「くらしのデザイン展 2022」“ケアとアートとデザインと” ⑴ グッドデザイン賞で知る「ケア×デザイン」
「Good Design Good Over 50’🄬 くらしのデザイン展 2022」が10月22日~11月7日、池袋西武本店にて開催されました。ケアリングデザイン、東京藝術大学、日本デザイン振興会、そごう・西武、豊島区と、産官学が連携し、だれにとっても心地よい暮らしを提案するイベントで、今年10周年を迎えるとのことです。
(会場ではスタッフの方が丁寧に案内してくださり、感激しました。)
テーマは “ケアとアートとデザインと” です。福祉とアートとデザインを融合させた新しい商品や取り組みを三つのグループで紹介していました。
一つ目は、グッドデザイン賞で知る「ケア×デザイン」です。
2022年度のグッドデザイン賞から、ケアプロダクト、インクルーシブプロダクト約30点がコーナー展示されていました。
中でも私が注目したのが、最先端テクノロジーを駆使したプロダクトです。
その一つが「あしらせ」で、視覚障がい者の単独歩行を支援するナビゲーションシステムです。靴に装着した振動インターフェースとスマートフォンアプリによる音声入力で、ルート情報を足元から直感的に伝えることができるといいます。
足への振動で、向かう方向が直感的に示されるので、ユーザーは手に杖以外に何も持つ必要がなくなりました。これまで苦労していたルート確認作業から解放されることで、余裕を持って移動できますし、周囲の安全環境にも十分注意することができるようになったのです。
装着も簡単で、日常履いている靴に視覚障がい者自身で取り付けられるとのことです。足に沿う立体構造で、自然な装着感が得られるというのも画期的です。
開発したのは(株)Ashiraseで、グッドデザイン賞金賞を受賞。来年3月からの発売が予定されています。
もう一つ、グッドデザイン賞金賞を受賞したのが、本田技研工業のハンズフリーパーソナルモビリティ「UNI-ONE」です。着座しながら両手が自由に使える歩行感覚モビリティです。
電動車いすをはじめ、パーソナルモビリティを使うときは片手ないし両手を使って操作しなければなりません。しかしこれは運転操作のために両手を使わない、バランス制御技術で体重移動だけで全方位に移動でき、免許も練習もいらないという、新次元の乗り物です。
座る際は安定したローポジションで、移動の際は座面が上がってハイポジションに移行し、立っている人に目線が近くなります。健常者と同じ目線でコミュニケーションをとることができますので、とくに車いすユーザーにとっては大きな解放感を得られるに違いありません。
ホンダの長年にわたる、2輪やロボティックスの開発技術を最大限に活かした、まさに自分の体が拡張したかのようなモビリティで、移動の本質的な楽しさを実現していると思いました。これからの社会の風景を変えるインパクトの高い発明と言えそうです。
来年3月より利用開始だそう。
さらに充電式補聴器「ワイデックス モーメント シアー」も注目のアイテムです。一般的に補聴器というとイメージはまだ良くないようです。でもこれは着けたくなる、見せたくなる補聴器を目指したというように、美しさを追求したデザインです。もちろん従来の補聴器で問題とされていた機械的な音を独自技術により解消、違和感のない自然な音質を実現し、軽い着け心地と聴感性能の向上を両立させているとのこと。
リチウムイオン充電式を採用することで電池交換も不要、廃棄電池の削減につながります。
実用的で、しかも補聴器らしくないデザインというところに惹かれました。
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