AW25/26PVパリ(26) アクセサリー ラディカルスピリット
25/26年秋冬プルミエールヴィジョン(PV)アクセサリーのトレンドは、まさにラディカルな精神を誇示しています。ミニマリストの純粋さから贅沢なクリエイティビティ、機能的なコンポーネントから宝石のようなアクセサリーまで、強い方向性が共存しています。
(ちなみにここでのアクセサリーとは服飾資材のことです。装身具・小物ではありませんので、要注意です。)
とくに今シーズン、注目されるのは、実用的な要素が完璧に洗練されていることです。装飾的な美学が、さりげなく快適な工夫を通じて日常の装いに取り入れられています。
日常のデザイン
機能的なコンポーネントはミニマリズムと洗練にフォーカスし、細部にまでこだわったジュエリーのような美しさを持つものが多くなっています。
機能的な特徴を隠す時代は終わり、機械的な要素が目立つのものこのシーズンです。留め具やバックルなどは機能的でありながら装飾的な役割を果たし、都会的でテクノロジーとシックが融合したシルエットを完成させます。スナップやバックル、ボタンでは透明な素材が使われ、素材自体が繊細に見えるように工夫されています。
今シーズンの機能的アクセサリーは、巧妙なデザインと専門技術が際立ち、完璧に実現された作品が並びます。各ディテールや比率は、形と機能の完璧な調和を目指して設計されています。ステンレススチールの仕上げが完璧な輝きを加え、マットブラックのメッキと組み合わせて、ラディカルなミニマリズムを演出します。
婦人服では、パッド入りのボリュームが引き続き登場します。膨らんだ効果がスポーティーでありながら装飾的なハイブリッドとして再構築されます。タイやドローストリングはブレーディングやトリミングと組み合わせられ、ラバーはスムースでマットなレザーに置き換わります。
この洗練されたスタイルはカジュアルなアクセサリーやコンポーネントに広がり、靴ひもやゴム、アイレットは、シルバーとガンパウダー系の中間色で装飾され、控えめで都会的なメタリック感が加えられています。
大胆な創造性
ミニマリズムの制約に対抗し、贅沢を求める気持ちが形になる流れも浮上します。色やテクスチャー、素材、技法がミックス&マッチの精神で組み合わされ、「多いことは確かに良い!」という考えを表現したものも多くなっています。
さまざまな文化や伝統が融合し、ユニークなハイブリッドが生まれています。キーワードは不規則さで、ツイードやブークレ、ブーレット風のルックも特徴です。古びた効果さえも昇華され、乱れたテキスタイルアクセサリーとして表現されています。ラベルやパッチはフリンジ、羽根、カットヤーンジャカードで装飾され、時にはデザインを微妙に引き延ばす、あるいは大きく乱れさせるなど、手の込んだルックを作り出しています。
職人技があふれ、その効果が互いに競い合っているのも特徴です。羽根、フリンジ、ブレード、タフテッドテクスチャーが楽しく、お祭りのようなカオスで加工されています。色、素材、技法が混ざり合い、豪華で奇抜な結果を生み出していたりします。
ジュエリーの分野では、宝石のようなプレシャスな感覚が強調されています。モジュール要素を組み合わせ、一つの美しい全体を作り上げる、ラグジュアリーなテトリスのような感覚のものも。ここでは対比が重要で、金属とパステル、重いものと軽いもの、大きいものと小さいもの、滑らかなものと粗いものが組み合わされています。表現力豊かで多面的な洗練を追求するシーズンともいえるでしょう。
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