« 2024年ヒットのキーワード 雑貨・食・ファッショントレンド | トップページ | 第55回モード・イン・フランス展 出展者・来場者とも増加 »

2023年9月17日 (日)

イデー ブランドディレクター「ライフ イン アート」を語る

 コロナ禍以降、人々のライフスタイルは多様化し、インテリアブランドにとっても変化が求められる時代になりました。これまでのような家具・雑貨販売から、これからの豊かな暮らしを創作するきっかけや気づきを「もの」や「こと」を通して提案する方向へと転換するインテリアショップが増えています。
 その代表的なショップが、株式会社無印良品が運営するイデー(IDEE)です。先般、同ブランドが目指す「ライフ イン アート Life in Art(美意識のある暮らし)」を語るセミナーが催され、イデー ディレクター 大島 忠智氏が登壇しました。

 イデーとはフランス語でIDEE=理念です。ブランド創設は1975年で、当初はアンティークショップとしてスタートしたそうです。1980年代前半から「生活の探求、美意識のある暮らし」をコンセプトに、オリジナル家具や雑貨を制作販売するようになり、ショップは現在、関東中心に9店舗、無印良品の中に約40店舗、さらに海外の無印良品5店舗で展開されているとのことです。そこには生活を心地よくしてくれるものをセオリーにとらわれずに選び、表現し、それをかたちにしてきた歴史があるといいます。
 「ライフ イン アート」プロジェクトが立ち上がったのは2011年で、以来、美意識に囲まれた生活が豊かさにつながるとの想いから、“日常芸術”に力を入れているとのこと。そしてこのことがまさにイデーの強みになっている、と強調します。

 氏は直近の主なイベントを紹介しました。
 一つは、2019年に開業した「イデー東京」ギャラリーで、今夏、開かれていたアイルランドのセラミックアーティストのデレク・ウィルソンの作品展です。
Img_69851
 私も見てきましたが、ものを入れるという機能を持ち、身近な生活の道具を連想する“器”を、抽象的なフォルムへと発展させたオブジェが印象的な展覧会(上の写真)でした。売却済のものも多く、盛況理に幕を閉じたようです。

 もう一つは、この4月末から6月、東京・銀座の無印良品で開催された日本のモダンデザインに焦点を当てた「東京モダニズム2023」。ムジ・ホテル・ギンザの客室を期間限定のショーケースにした特別展示&販売会には、国内の約30のギャラリーやヴィンテージショップが参加し、世界中のヴィンテージのモダンデザインが一堂に集結。個性豊かなオーナーたちの審美眼で見出された優れたデザインプロダクツが揃い、デザイナーや作り手が生み出したものと次なる使い手が出会い、未来へ継がれていく場となったといいます。

 さらにこの4月、伊勢丹新宿店でポップアップストアをオープンした“ハンド バイ プール(H& by POOL)”も注目です。これは「ミナ ペルホネン(MINA PERHONEN)」の皆川明デザイナーが監修したシリーズのコレクションで、生産現場や倉庫で生まれた残反や残糸、端切れなどを活用し、日本のものづくりで仕立てたアップサイクルな衣服を取り扱うプロジェクトです。サステナブルの観点からも期待されます。

 この他、2011年より発刊されていて只今休刊中のインタビューマガジン “ライフサイクリング ” や、様々な暮らしのあり方を発信するウェブメディア “アート アンサンブル オブ ライフ ” など、実例を挙げながらのお話は大変興味深いものでした。

 生活の中にアートを取り入れて、少しでも豊かな暮らしを!と呼びかけるイデー、今後の取り組みが楽しみです。

|

« 2024年ヒットのキーワード 雑貨・食・ファッショントレンド | トップページ | 第55回モード・イン・フランス展 出展者・来場者とも増加 »

ファッションビジネス」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 2024年ヒットのキーワード 雑貨・食・ファッショントレンド | トップページ | 第55回モード・イン・フランス展 出展者・来場者とも増加 »