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2023年11月14日 (火)

第60回 全国ファッションデザインコンテスト表彰式     日本綿業振興会賞は 中国の学生作品「文字青年」に授与

 第60回全国ファッションデザインコンテスト(一般財団法人ドレスメーカー服飾教育振興会・学校法人杉野学園主催) 表彰式が、この10月14日にスギノホールにて開催されました。
  今回のコンテストは、デザイン画による応募総数が1,681点だったとのことです。その内28点が第1次審査を通過し、実物作品を制作した26点が、ランウェイショー形式の最終審査会に臨みました。
 文部科学大臣賞をはじめとする各賞が決定する中、私も企業・関連団体賞の審査員の一人として参加しました。その結果、日本綿業振興会賞に中国人学生、卢 珏(リ・ジュエ)さんの作品「文字青年」を選出し、賞状とともにトロフィーをお贈りしました。

  リ・ジュエさんは同学園交流校の浙江理科大学4年生で23歳です。ショーを見た時、私は創作したのは男子学生と思っていました。ですから実際にお会いして女性でしたので、ちょっとびっくりしました。
 1pg 作品はベージュ色ニットのロングセーターとインディゴデニムのパンツ、白いロングシャツのスポーティなコーディネイトです。ジェンターレスで、男女両用を意識したといいます。
 このルックは既視感のある、ありふれた感じかもしれません。でも今回私は普段着として、着用できる作品を選びたく思っていました。こうしたコンテストというと、とかく現実離れした不思議なデザインや、コンテスト映えを意識したドリーミーなものになりがちです。
 とはいえこの作品は、いわゆる普通の服ではありませんでした。セーターはウールで、文字の模様がプリントではなく編み込み柄になっています。文字柄は、戦前の中華民国時代の新聞記事から取ったものだそうです。この時代に活躍した魯迅の短編小説「狂人日記」の文字が大きくあしらわれていて目立っています。
 それにしても現代に「狂人日記」とは、何故なのかと訊いてみました。すると今の中国ではチルしているZ世代の若者が多く、彼らは過去への想いが強いのだそうです。中国も古き良き時代のレトロが人気のようです。
 ともあれネットでは漢字を使用するのが流行っていて、このニットジャカード編みとデニム生地を組み合わせたデザインを通じて、ネットのトレンド言葉を実際のファッションに取り入れて、Z世代の多くに癒しを提供したいといいます。
 パンツもコットンデニムの端切れを使って、パッチワークしたサステナブルなデザインです。
 伝統的な美意識や規範に挑戦し、個性的な表現を追求したクリエーションで、Z世代に受けそうです。
 
 最後に卒業後の進路を伺いましたら、大学院へ進学し、何と日本へ行きたいとのことでした。

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