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2024年6月 8日 (土)

横浜トリエンナーレ ⑹ 象の鼻パーク「ハイヌウェレの彫像」

 象の鼻テラスでは、横浜トリエンナーレ組織委員会と連携した屋外アート展示企画として、信仰といった土着的なモチーフを作品に投影している久保寛子の「ハイヌウェレの彫像」(2020年)が展示されていました。
 「ハイヌウェレ」とはインドネシアの神話に登場する女神であり、殺されたその体から食物が生まれたと言われています。この種の神話は世界各地に点在していて、民俗学ではそれらをまとめて「ハイヌウェレ」神話と名付けられているとも。
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 近づいてみると、仰向けに寝そべっている女神の彫像はほんとうに巨大でびっくりしました。断片化された身体の1片、1片が特段の大サイズです。こんなにも大きなものを運んでくるとは、それだけでも大変だったのではないかと思いやられました。鉄の骨組みを土で丁寧に塗り固めていく作業には相当な時間がかかったことでしょう。

 象の鼻カフェで行われた久保寛子と神話学を専門とする平藤喜久子の対談にも途中参加させていただき、彫像誕生の経緯などを伺いました。
 構想をスタートさせたのは新型コロナウイルスの脅威に晒され始めた2020年。社会や人類の未来に対する不安が、創作への関心を根源的、原始的なものへ向かわせ、世界の古代神話にヒントを求めるようになり、「ハイヌウェレ」に行き着いたといいます。
 中でも“土”は日本の縄文土器や土偶にもみられるように、人間の創作活動において最も古い素材の一つで、世界や人間の始まりを“泥”や“粘土”として表現する神話も多く存在しています。
 「ハイヌウェレの彫像」は、雨や日光、風などの自然要素の影響を受けて時間とともに変化して、私たちに様々なイメージを喚起させることでしょう。この“土”の女神像を通じて、古代人が抱いていた希望や夢に思いを馳せてみては、と思いました。

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