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2024年5月 1日 (水)

東京ケアウィーク’24 ⑴ KUTO「スルースリーブ」に注目

 東京ケアウィーク’24がこの3月12日~14日、東京ビッグサイトにて開催されました。これはケアテックス東京、ケアテクノロジー東京、ヘルスケアジャパン東京、カラダケアEXPO東京の4つの専門見本市から成る介護・健康施術業界必?の見本市です。超高齢社会を迎えるわが国では、健康長寿を促進する商品やサービスのマーケットの急拡大に伴い、ニーズが急激に高まっているとあって、今期も 約430もの企業が一堂に集結しました。

 「介護予防・健康?寿」に特化した商品・サービスを見て回る中、「おやっ」と目が留まったのが、(株)KUTOの「スルースリーブ(Through sleeve)」シャツです。麻痺があっても片手でらくに着ることができるシャツで、これなら誰でも自由に気軽にファッションを楽しめます。まさにユニバーサルファッションのシャツです。

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 その着やすさに特化したポイントは3つあります。
Img_61201  一つ目は、脇と肘が伸びること。左右の脇下にひし形のストレッチ素材を使うことで、肘が脇を通るときに脇の部分のストレッチ生地が伸び、腕を通しやすくなっています。


Img_61221   二つ目は、袖のカフスがゴム仕様であること。袖のカフスはゴム仕様にすることで、手を通すだけで留めることができます。また手の拘縮が進んだ方には、カフス部分が大きく広がるマグネットボタン仕様も用意されています。

Img_61211pg  三つ目は、マグネットボタンでらくらく開閉できること。前立てのボタンはマグネットのボタンを使うことにより、力を入れなくても一番上のボタン位置を合わせるだけで下まで簡単に留まるようにしてあります。

 メーカーの(株)KUTOは島根県松江市にある縫製工場です。同社代表取締役の福田圭祐氏は、「スルースリーブ」シャツ開発のきっかけを次のように語っています。
 「妻が闘病中に洋服の着替えに不自由を感じ、好きな服を着て前向きに生き抜いた経験から、身体障害者や医療機関、学校の関係者と協力し、実際のニーズに応える素敵なデザインの服を作りたいという思いで事業化を決意しました」と。
 日本には132万人もの人々が脳卒中やALS、パーキンソン病などの病気や障害により洋服の着替えに困難を抱えており、ファッションを楽しむことを諦めざるを得ない状況にあります。しかし、こうした方々は介護用の服や大きめの服を着たいわけではなく、一般的な服を着たいという願いを抱いているのです。
 福田氏は、彼らが特別なものを求めているのではなく、通常の生活を取り戻したいという願いを持っていることを知り、介助者にとって着せやすい服ではなく、自分で着られる服をつくろうと決意。その結果、袖を通すことに特化した「スルースリーブ」シャツを生み出したといいます。
 
 このシャツは、このほど国際ユニヴァーサルデザイン協会(IAUD)主催 「IAUD国際デザイン賞」で、銀賞を受賞しました。
 表彰式での審査員のコメントは、「見た目が他のシャツと変わらないデザインで、腕の動きが制限されていても、身なりを整えたい、そうした状況の人々の特別なニーズを満たしています」。

 襟付きのシャツを一人で着て出かけることで、もう洋服の着替えで家族や他人に迷惑を掛けないで済むのです。それだけで人は自尊心が守られ、前向きで幸せな気持ちになれるのではないでしょうか。これもファッションの力です。
 「スルースリーブ」はこれまで服を着ることを諦めていた方々に希望を与えてくれることになるでしょう。

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