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2024年5月10日 (金)

Tokyo Creative Salon 24 特別トーク「デザイナーの美意識」

 この3月中旬、ファッションウィークとデザインウィークの同時開催によるクリエイティブの祭典「Tokyo Creative Salon 2024」が開催され、「日本のクリエイティブにおける美意識を考える」と題した特別トークが東京ミッドタウン・デザインハブ内インターナショナル・デザイン・リエゾンセンターで行われました。

 その一つが、日本を代表するプロダクトデザイナーでデザインスタジオエス プロダクトデザイナーの柴田文江氏と、服飾デザイナーでSOMA DESIGN クリエイティブディレクターの廣川玉枝氏による対談です。

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 「デザイナーの美意識」をテーマに、作品への想いや美意識がざっくばらんに語られ、大変興味深いセッションとなりました。

 まずは最近、手がけた作品について、柴田氏はコンランショップ丸の内店で開いたポップアップショップの話をされました。タイトルは「どちらでもないもの」で、たとえば旅行というより「旅情」を感じさせる革カバンなど、新しいけれどどこか懐かしい空気感のあるものに惹かれているといいます。
 廣川氏は、第二の皮膚をコンセプトに2006年に誕生したニットウェア、「スキンシリーズ」を進化させ、3Dクチュールの最新作として新作ジャケットやトップスを発表されています。その一方、新時代の和装「ソワハ(SOWAHA)」を提案。一幅の絵を纏う、重ねの美でキモノのような洋服もデザインされています。
 柴田氏からイッセイミヤケに就職したのは何故、と問われた廣川氏。「縫うことがそもそも嫌い」だったし、布がそのまま服になるイッセイに共感したからと率直。一本の糸で立体を創るニットの魅力を語ったり、男女デザイナーの視点の違いを述べたり。男性デザイナーによる女性もののデザインは、想像力たくましく造形的に美しいものが多いけれど、女性デザイナーは自分が着用したいと思うものをつくっているなど、おもしろい。
 また柴田氏は、異質なものをミックスした、どこか愛嬌があるデザインが好きで、シュッとしたかっこいいものを良いデザインとは思えないそう。シンプルも密度がないと単に簡素なものになってしまう、などと語られていたのが印象的でした。

 最後にデザイナーにとっての美意識とは――。
 柴田氏は、「単純にきれいということだけではない、皆の心の中にある思い出とか記憶みたいなことに共感するものがあると、それがいいと言ってくれるように思うのです。懐かしさとか気持ちよさといったもの、そんな記憶みたいなものをいつも探しています。」
 廣川氏は、「美意識は多様化していますが、根本は一つです。それは人間の直感的感覚に触れるものであり、時代を超えて長く生き続けられるデザインです。人間の美的感覚で本来持っている感覚は自然の美しさと思っています。例えば花は人間の本能に訴えます。デザインは目に見えない感覚をカタチにしていく作業で、それをカタチにすることができたら、長く続けられる美しいものがつくれるのかな、とよく考えています。」と。

 デザイナーの美の深層を垣間見た気がしたトークセッションでした。

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