« 2020年12月 | トップページ

2021年1月

2021年1月18日 (月)

石岡瑛子初の回顧展「血が、汗が、涙がデザインできるか」

石岡

| | コメント (0)

2021年1月17日 (日)

IAUD国際デザイン賞⑸ オネスティーズ 裏表前後ない肌着

 「IAUD国際デザイン賞2020」のファッションデザイン部門で銅賞を受賞したのが、大阪府泉佐野市にあるオネスティーズ(HONESTIES)の裏表や前後のないスマート肌着です。
 前と後ろの区別がなく、裏も表も気にしないで着用できるとは、何て楽チン。肌着を着るときには、必ず裏表や前後を確認しないといけません。おっちょこちょいの私はよく間違って袖を通してしまいます。あとで気づいて着直すことも度々。
 洗濯ものも、裏返ったものを返してたたむなど、意外とストレスでした。
 どんな風に着ても、正しく着られる肌着は、とくに視覚障がいなどのハンディキャップのある方には朗報です。
 
 この肌着開発のきっかけとなったのが、目の不自由な方との出会いだったそうです。全盲の中学生ドラマーの動画をご覧ください。

 
 生地は裏表のないコットン100%のもの、縫製は縫い目で肌を痛めない特殊な4本針ミシン「フラットシーマー」を採用しているとのこと。2020年度グッドデザイン賞を受賞しています。
 
 ビジネスマンや子育て、介護などで忙しい方にも裏表や前後がないなら、シンプルで簡単。これぞまさしくユニバーサルデザインの衣服ですね。

| | コメント (0)

2021年1月16日 (土)

IAUD国際デザイン賞⑷ 医療用ストッキング「クールララ」

 「IAUD国際デザイン賞2020」で数は少なかったものの繊維製品の受賞もありました。その一つが医療福祉部門で、銅賞を贈られたベーテル・プラスの医療用弾性ストッキング「クールララ」です。

 リンパ浮腫や静脈瘤を治療中の患者さんのために開発された医療用製品ですが、デザイン性が高く、穿いたら元気になれそうです。ムレから解放され、少しでも明るく楽しく過ごしてほしい、そんな想いで開発したといいます。
 カラーはきれいな色のツートンカラー配色で、着用時はオーソドックスな色目のみが見えるようにデザインされています。切替線を生かしたバランスのとれたスタイリングで、編地は漸減的に加圧する設計、縫い目を表側に出した縫製は敏感肌にも優しい仕様です。
  小物入れとして使えるパッケージも、ストッキング着用をイメージできる「脚シルエットの透明窓」付ポーチになっていて、プレゼントにしても喜ばれそう。
19g100769_01_880x660  こんなハイスペックな機能美が評価されて、2019年度のグッドデザイン賞を受賞。上の写真はこのページからお借りしたものです。
 
 新型コロナでメディカル衣料がクローズアップされる中、ファッション企画にヒントを与える注目の受賞といえそうです。

| | コメント (0)

2021年1月15日 (金)

IAUD国際デザイン賞⑶ 銀賞「みんなのピクト」安心して食事

 「IAUD国際デザイン賞2020」で銀賞を受賞した19件の内、ぜひご紹介したいと思ったのが「みんなのピクト」です。これは食物アレルギーなどの情報を正しく伝えるピクトグラム(絵文字)で、電通ダイバーシティ・ラボ/一般社団法人ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会/東京電機大学が、誰でも安心して食事を楽しめるようにと、協働開発したものです。
 対応するのは特定食材28品目で、延べ1000名以上の協力を得て「図案の妥当性」や「ぼかし・縮小状態での視認性」などを調査し、検証を重ねて完成させたといいます。1_20210115135601
 近年、アレルギー疾患の子どもたちが増えているといわれます。10年前ですが、厚生労働省の調査によると、0歳~14歳の子どもたちの約40%に、東京・大阪など都市部に住む4歳以下の子どもたちに至っては51.5%、つまり2人に1人の割合で何らかのアレルギー症状が認められたそうです。原因は花粉やダニなどが中心ですけれど、食物が原因とされるものも数%あるといいます。
 この「みんなのピクト」が食品の包装やパッケージに付けられて、2_20210115135601 アレルギーの心配なしにすべての人が食事を楽しむ社会になるといいなと思います。

 日本のピクトグラムは世界的に高く評価されていますし---。もしかしたらこれが日本発祥のトイレマークのように、世界標準になるかもしれません。そう思うとうれしくなります。

 

| | コメント (0)

2021年1月14日 (木)

IAUD国際デザイン賞⑵ 金賞のパワードウェア「ATOUN」

 「IAUD国際デザイン賞2020」で金賞の受賞作品は9件ありました。中でも私がもっとも興味深く思ったのが、ATOUNのパワードウェア「ATOUN MODEL Yシリーズ」です。
 ATOUNは、作業支援用の「着るロボット」を開発しています。とくにこのモデルYシリーズは比較的重いものを持ち上げる際の腰と背中や腕の負担を軽減するウェアラブルロボットで、旧モデルより約40%軽量化とコストダウンにも成功したとか。
 センサーが腰の動きを検知し、作業員が重いものを持ち上げたり動かしたりするのを助けてくれるとあって、介護などの現場でなくてはならないものになってきそうです。以前展示会で、私も試着させていただいたことがあって、そのパワーに驚かされたことがありました。

 
 Photo_20210115114201 既に、1年あまりの調査を経て、2019年より介護施設への製品提供が始まったとのことで、導入が期待されます。

| | コメント (0)

2021年1月13日 (水)

IAUD国際デザイン賞⑴ 大賞は米国オリンピック&パラリンピック博物館

 ユニバーサルデザイン(UD)を基本理念として活動している国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD)が実施している「IAUD国際デザイン賞2020」のプレゼンテーション/表彰式が、先月18日、開催されました。オンラインにての開催で、私もメンバーの一人として参加させていただきました。
 2020年で10年を迎えるこの賞には、世界14か国から67件のエントリーがあったとのことです。「大賞」1件、各部門の「金賞」9件、「銀賞」19件が選ばれました。また2019年から設けられている「銅賞」が、今回は思いがけなく35件と多数選定されていて、UDの奨励に喜ばしいことと思ったことでした。
 とくに目新しかったのは、受賞作品に、各作品と関係の深いSDGsの目標が表示されていたです。SDGsの原則は「誰一人取り残さない」で、UDの基本理念である包括性(inclusivity)と合致しています。UDとSDGsが連動していることがはっきり伝わって、受賞者にとっても大いに励みになると思いました。

 まずは大賞です。大賞は、もっとも優れていると評価されるデザインに贈られます。2020年は公共空間デザイン部門から、米国オリンピック&パラリンピック博物館が受賞しました。

 コロラド州コロラドスプリングズ市に2020年7月30日に開館した新しい博物館です。あらゆる人に公平に開かれているインタラクティブな博物館で、オリンピアンもパラリンピアンもコンテンツとデザインを通じて真にインクルーシヴな体験をすることができるといいます。展示品は障害のある人の特定のニーズや好みに応じて、一人ひとり個別に設定でき、設定の変更も自在とか。Ud
 まさにすべての人のための博物館のすばらしい実例ですね。

| | コメント (0)

2021年1月12日 (火)

小売・アパレルがおさえておくべき これからの消費のあり方

 コロナ禍で多くの小売・アパレル企業が窮地に陥る中、「2030年アパレルの未来」著者で、 ドイツを本拠とする経営戦略コンサルティングの2_20210113123401 ローランド・ベルガー日本法人 パートナーの福田 稔氏が オンラインセミナーに登壇。企業は消費に合わせてどのように変わっていけばいいか、小売・アパレルがおさえておくべき「これからの消費のあり方」をテーマに講演しました。

 まず取り上げたのが「コンテクスト消費」です。消費者の価値観が多様化し、モノではなく精神の充足が必要となっている現代では、消費する理由を促すコンテクストが必要と訴求します。商品やマーケティングのどの部分で自分に合うコンテクストを感じてもらうか、たとえばマクロではサステナビリティに共感できる取り組みを行っているとか、ミクロでは誕生日に記念クーポンが届くなど、消費者が欲しいのは、商品そのものではなく理由であると指摘。これを喚起するためには、ブランドの世界観や商品、マーケティングなど企業活動の様々なポイントで自分事化を促すような仕掛けを埋め込んでいくことが重要といいます。

 次にコロナにより何が変わったのか、です。
 ローランド・ベルガーが昨年7月に実施した日本を含むアジアや欧米の10ヶ国・地域の調査から、変化した価値観を6つ挙げて解説しました。①安全・安心志向―健康・予防や安定性や拠り所の重視。②節約志向―高額の支出の削減、安価。③本質追求志向―より効率的な手段へ、本当に重要なものへの集中。④イエナカ充実志向―在宅でできる手段、自宅の更なる充実と投資。⑤家族志向―家族と過ごす時間の充実、家族との関係を考えた消費。⑥社会協調志向―公益性や社会貢献の優先、企業や人々への応援意識です。
 中でも世界的に高まったのが安全志向や社会協調志向で、先進国では誰もが満たされていると感じていた安全欲求が簡単に脅かされることが明らかになったと言及。企業はこれらの価値観を社会共通のコンテクストとして意識することが重要といいます。また20~30歳の消費者は50歳以上の消費者よりも最大1.5倍程度価値観を強めているとの分析も紹介しました。
 
 さらにウイズコロナで重要となる要素について。冒頭の「コンテクスト消費」を捉えるには、大きく二つ、社会全体のコンテクストと個々人のコンテクストへのアプローチが必要で、とくに求められるのが次の3つの要素といいます。
 一つはダイバーシティです。日本では男女問題にフォーカスされるきらいがある多様性の問題ですが、グローバルな観点ではBLM運動など人種問題が浮上。日本でも関心度は高まっていく見通し。
 二つ目はサステナビリティです。繊維産業はものづくりの仕方として地球環境に大きな負荷をかけていることが国際社会の課題となっています。そこで直近、グローバルでみるとアパレル企業のサステナビリティに対する意識は大きく改善されつつあるといいます。2018年には66%の企業がサステナビリティ関連5項目以上の目標を定めるようになり、変化がみられるとのこと。消費者の方も地球温暖化への意識が強まり、1年間新しい服を買わないように呼び掛けるボイコットファッション運動が話題になるなど、業界を大きく揺るがすような気運もあり、社会共通のコンテクストとして取り組んでいく必要があるといいます。
 三つ目はパーソナライゼーションです。オンラインとオフラインの融合が進む中でテクノロジーを駆使した広告や商品のパーソナライズが、「売り方」、「見せ方」、「作り方」の3つの領域で重要といいます。「売り方」では、これまでの売り切りモデルからサブスクモデルの登場、「見せ方」では音声インターフェイスにも最適化領域が拡大していること、「作り方」ではマスカスタマイゼーションの適用領域が拡がりを見せているとのことを提言。多様化する個人のコンテクストを捉えるパーソナライゼーションこそ勝負の鍵と断言しました。
 
 最後に、株式市場で評価の高い企業は、①DX・パーソナライゼーションの推進、②ESG・サステナビリティ対応、③収益性の高さのいずれかを押さえているとまとめ、これまでのビジネスモデルを変える転換期にあることを強調してセミナーを締め括りました。

| | コメント (0)

2021年1月11日 (月)

ピエール・カルダン氏逝去 ファッションの未来創った先駆者

 昨年末12月29日に世界的天才デザイナー、ピエール・カルダン氏の訃報を知りました。ニューヨークで大回顧展が開催され、ドキュメンタリー映画『ライフ・イズ・カラフル! 未来をデザインする男 ピエール・カルダン』が公開されて、私も見に行きたいと思っていた矢先のことでしたので、衝撃でした。
 昨年はカール・ラガーフェルド氏、山本寛斎氏、高田賢三氏と有名ファッションデザイナーが次々に死去された年でもあり、一時代が終わったという印象です。
 
 ピエール・カルダン氏は、ファッションの未来を創った先駆者でした。1960年代に打ち出した宇宙(コスモコール)ルックは、未来主義(フューチャリズム)と呼ばれ、この時代を象徴するスタイルになっています。幾何学的なデザインやAラインのシルエットは現在も受け継がれて、デザイナーのクリエイションに大きなインスピレーションを与えています。Cimg1693pieree-cardin2014021  (写真は2014年に撮影したパリのブティックのウインドー)

 同時代を生きたイヴ・サンローラン氏がクラシックなエレガンス派とすれば、カルダン氏は革新派のカリスマでした。オートクチュール組合に所属しながら1959年に初の既製服(プレタポルテ)を発表してブーイングを食らったり、また初めてライセンスビジネスに乗り出して「オートクチュールなのに、見苦しい」と散々非難されたり。それでも動じることはなく、堂々と信念を貫きました。ライセンス生産は800以上ものアイテムに上り、トイレマットにまでPCのロゴが付いて、驚かされたのを覚えています。
 紳士服プレタポルテを手掛けたのもカルダン氏が最初でした。男女差のないデザイン、たとえばジャケットの前開きをボタンではなくファスナーで打合せるなどを提案、まさにジェンダーレスのパイオニアだったのです。ロシアや中国で誰よりも早くショーを開催したり、国籍や肌の色に関係なく多様性に富んだモデルを招いたり。松本弘子さんは日本人専属モデルの第一号でした。その後の日本人モデルの活躍ぶりはパリコレで見る通りです。
 
 常に時代に先駆け、何もないところから事業を始めて成功させてきたカルダン氏です。振り返ってみれば、ファッション、アート、不動産の帝国を率いる唯一の独立した実業家クチュリエになっていました。
 2011年にはブランドを売ろうと画策し、10億ユーロを要求したそうですが、買い手は見つかっていないとか。不動産では1970年にオーナーとなったエスパス・ピエール・カルダン劇場をパリ市に売却したり、また自身がノータイで入ろうとして門前払いされたマキシム・ド・パリを買い取ったり。マルキ・ド・サドのラコスト城の購入、南仏にある別荘のバブルハウスを現在も売りに出していることなど、もうプロ顔負けの土地ころがしです。
 
 その巨大な資産を継ぐのは誰でしょう。名乗りを上げる人はいるようですが、後継デザイナーは未定の様子です。

| | コメント (0)

2021年1月10日 (日)

キンカンの実 ウイルスの感染予防にも?

 キンカンは今が旬。庭のキンカンの木にもたくさん実が生っています。ミカンを小さくしたような黄金色をしたかわいい実です。Img_31331
 甘露煮にしたり、タルトにしたり。でも私はそのまま皮ごと食べるのが好きです。皮に甘みがあって、少しほろ苦いけれど美味しいのです。
 薬効もあって、ビタミンCやカリウムが含まれているので、免疫力を高める効果もあるといいます。だから昔から風邪薬として利用されてきたのですね。
 新型コロナウイルスの感染予防にもなるかな?と思いながら---、収穫が楽しみです。

| | コメント (0)

2021年1月 9日 (土)

ユニバーサルファッション「人を元気にする力がある」⑵

 「ファッションは人を元気にする力がある」のトークセッションで、続いて登場したのがコヒナ (COHINA)代表/ディレクターの田中絢子さんです。2018年1月に小柄女性向けブランドのコヒナを創業、インスタで知られるようになり、1年半で月商5,000万円を達成、1回のインスタライブで200万円を売り上げるという、今話題の起業家です。

 Photo_20210110171601 セールスポイントは「アラウンド150 cmの小柄女性を綺麗に見せる服」で、身長155cm以下の女性が対象。日本人女性の平均身長は157cmなので、全体の2~3割に当たるとのことです。田中さんご自身148 cmでとってもキュートで可愛らしい。前職はマーケティングで、アパレルは素人だったそうですが、ご自身に似合う服がなかなか見つからない。身長が低いというだけで、ファッションを楽しむ可能性が閉ざされてしまっていると感じ、それなら創ろうとブランドを立ち上げたといいます。
 コアな客層は小柄の中でもとくに小さい150 cm以下の小柄さん。彼女たちに向けて、どちらかというとベーシックな服を展開しているといいます。というのもその多くが、皆が当たり前に着ている服を私も着てみたいと思っているからだそうです。一歩先をチャレンジする前に、当たり前を当たり前のように着たい顧客に合わせて品揃えしているとか。
 ベーシックというとユニクロがあり、サイズも豊富です。しかしそのSサイズでも大き過ぎて、丈詰め一つとっても、お直し代の方が商品代よりも高くなってしまうそう。
 そうした悩みをすくいあげているのが、SNSを通じたコミュニケーションといいます。インスタグラムのフォロワーは現在15万人いるとのことです。こんな商品が欲しい、ここのサイズが困っているなど、インスタライブでリアルタイムに客の声を聴き、それを直接商品に反映するモノづくりをしているそうです。生産元の工場とも直接会話しながらつくっているのも特徴で、デザイナーではないからこその商品展開ができていると語ります。
 D2C形式で客との距離感を縮め、事前のヒアリングを行って在庫を積まない、DNVB(デジタル・ネイティブ・バーティカル・ブランド)として確立していることが、まさにこのブランド成功の秘密なのですね。
 
 このトークセッションで、フライングジーンズを開発した加藤健一さんは、「このジーンズを穿くとかっこいいと言われる、それがうれしくて外に出てみたくなる」と言われて感激したそうです。コヒナの田中絢子さんは「サイズが合うというだけで社会の一員として認められた気がした」の声を紹介し、服は人の存在にかかわるものだった、服には人を肯定する力があるとコメントされていました。
 お二人のお話しを伺って、「ファッションは人を元気にする力がある」ことに改めて感動しました。

| | コメント (0)

2021年1月 8日 (金)

ユニバーサルファッション「人を元気にする力がある」⑴

 昨年11月初旬、東京・渋谷で国内最大級のソーシャルデザインの都市フェスSOCIAL INNOVATION WEEK(SIW)が開催され、ユニバーサルファッションをテーマにしたトークセッションが行われました。題して「ファッションは人を元気にする力がある」です。山形バリアフリー観光ツアーセンター 代表理事の加藤健一さんと、コヒナ (COHINA)代表/ディレクターの田中絢子さんが登壇し、MASATO YAMAGUCHI DESIGN OFFICE代表/デザイナーの山口大人さんがモデレーターを務めました。1_20210109193201
 山口さんは昨今ファッション業界に旋風を巻き起こしているサステナブルファッションを専門に活動されています。誰もがファッションを楽しみ続ける社会を創ることが、サステナビリティになり得るというヒントをこのセッションから引き出して欲しいといいます。車椅子のために生まれたジーンズ「フライングジーンズ (Flying jeans)」の発案者である加藤健一さんと小柄女子のためのファッションブランド「コヒナ」を運営されている田中絢子さんとの対談は、ファッションがいかに人を豊かにする力があるか、その力がいかに社会をポジティブに変える可能性を秘めているかを伝えてくれました。

 ファッションが持つ“人を元気にする力“とは何か、下記は登壇した二人が語った興味深いストーリーです。

 世界最軽量の重さ3.5kgの車いすを使用している加藤さんは、通称「空飛ぶ車いす社長」と呼ばれているそうです。山形県南陽市を拠点に、山形バリアフリー観光ツアーセンターの代表理事をはじめ、様々な活動をされています。
 21歳で筋ジストロフィーを発症し、車いす生活となって一番感じたのはあきらめなければいけないことの多さだったとか。そのバリアを片っ端からこわしていきたい、こんな思いから始めたのが車いすでのフライトだったといいます。
 地元のハングライダーのフライトエリアは、世界で唯一の障がい者を受け入れる施設だそうです。憧れの福祉国家、デンマークからも多くの観光客が車いすでフライトを楽しんでいかれるとか。
 こうした「バリアフリーインバウンド」や障がい者用駐車場の塗装作業「ブルーペイント大作戦」などに取り組む中で、「フライングジーンズ」も誕生したといいます。
2_20210109193301  ジーンズは障がい者にとって穿きにくいアイテムの一つなのですね。車いす利用者は、柔らかくて伸びるスウェットやジャージーパンツで過ごす人が多いといいます。でも皆が当たり前のように穿いているジーンズです。ジーンズのおしゃれをあきらめて欲しくないと思い立ち、丸安毛糸とコラボし、両国の丸和繊維工業の「動体裁断」という特殊な裁断法によって、座った状態できれいにはけるジーンズを開発されました。
 これにより座ってもウエストラインが下がらず、膝を曲げた時に突っ張る不快感もなく、脱ぎ着しやすくなったそう。裾が上がらないし、不自然なしわも寄らないため、見た目も良くてかっこいい。¥28,000も高価ではないようで、海外からも注文がくるといいます。
 はきやすくてシルエットが良いので、座って仕事することの多い健常者にも好評の様子です。これぞユニバーサルファッションのジーンズですね。

| | コメント (0)

2021年1月 7日 (木)

21/22ハイムテキスタイル―新しいものはないが全て新しい

 ハイムテキスタイル(Heimtextile)は、ドイツのフランクフルトで開催される世界最大のホームテキスタイルの国際見本市です。世界中から約3,000社が出展するといわれています。今年も1月12日に開催が予定されていましたが、コロナ危機で5月4日~7日に延期となりました。
 このハイムテキスタイルの21/22トレンドウェビナーが昨年末にあり、2019年より公式アンバサダーを務める南村 弾氏が、ファシリテーターのインテリア情報企画の善明剛史氏と登壇。対談形式で「2021/2022デザイン・素材は今後どのように変化するのか」と題してホームテキスタイルのトレンドをわかりやすく解説しました。
 
 冒頭、ここ10年来継続する流れの中で、21/22にとくにフォーカスされるのが「天然素材の活用」、「色や柄をぶつけあう」、「デザインとDIY」、「本質の追求」と前置き。
 その上でパンデミック前を振り返り、トレンドとして着目したのが「都市化」だったそう。都市化は人類が直面しているもっとも大きな変化と捉え、そこから4つのテーマ、「フレキシブル・スペース—都市は一人当たりのスペースが小さい」、「ヘルシー・スペース—都市では人はほとんどインドアで過ごす」、「リ・メイド・スペース—都市はゴミがたくさん出る」、「メーカー・スペース—都市の生産・製作」を導き出したといいます。

 次に21/22のトレンドについてです。
1_20210108174701  メインテーマは「Nothing New, Everything New (新しいものはないが全て新しい)」で、「本質的な部分に立ち返ると新しくない。だったら工夫してどう変化をつけるか」と紹介。根底にサステナブルの考え方があるといいます。

 このメインテーマの下、提案されたのが下記4つのテーマです。テーマ名のすべてに「Re(リ)」が付いているのが印象的です。

⑴Re-Purpose (リ・パーパス) 
Heim-reporpose  優しい感じ 古いものの再利用
 ・ゼロから創るのではなく、既にあるもので何が創れるかを考えるテーマ。
・「クリエーターからキュレーターへ」
・背景に中古市場の世界的拡大がある。
・余り物を活用した素材 ― ニードルパンチ、パッチワーク、レイヤー、ステッチなど。
・カラーは優しい感じの色調、昭和レトロ的。
・キーワード:リメイク、リペア、再編集、先人の知恵など。

⑵Re-wild (リ・ワイルド)
Heim-rewild  ナチュラルな感じ 自然をそのまま野性的に使う。
 ・自然主義を見直し、現代的解釈で活用するテーマ。アップサイクル、リサイクル。
・本物をブラッシュアップ。さらなる本物への変化と、土に帰る自然の模倣。 
・サーキュラーエコノミーへの転換。
・素材はリネンの反毛やマクラメ編みなど。
・カラーはアースカラー。自然の草や木を思わせるグリーンとブラウンが基調。
・キーワード:プリミティブ、ローテク、循環型など。

⑶Re-inforce (リ・インフォース)
Heim-reinforce  力強い感じ 長寿命で長く使う
・デザインの永続性や機能性、長く使う耐久性。
・モノクローム、しっかりと緻密、シンプルでモダン。 
・裏側に布を張りつけて丈夫にした生地、キルティング、メディカルテックス。
・カラーはグレーからブラックのトーン、ニュートラルカラー。
・キーワード:無彩色、密度、気取らない。

⑷Re-vive(リ・バイブ)
Heim-revive  にぎやかな感じ 古いものをつくり替えて新しいものにする
・プロセスにフォーカスする。完成品よりも途中段階を大事にするデザインが増えている。
・お直しや修理することがクリエイティブとみられる時代。
・紐を糸にして布をつくりラグにする。手作りが興味の対象に。
・カラーは中間色中心に明るい色合い。色がぶつかり合い、楽しさを生む色調。
・クリエイティブな発想、体験価値、日本のボロの文化も参考に。

| | コメント (0)

2021年1月 6日 (水)

PVパリとミラノ・ウニカ2月展は100%オンライン開催

 2022春夏向け国際素材見本市のプルミエール・ヴィジョン(PV)パリとミラノ・ウニカ2月展は、ともに100%オンライン開催になるとのことです。Digitalshow PVパリは2月15日~19日にデジタル・ショーを、2月2日~4日の予定だったミラノ・ウニカも「デジタルプラットフォームe-MilanoUnica Connectで会いましょう」と呼びかけています。
 既に昨年末のプレスリリースで知ったことではありますが、現地に取材に行くことができなくなって、大変残念です。
 でももし予定通りフィジカルで行われたとしたら、PVパリとミラノ・ウニカの日程が重なっておりましたので、両方行くことはかないませんでした。オンラインになったことで、じっくり視聴できますし、かえってこの方がよかったのかもしれないと思っています。

 PVパリのマーケットプレイス・プルミエール・ヴィジョンでは、双方向型のデジタルカタログが掲載されていて、出展企業は点数を無制限にアップできます。またバイヤーもサンプルの注文や、本発注を容易に行える仕組みになっていて、ビジネスのサポートは万全のようです。
 ミラノ・ウニカもデジタルマーケットプレイスをより機能的にリニューアル。バイヤーは出展企業が発表する新しいコレクションを発見するだけでなく、カタログの閲覧、資料やサンプルのリクエスト、アポイントメント、ショールームへのバーチャル訪問などの機会が提供されるといいます。
 
 次回2022/23 秋冬コレクションを発表する7月展も、PVパリとミラノ・ウニカのスケジュールがこの2月展と同様、ダブっていました。しかしながら重複しないように日程調整がされるとのことで、「ああ、よかった」と一安心。いずれもフィジカルとオンライン双方の長所を採り入れたハイブリット展となる見込みで、どんな展開になるのでしょう。楽しみです。

| | コメント (0)

2021年1月 5日 (火)

2022春夏デニムPV デニムファッショントレンド

 デニムプルミエールビジョン(デニムPV)は、ジーンズの世界に特化した見本市です。
 コロナ禍にあって、2022春夏向けデニムPVはベルリンでの開催予定が変更され、昨年の11月30日~12月4日、デジタル方式にて行われました。このデジタルデニムウィークに出展したのは60社1,100点で、日本からは唯一、クラボウインターナショナルが参加しています。
 デニム市場は欧州でなお一層の拡大が見込まれていて、完成品の売上高は2019年の約580億ユーロから2025年には830億ユーロに増加すると予想されているといいます。
 
 下記、デニムPVが発信している2022春夏のデニムファッショントレンドを簡単にまとめてみました。
 
 トレンドテーマは大きく2つです。
⑴ サステナビリティ
Denim11  より持続可能な生産方法を、またより環境にやさしいものづくりを追求する流れが強まり、エコロジカルなイノベーションへの取り組みが引き続き強化されます。自然からの影響に彩られるシーズンです。

・自然の移ろいやイレギュラーな感覚が求められ、コットンとともにリネンや麻などの天然素材が脚光を浴びる。
・トウモロコシやビーツなどを原料にしたバイオ素材やリサイクルデニムが浮上。
・ストレッチのポリウレタンは減少傾向。
・オーガニックやサステナブルなど環境認証マーク素材に支持が集まる。
・循環型経済へ向けて、水やエネルギーの消費を管理し、化学物質の使用を監視し、廃棄物や廃水処理に配慮している企業が高評価される。
・オゾンウオッシュやレーザー加工などによる排水減素材が好まれる。

⑵ 快適性と差別化
Denim21  2022春夏デニムに影響を与えているのが次の二つの方向性です。一つは「しなやかさと快適さ」、もう一つは「細やかさと差別化」で、この二つが組み合わさって、従来の伝統とは異なる新しいハーモニーが生み出されます。
 
「しなやかさと快適さ」
・リモートワークもあり、着心地よい質感が追求され、“柔らかさ”と“しなやかさ”のあるデニムが浮上。
・リヨセル混やバイオ素材使いで、繊細さを感じさせるデニム。重いドレープではない、落ち感のあるしなやかな感触。
・落ち着いた色合いで、すべてに優しい100%コットンのデニム。

「細やかさと差別化」
・ソフィスティケートされたなめらかなデニムや構築的なデニム。
・完璧なしっかりとしたハンドルのテクノデニム。
・きちんと感、細やかさ、小柄ヘリンボンなどの緻密な織り組織。
・深みのある魅惑的な光沢を放つデニム。

 なお次回デニムPVは5月25~26日、ミラノにて開催されます。

| | コメント (0)

2021年1月 4日 (月)

2021-22年秋冬ミラノウニカ 流行色2020 WINTER掲載

Scan0203  先般発行された「流行色2020 WINTER No.603」に、今年9月に開催された「2021-22年秋冬ミラノウニカ」の柳原美紗子の記事が、掲載されました。

 その概要や発表されたトレンドテーマやカラー、素材の特徴などを4ページにわたり解説しています。ご参照ください。
2_202012301438011_20201230143801

| | コメント (0)

2021年1月 3日 (日)

コロナ禍のお正月 人出激減で少し寂しい鶴岡八幡宮

 年初からコロナ感染拡大のニュースばかり、不安が募ります。初詣客に分散参拝が呼びかけられて、神社仏閣の人出は激減しました。
 毎年詣でている鎌倉 鶴岡八幡宮も、例年なら人で埋まって大行列している参道がガラガラでした。まったく並ばずに参拝できて、いつもこんな風ならとよいのにと思う反面、一抹の寂しさも---。
 Img_31231jpg  狛犬の白い巨大マスクが印象的でした。

 本覚寺の鎌倉えびすも縮小開催だそうで、福娘の姿も出店もなくて、午後3時終了とあっけない。

 神奈川県も知事が緊急事態宣言発出を要請しているとのことで、今はもう我慢のときです。
 早くマスクを外せる日が来るといいですね。

| | コメント (0)

2021年1月 2日 (土)

初詣は鎌倉の長谷寺へ

 久し振りに鎌倉の長谷寺へ初詣しました。Imgp80841  創建は奈良の天平時代といいますから、まさに古寺、ご本尊の十一面観世音菩薩像は、造立されて今年2021年で1300年にもなるそうです。「長谷観音」と呼ばれて私も子どもの頃から親しんできたお寺です。
 Imgp80031  観音堂に安置されている金色に輝く観音様を拝顔して、改めてその大きさにびっくり!高さは9.18mもあって日本最大級の木彫仏といいます。
 阿弥陀堂やマニ車のある経堂など、お参りするところがいっぱい。
 Imgp80341  地蔵堂にはたくさんの小地蔵様が並んでいます。千体もあるので千体地蔵と呼ばれるのでしょう。自然と手を合わせてしまいます。
 1_20210102171001  眺望散策路を登り、由比ガ浜を一望しました。海が朝の光を浴びてきらめき、美しかったです。
 Imgp80641  下の境内の放生池を過ぎた辺りにあるのが、弁天窟です。弘法大師参籠の地と伝えられているそうです。Imgp80541jpg  窟内の壁面には弁財天と十六童子が彫られていて、何とも神秘的。子どもに帰って洞窟探検を楽しみました。

Img_30881  手入れの行き届いた庭園には、早くも白梅や紅梅、黄色い蝋梅の花が咲き始めています。春はもうすぐそこ、ですね。
 
 長谷寺は見どころ満載、季節を変えてまた訪れたいですね。

| | コメント (0)

2021年1月 1日 (金)

鎌倉 長谷寺から 明けましておめでとうございます!

 2021年 明けましておめでとうございます!
Photo_20210101211601
 本年初のご来光は鎌倉の名刹、長谷寺で迎えました。年末年始というといつもはスキー場で過ごすのですが、コロナ禍で出かけられなくて、近場で楽しんでいます。
 長谷寺は鎌倉では初日の出の名所で、元旦は朝8時まで拝観料無料で入れます。由比ガ浜を見下ろす展望台は密というほどではありませんでしたけれど、けっこう人が集まっていました。
 太陽が逗子の山の上から顔を見せたのは朝7時頃でした。すべてが金色に光って、雲が西遊記の筋斗雲のように見えたりして---。これは瑞兆が現れたのかなと思ったりしました。
 今年はこの雲に乗ってより良い方向に動き出しますように、切に願っています。

| | コメント (0)

« 2020年12月 | トップページ