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2021年5月

2021年5月31日 (月)

PTJ2022春夏生地商談会⑶ ナチュラルなアウトドア

 最近スポーツ・アウトドア商材が人気を集めています。「プレミアム・テキスタイル・ジャパン(PTJ)22春夏」でも、アウトドアファブリックへの関心は高く、とくにコットンやリネンといったナチュラル素材は大きな興味の対象となっていました。

 その一つ、柴屋(シバヤ)をご紹介しましょう。
 本拠地は大阪で、コットンやリネンなど麻の天然繊維を中心に、企画・開発から生産、そして販売まで、あらゆるニーズに応えられるテキスタイルを扱い、パリのプルミエールヴィジョンなど海外の展示会にも積極的に出展しています。
 今シーズンのベスト素材を伺いましたら、何とプロバン加工だそうで、ちょっとびっくりしました。
  Img_46681 プロバン加工は綿や綿混の難燃加工素材で大和紡績が取り扱っています。ノンハロゲン加工で燃えにくく、有害物質の発生も少ない、洗濯耐久性にも優れている、長年実績のある素材です。
 何故プロバンかというと、このコロナ禍でキャンプ愛好者が増えているからとか。自炊するなど、火を扱うフィールドワークは確かに盛んのようです。今年のゴールデンウィークに、近場のキャンプ場をのぞいてみたのですが、満員の盛況でした。
 
 もう一つは同社得意の「天日干し」素材です。天日で干したかのようなふくらみのある優しい風合いで、自然な揉みジワのあるコットンやリネンのウエザークロスなど。程よい肉感とハリ感があって、仕立て映えしそう。
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  ナチュラルなアウトドアカジュアル素材に注目です。

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2021年5月30日 (日)

PTJ2022春夏生地商談会⑵ 「ニューノーマル」キーワード

 「プレミアム・テキスタイル・ジャパン(PTJ)22春夏」で、キーワードとなっていたのは「ニューノーマル」です。安心・安全とともに心地よく、しかもサステナブルでデザイン性の高いテキスタイルが集合していました。

国島(クニシマ) 
 尾州の毛織物、とくに高級紳士服地の名門企業で、社名を「中外国島」から「国島(クニシマ)」に改称しました。パリのプルミエールヴィジョン(PV)では日本企業として当初から出展、その海外向けブランド「COBO」(コボ)は世界のラグジュアリーブラントに高く評価されています。
 昨春、北海道で育った羊から羊毛を刈り取り、織物に仕上げた「純国産ツィード」を発表し、サステナブルなウール素材として話題を集めています。 
 PTJへの出展は2回目で、今季は「COBO」と「外村コレクション」を打ち出していました。「外村コレクション」は、昨年5月に事業停止した京都の老舗卸「外村」のテキスタイル事業を引き受けて設立したブランドです。
 ブースでは、国島のモノづくりと婦人服地に強い外村のテイストを組み合わせた、個性的なファッションテキスタイルが提案され、人目を惹いていました。
Img_46231  テーマは、①オーガニックウール100%のサステナブルなウール織物、②高級獣毛使いによる洗練されたラスティック、③名古屋の有松絞や浜松の絣など“日本趣味”の表現、④様々な風合いの黒ベースのテキスタイルです。
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 コットン100%の先染めチェック     有松絞

クロスジャパン
 東京都渋谷区で、ドビー・ジャカード織物を中心に、刺繍・カットソー等のテキスタイルを、糸使い・意匠・織組織・テクニックから企画し、オリジナルのテキスタイルをつくっている企業です。今シーズンも大柄の大胆で美しいカットジャカードを披露していました。
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クリスタルクロス

 本社は大阪で、「当たり前のものは提案したくない」とオリジナリティにこだわって婦人テキスタイル企画・販売を手掛けているといいます。軽やかな綿/シルク、リネンなど今シーズンも高感度なテキスタイルを提案していました。Img_46751
宇仁繊維
 パリのプルミエールヴィジョンなど海外のテキスタイル見本市に出展している人気企業です。日本の伝統や技術を活かした「小紋工房」で創作した、日本製オリジナルテキスタイルを40,000余種、常時用意しているといいますからスゴイです。
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ナチュラルなシワ感のミラクルウェーブ  綿ジャカード

サンアルファー
 大阪市中央区で、テキスタイル製造・卸販売とともに、OEM ODM事業も行っている企業です。テキスタイルとOEMをワンストップで提案できることを広く知ってもらおうと、初出展したといいます。Img_45961
 テキスタイルは国内の主要産地(米沢、桐生、尾州産地など)との取り組みでオリジナル企画を軸に展開。綿/シルクの軽やかな大柄チェックを始め、使用済みのペットボトルが原料のリサイクルポリエステル、中国・東北平原で育ったヘンプ使いなど、サステナブル素材を打ち出していました。

シャンブレー 
 東京都中央区でストライプ、チェックやジャガード柄などの先染め織物を中心に、生地の企画、営業販売を手掛ける企業で、GOTS認証オーガニックコットンの先染めや、コットン100%のイージーケア加工の高密度ストライプ、麻混のシャツ地などを提案。販路拡大を目指して初出展したといいます。Img_45821

イチメン
 東京都渋谷区神宮前でコットン素材を中心とした服地(織物)の企画・販売に強みを持つ繊維専門商社で、2016年に同じ繊維専門商社ヤギの連結子会社となりました。
 シャツ地向け先染め織物に強いのですが、今シーズンは生成りを中心に無地を訴求していたのが印象的です。Img_46341

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2021年5月29日 (土)

PTJ2022春夏生地商談会⑴ トレンドはサステナブル意識

 日本ファッション・ウィーク推進機構が主催する生地商談会「プレミアム・テキスタイル・ジャパン(PTJ)22春夏」が25、26日に東京国際フォーラムで開催されました。
 出展したのは75社で例年の2割減、その内新規出展は7社でした。またリモート出展に切り替えた企業が4社あったとのことで、商品展示だけのところも見られました。
 緊急事態宣言下とあって、来場者はやはり少なかったようです。ともあれ実物の生地に直接触れられ、商談もじっくりできてよかった、というバイヤーが目に付きました。
 また生地のデジタルプラットフォーム「JFWテキスタイルオンラインサロン(JTO)」(このブログ2021.5.19付け記事参照)については、25日までに12,000PV、1,137人のアクセスがあったといいます。会場内にもJTOのエリアが開設され、検索する人の姿が見られました。

 さて、生地展示に移りましょう。
  入口を入るとそこはトレンド&インデックスコーナーでした。施工テーマは「EARTH(地球)」です。サステナブルを意識して従来の木工を使わず、環境負荷の低い段ボール素材が使用されていたのが印象的でした。
 トレンドエリアは下記の4つのテーマで構成されています。<いつもの世界 もしもの世界>をキーワードに、462点のサンプルがテーマ別に分類展示されました。その一つ「センス オブ ワンダー」は、前回アピール不足だったサステナブル素材を集積するテーマで、サステナブルがトレンドと連動していることに要注意です。
 
センス・オブ・ワンダー Sense of Wonder
 自然の恵みと、人の手が生み出すアートフルな空間。
Img_47571_20210528201101 <カラー>
 自然の風景の中、くつろぎや癒し、心地よさを感じさせるソフトでデリカシーなカラーと、森林のようなグリーンが香り漂うエコロジカルなムードでのカラー展開。

メロディック・バラード Melodic Ballad
 心にエールを送る美しい響きに癒されるような穏やかなムード。Img_47561 <カラー>
 心地よいメロディと詩情を融合させた落ち着きのあるトーンで、どこか懐かしさも感じさせるニューベーシックカラーで展開。
 
ミクロ・メディア Micro Media
 ミクロの世界への探求。Img_47551 <カラー>
 鮮やかなカラーに宿す自由で活気あるマルチカラーと、不思議なミクロの化学反応を組み合わせた刺激あるカラーで展開。
 
フリーズ・コスモ Frozen Cosmos
 クールファンタジーの世界。Img_45771 <カラー>
 クリスタルでクリアな美しさをもたらすカラーパレット。人工的で透明感のあるクリーンなハーフトーンとメタリックなカラーもプラスした潤いある洗練されたカラー展開。

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2021年5月28日 (金)

2022年春夏ミラノウニカ 流行色2021 SUMMER掲載

Scan0004  先般発行された「流行色2021 SUMMER No.605」に、今年2月にオンラインで開催された「2022年春夏ミラノウニカ」の柳原美紗子の記事が、掲載されました。

 その概要や発表されたトレンドテーマやカラー、素材の特徴などを4ページにわたり解説していますので、 ご参照ください。
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2021年5月27日 (木)

2022春夏米沢テキスタイル展 生活様式コーナーも展示

 山形県米沢のテキスタイル産地の展示会、「米沢テキスタイルコレクション」(米沢繊維協議会主催)が、5月25日~26日、東京・有楽町の東京交通会館で開催されました。

Img_45691jpg  出展したのは同産地のメーカー、11社です。様々な制限がある中、入場者数は例年より少なかった模様ですが、米沢織のステキな生地に久々に直接触れることができました。

Img_45461  新しいニューノーマルな暮らしに合わせた取り組みでしょう。マスクやインテリア小物など、生活様式コーナーが設置されていたのも印象的です。

コットン/シルクの透ける先染めがさわやか
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     安部吉                     今正ファブリック
          
・ 米沢織の代表ジャカード
Img_45481  Img_45381jpg 




 青文テキスタイル               安部吉 カットジャカード
ダブルジャカードで、経糸に綿糸を使用。
柄部分は綿/Puの2色使いで凹凸を表現している。

ジャカードニット その独自技術に注目
 Img_45541 青文テキスタイル(株)
 20Gプレーティングカット・ニットです。
 プレートを乗せて編み、カットしていくそう。


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2021年5月26日 (水)

スペシャルトーク「『装苑』と日本のファッションと雑誌」

 企画展「ファッション イン ジャパン1945-2020-流行と社会」がこの16日まで、島根県石見美術館(グラントワで)開催されていました。本展は6月9日から東京の国立新美術館で開催の予定です。
 グラントワでは関連プログラムとして、スペシャルトーク「『装苑』と日本のファッションと雑誌」が行われ、オンラインにて配信されました。
81o4a30zgxl  『装苑』といえば洋裁の専門誌として新たな文化を一般に紹介したファッション誌の草分け的存在です。
 登壇したのは、同誌の編集者として活躍し、現在、京都清華大学特任教授の西谷真理子氏です。1960年代から1990年代に刊行された『装苑』から、とくに本展の図録(右)に寄稿された1960年代を軸に、ファッション誌の編集やそのあり方などを語っています。
 
 まずはその歴史から。『装苑』は1936年に創始された日本最古のファッション雑誌です。文化服装学院の教科書として誕生したので、おしゃれを楽しむというよりは服飾の研究誌であり、ファッションというより洋裁雑誌と言った方がよい内容だったといいます。
 戦後に復刊しますが、その基礎を創ったのは今井田勲さんで、文化出版局長として高名な方でした。今井田さんは1950年代に『装苑』を洋裁文化の中心的存在に押し上げます。1959年に従来の情報に飽き足らない層に向けて高級モード誌「ハイファッション」を、1961年に「ミセス」を創刊しました。『装苑』はより若い雑誌に変えていくように構想したといいます。
 次に主題の1960年代です。服づくりのための製図が付いている雑誌は、既製服よりも自分でつくったり、洋装店などで仕立ててもらったりしていた時代に重要な情報源だったといいます。
 この頃『装苑』で活躍したのが江島玉枝編集長で、お話しはこの江島さんを中心に展開しました。(たくさんのエピソードが語られ、1970年代にパリでお会いしたことがある私にとって、ほんとうに懐かしい思いでいっぱいになりました。)
 江島さんは『装苑』を、単に洋裁に役立つだけの雑誌ではない、もっと文化的な香り漂うものに変貌させていきます。ファニーフェイスのモデルを使ったり、アイビールックの女の子を登場させたり---、若者がおもしろがるものに目を光らせ、外に目を向けたファッション雑誌をつくろうと、周囲をリードしたそうです。
 彼女がつくった誌面やレイアウトを見せていただき、センス抜群で見る目、文才ともにすばらしい女性だった、と改めて感銘しました。
  
 1970年代になると既製服時代に入ります。服はつくるのではなく買う時代となり、雑誌の製図ページはなくなっていきました。
 ファッション雑誌も世につれ人につれ、変化していったのですね。でも『装苑』には1997年まで、製図があって服のつくり方を解説していたといいます。浮き沈みの多い業界にあって、そこには一本、変わらない筋のようなものが通っているようです。
 これからも息長く続いていって欲しいと願う、『装苑』はそんなファッション雑誌です。

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2021年5月25日 (火)

ファッション イン ジャパン展 丸龍文人×山縣良和トーク

 この6月9日から国立新美術館で、戦後の日本ファッション史をたどる世界初の大規模展「ファッション イン ジャパン 1945-2020―流行と社会」が開催されます。2_20210526180001
 これに先駆け、この3月のRFWTの会期中に、国が推進する「日本博」の一環として、丸龍文人デザイナーが手掛ける「フミト ガンリュウ(FUMITO GANRYU)」のランウェイショーと「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」の山縣良和デザイナーによるインスタレーションが行われました。この後、ナビゲーターにユナイテッドアローズ上級顧問クリエイティブディレクション担当 栗野宏文氏を迎えて、トークイベントが開かれ、その模様がオンラインで配信されました。
 今回のショーの意図やファッションに対する考え方が語られた意義深い内容でした。概略は以下のようです。
 
 冒頭、フミト ガンリュウのショーの映像が流れ、その後トークディスカッションとなりました。1_20210526175701  
 まず丸龍氏が、東京コレクションで初めて発表した今回のショーを、次のように解説しています。タイトルを「必然的多様性」としたのは、“起こりうる物事に、偶然は存在しないという持論を持たれているからだそう。多様性が叫ばれる中、その先にある画一化、そしてそのまた先にある多様化を服に表現してみたかったといいます。また今回は「ファッション イン ジャパン」のイベントのこけら落としとして、通常のランウェイショーではないランウェイフェスティバルのような着地を狙いたいと思った、とも話しています。 
 次に山縣氏が、このショーのインスタレーション演出を手掛けたことについて語りました。現実世界からウエブの世界に入る異空間にジャンプしてズームイン・ズームアウトすることに宇宙観を感じ、「ポイント オブ ビュー」をテーマに、二人が違うポイント(視点)でクロスオーバーするモノをつくろうとしたそうです。
 これを受けて栗野氏は、二人ともファッションを深いカルチャーとして捉えているとコメントしました。

 山縣氏は、ショーのクリエイティブ ディレクションを手掛けたナカムラ セイヤ氏による「クリエーション、リスポンシビリティ、エデュケーション」のキャッチに意気を感じて引き受けたと明かし、展示について次のような興味深い話を披露しています。
 全体テーマを「合掌」に設定。合掌造りのオブジェを制作し、土に埋めた和紙製の服を掘り起こして展示したとのこと。和紙は土に還るスピードが他の繊維よりも早いそう。土に還る服が原料になり、植物が生まれ、食につながることに興味を持ったといいます。そしてこの一連の流れを「服食」として表現する試みを探っているとか。
 中でも私が注目したのは衣服と医療の原点を探る研究です。服薬、服用といいますが、薬草などを衣服のように体にまとい、病気の原因となる邪気を防ぐことを外服、身体の中に入れて、体内で邪気を防ぐことを内服という、そこから服を処方する概念が出てくるそうです。
 例えばクチュリエの職人は昔から白衣を着るのが伝統だったとか。顧客の要望に応えながら制作する衣服は心の診察であり、処方箋といえるのではないかと示唆し、医療と衣服には近い空気感があるといいます。
 
 ショーでは、循環させる機能で抜群のものを培ってきた日本の伝統が喚起されたのではないでしょうか。合掌造りは、山縣氏が言うように、蚕による絹の生産によりコンポストになっていましたし、和紙の服は、土に還り土から生まれる象徴的存在です。職人の生々しい「手」のモチーフも印象的でした。今回の「合掌」は、現代社会の「使い捨て」という環境問題を如実に浮かび上がらせる、秀逸なインスタレーションだったと思われます。
 いつも社会の深層をえぐり出して表現する山縣氏。ほんとうにすばらしいです。次は衣が食へつながる企画を考えているとのことで、楽しみです。
 
 さらにクリエーションとビジネスにも言及。アートが立ってリアル感の薄い山縣氏に対して、丸龍氏は、少し先にある未来を逆算し、必然を予見しながら、服づくりをしているとのこと。そうして生まれたクリエーションは作り手のエゴではなく、提案というカタチになっていくので、ビジネスのチャンスは高まると思うとか。デザイナーにとって心すべきメッセージですね。
 
 栗野氏が、丸龍氏は、難しいテーマをどうしたら着られる服にしていくか、一個一個具現化している、山縣氏はクリエーションを大事にすればするほど、深いところにたどり着こうしていると評して、イベントを締めくくりました。最後に展覧会への誘いをかけるのも忘れずに。

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2021年5月24日 (月)

US.コットン・トラスト・プロトコル TextileGenesis™と提携

 一般財団法人日本綿業振興会のリリースによると、U.S.コットン・トラスト・プロトコル (US.Cotton Trust Protocol、以下トラスト・プロトコル)は、このほどTextileGenesis™との提携を発表したとのことです。Textilegenesis
 トラスト・プロトコルは、6つの主要サステナビリティ指標について農場レベルのデータを収集する科学に基づく新しいサステナビリティプログラムです。TextileGenesis™のプラットフォームを利用することにより、世界初のサステナブル綿繊維としてサプライチェーン全体の完全な透明性を担保するといいます。
 
 プロトコル・クレジット管理システム(PCMS)は、TextileGenesis™プラットフォームを組み合わせることで、サプライチェーンメンバー間のプロセス全体における製品レベルの取引を把握・検証し、アメリカ綿繊維の移動を記録・検証します。最終製品が納品されると、アパレルブランドおよび小売メンバーは、プロトコル・クレジット(プログラムの下で生産された物理的な綿花に相当するデジタルトークン)を請求、それに対応し、参加農家のサステナブル農業慣行と環境指標に関するサステナビリティ貢献を示すことができるとしています。
 2021年6月初旬に複数のアパレルブランド、メーカーでテスト運用が行われ、2022年初頭にプロトコル・クレジット管理システム(PCMS)の本格展開を予定しているとのことです。
 
 TextileGenesis ™は香港とインドにオフィスを構えるスタートアップ企業です。あらゆる繊維をトレーサブル(追跡可能)にするブロックチェーン技術のパイオニアで、繊維の製造から販売までの過程を追跡可能にする「ファイバーコインズ」を開発し注目を集めています。「ファイバーコインズ」は指紋のような役割を果たし、素材ごとに独自のIDを発行するといいます。
 その環境にやさしい取り組みが認められて、2020年にH&Mの「よりグリーンなファッション産業を促進するイノベーション」のグローバル チェンジ アワードを受賞しています。
 
 トラスト・プロトコルは、170を超えるアパレルブランド・小売が参加するテキスタイルエクスチェンジが提供する36の推奨繊維・素材リストに含まれています。また、フォーラム・フォー・ザ・フューチャーが推進するCotton2040のCottonUpガイドでも紹介されています。メンバーは、2020年の開始以来、アパレルブランド・小売、紡績・メーカー計300社を超え、日本でも多くの紡績メーカーが加盟しています。
 
 TextileGenesis™によると、有力ファッションブランドの大半が、これから3~5年の間に100%サステナブル繊維への切り替えを目標に掲げているとのことです。しかしながら、繊維の出所から販売までのトラッキングを行えているのはその5%以下だそう。
 ファッション業界で取り扱われる製品の95%はサプライチェーンの追跡ができていないのです。オーガニックやサステナブルと称しているブランドも、その30%はフェイクと指摘されています。
 
 アパレルブランド、小売メンバーに対しサプライチェーンの可視性を高めることの重要性が高まっています。こうした中、TextileGenesis ™との提携は、トラスト・プロトコルにとってプログラムの価値をさらに高める快挙と思いました。

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2021年5月23日 (日)

Tシャツコンテスト グランプリに「コットンと生物多様性」

 一般財団法人日本綿業振興会が実施している「Tシャツ・プリント・デザイン・コンテスト2021」で、グランプリを受賞したのが、イラストレーターの藤田 明日香さん、「コットンと生物多様性」を描いた作品です。
Photo_20210524073601  コットンと共生する動物や植物、昆虫たちの世界が生き生きと描かれていて、楽しげです。色づかいも明るくて目に優しい。コットンと生物の循環社会をうまく捉えています。
 作者によると、このイラストは、“コットンと動物たちの約束の地”をイメージして描いたそう。自然に優しいコットンは、大地から生まれ、使った後は大地に還り、また生まれて、人も動物も優しく包み込みます。ふわふわとしたコットンが舞う中、動物や草花が生き生きと共生しているように表現されています。 
 とくに苦心したのは、コットンの柔らかな色合いの表現だったとか。淡すぎると作品全体の締まりがなくなるため、鮮やかな蝶をレイアウトすることによって、柔らかさの中にも“自然の力”を感じることができるような仕上がりを目指したといいます。

 このコンテストは5月10日の「コットンの日」を盛り上げるための特別企画としてスタートしています。23回目を迎える今回は、「サステナブル(持続可能)なコットン」がテーマで、応募総数は680点だったとのこと。今年も趣旨にふさわしい力作揃いで、それとともにコットンの評価も年々高まっている様子です。
 グランプリを受賞した藤田 明日香さんも、出産後、肌がとてもデリケートになって、コットンに愛着がわくようになったそう。調べるうちに、「コットンは肌のみならず自然環境にも優しい素材だと知りました」とコメントされています。
 これをきっかけに、コットンへの理解がますます深まりますように、願っています。

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2021年5月22日 (土)

早くも梅雨? もうアジサイの花

   今年は季節が前倒しで進んでいるようです。西日本は早くも梅雨入りのニュースが流れていました。
 近くの公園では梅雨の花、アジサイの花がもう咲き始めました。温暖化の影響でしょう。花木は正直ですね。Img_79731jpg
 アジサイの花言葉は「団らん」「和気あいあい」「家族」だそうです。小さな花がひしめき合って咲いているように見えるからとか。コロナ下、三密は禁止、何かとギスギスした社会になっているのを感じます。アジサイのようにみんな仲良く穏やかにいきたいものです。

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2021年5月21日 (金)

シャネル「ミロワール マンガ・ミーツ・シャネル」展

 東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールで、開催中の「ミロワール マンガ・ミーツ・シャネル (MIROIRS  Manga meets CHANEL ) Collaboration with 白井カイウ&出水ぽすか」に行ってきました。 「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)の人気作『約束のネバーランド』の原作者である 白井カイウ&作画家の出水ぽすかと、シャネルの協業による展覧会です。
Photo_20210521221201  日本の漫画は世界で高く評価されていて、『約束のネバーランド』もフランスに多くのファンがいるようです。その一人がシャネルで、白井カイウ&出水ぽすかにシャネルをインスピレーション源とした新たな作品を依頼したといいます。こうして書下ろされた作品が『ミロワール(MIROIRS =鏡)』です。
 本作を掲載したジャンプの発売日が4月30日で、この日に合わせて本展もスタートしています。

  タイトルについて、白井カイウは「『ミロワール(MIROIRS)に寄せて』の中で次のように記しています。
 <ガブリエル シャネルについて調べていく中で、彼女が語ったと言われる、「鏡は厳しく私の厳しさを映し出す それは鏡と私の闘い 私という人間をあらわにする」という言葉がありました。 避けられない”自分”そのものを映し、教えてくれる”鏡”。 今回、ガブリエルの数ある多面(と私個人が感じ取ったもの)の一部をモチーフにして、各章それぞれの物語を組み立てました。 ガブリエルの多面性を何枚もの鏡に見立て、また、ガブリエルのアパルトマンの印象的な鏡の数々をイメージして、タイトルは『ミロワール(MIROIRS)』にしました。>

 エントランスを入ると序章「ミロワール(MIROIRS)」です。コリドーには東京の夜景が映し出されています。
 展示はマンガの3つの章で構成されていて、章ごとに3つの部屋が用意されています。各部屋にはマンガ作品に込められたメッセージやシャネルの貴重な資料が立体的に表現されていました。

Img_44671  第1章は「Sorcieres  魔女」です。 

Img_44721jpg  第2章は「Menteuse  嘘つき」です。

Img_44591jpg  第3章は「 Corneille noir  カラス」です。

 
 マンガ作家とシャネルとの時代を超えた出会いを追体現---。たまにはこういうのも楽しいです。会場のつくりも、いつものことながらすばらしかった!
 会期は6月6日まで。入場は無料ですが、事前予約が必要です。

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2021年5月20日 (木)

八木華デザイナーの個展「fragments (切片)」

 若手美術家でデザイナーの八木華さんによる個展が、614日まで東京・目黒区の小さなギャラリーで開かれています。Img_44931
 テーマは「fragments(切片)」で、メインピースは繊細な白いレース使いのドレスです。
 Img_44851jpg 蚤の市で買い集めたようなアンティックレースが盛りだくさんに使われていました。材料は在庫処分市などで買い集めたというウエディングドレスや生地の残布、切れ端、端切れといいます。
 ゴテゴテした感じがないのは、ホワイト・オン・ホワイトでまとめているからでしょう。森の妖精のような神秘的な佇まいです。

 八木さんは、“ここのがっこう”出身で、2019年に欧州最大のファッションコンペティション 「ITSInternational Talent Support)」のファッション部門に弱冠19歳でファイナリストに選出されたといいます。そのときの作品は「リペア」で、日本の民藝にインスパイアされた「ぼろクチュール」が評価されたとか。青森「こぎん刺し」や「南部菱刺し」、裂き織といった修復技法がお得意のようです。

 棄てられていたものをアップサイクルしてアート作品に蘇らせる、そんな今という時代に注目すべき才能の一人と思いました。

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2021年5月19日 (水)

JFWO推進機構「JFWテキスタイル・オンラインサロン」開設

 日本ファッションウィーク推進機構(JFWO)は、「Premium Textile Japan 2022 Spring/Summer」の開催(東京国際フォーラムにて5月25~26日)に合わせて、「JFWテキスタイル・オンラインサロン」(JTO)のポータルサイトを開設しています。https://jfw-textile-online.com/ このサイトには出展企業の65社から698点(内、サステナブル素材231点)のテキスタイルが紹介されています。テキスタイルの画像はトレンド&インデックス展示申請素材で、1年間掲載され、出品料は初年度、無料とのことです。出品者はこれにより常時、自社のテキスタイルを発信し、ビジネス契機を高めることができます。またユーザーもいつでも好きなときに素材情報にアクセスでき、検索機能で求める素材をスピーディに探せる利点があるといいます。
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 画像は4種類、平置き、ゲージ(柄の大きさの把握)、拡大(マウスオーバーでズーム)、ドレープ(質感の把握)があり、リアルな風合いを捉えられる工夫がされていて、しかも高精細です。コピー問題が危惧されますが、それ以上に出展のメリットは大きいと、主催者は語っていました。
 またこのサイトで最大の特徴がマイページ機能です。ユーザー登録すると、自由にフォルダを作成し、好みの生地を保存・整理できて、製品企画時の資料作成や比較検討に便利といいます。
 生地を販売する機能はないのですが、バイヤー目線で、サイトを構築したというように、使いやすくできていると思いました。

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2021年5月18日 (火)

ミラノウニカ リアル展開催もJOB 2022AWは中止

 先日、JFWテキスタイル事業 記者説明会があり、第33回ミラノウニカの「The Japan Observatory(略称 JOB ジャパンパビリオン)」は開催を中止したと発表しました。
 第33回ミラノウニカ自体は会期を2日間に短縮して、7月6日~7日にリアル展が開催されます。それなのにJOBが出展しないとはほんとうに残念です。
 私自身も今回は行けるのではないか、と期待していたのですが、日本人のイタリアへの渡航は今もまだ禁止です。残念ですが、諦めざるを得ない状況です。
 
 JFW及びJETROは、JOB開催に向けて様々な方策を検討してきたといいます。イタリアは新規感染者数が減少傾向にあり、ミラノでも規制の一部が緩められてきています。しかしイタリア国内をゾーン別に分けての抑制措置は残っていて、入国時の自主隔離期間も設けられているそうです。しかも外務省の感染症危険レベルにおいてイタリアは危険レベル3(渡航中止勧告)の状態が続いていて、渡航制限解除の目途もたっていないとのこと。JOB派遣が困難との判断は仕方ないようです。
 それでもJFWではMU事務局と交渉を行い、今回も日本企業の単独出展の許可を得ることができたそうです。昨年はスタイレムと豊島の2社がリアル展に出展しました。現地法人もしくは現地エージェントのある日本企業でしたら、彼らの運営にて出展が可能です。 
 現在、この形式での出展希望を募っているといいます。
 Job
 またこの7月展にはデジタル展のe-MilanoUnica Connect(デジタル・マーケット・プレイス・プラットフォーム)を運営するとのことです。リアル展には出られなくてもデジタル展で、ビジネス・サポートが提供されるそうで、これはほんとうによかった、と思いました。
 
 新型コロナウイルス感染拡大で翻弄される毎日が続いておりますが、環境は少しずつ好転しつつあるようです。JOBは2022年2月上旬開催予定とのことですので、希望を持って前に進んでまいりましょう。

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2021年5月17日 (月)

「Di_stance」展 アート×ファッションでコロナに対応

 「W HIROKO PROJECT(ダブル ヒロコ プロジェクト)」による「Di_stance(ディ スタンス)」展が23日まで、東京・神宮前のBLOCK HOUSEで開催されています。
 「W HIROKO PROJECT」は「ヒスイ(HISUI)」を手掛けるファッションデザイナーの伊藤弘子さんと、アーティストの岡田裕子さんが昨年4月に立ち上げたアートプロジェクトです。新型コロナ感染に揺れる社会と人々をテーマに活動を続けているといいます。

 本展ではアート×ファッションをキーワードにコロナに対応した作品を展示。タイトルの「Di_stance」は、社会的距離(distance)を取ることと、ダブルヒロコ(伊藤弘子さんと岡田裕子さん) のDiを掛け合わせた造語だそう。
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 それにしても行ってみてびっくり!しました。目に飛び込んできたのは、たくさんの巨大な突起を突き出したゴム風船型のオブジェです。突起はしぼんだり、ふくらんだりを繰り返しています。まるで伸縮運動をしている大きな生命体のようにも、また何かの細胞のようにも見えました。
 伊藤さんによると、この形状を変化させる服は、免疫細胞を表現しているそう。散りばめられたプリントのモチーフはよく見ると、Y抗体や様々なカタチの免疫細胞でした。

Img_45161jpg  マスク「TSUNAGARU MASK」の提案も目につきました。不織布などのフィルターを入れるポケット付きの布マスクです。販売もされていました。
 コロナに打ち克とうという思いを込めた展覧会、これでコロナ退散といきたいものです。

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2021年5月16日 (日)

NINOW展⑵ 廃棄布のアップサイクル新素材「ニューノス」

 「NINOW (ニナウ)」展で興味を惹かれたのが、「ニューノス(NUNOUS)」という新素材です。廃棄された布をアップサイクルしたもので、布にはない特性と布らしい感触を併せ持っています。
 見た目は布というよりは板です。板状にかっちりと重なり合ったものは、もうまるで大理石のようでした。でも一枚一枚はしなやかに曲がります。カットも簡単。カードや小物入れ、お財布、バッグなど、様々な使い道が提案されていました。Img_43931
 開発したのは、倉敷市にある繊維染色加工の「セイショク」です。
 繊維業界では膨大な布が廃棄されますが、資料によると、日本の繊維製品の品質基準は非常に高く、このためその基準に満たない規格外品は国内だけでも約900万㎡あると推定されているそうです。

 同社は2012年からこの課題を解決しようと研究に取り組み、約9年をかけて出荷規格外品となった生地を重ねた布積層板の開発に成功、「ニューノス」と名付けて、製品展開に乗り出したといいます。重ね合わせた布にポリマーを均一に含浸させ、加圧しながら冷却しポリマーを固化させる特殊な製法でつくられているそうで、「STONE」と「SKIN」の2種があるとのこと。この3月に「STONE」が特許を取得したといいます。
 「STONE」は建材やアートピースなどに、「SKIN」は布と皮革の特性を持っていることから壁紙やインテリアに、またNINOW展でも紹介されていた服飾小物に加工するなど、可能性を予感させます。

 棄てられたものを新たな価値あるものに蘇らせるアップサイクル、ますます注目ですね。

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2021年5月15日 (土)

NINOW展 ⑴ 産地の生地と直に触れ合う貴重な機会

 「NINOW (ニナウ)」とは、テキスタイル産地を「担う」ことと、産地の「今」つまり英語の「NOW(ナウ)」を掛け合わせてつくった言葉です。NINOW展では、産地で活動する若手テキスタイルデザイナーたちが自ら制作したオリジナル生地を披露しています。

 コロナ禍に襲われ、展示会開催にはかなり悩まれた様子でしたが、この4月19日~30日、東京・月島のセコリ荘(糸編ギャラリー)にて開かれるというので、事前予約して行ってきました。初めて訪れたセコリ荘は、聞きしにまさる古民家でビックリ! 大都会のド真ん中にまだこういう家が残っていることに驚かされました。100年前の建物だそうです。

 古色漂う室内には、ハンガーにメーカー別に仕切られた生地がぎっしり詰まっていて、私がかつて携わっていたコットンファブリックライブラリーを思い出しました。Img_43971
 主催者の糸偏代表 宮浦晋哉氏によると、展示生地は全部で約400点あるそうです。それにしても、こんな風に産地の生地と直に触れ合える機会は今どきめったにありません。何と貴重と、感謝です。

 下記は目に留まったメーカーの生地です。
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  西脇産地でジャカード織を手掛ける遠孫織布の藤岡あやねさんデザインのテキスタイルです。

 
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 西脇産地の東播染工、小野圭耶/河野詩織さんによる播州織です。綿/麻で趣のある表情をかもし出しています。
 
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 倉敷帆布の産地からタケヤリの大岡千鶴さんによる帆布です。墨染めして洗いをかけるなど、帆布に限らない、アパレル向けの素材も提案しています。
 
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 京都大松の「かご染め」生地です。   

 

 

Img_43811jpg_20210515195701  
 京都の久山染工によるヴィンテージ調の生地です。クラフトの技が光っています。
 

 この他いろいろ。
 

 現在、NINOW展はオンライン展となり、会期中に展示された生地の全品番がインスタグラムにアップロードされています。私も拝見して素晴らしい!と思いました。精細な画像で一部動画も見られますので、フィジカルでなくても質感をかなりイメージできます。
 https://www.instagram.com/textilejapanをクリックしてみてください。

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2021年5月14日 (金)

エアーかおる浅野撚糸「パーフェクテン」タオルを新開発

 撚糸・タオル製造販売の浅野撚糸はこのほど「パーフェクテン(Perfec10)」タオルを新開発し、今年8月末に販売開始の予定といいます。
 発売に先駆け、先般開催のビューティワールドジャパン展コスメティックゾーンに出展し、「パーフェクテン」を大々的に打ち出していました。ブースには「密」が心配されるほどたくさんの来場者が押し寄せ、関心の高さを伺わせていたのが印象的でした。Img_4349j1pg
 浅野撚糸といえば「エアーかおる」のタオルブランドで知られるメーカーです。「パーフェクテン」は「エアーかおる」の世界最高水準の技術とノウハウを詰め込み、長年の歳月をかけて開発した究極のタオルであるとのことです。従来の発想を転換して「もうタオルとは言わせない」、化粧道具の一つとして展開するといいます。 
 その特長は摩擦抵抗が非常に低く、肌や髪をやさしくケアすることだそう。一般的なタオルで髪を拭くと、キューティクルが削れたりはがれたりするのに対して、「パーフェクテン」のタオルでは整った状態を維持するといいます。毛髪の顕微鏡写真で画像を比較し説明していただきました。Img_43441
 これならドライヤーの時間を劇的に短縮してくれそうです。髪を傷めないですむタオルとは!画期的です。
 糸は40番手単糸のインド長綿糸使いで、浅野撚糸が「スーパーゼロ」と呼ぶ加工が施されています。「スーパーゼロ」とは世界初の特殊撚糸工法による「水に溶ける糸」と「綿糸」を撚ってつくられる糸です。水に溶ける糸だけが溶け、繊維の隙間にたっぷり空気を含むようになるので、この糸でタオルにすると、一般的なタオルと重さは同じなのに厚みは約2倍のボリュームがあるタオルができるのです。「エアーかおる」の秘密はまさにここにあったのですね。
 この「スーパーゼロ」を使用し、今治の名門「正岡タオル」で生産される「パーフェクテン」は、実際、軽くてふんわりとふかふかしています。肌触りは抜群で、驚きの水分吸収力であることも実感しました。毛羽落ちが少なく、洗濯後も毛足がふっくら立ってやわらかさが長持ちしています。
 販売にあたっては、一般のタオル売場ではなく、美容関連売場での展開を考えているそうで、まずはテレビショッピングで発売するとのことでした。
 タオルに「美しくなるための道具」という付加価値を加えて、美と健康に新たな販路を見出す浅野撚糸。今後は髪と肌に関する科学的データを取り、訴求力を高めていくとのことで、期待しています。

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2021年5月13日 (木)

シキボウ展“ニューノーマル”サステナブルや抗ウイルス

 繊維メーカー大手「シキボウ」の展示商談会が4月20日~22日、会場を新しく東京・日本橋プラザマームに移して、開催されました。
 テーマは“ニューノーマル(新常態)”です。これは新型コロナウイルス禍で激変するライフスタイルを指す言葉ですね。今回はこのニューノーマルに対応する素材を前面に打ち出していたのが印象的でした。

 ポイントは二つ、一つはサステナブル素材、もう一つは抗ウイルス加工素材です。
 まずサステナブル素材では、一押しが「USコットン・トラスト・プロトコル」です。米綿のサステナビリティ検証システムといわれているものです。同社がこのシステムを通じて調達した綿花を使った糸・生地の提案をしっかり行っている様子が見てとれました。Img_43651
 展示にはデリバリー用の段ボール箱も配置。よく見るとUSコットン・トラスト・プロトコルのロゴを入れてデザインを一新した箱でした。これならトラスト・プロトコル適用であることが明確に分かっていいなと思います。
 その隣のコーナーでは「オフコナノ」を提案。燃焼時の二酸化炭素排出量を抑制する特殊ポリエステル繊維で、CO2削減率は約60%だそう。環境負荷を低減できる素材としてアピールしていました。
 
 次の抗ウイルス加工素材では際立っていたのが「フルテクト(FLUTECT)」です。この3月のプラグイン展にも出展し来場者の関心を集めていました。(このブログ4.28付け参照)Img_43641jpg
 「アンリアレイジ」のデザイナーの森永邦彦氏が積極的に今春夏コレクションでフルテクトを採用するなど、今やフルテクトの勢いは目覚ましい限り。本展でもフルテクトマスクから羽毛用ダウンプルーフまで、幅広いアイテムで訴求していました。

Img_43601jpg  昨秋にアンリアレイジとオンワード樫山の協業ブランド「ANEVER」がデビューしましたが、その春夏ファッションもディスプレーされていました。シンプルで親しみやすいシルエットのコレクションで、コートなどにフルテクト加工素材が使用されているといいます。

 ニューノーマルに向けたシキボウの取り組み、今後も注視しています。

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2021年5月12日 (水)

“「和」に刺激されるファッション ” 寄稿

 先般、銀座ソニーパークで「DESIGN MUSEUM BOX (デザイン ミュージアム ボックス) 集めてつなごう 日本のデザイン」展(このブログ2021.5.1付け参照) が開催されました。これは日本各地に残る「和」のデザインに光を当てる展覧会でした。このところこのような「和」のスピリットを感じるデザインや素材が数多く発表されて、ファッションを刺激しているように思われます。そこで表題の記事を一般財団法人日本綿業振興会発行の機関紙「COTTON PROMOTION コットンプロモーション2021年春号」のコラム「マーケティング・アイ」に寄稿しました。
 本紙と併せてご覧下さい。1_20210512195001

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2021年5月11日 (火)

2022春夏 尾州の新作生地展 天然素材やエコ素材人気

 一宮地場産業ファッションデザインセンター(FDC)主催の2022春夏の尾州産地の新作生地展「Bishu Material Exhibition(ビシュウ マテリアル エキシビション)」が、4月13日から15日の3日間、東京都千代田区のアキバ・スクエアで開催されました。春夏展は2年ぶりの開催です。

 21回目となる今回のBMEには尾州産地のテキスタイルメーカー10社が参加し、約700点の新作を展示。来場者は573名(リアルおよびオンライン展示会来場者数)で、一昨年の春夏展と比較すると約半数だったとか。とはいえ出展企業からは、素材をリアルに見てもらえたことにより実りのある商談が行えたとの声が数多く聞かれたそうです。

 出展10社の合計サンプルリクエスト数は、点数で延べ3,801点、社数で延べ629社。人気素材の傾向としては、綿,麻といった天然素材やリサイクル,オーガニックといったエコ素材を使用したものが多かったといいます。
 
 注目はやはりFDCが提携しているパリのネリーロディ社のトレンドコーナーです。同社のトレンド情報を基に製作された開発素材130点が、下記3つのテーマで分類展示されました。

VESTIGES (痕跡) 
 過去の貴重な財産を利用して明日を創るグローバルなヴィジョン。Img_42861

Img_42901 Img_42921jpg
森織物 コットンダブルクレープ   林実業 サッカーストライプ
綿の肌触りとボリューム感    綿とリネン、Peの収縮差でサッカー調

AQUATIC (水)
 人類の生存と環境の最適化を徹底して目指す動き。Img_42981

Img_43091 Img_43131






ファインTX
綿/キュプラ        宮田毛織工業 綿シルック
シャーリングワッシャー   シルク調光沢表現のハイゲージジャカード

OASIS DREAM (夢のオアシス)
 2020年代のヒッピーがイメージする新しい楽園。Img_43171

Img_43321 Img_43251jpg






西川毛織 C/W/Lボーダー 岩田健毛織 スラリット絣ドビーツイード
軽量ソフトドライタッチ素材     ファンシーヤーンのライトツイード

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2021年5月10日 (月)

「ルームス(rooms)展示ショールーム」⑵ BFGU 作品展

 「ルームス(rooms)展示ショールーム」では、別フロアーにて文化ファッション大学院大学(BFGU)の院生による作品展が行われていました。
  BFGUは日本初のファッション専門職大学院で、毎回「ルームス(rooms)」展に出展しています。
 Img_42841jpg 今回はファッションデザインコース14期修了生選抜6名による作品をリアル展示、なおオンライン展には25名が参加したといいます。

 (右) YI CHIEN SHEN
    シン ウィチョン 
   「FOR」と名付けられた作品。

  いずれも独創的で現代をとらえた驚きのクリエーション揃いでした。
 彼らの中から世界で活躍する人材が現れると思うとワクワクしますね。
 将来が楽しみです。

Img_42811 Img_42831 HAOXUE LIANG リョウ コウセツ    YINGBIN CHI チエンヒン
      「ツナガリ」             「FREEZE-THAW(解凍)」

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2021年5月 9日 (日)

「ルームス(rooms)展示ショールーム」⑴ 期間限定で開催

 先般、東京・南青山のアッシュ・ペー・フランス ショールーム内にて期間限定で開かれていた「ルームス(rooms)展示ショールーム」に行ってきました。
 「ルームス(rooms)」合同展は3月に予定されていましたがオンライン展示会となってしまいました。これを受けて急遽開催されることになったのが、この初のショールームでの展示でした。
 出展は約60社と発表されています。とくに興味を惹かれたブランドを3つご紹介します。
 
HAKURO (ハクロ)
 「なめらかに着て、しなやかに生きる」をテーマに、大人の肌に寄り添う肌着のブランドです。実際、心地よさそうなコットン100%のリブニットの肌触りの良さが素晴らしい! 80番手の極細糸でなめらかで柔らかく、よく伸びる身体にフィットする編地です。脇に縫い目がない仕様で、優しい肌当たりにはとりわけこだわっているといいます。
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 年齢を重ねるととともに肌は変化していきます。肌着は基礎化粧品を選ぶのと同じように選んでほしいというブランドのコピーに共感しました。

LUKA (ルカ)
 カラフルな毛糸で花模様を一筆描きしたようなマフラーのコレクションが個性的です。Img_42651
 毛糸をフエルト状にして定着させた、ふんわりとした風合いが気持ちよさそう。丁寧な手作業で作られているといいます。

Anmako Singapore (アンマコ・シンガポール)
Img_42671  シンガポール発のバティックを手掛けるデイリー・アパレルのブランドです。
 バティックは古来より東南アジアの人々に愛され続けてきた手染めの「ろう纈(ロウケツ染め」です。
 ハンガーには、インドネシア特産のバティックをモダンにアレンジした色柄のドレスが多数架かっていました。
 日本の夏は熱帯化してきていますし、涼しいバティックと日本の現代的なセンスを融合させたシックなデザインは、人気を集めそうです。

 バティック制作の動画も配信しています。

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2021年5月 8日 (土)

オンライン研究会 vol.1 UNIFAサステナブルトーク 「サステナブルなファッションから見るユニバーサルデザイン」

 少し前の2月27日、私が事務局を担当しているユニバーサルファッション協会(略称 UNIFA)で初のオンライン研究会、vol.1 UNIFAサステナブルトークを開催しました。スピーカーはユニバーサルファッション協会理事でMASATO YAMAGUCHI DESIGN OFFICE 代表 / デザイナーの山口大人氏で、テーマは「サステナブルなファッションから見るユニバーサルデザイン」です。

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 「サステナビリティ」はファッションの未来を拓くキーワードと言われています。直訳すると「持続可能性」で、SDGs(持続可能な開発目標)の世界を目指す動きの総称です。「誰一人取り残さない」というSDGsの原則は、UD (ユニバーサルデザイン)の基本理念である包括性(inclusivity)と合致しています。UDとSDGsは連動しているのです。 
 ユニバーサルファッションは、UDのファッションであり、サステナブルなファッションと呼んでも過言ではないと思います。そこで今回は世界的なサステナブルファッションの潮流から見たユニバーサルデザインを語っていただき、ユニバーサルファッションの本質とは何かを改めて考えてみました。参加者は17名(内、UNIFA会員10名)でした。

 冒頭、山口氏はサステナビリティについて概説、その上で世界のサステナブルファッションの潮流を次の2つのキーワードで解説しました。
 一つは「アソシエーション」です。大きく3つ、「FASHION PACT(2019年フランスG7サミットの際、誓約されたファッション協定)」、「Textile Exchange(アメリカ母体のNGO)」、「ACT (Action, Collaboration, Transformation 労働者の生活賃金を達成する組織)」を紹介。
 もう一つは「法による規制」です。たとえば2020年にフランスで在庫や売れ残り品の廃棄禁止法案が成立し施行されたことや、2022-23年、EUが廃棄繊維製品の分別回収規制を導入、適宜リサイクルや加工を進める予定であることなど。
 欧州ではこの二つ、企業間、産業間を超えた連携で課題解決に取り組む「アソシエーション」と、「法による規制」の重要性が増しているといいます。しかもその一方で、様々な分野の人々の連携により問題解決のためのイノベーションが生まれ、そこから新しいビジネスが出現していることにも言及しました。
 次に本題のユニバーサルデザイン(UD)についての考察です。UDもサステナブルファッションのように、「アソシエーション」と「法による規制」で推進されるのではないかといいます。
 障がいと一口に言っても、医学モデルと社会モデルがあり、後者の社会モデルはその多くが社会環境によって作り出されるものです。UDを推し進めるには、社会との関係性が何よりも重要であり、「アソシエーション」と「法による規制」で社会をUDにする、それがひいては持続可能な社会をつくることになるとの考えに、私も共感させられました。
 
 ディスカッションではこの難題に参加者から様々な意見が出され、時間切れとなりました。
 次回に期待です。

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2021年5月 7日 (金)

ミライロハウス「コオフク洋裁」ファッションイベント開催

 東京・丸井錦糸町店の「ミライロハウスTOKYO」(ミライロハウスについてはこのブログ2020.8.26も参照)で、3月20日~3月28日、「コオフク洋裁」(このブログ2020.11.22付けコオフクマスクの記事参照)のファッションイベントが開催されました。
 イベントは「新しいファッションの購入体験!」というものです。どういうことかといいますと、既製服というのはとかく障がい者にとって不満の多いものです。「着替えにくい」「ここにポケットがほしい」「ボタンが締めづらい」など、一人ひとりが服についての悩みを抱えています。「コオフク洋裁」ではそうした困りごとを聞いて、それぞれが着やすいデザインにつくり直します。制作期間は約1.5~2ヶ月で、ミライロハウスで販売されます。Img_42221  
 会場にはサンプルを着装したマネキンやハンガーが並んでいました。どれもとてもファッショナブルにリデザインされていて、パターンや仕立ての良さがわかります。

Img_42241 Img_42251jpg
 またこれらの元の服は、在庫買取業のショーイチ(shoichi)からコオフク洋裁に無償提供されたものだそうです。ですから古着ではなくてまさに新品です。お値段もお手頃ではないかと思いました。
 例えばパンツは、長時間座っても楽なように、後ろにスエット生地を使って履きやすく、トレンドのパッチワークでおしゃれにアレンジされています。7,500円です。
 スカートは長い丈の場合、トイレに入って汚したりひっかけたりしやすいです。そこでバルーンシルエットにリデザインして機能的で可愛く仕上げています。4,900円~。

 一日に数着は売れているようで人気は上々、とくに以前私がブログでも取り上げたマスクの売れ行きは好調といいます。

 コロナ禍の憂鬱を明るい気分に切り替えてくれるのは、やっぱりファッションです。今回のイベントは終了しましたが、次回を楽しみに、今後のコオフク洋裁に期待しています。

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2021年5月 6日 (木)

志賀高原で青空の下「春スキー」

 今年はGW後半、志賀高原一ノ瀬スキー場に行ってきました。常宿にしているホテルは連休中だけ営業しているというので、予約したのです。高速道路は一部で大渋滞していましたが、宿泊客の方は少なくてひっそりしていました。
 2年ぶりにやって来たホテルで、勝手が違うな、と思ったのは食事のスタイルです。いつものようなバイキング(ビュッフェ)式ではありませんでした。これもコロナ対策に万全を期している、ホテルのおもてなしの一つだったのですね。

 4日は快晴で、青空の下で春スキーを楽しみました。前日に雪が降ったそうで、軟らかい雪質でした。
Imgp09681  寺子屋スキー場の山頂からは北アルプスのパノラマが広がり、まさに絶景です。真ん中に見えるのは、東館山展望台です。
 Imgp85121  白馬三山から五竜、鹿島槍が遠望できました。こんなにも晴れ渡って山々が見えるなんて珍しい!
 Imgp09901jpg  白樺林に囲まれた雪解け水の湿地帯では水芭蕉が一面に咲いていました。でも霜でやられたのか、少し茶色くなっているのが痛々しい。水芭蕉の花は寒さに弱いようです。
 
 実は出かけるかどうか躊躇っていたのです。「県をまたいでの旅行は控えて」の言葉が胸に刺さっていました。でも大自然の中で少し息抜きができて、やっぱり行ってよかった、でした。

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2021年5月 5日 (水)

FW東京 春 ⑷ 上田安子服飾専門学校「UCF」21A/W展

 先般のファッションワールド(FW)東京 春 展のアパレルエクスポで、思いがけなく見つけたのが「UCF」というブランドです。感性あふれる独創的なデザインのドレスが勢揃いしていました。Img_41751jpg
 「UCF」は、上田安子服飾専門学校のトップクリエイター学科のパリコレブランドのことでした。2019年秋のパリコレで初のコレクションショーを開催し、その後も毎シーズンコレクションを発表しているといいます。さすが西日本最大級を誇る学校ですね。

 Img_41801 本展では2021A/Wのコレクション展示が行われていました。
 テーマは「PASSION and CONNECT」で、心の襞に触れるような素材と人との関係性を作品に込めたといいます。
 モノトーンの中に浮かび上がっていたのは、日本のテキスタイル産地の選りすぐり素材「兵庫県播州織」「富山県福井県経編」「群馬県桐生ジャカード」「滋賀県麻織物」の数々です。染色では「京都府深黒染め」、「愛知県有松鳴海絞り形状加工」(右)も効果的に使われています。
 学生たちは日本独自の素材を使い、ファッションの美しさと機能性を見事に表現していました。
 
 この3月のパリコレにはオンラインで参加したとのこと。そのときのPVも公開されています

 それにしても日本の学校がこんな風にパリコレに進出していたとは!
 若い才能に期待しています。

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2021年5月 4日 (火)

FW東京 春 ⑶ “ユニバーサルファッション”のシバタ

 ファッションワールド(FW)東京 春 展のアパレルエクスポで、目に留まったのがシバタ(岐阜県羽島市)のブースです。レディスブランド「シヴピュア (SiVPURE)」のセカンドラインで、“ユニバーサルファッション”を展開していました。
 テーマは、「年齢にかかわらずおしゃれを楽しむ~病院にもおしゃれして~」です。Img_41711jpg
 すべてに着やすく、ファッション性も豊かなウェアが揃っていました。もしかして病院に行くようなときでも、楽しく着こなせそうです。

 アイテムはワンピースが中心で、左肩線に斜めに、手が楽に届くコンシールファスナーが付いていたり、襟周りにゴムを入れてギャザーを寄せたデザインになっていたり。随所に着脱しやすい工夫が見られます。
Img_41701  前開き仕様のトップスは、途中開きのファスナーになっていて開くと100cm以上広がります。これならかぶりでの着脱が簡単、またファスナーを左寄りにしたことで上着を着れば隠すことができます。ファスナーは直接肌に触れないように持ち出し布のある安全でやさしいつくり。7分丈の袖丈や、フレアー袖のロマンティックなものも。
 ボタンなどの付属もユニバーサルデザインで、軽い力で留められるブロックテーピーやつかみやすい形状のファスナートップ、マグネットボタンなどが使用されています。
 素材も“美にこだわりたい”とシルクプロテインやヒアルロン酸ソーダなど保湿加工が施されているとか。

 コロナ禍の厳しい状況下、“ユニバーサルファッション”を提案しているブランドがあったことがうれしくて、良い結果に結びつくといいな---と願ったことでした。

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2021年5月 3日 (月)

FW東京 春 ⑵ 持続可能なアパレルの認証基準とは?

 ファッションワールド(FW)東京 春 展のサステナブルファッションEXPOで、関連セミナーが行われ、その一つにTextile Exchange(テキスタイル エクスチェンジ)アジア地区アンバサダー (一社)M.S.I. 理事 稲垣 貢哉が登壇しました。Textile Exchangeとはアメリカのテキサスに本部を置き、世界中の水・土壌・大気・人類において繊維産業の影響を軽減するため、農業、材料、加工、トレーサビリティ、製品寿命に関する最良の事例を特定し共有する非営利団体です。アメリカ綿も加盟していて、昨春からU.S. Cotton Trust Protocol(U.S.コットン・トラスト・プロトコル)が参加しています。Img_41541  上はTextile Exchangeの展示風景です。

 テーマは「持続可能なアパレルの認証基準とは? Textile Exchange認証基準と現状」です。サステナブル認証の視点から国内外のアパレル業界の現状を解説され、興味深く拝聴しました。
 
 まずは自己紹介です。大学卒業後、興和(株)に入社した稲垣氏。繊維事業部で15年、主に綿原料の生産管理に従事され、オーガニックコットンブランド「Tenerita(テネリータ)」を創業。2007年よりOrganic Exchange(現Textile Exchange)理事に就任されたといいます。
 入社した1987年頃、綿は繊維素材の60%を有していたそうです。それが年々縮小し、現状は50%以上がポリエステル、綿は30%弱になってしまいました。これは世界市場の拡大により、天然繊維が減少したというよりは化合繊が増加したことを表しているのですが、それでも綿は全繊維生産量でポリエステルに次ぐシェアとなっています。

 次にTextile Exchangeが掲げる「プリファード(preferred = 好ましい)」に関する説明です。今や業界を挙げての合言葉といえば「サステナブル」ですが、Textile Exchangeではこれを「プリファード」という単語で表現しているそうです。サステナブルなコットンは、「プリファードコットン」、またポリエステルは「プリファードポリエステル」などと呼ばれています。「プリファード」とはエコで社会的にも前向きな選択肢のより良いものをチョイスする意味で、使っているようです。
 このプリファードコットン、すなわちサステナブルコットンには、オーガニック、フェアトレードコットン、CmiA(コットン・メイド・イン・アフリカ)、BCI(ベター コットン イニシアティブ)、リサイクルコットンなどが含まれ、認証ごとにさまざまな基準が設けられているといいます。現在、全生産量の20%強がプリファードコットンであり、その内オーガニックコットンは0.1%にも満たないそう。フェアトレードコットンも0.1%でこれからといいます。またとくにシェアを伸ばしているのはBCIであるとも。
 Textile Exchangeでは「2025サステナブルコットンチャレンジ」で、2025年までにサステナブルコットン50%を目指しているといいます。果たしてできるのか、これも注目です。

 さらにサステナブル認証についてです。オーガニックコットンの認証には基準が2つあるそうです。一つは95%以上オーガニックの場合の100%ラベルと、もう一つはオーガニックが5%以上であれば良いというラベルです。いずれも表示された含有率のパーセントが正しいかどうか、トレーサビリティの確認が中心になるとのことです。
 国際認証が増える中、世界の趨勢は近年、オーガニックかどうかよりも動物福祉の方になっているとの指摘もされました。たとえば2014年にスタートしたRDS(リスポンシブル ダウン スタンダード)は非常な勢いで増えているそう。リアルな毛皮や皮革を使わないブランドも多くなっているといいます。生産が減り続けているウールも、動物愛護のRWS(レスポンシブル ウール スタンダード)を取得するメーカーが増加。人造セルロース繊維も森林保護など様々な取り組みが行われているといいます。
 リサイクルはポリエステルだけではなくコットンをはじめあらゆる繊維で、GRS(グローバル リサイクル スタンダード)やRCS(リサイクル表示基準)の取得が激増している様子です。

 最後に認証機関としては大きく次の3つがあるとのこと。①CONTROL UNION(コントロール ユニオン <オランダ>)、②ECOCERT(エコサート <フランス>)、③NSF(エヌ エス エフ<アメリカ>)です。Textile Exchangeはこれらの基準をつくり、認証機関がそれを審査しチェックする機能を担っているといいます。
 このように認証制度はいろいろありますが、ヨーロッパが中心で、審査に費用がかかるなど、どちらかというと日本に不利な制度になっているようです。
 ところがつい最近、日本のケケン試験認証センターがテキスタイルエクスチェンジの認証機関に登録されたというニュースが飛び込んできました。ケケンが国際認証機関になったとは!これまで認証になかなか動けていなかった日本のメーカーですが、まさに朗報ですね。
 
 今や小学生たちがSDGsを学び、ラベルが付いている製品を研究している時代です。多岐にわたる国際ラベルをサステナブル ラベルと総称し、それを選ぶことで未来を変えていこうという活動も始まっているといいます。繊維製品にリサイクルや認証付きが当たり前の社会がもうすぐそこまで来ているのですね。そんなことに改めて気づかされたセミナーでした。

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2021年5月 2日 (日)

FW東京 春 ⑴ 初の「サステナブルファッションEXPO」

 リード エグジビションジャパン主催の「ファッションワールド(FW)東京 春」展が3月23日~25日、東京ビッグサイトで開催されました。アパレル・バッグ・シューズ・アクセサリーなど、あらゆるファッション商材が出展する日本最大のファッション総合展です。同時開催展を含め、350社が出展し、12,913名が来場したと発表されています。
 とくに今回、注目されたのが、初の「サステナブルファッションEXPO」です。エコ、リサイクル、アニマルフリー、エシカル、オーガニック、フェアトレードなど、サステナビリティを考慮したファッション製品・素材を集積した専門展で、218社が出展、好反響を得て終了したといいます。

 サステナブルファッションEXPOで、とくに目立っていたのは広いスペースで複数のブランドを一堂に揃えた瀧定名古屋と豊島のブースです。
 瀧定名古屋は、エコ機能性素材の「37.5 ® TECHNOLOGY」と呼ばれる、暑いときは涼しく、寒いときは暖かくすることで、衣服内を快適にコントロールする米国特許のラミネートプリント テクノロジー、またリサイクル・機能性素材の太陽光を利用した蓄熱保温素材「WarmdArt」、環境配慮型抗菌防臭素材「Polygiene」を紹介。

 豊島は、トルコのUCAKグループと提携し、「TRUECOTTON」と名付けた農場と紡績工場の特定ができるトレーサブル(追跡可能な)オーガニックコットンを大々的に提案していました。
 
 またミヤモリ(富山県小矢部市)のハトムギエキスを配合したルーム・ナイトウェアブランド「Nercocia」にも注目。Img_41461jpg
 ハトムギには人の体を治療し健康にする効能があるといわれています。環境に優しい製法で作られていて、乳液やクリームのように肌からの蒸散=乾燥を抑え、しっとり潤いのある美肌を守るそう。そんな「美白・保湿」効果があるというウェアを前面に押し出していました。

 BANANA CLOTH推進委員会によるバナナの廃棄材が原料のBANANACLOTHも新鮮に思いました。サラリとした肌触りが特徴のトレーナーやTシャツ、デニムパンツなどをとり揃えています。

 さらにジャニスのスウェーデン発ライフスタイルバックパックブランド、ガストンルーガ(Gaston Luga)。すべての製品にヴィーガンレザーを使用しているそう。またパッケージには FSC 認証の紙、印刷には大豆製インクを用いるなど積極的にサステナビリティに取り組んでいるといいます。
 
 この他、興味深い製品が多数。

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2021年5月 1日 (土)

DESIGN MUSEUM BOX 森永邦彦氏“ハブラギン”展示

 先日、銀座ソニーパークで開催されていた「DESIGN MUSEUM BOX (デザイン ミュージアム ボックス) 集めてつなごう 日本のデザイン」展に行ってきました。(※本展は緊急事態宣言に伴い、4月24(土)までで終了してしまいました。残念です。)
 これは日本のデザインに新しい光を当てる展覧会でした。展示されていたのは、NHK番組「デザインミュージアムをデザインする」に出演した5人のクリエーターが各々見つけたデザインの「宝物」です。Img_44401jpg
 建築家の田根剛氏は、岩手の御所野縄文博物館「縄文のムラのデザイン」、デザインエンジニアの田川欣哉氏は、金沢の柳宗理記念デザイン研究所「柳宗理のデザインプロセス カトラリーを例に」、エクスペリエンスアーキテクトの水口哲也氏は、浜松のヤマハ イノベーションロード「トランスアコースティックピアノ 匠とテクノロジーの出会い」、映像作家の辻川幸一郎氏は日本玩具博物館「ぶちゴマ、そこから広がるさまざまなコマ」、そしてファッションデザイナーの森永邦彦氏は、奄美の宇検村生涯学習センター 元気の出る館/瀬戸内町立図書館・郷土館 「ノロの装束“ハブラギン”」を紹介、日本の各地にはすごい宝物が隠されていることを知りました。

 中でも感銘したのは、最奥に飾られていた森永邦彦氏による「ノロの装束“ハブラギン”」です。ノロとは、奄美地方の祝女(女性祭祀)で、“ハブラギン”とは祭事の際にノロが着用した衣装のこととか。3角形の布で構成されたパッチワークのきもので、コットンやシルク、柄と無地など異なる端切れが継ぎ接ぎされていて、何ともグラフィカルです。Img_44231jpg Img_44351
 この3角形のカタチには意味があり、“ハベラ”と呼ばれて蝶や蛾を意味し、霊魂が込められているといいます。つまり“ハブラギン”は、代々のご先祖様たちが着る人を守るという意志の詰まったデザインだったのです。
 森永氏は、服とは身を飾っておしゃれするだけではない、祈りや願いがカタチになったものでもある、といいます。
 Img_44281  上は森永氏がデザインしたパッチワークのジャケットです。光りを当てると一瞬にして光って柄が浮き上がるフォトクロミック素材が使用されています。まさに最新技術で現代に蘇った“ハブラギン”!
 
 新型コロナウイルスの脅威にさらされる今、ファッションデザインも“ハブラギン”のような目に見えないもの、人知を超えた存在へ向き合うことが求められているのかもしれません。

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