AW25/26PVパリ(22) デニム 新たな地平を求めて
25/26秋冬シーズンでは、デニムが新しいスタイルを探求しています。このシーズンでは、熟練した職人のような繊細な織り、温かみのある土色のディストレス効果やウォッシュ加工が特徴です。また、オーバーサイズのシルエットが彫刻のような美しいドレープ(垂れ下がる形状)を思わせます。
職人技の織り Artisanal Weaves
今シーズンのデニムは、歴史的かつ伝統的な要素を取り入れた創造的なハイブリッド製品が登場します。オートクチュールのハンドクラフト風の仕上げが特徴で、糸の遊びやジャカード技法によって、ぼやけた外観や独特のテクスチャーが生まれ、豊かな表情を実現しています。また、デニムとブークレやツイードの効果を組み合わせた新たなデザインも登場し、チェックやタータンなどの伝統的なパターンも取り入れられています。古びた外観の模倣には、ジャカードやコーティング、プリントなどのディテールが用いられ、機械的なエイジングに対する魅力的で贅沢な代替手段を提供しています。
ディストレス効果 Distressed Effects
25/26秋冬のディストレス(プアな感覚の)デニムには、さまざまな色彩が取り入れられています。とくに主調となっているのがブラウンやレッド、バーガンディ、パープル、ライラックといった、豊かで暖かいほこりっぽい色合いです。これらの色は、時間が経過したように色あせたり漂白されたりして、より穏やかで環境に優しい仕上がりになっています。また、このテーマは、ギャバジンやニットウェア、カジュアルウェアなど、他の製品分野にも影響を与えており、広がりを見せています。
カジュアルなボリューム
今シーズンのシルエットは、オーバーサイズでボリューム感を増しています。体にまとわりつくような素材の豊富さが特徴で、密度の高い構造的なコットンが独特の落ち感を持ちつつ形を保ちます。トップスは、コットンとセルロース繊維のミックスにより、より柔らかく快適な感触を実現したものが多く、光沢など高級感を感じさせる素材が贅沢な雰囲気を醸し出していたりします。
スポーツウェアとの出会い
25/26秋冬シーズンのデニムは、スポーツウェアとの融合により、新しい表面感と技術的特性を備えた革新的な開発が進んでいます。アウトドアやエクストリームスポーツから受けた影響が、繊維や織り、シルエット、アクセサリーに至るまで幅広く反映されています。
高性能なナイロンを含む繊維が使われ、これにより新しい質感とシャープな感触が生まれ、耐久性の向上などの技術的特性が加わります。これにより、デニムは新しい用途にも対応できるようになります。織りの進化も見られ、マイクロバージョンや小さな四角形のファンシー織りがツイルの代替として登場しています。
表面には透明なコーティングが施され、光沢のある効果が生まれています。持続可能なバイオベースや水性オプションも取り入れられ、カジュアルさよりも技術的な外観が強調されています。また、軽量のデニムシャツ生地はマーセライズ加工され、コットンとセルロースのブレンドによる軽やかな光沢が、スポーツとテクノロジーの融合を感じさせます。
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