« IFFT/インテリア ライフスタイル リビング ⑵ サステナブル | トップページ | コムデギャルソン「ブラック マーケット」“闇市”テーマに »

2021年11月24日 (水)

ハイムテキスタイルトレンド2022/23プレビュー

  先般開催のIFFT/インテリア ライフスタイル リビングのライフスタイルサロンで、「ハイムテキスタイルトレンド2022/23プレビュー」が世界に先駆けて開催されました。プレゼンターはダンプロジェクト代表でハイムテキスタイルのトレンドセッターでもある南村 弾氏です。業界の指針となるドイツ・ハイムテキスタイルは来年どのような提案を行なうのでしょうか? ジャーナリスト 本間美紀氏との対談形式で、その先行情報が発表されました。Img_73821jpg

  メインテーマは、暮らしのデザインを長期的視点で展望する意味を込めた「ネクスト・ホライズン(Next Horizons)」です。流れは新品に盲従するのではなく、以前からあるモノを再解釈したり、過去のよいモノを再編集したりすることにあるようです。“アンソロジー(複数の作家の優れた歌や詩などを集めた作品集)”という言葉もキーワードの一つに挙げられていました。
 テーマは4つあり、「ナチュラル」と「アイデンティティ」の2つの要素で構成されています。

⑴ ディープ・ネイチャー(Deep Nature)
 自然界とのつながりを取り戻し、自然のインテリジェントな循環システムを理解することで、ホームテキスタイルの未来を変えることを目的とするテーマ。手つかずの風合いやゆっくりとしたプロセス、自然の構造、生きた色、地中の生活からローテクな土着の生活まで、自然の摂理を学び直し、バランスを調整することが必要という。本物の素材、天然繊維、再生繊維が循環型の生活の一部となるような、ごく普通の生活様式に戻ることが大切。
<カラー>
  エッセンシャルでオーガニックなトーン。カビやハーブの色、ブルーは落ち着いた色へ、赤はアースカラーへアプローチ、砂のようなベージュとブラウンは自然の遺産である未染色の素材に回帰し、ゆっくりとつくられた自然な表現を作り出す。全体にやわらかいグレイッシュな色合い。ブラックも彩度を抑えて優しい。
Image ・土に還る素材が改めて重要
・コーヒー染めや藍染など天然染料染め
・染めない未染色


⑵ ハイパー・ネイチャー(Hyper Nature)
 テクノロジーで自然と向き合うテーマ。3Dアーティストのイネス・アルファは、「拡張現実は、現実と同じくらいリアルです」と語り、若い世代の考え方によって、未来はいくつかの現実に分かれるのではなく、ひとつになっていくと指摘している。自然をデジタルで表現し、自然が作るであろうインスピレーションを提供するデザインを創造し、テクノロジーと自然を融合してより良い世界を育てる方法を考える。
<カラー>
 ビビッドで超自然的な色で、奇妙なグリーンから強烈なバイオレットまで。グラデーションや流れるようなカラーパターンは、ハイパー・ネイチャーを視覚化する没入型の表現には欠かせない。また反射や人工的な光の色も。ハイライトはサーモンとライトラズベリー。
1_20211124174701 ・ナチュラルだが近未来的なモダン感覚
・アウトドアで使われているような機能的で丈夫な布。例えばエアバッグの素材など
・反射板使い

⑶ ビヨンド・アイデンティティ(Beyond Identity)
 未来の世代はアイデンティティを常に変化させている。彼らは規範を打ち破り、身体的属性ではなく、価値観を訴求し、自分のアイデンティティの多様な側面の外に目を向け、未来に向けてポジティブで希望に満ちたメッセージを発信する。これは未来のためにこれまでを再定義するテーマ。
<カラー>
 軽快で楽しい彩度の低い色調。繊細で白っぽいパステルカラーが、ここでは力強い刺激的な色になっていることに注意。流動的ではかない、エーテルのような表現は、アイデンティティの絶え間ない変化を表し、ハイライトのオレンジが、グラデーションのスプラッシュを生み出す。
Image1  ・ビンテージの多様な個性をミックス
・持続可能なプロセスで長く使えるもの
・原料を再利用し、見た目は以前と変わらないものづくり

⑷ エンパワード・アイデンティティ(Empowered Identity)
 文化を支える職人技の強化。文化遺産を象徴する視覚的な言語である工芸品に着目し、文化遺産と未来の世代との間に新たな関係を築くテーマ。伝統的なテキスタイルの再生とともに、再利用された素材で作られた伝統的な織物は、現代の伝統的な雰囲気を醸し出す。過去とのコラボレーションを促進し、文化を次の世代につなげることで、持続可能な変革がもたらされる。
<カラー>
 強い色味のしっかり入った色彩で構成されるパレット。テーマの伝統的な表現を印象付ける原色にコーラルやグレーがかったライラックなどの色が加わる。ポイントは多色使いで、カラフルに組み合わせることで、ポジティブで象徴的なメッセージを発する。
2_20211124174701 ・パッチワークや継ぎ接ぎ、アップリケ、無作為に組み合わせたデザイン
・花や葉をニードルパンチで閉じ込めて一体化させた布
・リサイクリング

 ハイムテキスタイル22/23のトレンドサイト https://heimtextil.messefrankfurt.com/frankfurt/en/programme-events/trends.html 

|

« IFFT/インテリア ライフスタイル リビング ⑵ サステナブル | トップページ | コムデギャルソン「ブラック マーケット」“闇市”テーマに »

住まい・インテリア」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« IFFT/インテリア ライフスタイル リビング ⑵ サステナブル | トップページ | コムデギャルソン「ブラック マーケット」“闇市”テーマに »