メゾンマルジェラ インスタレーション シネマ・インフェルノ
この8月半ば、メゾンマルジェラでは表参道店のリロケーションオープニングを記念して、渋谷でインスタレーション「シネマ・インフェルノ」が開催され、私もしばし没入型体験をしてきました。
「タワーリング・インフェルノ」ならぬ「シネマ・インフェルノ」とは、メゾン マルジェラ(Maison Margiela)のクリエイティブ・ディレクターであるジョン・ガリアーノ(John Galliano)が2022年アーティザナルコレクションの制作に合わせて構想した物語です。
エントランスをくぐった1階のフロアは、全体が怪しげなライトに照らされた、劇場のセットさながらのインスタレーションルームになっていました。そこには役柄に沿ったアーティザナルのルックを身に着けたマネキンがディスプレーされていました。
アーティザナルの類稀なアイデアと職人技を惜しみなく注ぎ込んだドレスや一点物を間近で見ることができた稀有な機会でした。
地下はシアターです。天井から床まで全てが鏡張りのミラールームになっていて、まるで異世界に迷い込んだかのようでした。
スクリーン版「シネマ・インフェルノ」が日本語の字幕付きで上映されていて、見る者も物語の一部となるような、没入体験を味わえる空間になっていたのが印象的でした。
映画の舞台はアメリカ南部のアリゾナで、主人公のカウントとヘンは、シングルペアレント同士が結婚したことで義理の兄弟となるのですが、いつしか愛し合い、不運な運命を辿っていくという、ダークポエティックなストーリーです。
監督はもちろん、ジョン・ガリアーノです。才気あふれるガリアーノはファッションに飽き足らず、とうとう映画の世界に乗り出しました。ほんとうにすごい才能の持ち主です。
ガリアーノの退廃的な美の世界を堪能したひと時でした。
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