AW25/26ミラノウニカ⑽ イノベーションエリアAIも焦点
技術革新はテキスタイル・衣料産業の発展に不可欠です。今期もミラノウニカ会場のホール3に、イタリア・ファッション協会のテクニカル・イノベーティブ・テキスタイル部門である「TexClubTec」によるイノベーションエリアが設営されました。
フォーラムでは「ファッション向けの先端繊維材料とAI技術」に焦点が当てられ、最先端技術やプロセスを提供するサプライヤー、18社が、最新のイノベーションを展示しました。
とくに気になった企業です。
イノヴァ・ファブリック INNOVA FABRICS
2017年創業のイタリアのニットメーカーで、主に下着、水着、衣料、スポーツウェア向けに、高機能ニット生地を設計、生産、販売しているとのこと。3Dプリントからルレックスプリント、エンボス加工やラミネート加工に至るまで、幅広い仕上げや特殊加工を手掛け、コレクションは多岐にわたるといいます。
上は、スポーツウェア、下着・水着にも応用できるよう設計された素材使いのシャツです。
ノバレシン Novaresin S.p.A.
イタリアの大手繊維仕上げ加工の会社です。
レジンコーティング、ホットメルトラミネーション、フォームラミネーション、機能膜製造、また耐火性や撥水性など高機能加工も提供しているとのことです。
JRC リフレックス JRC Reflex
高品質なレトロリフレクティブ(再帰反射)生地およびトリミングを製造するメーカーで1988年に設立され、フランスのロマンに本社を構えており、最先端の工場はイタリアのベルガモにあるそう。
その技術は、アクティブウェアやアスレジャー向けのアパレルやフットウェアブランドに人気とのこと。ストレッチやリサイクル素材を使用したもの、メリノウールやマイクロフリースを基材としたサーマル生地のものなど、さまざまな種類が揃っています。
またスタートアップコーナーで興味深かったのが、フィリ・パリ(FILI PARI)のミネラルダイです。
フィリ・パリ FILI PARI
同社は世界初の大理石から繊維を作った会社で、その秘密は大理石の粉末にあるといいます。そのミネラルダイは大理石の粉末を天然の顔料として使用し、水の使用量を抑えたプロセスによる糸染めです。使われる水の量は従来の染色方法の150リットルに比べると、わずか1?20リットルで、特許取得済みの機械が使用されています。
展示されていたのは9色で100%コットンの糸に染めたもの、他にも様々な素材に可能だそう。ナチュラルなミックス調の外観で技術的な性能も損なわれることはないとのことでした。
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