プチ・パレで「テオドール・ルソー 森の声」展
パリのプチ・パレで開催されていた「テオドール・ルソー」展に行ってきました。ルソーと言えばアンリ・ルソーが頭に浮かびますが、これはテオドール・ルソー(1812-1867)です。19世紀初頭の風景画の革命に参加し、特にバルビゾンに定住してからはフォンテーヌブローで自然そのものを描き、「森の声」を聞きながら、印象派への道を切り開いた画家です。
当時は産業化の真っ只中で、森の開発が進められていました。ルソーは木を愛する者として、フォンテーヌブローの森を守るために闘い、その一部が「芸術保護区」(1853年)として保護されることになったといいます。まさに現代のエコロジーの先駆者だったのですね。
私もかつてフォンテーヌブローの森へ行ったことがあり、木立の中に現れた苔生した岩石群のある風景が日本庭園のようで、懐かしかったことが思い出されました。
展示作品数は100点といいますが、もっと多く見たかったと感じたほど、ルソーの描く自然の風景は一つ一つが魅力的で、彼の独自の視点を通じて、私たちもまた自然の息吹を感じ、そこに込められた思いに触れることができました。
フランスの田舎ってホントにいいな、と改めて思いました。
| 固定リンク
「文化・芸術」カテゴリの記事
- トーク「身体とデザインエンジニアリング」未来の可能性探(2024.09.16)
- 企画展「未来のかけら: 科学とデザインの実験室」(2024.09.15)
- 「人間 ✕ 自然 ✕ 技術 = 未来展」未来の可能性を探る試み(2024.09.13)
- 「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」文化が交わるとき(2024.09.12)
- 「髙田賢三 夢をかける」大規模回顧展に思う(2024.09.10)
コメント