FaW TOKYO秋⑴ サステナブルファッション 廃棄物ゼロへ
日本最大のファッション展「第14回FaW TOKYO(ファッションワールド東京)秋」展が、10月10日~12日、東京ビッグサイトで開催されました。今回はジャパンファッションEXPO、サステナブルファッションEXPO、メガネ展、ブランド&デザイナーEXPO、ファッションDX EXPO、アジアの縫製・生産工場EXPOの6つに、初めてウェルネスファッションEXPOが加わり、世界30ケ国から計1,150社が出展した盛大なイベントとなりました。来場者数は3日間で27,000人と発表されています。
中でも私が注目したのはサステナブルファッションEXPOです。今期は、「繊維の資源循環フェア」エリアが新設されるなど、回収・分別・再生システムやサーキュラー繊維・リサイクル繊維など、衣料廃棄物ゼロの未来を実現する最新製品・サービスが多数出展していました。
とくに目新しく映ったものをご紹介します。
丸紅(株)
同社が出資する繊維リサイクル技術を有する米国Circ, Inc.は、ケミカルリサイクルの中でも環境負荷の低い手法を用いて、「綿とポリエステルを“同時に”リサイクルする技術を持っている」とのことです。それは綿とポリエステルを加水分解してつくられる溶解パルプをセルロース繊維に、また生成された液体から分別したエチレングリコールと沈殿物のテレフタル酸を重合してポリエステル繊維に戻す技術とか。
ブースでは同社子会社の、(株)エムサーキュラーリソーシズが回収した古着をCirc社のケミカルリサイクルに繋げて、繊維資源を有効活用するスキームを打ち出していました。
ポリエステル/綿混は素材の分離・回収が難しいと言われてきましたが、「2、3年以内には量産化できる」見込みとのことです。綿混もいよいよ「繊維to繊維の循環型」リサイクルへ本格的に動き出していることがわかりました。
豊田通商(株)
同社はパタゴニア・インターナショナル日本支社と協業し、Tシャツのリサイクル事業『Tee-Cycle』に参画したり、タオル美術館グループと再生した綿糸を緯糸に使用した『REBORN COTTON』を誕生させたり---と、「繊維to繊維 (T2T) 」の循環を実現している企業です。
ブースではとくに『コットンエイト(COTTON ∞)』の展示が目を惹きました。
コットンエイトはフェアトレードコットンを通じて、幸せの循環を生み出すプロジェクトです。豊田通商、シキボウ、信友の3社が共同で、国際フェアトレード認証コットンの普及を目指す活動で、豊田通商グループの綿花調達を担う東洋棉花、企画販売の豊通ファッションエクスプレスを巻き込み、8%から∞の可能性を広げていくといいます。
パネコ (PANECO)
ワークスタジオが手がける廃棄衣類繊維を原料にしたリサイクルボードで、熱可塑性樹脂を含まないプレス成形で製造されているとのことです。1年間で約27トンの廃棄繊維を回収し、繊維リサイクル事業では難しかった回収繊維リサイクル率ほぼ100%を実現しているというのも、すばらしい!
以前はグレー一色でしたが、多彩な彩りのものが出ていて、進化を感じました。
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