ミラノ パラッツォ・モランド美術館「ファッションの瞬間」展
ミラノのサンタンドレア通りにパラッツォ・モランド(PALAZZO MORANDO)美術館があります。宮殿として使われていた歴史的建造物で、美術館として一般公開されています。
ここで企画展「ファッションの瞬間:コルセットからサロペットまで」が開催されていました。同館所蔵の衣服やアクセサリーのコレクションを通して、女性の解放を7つのステップで紹介していました。
最初はコルセット、次いで20世紀初頭の女性の解放の一つの象徴として、その廃止に向けた歩みを辿ります。1920年代の自由奔放な若い女性たちであるフラッパー、1930年代のエレガンス、第二次世界大戦中の困難、そして1950年代の高級仕立てを経て、1970年代のイタリアのプレタポルテの誕生、最後にその時代の若者文化を象徴するサロペットで締めくくられました。
下記はその一部です。
左は20世紀初頭のコルセット、右はフォルチュニーによる手作りのイブニングジャケット(1920-25)です。
左は1925年のドレスです。ローウエストでバイヤスカットのペタル(花びら)スカートとジャボ、花柄プリント軽いシルク地。
右は1951年のテイラーメイドドレスで、ラスコー洞窟の壁画に着想したプリントのシルクタフタ。
左は1963年のマリークワントのミニのジャンパードレス。英国から寄贈されたものだそう。右は1978年のフィオルッチの当時一世を風靡したデニムのサロペットです。
展示では、衣服のカットやシルエット、スタイリングを、その制作時の状態に近づけて見せられるように、衣服が作られた際の物理的な形状を再現し(展示用のサポートを作成したり、マネキンを衣服に合わせて調整したり)、その形状を支えるために必要な下地を再現して、衣服の立体的な形状を理解しやすいように工夫しているとのことです。
まさに服飾研究の一助になる展覧会でした。これが無料で公開されているとは、訪れる価値が一層高まります。
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