ミラノ・ウニカ(MU)のジャパンオブザ―バトリー(JOB)では、どの企業も世界に向けて得意素材の発信を強化しています。とくに気になった注目企業を紹介します。
スタイレム瀧定大阪株式会社
同社はミラノのショールームに加え、昨年9月にパリにもショールームを開設し、欧州市場開拓にますます積極的です。
今シーズンはコットン素材をコットンではないようなタッチに表現した素材で、現代加工というシリコン含侵を加えた日本独自の加工「MODERN VIBRATTO COTTON」(右)や、後染めで中白を演出したデニム、天然のリネンのような柔らかさとナチュラルな表情を併せ持つ、リサイクルポリエステルを使用した「ASAMI」などを提案。天然らしさをアビールして、大人のカジュアルを目指す取り組みが目立っていました。
宇仁繊維株式会社
ストックサービス、短納期、日本品質が強みの同社。注目は、ポコポコとした表情豊かな凹凸のミラクルウェーブ(右)で、綿100%のもの、またポリエステル/綿混のカットジャカードやほどよい透け感と全面のシボ感が特徴のサッカー生地、さらに24年春夏ものPTJの「ワッツネクスト」で1位となったポリエステル100%ストレッチシアサッカーも人気といいます。
瀧定名古屋株式会社
前面に打ち出していたのが、前シーズン来の尾州の職人技から生まれたクラフトワーク素材です。
絞り染や流し染め、ウールのボンディングといった素材が目を惹いていました。
北高株式会社
毎シーズン、人気の和柄に加え、タイダイやむら染め、植物染めが好評といいます。
柴屋株式会社
今回はいつもの天日干しとともに、“アンティークダイ” と名付けた、生地に負荷をかけずにふんわりと染め上げたという、ヴィンテージ感のあるコットンや麻素材の打ち出しに着目しました。
東紀繊維株式会社
無染色のオーガニックコットン100%やコットン/シルクジャージーにスポットを当て、インナー製品に仕立てて提案していたのが印象的でした。
長谷虎紡績株式会社
前回に続く二回目の出展で、今回目新しく感じたのが、京都紋付とのコラボ素材でした。それは極限まで黒の濃度を高めた素材です。
遠赤外線保温材「KODENSHI(光電子)」とともに今後が注目されます。
豊島株式会社
フードテキスタイルのみならず、ハーブ染めなどの植物染めを訴求。また海島綿のDNAを100%受け継いだアメリカンシーアイランドコットン、人工合成による構造タンパク質素材のスパイバーなどもアピールし、持続可能な未来への取り組みに力を入れていることがわかるラインナップでした。