メゾン・エ・オブジェ1月展 デザイナー・オブ・ザ・イヤー
メゾン・エ・オブジェ2024年1月展で「デザイナー・オブ・ザ・イヤー2024」に選ばれたのかマチュー・ルアヌール(Mathieu Lehanneur) 氏です。
この賞は、デザインやデコレーションの国際シーンにおいて重要な役割を持つ人物に贈られます。フランス人デザイナーであるマチュー・ルアヌール氏は、その独特な世界観とクリエイティブなアプローチで、デザインやデコレーションのコミュニティにとっての先駆者としての業績を高く評価されました。
氏は、アート・デザイン・科学・テクノロジーを共存させる才能によって世界的に知られる1974年生まれのクリエーターです。彼のアプローチは極めて学際的で、オブジェから建築、アート、製品、一点もの、先端技術にいたるまで、非常に多岐にわたっています。
その萌芽は卒業制作の段階から表れていて、学位取得のためのワークでは、患者とその病気・治療との関係を改善することを目的に、薬のデザインにフォーカスしました。この作品はニューヨーク近代美術館の目に留まり、すぐさまパーマネントコレクションに加えられたとのことです。2001年、卒業後すぐに自身のスタジオを設立し、カルティエやヴーヴ・クリコといったラグジュアリーブランドとのコラボレートや、インテリア開発、家具・オブジェの製作などを行っています。 2007年には、ハーバード大学と協力して空気清浄機「アンドレア」を開発。 2010年に自宅でくつろぎたいというニーズに応えて、 オテル・デュ・マルクのリニューアルオープンのためにカプセルルーム『Once Upon a Dream』を考案。 より回復効果の高い睡眠を促す理想的な部屋として話題を集めました。 2018年には自身の名を冠したブランドを立ち上げ、独立を宣言。2020年のパンデミック期間中には、歴史的変遷を各国の人 口 ピ ラ ミ ッ ド に 刻 ん だ ア ル ミ 彫 刻 の コ レ ク シ ョ ン『State of the World(世界の状態)』を制作しました。最近では、パリ2024オリンピック・パラリンピックのトーチ(右の写真)をデザインし、間もなく聖火台も披露されるとのことです。
「デザイナー・オブ・ザ・イヤー2024」を受賞したメゾン・エ・オブジェでは、「Outonomy(オトノミー=自律性)」プロジェクト(下の写真)を発表する予定といいます。
これは「逃げる、巧みに切り抜ける、呼吸する、生きる…」といった行動で要約されるプロジェクトで、あらゆる雑音や密集状態から離れて生きる、独立と自由という考え方をベースに構築されるといいます。ミニマルであると同時に、最も望ましい生命のエコシステムへ、各自が生き方を考え直し、自身をとりまく環境と影響し合えるような、ここではないどこか異郷を目指す、イグルーや山小屋、ヒュッテ、ユルトといった、隔絶された住居にまつわる様々な試み、解決策、提案などが散りばめられているとのことです。
時代のニーズと現代のテクノロジーを組み合わせたプロジェクト、「Outonomy」の反響が注目されます。
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