25春夏MU⑻ イノベーションエリア スポーツと機能性焦点
今期もミラノ・ウニカ(MU)をサポートするシステマ・モーダ・イタリアのテクニカル&イノベーティブ・テキスタイル部門、「TexClubTec」によるイノベーションエリアが設営されました。
“スポーツウェアと機能性衣料のためのテクニカル・テキスタイル”に 焦点が当てられ、約15社が出展。材料から最終製品まで、テクニカル・テキスタイルの生産チェーン全体を代表する企業や、最先端の技術やプロセスを提供するサプライヤーたちが集ってブースを組んでいました。
とくに興味深く思ったのは下記の企業です。
ペン・イタリア PENN ITALIA SRL / PENN TEXTILE SOLUTIONS GMBH
「イタリアで創り、ドイツで開発する」をモットーに、独伊2社がパートナーシップを組んでいます。イタリアのデザインとドイツのエンジニアリングが融合し、主にストレッチ素材のポートフォリオを提供しているとか。メッシュ生地の豊富なカラーパレットを揃え、エコテックス認証を取得し、環境に配慮した革新的な製品を幅広く取り揃えています。
インボテックス IMBOTEX
1955年創業のパディングを製造するイタリアのトップメーカーです。企業理念はアップサイクルの考え方に基づいており、廃棄された素材を完全に機械的なプロセスで非常に細い繊維に変換して、中綿を製造しているとのこと。同社の新部門、インボテックス・ラボはその革新的な技術に基づくプロセスの特許を取得しているそう。新技術を絶えず探求し、天然素材の可能性を高めているといいます。
クライツィー KREIZY SRL
2017年にボローニャで設立された、ハイエンド・ファッションの刺繍を専門とする会社です。ブースでは刺繍ミシンが設置されて、実演が行われていました。 上は機械が動ているところです。
平均年齢29歳の若くダイナミックなクリエーターチームが、客の要望に沿い、完全でパーソナライズされたサービスを提供しているといいます。
チッタディーニ CITTADINI
90年以上にわたって、ネットと糸の製造という繊維のニッチ分野で成功を収めてきた企業です。
インダストリー4.0に基づく技術的に先進的なシステムで垂直統合された生産が行われていて、工業、ファッション、自動車、家具、水産養殖の各分野向けに、最新世代の合成繊維を使用した結び目なし、結び目あり、間隔ありの3Dネット、衣料品、革製品、履物向けの工業用縫製糸とブレード、織物やリボン工場、家具用繊維、工業用用途向けのテクニカルヤーン、ブレード、ロープなどを製造しているといいます。
注目は生産プロセスにおける「グリーン哲学」の実践で、再生可能な資源から電力を自家生産、ISO 14.001環境認証を取得。特にGRS4.0(グローバルリサイクル基準)認証のリサイクル糸で織られたグリーンファッションネットは、その優れた性能やトレンドカラー、特注色の染色、特殊加工を施した様々な仕上げの提案などで人気とか。
職人的伝統技術と先端技術が共存するイタリアです。日本もイタリアと同様に、世界に誇る素晴らしい製品を創り出すことができると信じています。
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