AW25/26PVパリ(29) 日本企業③ テーラーリング「他にない」
プルミエールヴィジョン(PV)ファブリックでテーラーリング分野に出展した日本企業を4社、紹介します。伝統に新たな洗練をのせたスーツ地に加えて、各社オリジナルの「他にない」クリエーションを打ち出していたのが印象的でした。
瀧定名古屋 Takisada Nagoya - JA Fabric
バイヤーの出足は順調で、例年並みの入りといいます。同社は事前に得意先回りを行っており、翌週にミラノウニカが開催されることもあり、今回、イタリアのサプライヤーが減少することは織り込み済みとのことでした。
ブースでは、とくに目立っていたのが「ジャポニズム」をテーマにした生地です。日本ならではの加工、例えば絞り染めや流し染め、フォイルプリンティングといった匠の技が駆使されています。
右は、煌めく「蜘蛛の巣」のような雰囲気が妖しい美しさを放つ、螺鈿タッチのフォイルプリント加工です。
また、サステナビリティの流れに沿う「ソフトアーマー」と呼ばれるコンセプトも注目です。ここではしっかりと長持ちする耐久性のある生地、キルティングなどが提案されていました。
ニッケ Nikke Textiles
客足の減少が気になっているといいます。とくにここ数年、ラグジュアリー感度の高いバイヤーが減っているそうで、悩みどころのようでした。
人気素材は、数年前から発表している梳毛のウールデニムです。
ウール独特の気品のある艶と「きちんと」感で、いわゆるデニムの概念を覆す存在に進化しています。
サンウェル Sunwell
今期は半年前の2月展よりも来場者が多いとのことで、商談はまずます好調の様子でした。
多様な生地サンプルが展示される中で、アウトドア向けリップストップや、ひと昔前の織機で織ったようなヴィンテージ調のチェックなどが好評といいます。
右は、「三つ杢」糸使用のコットンツィードシリーズ、コットンツィルオンブレ―チェックです。
東レ ウルトラスエード Toray Industries, Inc. Ultrasuede®
スタンダードなウルトラスエードはもちろんですが、ここで圧倒されるのが、デザイナー力です。
右は、ウルトラスエードのニードルパンチです。
またオパール加工を施したものも。
ウルトラスエードならどんな加工もOK、できてしまうことに驚嘆させられました。
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