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2024年1月24日 (水)

文化服飾博物館「魔除け」展―見えない敵を服でブロック!

 今年も初詣してお守りや護符を購入し、常に持ち歩いていらっしゃる方も多いでしょう。私も邪気を祓い、開運・守護などの効果があるかもと、迷信と思いながらもバッグの底に潜ませています。
 そんな風に私たち人類は古今東西、服飾に「魔除け」を取り入れてきました。
C211856bb9d03a0e6590eff462a71376663c6d96  今、文化学園服飾博物館で開催されている「魔除け」展― 見えない敵を服でブロック! は、世界各地の民族衣裳に見られる「魔」から身を守る装飾を集大成した企画展です。「あなたはすでに守られている」という意味深な副題も付けられています。
 人はその昔、科学の理解が不十分だった時代に、病気や死の原因を「魔」と考え、自身を守るための服を作ったのですね。本展はそうした民族の歴史を振り返る展覧会でした。

 展示は下記の5つのテーマで構成されています。(写真はホームページから借用しました)

「魔」を遠ざける
 「魔」が苦手と考えられるものを装うことで、「魔」が遠ざかると、身に着けたのが光で反射する素材や、揺れることで音が鳴る装飾、強い匂いを発する装身具です。
2d3324196fa19154258180c16385cd841  現在も“光りもの”や揺れ動くフリンジなどのディテールが流行っています。そこには危険を避けるという意味もありそうです。
 右は、インドのミラーワークのブラウス(1970年代)です。

「魔」の侵入を防ぐ
  「魔」は衣服の開口部から侵入すると考えられており、袖口や首元、裾などに結界を築きました。
Bc2c2564d691dd06a7b7c348a62e5919  襟周りなど縁飾りに使うブレードにはそうした意味があったようです。
 また自身の目に届かない背中側に特徴的な装飾を施すことも行われました。
 “邪視”という俗信もあって、背面にはとりわけ念入りに装飾されたとのことです。 
 右は、女の子の着物で“背守り”(明治時代後半)が見られます。

「魔」をまどわせる
 1_20240121133401 人は獰猛な虎や毒のあるサソリ、ムカデ、蛇などをモチーフにした衣服や装身具を身に着けることで「魔」が憑依するのを躊躇させようしたといいます。
  右は、虎をかたどった中国の子どもの靴 (20世紀)です。

魔除けの「赤」
 血や炎、太陽を連想する赤は特別な力を持つ色と認識されており、「魔」を払う力があると考えられてきたといいます。1階展示室では赤い着物など、赤色の民族衣裳が勢揃いしていました。

祈りと願い
 神仏の加護や信仰の証として身に着けた模様や装飾品の展示コーナーです。

 各民族に伝統の「魔除け」と現代ファッションとのつながりを感じ取ることができた興味深い展覧会でした。開催は2月14日までです。

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