FaW TOKYO秋⑵ サステナブルファッション さらなる進化
「第14回FaW TOKYO(ファッションワールド東京)秋」展のサステナブルファッションEXPOでは、環境に配慮した製品・サービスのさらなる進化が見られました。
旭化成アドバンス(株)
洗練されたブース展示に惹かれて立ち寄りました。打ち出していたのは「エコセンサー(ECOSENSOR)」で、2019年に同社が立ち上げた環境配慮型テキスタイルブランドです。今回はとくに有機フッ素化合物(PFAS)を含有しない撥水材を使用したアウトドア生地を提案していました。
併せてスポットが当てられていたのが「ロイカ(ROICA)」です。これは廃棄されていた糸を再利用したリサイクルストレッチファイバーで、世界から脚光を浴びています。
東レ(株)
愉快なシロクマがお出迎えするブースで、展開されていたのが「トレイン(TORAIN)」です。
トレインは有機フッ素化合物(PFAS)に依らない撥水高耐候性アウトドア素材です。耐洗濯性を向上し、更なる耐久性改善を図り、今後もさらに製品寿命が長いサステナブル製品としての完成度を高めていくといいます。
播州織工業組合
ブースでは兵庫県西脇市の、播州織と呼ばれる先染織物を中心とした織物の仕上げ加工を行っている織物整理加工場が出展していました。
その注目素材は、汗染み防止加工の「ミラクルコットン」です。肌に触れる面は通常の織物と同様に吸水性があり汗を吸収しますが、生地の表面には汗が染み出さない特殊加工が施されているため、吸水した汗が表面で目立たず汗による衣服のシミを防いでくれるといいます。ニット製品ではこのような製品は数多くありますが、厚みのない生地での汗染み防止加工はあまり見たことがありません。
汗染みが目立たず見た目も爽やかで、風合いや通気性も損なわないとのこと。まさにミラクルなサステナブルコットンです。
服部テキスタイル(株)
兵庫県多可郡で、日本全国の高級ホテル・旅館などにベッドシーツ等のベッドリネン、パジャマやスリッパ等のルームリネン、テーブルクロスやナフキンなどのテーブルリネンを製造し、提供しているメーカーです。
同社は、工場でホルマリンを使用した加工をせず、石油化学ゼロ加工、草木染めの人にやさしいものづくりを行っていることを訴求。また、太陽光発電事業によりカーボンニュートラルを実現していることもアピールしていました。
助野(株)
漁師さんたちの足元の悩みを解消する高機能靴下「ペスカリー」を提案。
同社は富山県高岡市に拠点を置くレッグウェアメーカーです。長い時間、船上で過ごす漁師は足が疲れやすく、漁が始まると長靴の中で蒸れて、靴下がずれてもはき直すことができないそう。そんな過酷な猟場で漁師の足元を支える靴下の開発に着手。足底を波形状パイルにして、通気性のよいムレにくい構造にしたり、消臭効果や吸水・速乾性、軽量といった特性のある和紙を部分的に取り入れたり、通常の靴下よりも踵を大きく編んで、踵まわりにヒールロックサポートを入れて、足の形にしっかりとフィットする工夫を施したり。試作を繰り返して完成したのがこの高機能靴下で、ペスカ(漁業)とアリー(味方)を組み合わせ、「ペスカリー」と名告げたとか。
素材は環境に配慮したオーガニックコットンが使われているといいます。
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