住まい・インテリア

2024年1月 8日 (月)

メゾン・エ・オブジェ1月展 デザイナー・オブ・ザ・イヤー

 メゾン・エ・オブジェ2024年1月展で「デザイナー・オブ・ザ・イヤー2024」に選ばれたのかマチュー・ルアヌール(Mathieu Lehanneur) 氏です。
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 この賞は、デザインやデコレーションの国際シーンにおいて重要な役割を持つ人物に贈られます。フランス人デザイナーであるマチュー・ルアヌール氏は、その独特な世界観とクリエイティブなアプローチで、デザインやデコレーションのコミュニティにとっての先駆者としての業績を高く評価されました。

 氏は、アート・デザイン・科学・テクノロジーを共存させる才能によって世界的に知られる1974年生まれのクリエーターです。彼のアプローチは極めて学際的で、オブジェから建築、アート、製品、一点もの、先端技術にいたるまで、非常に多岐にわたっています。
 その萌芽は卒業制作の段階から表れていて、学位取得のためのワークでは、患者とその病気・治療との関係を改善することを目的に、薬のデザインにフォーカスしました。この作品はニューヨーク近代美術館の目に留まり、すぐさまパーマネントコレクションに加えられたとのことです。2001年、卒業後すぐに自身のスタジオを設立し、カルティエやヴーヴ・クリコといったラグジュアリーブランドとのコラボレートや、インテリア開発、家具・オブジェの製作などを行っています。 2007年には、ハーバード大学と協力して空気清浄機「アンドレア」を開発。 2010年に自宅でくつろぎたいというニーズに応えて、 オテル・デュ・マルクのリニューアルオープンのためにカプセルルーム『Once Upon a Dream』を考案。47novtmathieulehanneurdoty__1120x600_ima より回復効果の高い睡眠を促す理想的な部屋として話題を集めました。 2018年には自身の名を冠したブランドを立ち上げ、独立を宣言。2020年のパンデミック期間中には、歴史的変遷を各国の人 口 ピ ラ ミ ッ ド に 刻 ん だ ア ル ミ 彫 刻 の コ レ ク シ ョ ン『State of the World(世界の状態)』を制作しました。最近では、パリ2024オリンピック・パラリンピックのトーチ(右の写真)をデザインし、間もなく聖火台も披露されるとのことです。

 「デザイナー・オブ・ザ・イヤー2024」を受賞したメゾン・エ・オブジェでは、「Outonomy(オトノミー=自律性)」プロジェクト(下の写真)を発表する予定といいます。
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 これは「逃げる、巧みに切り抜ける、呼吸する、生きる…」といった行動で要約されるプロジェクトで、あらゆる雑音や密集状態から離れて生きる、独立と自由という考え方をベースに構築されるといいます。ミニマルであると同時に、最も望ましい生命のエコシステムへ、各自が生き方を考え直し、自身をとりまく環境と影響し合えるような、ここではないどこか異郷を目指す、イグルーや山小屋、ヒュッテ、ユルトといった、隔絶された住居にまつわる様々な試み、解決策、提案などが散りばめられているとのことです。

 時代のニーズと現代のテクノロジーを組み合わせたプロジェクト、「Outonomy」の反響が注目されます。

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2024年1月 7日 (日)

パリ メゾン・エ・オブジェ1月展 テーマ「テック・エデン」

 デザインとライフスタイルの総合見本市「メゾン・エ・オブジェ2024年1月展」(SAFI主催)がこの1月18~22日、仏・パリのノール見本市会場で開催されます。
 出展者は147ヵ国から約2,300ブランドで、その内、新規は約600ブランドです。日本からも約90ブランドが出展するといいます。また来場者は約7万人が見込まれています。 

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 2014年は開催30年の節目の年です。アニバーサリーイヤーを迎える今年は、「TECH EDEN(テック・エデン)」をテーマに、来場者を新たな魔法がかかった未来への旅へと誘います。テクノロジーと自然が調和を取り戻す世界を目指して---。
 
 「TECH EDEN]は、前回のテーマ「ENJOY!]に続き、フォルムやカラーを通じて夢のような楽観主義を発信するといいます。今回はとくに、未来的なバイオフィリア(自然愛)に焦点を当て、新たなウェルビーイングの世界を展開するとのこと。 
 マネージングディレクターのメラニー・ルロワは、「クリエイティビティとイノベーション、環境への配慮を結び付け、デコレーション、デザイン、ライフスタイルのマーケットに生かせるあらゆる可能性を分かりやすく解説し、その発展を積極的にサポートします」と語っています。
 またデザイナー・オブ・ザ・イヤーの革新的な提案、リテール分野の課題に具体的な答えをもたらす進化した「What’s New」の企画展示、ホスピタリティ空間の融合という未来に目を向けた独自のヴィジョンを具現化する「ホスピタリティ・ラボ」などが予定されているとのことです。

 私は現地に取材に行けなくて残念ですが、未来に向けて大きな可能性を感じる見本市になりそうです。

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2023年6月28日 (水)

メゾン・エ・オブジェ23年9月展 エンジョイ-喜びの追求

 インテリアとデザインの総合見本市「メゾン・エ・オブジェ2023年9月展」が9月7~11日、フランス・パリのノール見本市会場で開催されます。3_20230629201901
 トレンド発信エリア「インスピレーション」のテーマは「エンジョイ‐喜びの追求」です。それは単にひとつのトレンドにとどまらない、新たな高揚へと誘うストーリーであり、これまで社会やブランドが甘んじて受け入れていた厳格さから解放される、歓喜のときを謳歌します。
 ペクレール・パリで住宅・環境・デザイン部門のディレクターを務めるパトリシア・ボーソレイユは、「不安を抱かせる状況がピークに達し、今日ではほぼ転換期にさしかかっています。」とコメントしています。「私たちは極めて理性的であるように努め、そして結局、自分たちは皆矛盾でできていることに気づくのです。ウェルビーイングのひとつのかたちを守るためには、より控えめで、独占的、そして個人的な、自己中心的と言っても過言ではない領域に達する必要があります。私たちは、楽天主義のかたちを取り戻さなければならないのです。」と述べています。
 今期は、付加価値として突飛さや大胆さ、ユーモアなどが示されているように、ウェルビーイングに最適なインテリアの心地良さを味わい、デザインによって幸福ホルモンを注入し、祝祭や独創性を好む傾向を取り戻すシーズンです。

 メゾン・エ・オブジェ9月展で見るべき「喜び」の表現として、下記3つのポイントが挙げられています。

魅惑的な表現力
 この喜びの追求の最も目立つ部分を担うのは、注目されることを恐れず、逆に歓迎するブランドやクリエーターたち。それらは自分自身の演出であり、わずか数秒で新たな衣装を纏ったり、新しい人工的なアイデンティティを装ったり。創造性に富んだ複数のアイデンティティを作りたいという欲求が見てとれます。そこには、スタジオ54やル・パラスのようなナイトクラブから蘇った魅惑的な雰囲気もあります。
 パトリシア・ボーソレイユは、「1970年代末や1980年代のグラムールやエロティシズム、突飛さといったものの一種のリバイバルがあります。若い世代は、非常に性的な美学を取り入れています。今日のデザイン活動に何らかの影響やインスピレーションを与えるような夜の世界も見てとれます」と語っています。

自由をもたらすクリエイティビティ
 今日、大人の生活に気楽な時間を取り戻したいと願う人々がいます。退行的なリファレンスや娯楽的な哲学が、彼らの日常を活気づけます。その中心的地位を占めるのは驚きで、徹底的に楽天的なアーティストや建築家、デザイナーたちは、夢想したり楽しく息抜きしたりする権利を高々と掲げます。
 パトリシア・ボーソレイユは「今日、心との関係が非常に重要です。感動やポジティブな推進力を探し求めるという考えが、まさにこの喜びの追求という動きの基盤となっているのです。」と明言しています。「私たちは、より楽しく、より表現豊かで、いっそうカラフルかつポップな領域へと踏み込みます。自らが望む未来観の無邪気ともいえる一面をもって一種のレトロフューチャリズムを考案した、1960年代の夢想家的なデザイナー世代に近いものがあります。」と続けます。

高められた繊細さ
 ウェルビーイングが本質への回帰と結びつけられると、もはや喜びは豊かさにはなく、極端に経験に基づいた探索が求められます。そこでデジタルは、新たな自己認識への、そして気楽でより遊び心があり、とっつきやすい魅力的なウェルビーイングへの入口となるのです。物質的な解釈が新たなフォルムや感覚を提案するとき、安らぎの追求は、拡張現実と感覚的没入を結びつけます。
 「触知できないものの中に、昇華された蝕知できるものを求めようとする意欲が見られます。デジタル世界で触れることのできないものを生み出してから、現実世界においてそれを再現しようとするのです。時にはより人間工学や生物物理学に基づいた、より滑らかなフォルム、素材・金属光沢・発光などの思いがけない効果、さらには全てデジタル世界にある想像物や美学から抽出された、かなり奇抜なものも生み出すことができるでしょう。」とパトリシア・ボーソレイユは主張しています。

WELL-BEING & BEAUTY
 この創意豊かなテーマのクライマックスが、新たなセクターであるWELL-BEING & BEAUTYです。心と体、そして住まいを健やかにするためのエリアで、このエリアに出展するブランドは、ウェルビーイングの幅広い領域を網羅し、独自のフィットネス・ルーティンや美容習慣の考案を可能にする製品を提案。オーガニック、環境に優しい循環性、現地生産といったポジティブな価値観を共有していることも鍵といいます。

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2023年6月26日 (月)

インテリアライフスタイル 対談「布と家」 鍵は “断熱”

 インテリアライフスタイルの「インテリアライフサロン2023」で、「布と家」をテーマにしたセミナーに参加しました。ieno textile主宰 ハイムテキスタイルアンバサダー 南村 弾氏と リノべる(株)ブランド戦略室 PR田形 梓氏によるトークショーで、布を家に取り入れワクワクする家を実例写真と実際の布を見せながら対談され、布が家を構成する建材としてどんどん進化していることを楽しく語られ、すっかり引き込まれました。

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 お話を伺って、「布と家」を密接にする鍵は“断熱”であると改めて理解しました。
 南村氏は海外に行くと、日本の暮らしについて訊かれることがよくあるそうです。コロナ禍で日本の暮らしを見つめ直した氏は、田形氏宅を訪問し、省エネかつ快適なことに驚かされたといいます。田形家では断熱にしっかり取り組まれていました。
 田形氏によると、断熱により省エネだけではなく、健康被害に対するリスクも軽減するとのことです。2022年の省エネ意識調査では省エネに関心がある人は7割に上るそうで、住宅リノベーションで、最初にやるべきことはまず“断熱”と断言されたのが印象的でした。
 YKK APによると、熱の出入りが一番大きいのは窓で、夏は7割の熱が窓から入り、冬は半分の熱が窓から出ていくとのことです。日本の断熱状況は、その基準が海外に比べ格段に低く、とくに東京はほとんど外で暮らしているのに近いそう。韓国ではこの基準では家が建たないとか。断熱レベルの高い欧州、とくにドイツなど北欧は断熱性に優れているのでインテリアが豊かといいます。断熱がしっかりしていると、透けるカーテンを付けられる、窓の近くまでインテリアが置けるなど、インテリアの自由度が増すのです。 
 日本も最近ようやく、国が補助金を出して断熱を推進しているとのことです。断熱性が高まると、住まいの快適性がグンと改善されます。

 次にメインの南村氏による“布”の話に入りました。南村氏がieno textileから持参された“布”は、断熱性能はないのですが、光をそこそこ取り込み、暮らしに似合う色合いです。サイズはすべて140 x 230cmにしているとのこと。窓にもベッドにもソファーにも、体にかけてもちょうどよい大きさがこのサイズといいます。
 この一枚の“布”の使い方を、下記4つに分けて紹介しました。
1. 布の壁
2. 布の扉
3. 窓の布
4. くらしの布

 間仕切りに、壁の代わりに薄手の透ける布をつけると、気配が感じられて安心感を演出できることや、クローゼットの扉に布を使うことで、湿気を逃がす効果も。オープンキッチンでも布の扉をつけることで隠したいものをちょっと見えなくしたり、光の効果で夜に煌めくカーテンを付けてインテリアを楽しくしたりなど、様々なアイディアが提案されて、我が家でも採り入れてみようかしらと思ったりしました。

 しかしそれにはやはり“断熱”が先決です。暮らしをどう快適にしていくのか、まだまだ課題は尽きません。

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2023年6月25日 (日)

「インテリア ライフスタイル2023」 注目の衣料ブランド

 これからのライフスタイルマーケットを提案するインテリア・デザインのための国際見本市「インテリア ライフスタイル2023」が、6月14日から16日、東京ビッグサイト西展示棟で開催されました。
 主催したメッセ・フランクフルト・ジャパンによると、出展者数は542社(日本459社/海外83社)、来場者数は3日間で18,634名と昨年比約12%増だったとのこと。私は最終日に訪れたのですが、人の入りは確かによかった様子でした。
 
 小物・雑貨を中心に、衣・食・住に関わる商材が集まる中、繊維・衣料製品の中から注目したブランドを紹介します。

粟野商事(株)「クレッシェンド・ヨネザワ」
 同社は織物の産地、山形県米沢市で長年ストールの企画販売を続けていて、そのブランドが「クレッシェンド・ヨネザワ」です。シルク、コットン、麻、ウール、カシミヤなどの天然繊維を素材として用いることにこだわり、強撚糸使い、二重・三重織、ジャガード、からみ、異素材の組み合わせ、極細のカベ糸使いなど、更に、塩縮や練プリントなどの特殊な後加工まで、まさに「技によるものづくり」に、私はいつも驚かされています。Img_31331_20230628203101
 2021年に大胆な障がい者アートを「着る」メードイン米沢ストールプロジェクトを立ち上げ、「ニジハコ」ブランドをローンチしたときも、ステキな社会貢献をされていると思っていました。
 そして今年、2023年の大きな話題は、新しいセレクトショップ「JUYOUKAN」の開設です。50年前まで社屋として使われていた「樹養館」と「蔵」を改装し、ショップとしてオープンさせたそう。日本の文化や伝統を大切にし、素晴らしいものづくりをする職人やデザイナーのアイテムをセレクトしているので、「宝もの探し」の感覚で来ていただきたいとのことで、ぜひ米沢に行ってみたくなりました。

内野(株)「スーパーマシュマロ®」
 同社の「スーパーマシュマロ®」を私も使っています。奇跡のように優れたタオルというように、肌触りが柔らかく気に入っています。
 パンフレットによれば、①ボリュームからは想像できない驚くほどの軽やかさ、②マシュマロのような驚きの柔らかさ、③1秒以内に吸収する抜群の吸水スピード、④軽くて通気性の高い組織による速乾性、⑤高品質な超長綿を使用している為、毛羽の脱落が少ない、⑥特殊な組織によりパイルが抜けにくい。⑦エコテックスの乳幼児用の認証を取得し、日本アトピー協会推薦品にも選ばれている、という7つの特長を兼ね備えているのです。
 Img_31441  マシュマロガーゼのレディスパジャマなどウェアもいつものように展示、アウターへ拡大するなど、好評のようです。

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 それにしても受賞歴が素晴らしい! 2022年度第2期「OMOTENASHI Selection (おもてなしセレクション)」(OMOTENASHI NIPPON実行委員会主催)において、「マシュマロガーゼ®」「奇跡のタオル®スーパーマシュマロ®」「しあわせタオル®」がトリプル金賞受賞。
 「マシュマロカーゼ®」は2015年度から史上初の8年連続金賞受賞、「奇跡のタオル®スーパーマシュマロ ®」は2017年度からおもてなしセレクションを受賞し2019年度から4年連続金賞受賞、「しあわせタオル®」は2021年度から2年連続金賞受賞しているとのことです。さすが日本を代表するタオルの内野ですね。

すみや(SUMIYA)
 「すみや」は「住」を想起した名前で、アッシュ・アンド・ウォーターを展開する小売りメーカーだそう。アッシュ・アンド・ウォーターは灰と水でナラティブに語るライフスタイルブランドであるとのこと。
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 墨をワイルドに、あるいはデリケートに染めた半袖シャツとパンツ、ラップ打合せのジャケットのルックは、まさに作務衣です。素材は綿100%で、ナチュラルな手作り感のあるライフウェアが中心。

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2023年3月28日 (火)

東京ギフトショー⑷「ORU-KOTO 折ること。」折形見本帳

 日本ならでは伝統文化に折形(おりがた)があります。ものを贈るときに和紙で包んで、お礼の心を相手に届ける所作です。相手を想い、自分の気持ちを丁寧に折り込んで包む、日本人がとても大切にしてきた素敵な習わしですね。
 ところが今ではもうすっかり忘れ去られようとしています。私自身も聞いたことがあった、という程度でした。
 この折形の復活に立ち上がった企業が、今回の「東京インターナショナルギフトショー春2023」に出展していました。それが埼玉県越谷にある中島プレス工業です。高い技術力で日本の製造業をけん引する町工場が集結している「町工場NOW!」エリア内に小さなブースを構えていました。Img_11781
 展示していたのは「ORU-KOTO 折ること。」と名付けた折形の作法を学ぶことができる立体教本です。これは形状記憶加工が施された不織布製の折形見本帳で、折り線付き和紙も付いています。これを見ながら紙を折れば、折るのが苦手な人でも、気軽に折形を美しく仕上げることができるのです。
 同社はフィルムやウレタン、フェルトなどの型抜き加工技術を持っていて、中でも電子部品の加工でよく使う不織布の形状記憶加工については特許を取得しているといいます。強みは厚さ0.025μmのシール抜きで、この技術により薄い和紙に、あらかじめ折り筋をつけることができるとのことです。和紙は、一度折り間違えてしまうとシワが残ってしまい、綺麗に折るのがとても難しい紙なのですね。

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 「ORU-KOTO 折ること。」では、様々なサイズやたくさんの形がある折形の中から、もの入れとして使用できる形を6種類(上の写真)、例えばごま塩包み熨斗付きとか、小物包み、新茶包み、鷹の鈴包みなどを選択、ぽちぶくろの大きさにリサイズして商品化していました。価格は折形見本帳全6点セット11,880円(税込み)、折形見本帳1点と折り線付き和紙3枚セット3,740円(税込み)など。

 人とのつながりが再注目されている今、折形をつくってみようと思う人が増えるのではないでしょうか

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2023年3月25日 (土)

東京ギフトショー⑴ 「オムニチャネルで日本経済の再生を」 龍野コルク工業の「進化が止まらない!腰楽クッション」

 「第95回東京インターナショナルギフトショー春2023」が、2月15日~17日、「第 13 回 LIFE×DESIGN」、「LIVING&DESIGN」、「第 33 回グルメ&ダイニングスタイルショー」との4展合同で、東京ビッグサイトで開催されました。
 テーマは「オムニチャネルで日本経済の再生を」で、このテーマの下、出展したのは総数2,774社(内海外15の国と地域より302社)だったといいます。総来場者数も229,968人(内海外552人)と前回よりも大幅増。実際、入り口では長蛇の行列ができ、館内もかなりの人出でにぎわっていました。復活への勢いを感じた今回のショーでした。

 ギフトショーではファッション雑貨エリアや生活雑貨エリアを見て回りましたが、もう膨大な数に圧倒されました。とくに美と健康を守る「セルフケア」の商品が多数出品されていたのが印象的です。
 
 まずは毎回取材している機能性ビーズクッションの「龍野コルク工業」です。(昨年もこのブログの2022.3.6付けに記事を掲載しています。ご参照ください)
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 訪れる度にいつも新商品を見せていただいている同社です。ブース前には「進化が止まらない!腰楽クッション CuCu (キュキュッ)」の看板が立っていて、片岡社長が今シーズンの新作を二つ、紹介してくれました。

 一つが「CuCuピースami」です。
  もたれるだけで腰椎を自然なアーチに導いてくれるといいます。
 Img_115911 試しにクッションを背に座らせていただきました。似た形の「CuCuクィーンami」と比較してみたのですが、確かに背筋がピシっとした感じでした。
 見た目もこれまでのものとは少し違います。星形の真ん中にある縫い目の下方にもくさび状に縫い目が入っていて、両サイドのくびれがより深くなっているのです。
 私はCuCuスリムを使っていますが、これは姿勢をよりよくしてくれそうです。
 素材は丈夫なエコペット糸使いで、amiは「編み」の意味の無縫製ニット仕様です。発売はこの春からとのことですので、もうそろそろでしょう。価格は7,150円(税込み)とのこと。

 もう一つが、「トレ美」です。これは座っているだけで尿漏れ改善エクササイズができるというすぐれものの座布団です。
Img_11561  帆布生地のクッションの中央に入れた棒状のエアゲルが骨盤底筋群をソフトに押し上げて、筋肉を鍛えることができるといいます。
 兵庫県立大学が65歳以上の男女10名の方を対象に、1日10分間、2週間使っていただく調査をしたところ、全員がトイレへ行く回数が減ったり、尿漏れ回数が減少したりしたそうです。効用ありの結果で、尿トラブルを抱える人にとってはまさに福音ですね。
 これも価格は7,150円(税込み)です。

 さすが快適と健康を考える会社、と感心しました。

 なお、詰め物のビーズは発砲スチロール製ですべてリサイクルされているとのことです。また最近は少し大きめ(約3mm)のものを増やして扱いやすくするとともに、ビーズの補充などアフターケアも万全の様子です。環境への責任あるビジネスに取り組んでいる同社らしい、と嬉しく思いました。

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2023年1月17日 (火)

アンビエンテ/クリスマスワールド/クリエイティブワールド2023 2月初旬に3年ぶりに国際消費財見本市開催

  世界最大の消費財見本市である「アンビエンテ(AMBIENTE) 2023(メッセフランクフルト主催)」が、今年2月3日~7日、ドイツ・フランクフルトで開催されます。今年は表題のように、3つの見本市が合同し、国際消費財見本市の「アンビエンテ」と、シーズナルデコレーションとフローリストの国際見本市である「クリスマスワールド」、ホビー、クラフト、DIY用品専門の国際見本市「クリエイティブワールド」が同時開催されます。
 またアンビエンテには「ダイニング」「リビング」「ギビング(ギフト)」に加えて、この3年間で大きく変わったホームとオフィス、ライフスタイルとワークスタイルを編集した「ワーキング」ゾーンが新設されるとのことで、これも見どころの一つといいます。
 出展社は80ヵ国以上の国々から約4,700社が出展、日本からも「JAPAN STYLE」を始め、数多くのメーカーが出展すると発表されています。バイヤーもJETROのツアーなどで多数訪れる見込みといい、日本のインテリア・リビング売り場に影響力を与えることになりそうです。

 とくに関心の高いシーズントレンドについては、本見本市プレビューの中で、ドイツのデザイントレンド発信事務所のアネッタ・パルミザーノ氏がプレゼンテーションされています。その部分を下記に要約してお伝えします。(写真はホームページに掲載されているものです。)
 鍵は、サステナビリティ、意外な新商品、デザインアイコンです。昨年までのトレンドと連動しながらも、さらに進化した3つのトレンドワールドが提案され、とくに持続可能性とそれに関連する素材研究、新しい美的ソリューション、クラフトマンシップ、デジタル技術の革新にフォーカスしているといいます。

unknown beauty_strange + gracious : ミックスリアリティの美学と未知との遭遇
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・意外性にフォーカスしたテーマ。新しい驚きの体験への憧れ。型破りな優美さと驚くべき新しいクリエイションの融合。
・カラーは揺らめく虹色の輝き、強烈な色と美しい光沢。
・素材面では、抽象的で異質なシェイプや型にはまらないサーフェイスが焦点。またアナログとデジタル、リアルとバーチャルの世界の融合が進み、クラフトとテクノロジーの融合が、新しいプロダクトを生み出す。

calming nature_careful + pleasant : 新しい活力と自然への親近感
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・自然をテーマに、課題はサステナビリティ。有機的な形、優しい色、資源の慎重な利用に注目。ユーズド素材でつくられたコーヒーカップなどのオブジェ、鉱物、酸化現象、石など自然をヒントにした環境意識の高いデザイン、3Dプリンター、厚紙やコーティングしていない紙といったシンプルな素材など。
・カラーパレットで重みを増すのは、繊細で優しい自然の色調。涼しげな色調は植物の世界からの色合い、ニュートラルな色調は石や金属の色調、暖色系は、苔や粘土、ピンク味のニュアンスを表現している。
・素材のライフサイクルは、重要なインスピレーションの源。例えば、廃棄物が新たな原材料となることで、新たなソリューションが提供される。

Lasting ideas_passionate + evocative : デザインアイコンが「今、ここ」に出会う
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・優れたデザインアイコンのアイデアを凝縮し、「今、ここ」での解決策を探るリビングテーマ。クラシックを再解釈しモダンに。3Dプリンターで細部を造形したユニークなデスクアクセサリーや、訴求力のある色を楽しめるデザイン。
・ペトロールブルーのクールなニュアンスを主調に、バイオレットとイエローのシェード、ウォームな方向をリードする強烈なオレンジレッド。グラフィック・パターンやモダン・モザイクなどの洗練されたカラー・コンポジションを特徴づけるカラー。
・「情熱と感動を持続させる」様々な素材、ソフトなもの、ソリッドなもの、天然素材、リサイクル素材など。石や大理石のような耐久性を重視した素材も。

  私は2020年に訪れたことがあり(このブログ2020.2.19付け参照)、その巨大さに驚愕しました。また行ければ---と思っているところです。

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2022年12月24日 (土)

メゾン・エ・オブジェ 1月展 ⑵ デザイナー・オブ・ザ・イヤー 受賞者はラファエロ・ナボ

  「メゾン・エ・オブジェ(Maison et Object 略してM&O)」では、毎回、デザインやデコレーション分野において卓越したスキルを発揮し、国際的に活躍する、才能溢れるデザイナーをデザイナー・オブ・ザ・イヤーに選出し、称賛しています。
Photo_20221228115801  2023年1月展の受賞者は、パリを拠点に活動するデザイナー/インテリアデザイナーラファエロ・ナボ (RAPHAEL NAVOT)とのこと。
 1977年エルサレム(イスラエル)生まれで、デザイン・アカデミー・アイントホーフェンでコンセプチュアルデザインを学び、2003年に卒業、デザインやインテリアデザインといった分野の探求を始めます。ホテルの内装から商業的なオーダーメイドのプロダクトデザインに至るまで、彼のポートフォリオは、フランスの職人技やノウハウのショーケースと言えるプロジェクトで溢れ、非常にバラエティ豊かといいます。

2_20221228115901  見本市の会期中は、彼の「アポセム・ラウンジ (THE APOTHEM LOUNGE)」が公開されるとのこと。「ビジュアル・エモーション(視覚的情緒)」を表現することを目指し、来場者を光とテクスチャーで包み込む開放的な空間を、細部にまでこだわって構成する、没入型インスタレーションになるそうです。

 私はこの時期、パリに行かれなくて残念ですが、報告を楽しみに待っています。

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2022年12月23日 (金)

メゾン・エ・オブジェ 1月展 ⑴ テーマ ≪TAKE CARE ! ≫

 「メゾン・エ・オブジェ(Maison et Object 略してM&O)」は、パリで年2回開催されている「インテリアのパリコレ」と呼ばれるインテリア雑貨の総合見本市です。次回は2023年1月19日~23日、パリ・ノール・ヴィルパント見本市会場にて開催されます。Mo   プレスリリースによると、インスピレーションテーマは≪ TAKE CARE ! (いたわりの心で!) ≫です。今会期は互いにいたわり合い、ノウハウや地球を大切にする価値観を中心に構成されるシーズンといいます。底流に流れているのは「美」の新たな概念を探り、「善」に貢献するデザインです。
 
 M&Oでテーマ空間を担当するネリー・ロディ社のトレンド予測部門ディレクター、ヴァンサン・グレゴワール氏は次のように語っています。 「今日の社会は文化・環境・アイデンティティといった様々な問題に直面しています。社会が必要としているのは、環境・ノウハウの保護、他者やウェルビーイングへの配慮といった点において解決策を提供する新たなモデルです。それらを具現化しようという声が高まっています。Z世代(25歳以下の若者たち)は行動を期待しています。今日、私たちの消費において新たな倫理観が必要不可欠になっているのです。」 

 ブランドに求められるのは、さらなる透明性やインクルーシビティ、責任です。責任あるアプローチ(廃棄物の50%をリサイクル、LEDイ吏用の増加、看板の保管・再利用、売れ残った食品を赤十字に寄付、水の現地調達、暖房弱化)に加えて、誰も取り残さない望ましい未来を描くために不可欠な価値観に賛同する出展者が増えています。
Photo_20221228103801   例えばリサイクル素材のみを加工するフランスの家具メーカー「Noma」、プレモントレ会修道院の白衣の神父たちに代々伝わるキャンドル制作のノウハウを継承する「Ciergerie des Premontres」(右)、手触りが良く温かみのある服や小物のコレクションを考案するデンマークのブランド「Care by me」、ローカルなウール素材を使ったラグを展開する「Laines Paysannes」など、数多くのブランドが、私たちの興味を呼び起こし、インテリアに意味を与えてくれています。

・自分をいたわる
 身体だけでなく、メンタル面にも気を配るように促す本質的なヘルスケア提案が多くなっています。
 Water  上は、室内でできるボートトレーニング機器「WaterRower」です。天然木がふんだんに使用されています。
 単に美しさを追求するのではない、ウェルビーイングと身体の健康に特化した大きな潮流が来ています。

・自然を大切にする
 エコロジーをはじめとする社会問題に応えるトレンドです。
 展示ホールには数年前から、こうした社会問題に関心の高い若手ブランドが数多く出展していて、「スローというトレンドに同調した消費に欠かせない、新たな倫理観」を提案する動きが強まっているのです。
 例えば「La Fabrique a Sachets」は種を植えることによって、自然に救いの手を差し伸べようという気持ちを起こさせます。
Mo1  またプラスチックボトルの生産の規制に熱心に取り組む「Dopper」は、丈夫で魅力的な使い勝手の良い水筒を提案しています。右はノート型ボトル「memobottle」です。再利用可能で平たいスリムなウォーターボトル(水筒)で、A5サイズ薄型ノートのような形をしていて、どこにでも携帯し易いようにデザインされています。
 ゴールドやラメよりもシンプルさが優先されるという、ラグジュアリーの新たな一面に注目です。

・他者に関心を持ち、関わる
 前述のヴァンサン・グレゴワールは「多くの業界関係者が、異なる世代・社会階級・文化との結びつきを作り直すことに尽力し、うわべだけの美しさやイメージを超えていこうとしている」と述べています。
 Mo-3 今回スポットが当てられた7組の「ライジング・タレント」は社会問題に関心の高い世代の代表格で、その作品には、私たちをとりまく世界を大切にしたいという広く普及した欲求が表れているといいます。
 また「The art of resilience (立ち直りの力)」と題したプロジェクト(右)は、ウクライナのデザイナーに自由裁量権を与えるもので、戦争によってどこに離散しようとも、私たち一人ひとりと同じように、ウクライナのデザインは生き続け、成長しさえするということを証明する企画展示になるとのことです。

・遺産やノウハウを守る
 M&O 1月展は、世界の様々な文化に橋をかけ、デザインやインテリアを生み出し・楽しむ方法を一新、傑出した伝統工芸を永続させ、未来に向けて推進させ、革新的で意味のある新しい取り組みをクローズアップする会期になるといいます。
 Mo4  上は、日本の愛知県瀬戸市にある瀬戸焼工房の現場写真です。つくっているのはゾウの鼻から水を吸って植物を育てる栽培セット「eleplant」です。アイディアのおもしろさと、歴史ある伝統技術、職人の丁寧な手仕事に高い評価が与えられています。

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