何か」、赤を求めて山形から熊本まで、各地を歩かれた旅の体験談などを語られました。
 とくに興味深く拝聴したのが、三重県丹生(にう)への旅です。この村は「辰砂(しんしゃ)」という鉱物の産地で、赤い川が流れ、赤が湧き出ているのだそうです。地名の「丹」は赤い色のことで、この赤土は「ベンガラ」とも呼ばれます。辰砂は、縄文の昔から身体装飾などに使われてきた顔料で、高級な美しい赤の原料でもあるとともに、水銀の原料でもあったといいます。そこで不老不死の薬や防腐剤として珍重され、不思議な作用を持つものとされてきたのですね。 
 またもう一つ、天然の植物染料の赤となる紅花について、現在、紅花資料館のある山形県河北町を訪れたときの話もされました。この町がある最上地方に紅花の栽培法が伝えられたのは室町時代の末期頃で、朝夕の霧も幸いしたのか、この辺り一帯は江戸時代に全国一の生産地になりました。紅花は酒田の港から北前船で、上方に向けて運ばれていったといいます。私は以前酒田に行ったことがあり、雅な街だったことが懐かしく思い出されました。

 次に、草木染研究家の山崎和樹氏が登壇。草木染の赤い染料と布を紹介されました。お父上は草木染の大家、山崎青樹氏で、種から植物を育てているそうです。Img_70961jpg_2 紅花はキク科で、花の色は黄色です。その花を摘み、発酵させて紅もちをつくり、紅を抽出します。とはいえその量はほんの1%だそう。
 左は、その紅もちです。

 最後に、武将たちを魅了した赤や文様をテーマに語ったのが、古典織物研究家の中島洋一氏です。とくに奥多摩にある武蔵御嶽神社宝物殿の国宝、赤糸威(おどし)大鎧(よろい)を見に行った話を楽しくされ、私もぜひ一度実物を見たくなりました。

Img_70871  ギャラリーには様々な「日本の赤」が展示されています。見どころはベンガラ染めの赤いフエルトのプリミティブな作品でしょう。これは羊毛のフエルトの小片約100枚を表裏が異なるように継いだもので、赤い表皮を象徴しているといいます。

 赤系統のカラーは今春夏ファッションとして浮上しています。 (このブログ2016年2月27日 付け参照)  赤には現状を打開したい、そんな思いも込められているようです。
 私もまた赤を身に着けてみたくなりました。

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2017年5月 1日 (月)

「ファッションとアート 麗しき東西交流展」オープニングで

 今、横浜美術館で「ファッションとアート 麗しき東西交流展」が開催されています。このオープニングセレモニー(4月14日)に招待され、内覧させていただきました。

 館長のお話によれば、このようなファッションに関する展覧会を開くのは初めてだそうです。とはいえ横浜は開港以来、西洋文化を受け入れ、日本文化を海外に送り出す玄関口でした。ですから相当力の入った取り組みをされたことがわかります。
Img_70241  本展の展示に協力されたのが、京都服飾研究財団(KCI)です。1990年代に行なわれた「モードのジャポニスム展」は、日本はもちろん世界を魅了しました。この成果などを踏まえ、同館の美術・工芸の視点を加えた展覧会の企画を思い立ったのが、2013年頃からだったといいます。
 KCI名誉キュレーターの深井晃子氏も開催を祝し、挨拶されました。

 展示構成は「東西文化の交差点YOKOHAMA」、「日本 洋装の受容と広がり」、「西洋ジャポニスムの流行」になっていて、19世紀後半から20世紀前半の女性ファッションを通して、和と洋の相互交流が生み出した新しい美の軌跡を展覧します。
61hrrh8xyrl_sx352_bo1204203200_  とくに実物の衣装がガラスケースなどに入っていなくて、直に見ることができるのがうれしいです。
 ちらしや図録の表紙に掲載されているターナーの「ドレス」(1870年代)は、綸子の着物地でつくられていて金糸の刺繍や型絞りの装飾が美しい。
 見返り美人風のドレスやポワレ、フォルチュニー、シャネル、ヴィオネなど、以前KCIの展覧会で見たことがあるのですが、再度見直して印象を新たにしました。
 一番の見どころという昭憲皇太后大礼服は、さすがに豪華で重厚でした。長さ3メートルものトレーンに見る菊花模様の繊細な日本刺繍には目が点になります。
 本展では、今ではもう不可能?と思われるような職人の技術がそこかしこに散りばめられていて、それらを探して見るのも興味深いのではないでしょうか。

 タイトルも「ファッションとアート」、それに「東西文化」の交流とあります。いずれも現代ファッションを考える基礎となるキーワードです。まさに時宜を得た展覧会と思いました。
 なお、開催は6月25日までです。

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2017年3月24日 (金)

「これぞ暁斎!世界が認めたその画力」展 

 「これぞ暁斎!世界が認めたその画力」展が4月16日まで、東京・渋谷 Bunkamuraザ・ミュージアムで開催されています。
Img_67121  昨日、この内覧会があり、参加しました。
 暁斎は、幕末から明治期の天才絵師、河鍋暁斎(かわなべ きょうさい 1831-1889)です。動物や妖怪のユーモラスな姿を描く浮世絵師と思っていましたが、仏画など幅広い画題で、しかも様々な画法を用いて描いていたことがわかりました。

 展示されているのは180点で、すべてイスラエル・ゴールドマン氏所蔵の作品だそうです。ロンドンの画商だった同氏は、浮世絵に相当思い入れが深かったようです。

 最初に登場するのが、蛙をモチーフにした愉快な作品です。(なお写真は、特別な許可を得て撮影しています。)
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 小品ですがこの蛙の絵を、ゴールドマン氏は転売することなく、手元に大切に保管されていたといいます。

Img_67221jpg  次に鴉の絵です。闇夜の鴉など印象的な名作が集まっています。
 鴉を題材にした作品は、第2回内国勧業博覧会で日本画の最高賞を受賞したこともあり、暁斎がとくに好んだものだったといいます。何しろ数百枚もの鴉の絵が残されているそうです。

 動物の絵はたくさんあって、イソップ物語の挿絵もあり、見ていて楽しいです。

Img_67411  明治時代になり、西洋人や中国人のいる風俗画も見られます。当時の服飾の貴重な資料ですね。

 ラクダが描かれていたりするのも不思議です。

 ちらしやポスターに使われている「一休と地獄大夫」です。
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 右側の絵には、三味線を弾いている骸骨が描かれていて、ぎょっとしました。この故人は三味線好きだったのですね。あの世でもこうして三味線を弾いています。
 禅僧の一休にとって、生きている者も死んだ者も違いはないということを表現しているといいます。Img_67471

 その隣に置かれていたのが、シルクハットにスーツを着用した骸骨です。(写真左)
 やはり三味線を弾いている姿で描かれていて、これも大変面白い作品と思いました。

 大作のニ双の屏風絵「百鬼夜行」です。
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 鬼たちが行進している様子を描いたもので、一匹一匹が個性的です。思っていたほど怖くなかったです。

 この他にも見どころはたくさんあって、飽きさせません。私もたっぷり楽しませていただきました。
  公式HP http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_kyosai/

 

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