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2020年12月

2020年12月31日 (木)

鎌倉・腰越 満福寺 源義経ゆかりの寺で大晦日のご開帳

 鎌倉・腰越にある満福寺は、源義経ゆかりの寺です。 義経が鎌倉入りを許されず、兄頼朝に釈明をしたためた「腰越状」を書いたと言われているお寺で、この時の下書きは現在も大切に保管されているそうです。Imgp79371jpg
 大晦日は一年に一度のご開帳とあって、久しぶりに訪れてみました。
 Img_30381  さすがに立派です。開山は奈良時代の行基で、本尊の薬師三尊が煌めいていました。左手の部屋には義経の生涯を描いた「襖絵」が飾られています。私がよく行く禅寺とは違う、みやびな趣が漂っていました。
 Imgp79421  義経と弁慶「腰越状」の石像です。
 Img_30321
 「腰越状」の下書きをしたためたのは弁慶だそうで、弁慶つながりのものが散見されました。
 墨を摺る水を汲んだという「硯の池」(右)や「弁慶の手玉石」など---。
 
Imgp79451  鐘つき堂です。今夜は0時に除夜の鐘が鳴るのですね。例年は1,000人くらいの人が集まって打つそうですが、今年はコロナで少なそう。
 
 由緒あるお寺に詣でて、静かに遥かな昔を偲び、たいへんだった今年最後の一日を終えました。青い空に気分もちょっとすっきり!でした。

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2020年12月30日 (水)

石川県「次代を創る可能性素材展」リアルとオンライン融合

 石川県の繊維企業による展示商談会「次代を創る可能性素材展」が11日、東京「リフォーク原宿」で開かれました。(昨日のこのブログに掲載した「JAFICプラットフォーム ビジネスマッチング」と併催)Img_29411
 参加企業は10社で、各社得意の2021秋冬物向けの新製品を発表していました。
 今回とくに印象的だったのは、オンライン商談を採り入れていたことです。リアル展にオンラインを融合した初のハイブリッド展で、これからの展示会はこんな風に開催されていくのかなと思いました。
 Img_29381jpg  各小間にはモニターが設置されていて、通りかかってサンプルを見ていると、突然人声がしてびっくり! 
 展示内容をモニター画面越しに説明してくれるのです。

 素材で目立つのは、サステナブルを意識した素材開発です。リサイクルポリエステルや植物由来原料のポリエステルを使った生地が随所に見られました。
 Img_29291jpg  上の写真はサンコロナ小田です。ペットボトル由来の再生ポリエステルを100%使ったオーガンジー「リサイクルパレットオーガンザ」を見せていました。
 オーガンジーといえば、西川産業も緯糸にコットン使いのオーガンジーを開発中とか。
 また染色加工場のテックワンは、昨年、環境認証のブルーサインのシステム・パートナーを取得したことを機に、“脱溶剤”推進を加速しているといいます。
 
 次代を創るのは環境に負荷のない素材です。その可能性を目指す石川県のモノづくりにエールを送ります。

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2020年12月29日 (火)

JAFICビジネスマッチング 企業とクリエーター商談会開催

 日本アパレル・ファッション産業協会(JAFIC)が11日、ウィズ・ハラジュク・ホールにて「JAFICプラットフォーム ビジネスマッチング」展示商談会を開催しました。 
 これはJAFIC会員企業がクリエーター(企業)と交流を通じ、新たなファッション・ビジネスモデルを創出することを目的としたプラットフォームで、今回で5回目。直接交流できるリアルな対面形式で行われ、レディスやメンズ、雑貨・アートを手掛けるクリエーター約20社に、繊維素材、縫製工場、伝統工芸12社が出展して、なかなか盛況でした。

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 そのいくつかをご紹介します。

<素材>
松尾産業
  今やレディスアパレルのマツオインターナショナルとして世界に名を馳せている松尾産業が出展していて、ちょっとびっくり!
 Img_28861 元々テキスタイル事業からスタートした同社です。
 展示では同グループの新潟・見附の機業場「匠の夢」が開発した綿デニムやジャカード織の個性的なウェアや小物が人目を惹いていました。
 右のデニムのコートは、今年、業務継承を受けた「アトリエ ノティファイAtelier Notify」とのコラボによるもの。刺繍やパッチ、レーザープリント、ペイント、スタッズ、スワロフスキーなどを用いた多彩なカスタマイズを実現しています。
 そのクラフトマンシップが光ります。

島田製織
 播州織の産元商社です。綿の細番手のバリエーションが豊富で、一味違った上品な風合いのものも多く、私もいつも注目しています。
 ここではエコを意識したリサイクルコットンやアップサイクルコットン、抗ウイルス素材や抗菌防臭、ヤク/カシミヤ混、よろけ織など、こだわりの素材を展示。
 Img_2904 右は、数少ない職人の技術で織り上げたよろけ織のヘリンボーンです。綿トップ糸使いで温かいタッチに仕上がっています。

<クリエーター>
SOMA DESIGN (ソマデザイン)
  「SOMARTA(ソマルタ)」を担当するデザイナーの廣川玉枝氏と福井 武氏によるクリエイティブスタジオです。
 Img_29211 ファッションブランドのブランディングからテキスタイルのデザイン、展示会やショップの空間構成、販促物や広告まで幅広いプロデュースを手掛けているといいます。
 今回発表したのが「サヌア(SANUA)」というブランドです。
 香川県さぬき市の川北縫製が展開していて、この12月に廣川玉枝氏がデザイナーに就任して立ち上がったばかり。
 ボタニカル・ダイによるブルーのグラデーションが美しいコレクションを提案していました。

HISUI HIROKO ITO(ヒスイヒロコイトウ)
 伊藤 弘子デザイナーによるブランドです。コム・デ・ギャルソンで培った経験を基に、産地の特徴を生かした オリジナルのテキスタイルのデザインや 刺繍や 特殊プリントを使った素材作りが得意といいます。 
 Img_29101  手前の白いコートは、ウズベキスタンのフェルガナ産のコットン製です。上品な光沢のエレガントな生地にふさわしい、抑えたデザインで今の感覚にぴったり。コレクョンテーマ「ムービング(MOVING)」を象徴する、絵具を撒き散らしたようなペインティングプリントのドレスも印象的です。
 最近、京浜急行梅屋敷の駅の高架下のKOCA というインキュベーションの施設に移転し、ファッションの力で大森・蒲田地区の活性化をはかろうとしているとか。

Motohiro Tanji(モトヒロタンジ)
 丹治 基浩デザイナーが手がけるニットブランドです。太糸の手編み風ニットウェアには、他にはない有機的な魅力があります。
 Img_29131  今シーズンは女性のボディを意識したという、ちょっとセクシーなクリエーションを披露していました。

CHONO(チョノ)
 ブランドを手掛ける中園 わたるデザイナーが今シーズン、テーマに挙げたのが「Good old days(若き日の記憶)」。古き良き日々を想い、職人の手を借りて生地からデザインしたといいます。
 Img_29151  マルチカラーのツィードや、星を散りばめたようなプリントなど、どこか懐かしいレトロ感漂うコレクションです。

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2020年12月28日 (月)

U.S.コットン・トラスト・プロトコル 米国紡績などが加盟

 このブログで何度も記事を掲載しているU.S.コットン・トラスト・プロトコル。米国の綿花生産における環境フットプリントを継続的に改善・削減していくための業界全体のシステムです。
 このトラスト・プロトコルに米国の紡績やテキスタイルメーカー10社が加盟したとのニュースが届きました。
 メンバーとして迎えられたのはBuhler Quality Yarns、Cap Yarns、CCW、Contempora Fabrics、Cotswold Industries Inc.、Frontier Yarns、Hamrick Mills、Inman Mills、Parkdale Inc.、Swisstex Directです。完全に透明なサプライチェーンを実現するためにトラスト・プロトコルに加盟したといいます。
 これによりこれらの紡績会社やメーカーは、よりサステナブルな方法で栽培されたコットンを調達しようとするアパレルブランドや小売企業に対し、承認されたサプライチェーン企業であるということを証明することができるようになりました。
  
 ギャップGap Inc.もこの12月、トラスト・プロトコルに加盟して2025年までにサステナブルなコットンの調達を100%にするというコミットメントを達成しようとしています。

 ビデオもあり、日本語字幕入りです。ご覧ください。

 
 詳細はCOTTON USAのHPへ。

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2020年12月27日 (日)

コットン ワークス 変化する世界に適応する生活者と衣服

  米国コットンインコーポレイテッド社香港が15日、オンラインで開いたコットン ワークスCottonWorksの「今秋マーケットリサーチセミナー」に参加しました。3_20201227161001
 講師はコットンインコーポレイテッド社マーケットインサイトのマネージャー、キャサリン・ブルース氏で、テーマは「変化する世界に適応する生活者と衣服」です。米国と中国のマーケット調査結果を基に、生活者は変化する社会の中で衣服に何を求めているのか、これからのアパレルに影響を与える3つの主要なトレンドを語りました。 

 一つ目は「コロナが個人消費に及ぼす影響」です。パンデミックの最初の数か月は衣料品の支出が大打撃を受けましたが、秋になると回復し、パンデミック前の日常に戻りました。しかしその割合は米国で36%なのに対し、中国は84%でした。この差は衣料品支出に現れていて、中国は8月に前年比7%に上昇、9月は5%増、米国では9月になって一部店舗が再開したことを受けて4%アップとなったそう。
 家で過ごす時間が長くなった生活者は、カジュアルな快適さを選択していて、Tシャツやスエットシャツやスエットパンツが伸び、カジュアルシャツやドレスパンツやドレスが落ち込んだといいます。リモートワークもありレギンスやヨガパンツなどさらにカジュアルな服が選ばれ、デニムジーンズが仕事場でこれまで以上に受け入れられるようになったとも。
 ボトムはデニムジーンズ、アスレティックパンツ/ショーツパンツ、スエットパンツ/ジョギングパンツの順に人気。中国では約3分の1がドレスパンツやドレススカートを頻繁に着用すると答えているそうです。
 またこの3ヶ月以内に衣類を購入する予定と答えた人は米国で67%、中国で83%、品目としてアスレジャーやアクティブウェア、ラウンジウェアが挙げられています。
 素材は80%がコットン製を好むと回答、「コットンは快適」と選ばれる繊維になっているといいます。
 
 二つ目は拡大する「デニム市場」についてです。
 生活者のエコノミックデータからデニムジーンズはワードローブの定番になっているといいます。2019年から2024年までの統計によると世界的なデニムの支出額は2024年に米国は170億ドルで4%増、ヨーロッパは168億ドルで8%近い増加、中国は134億ドルで13.5%増と力強い成長が見込まれています。対して日本は2024年に5.4億ドルで5.6%減です。(講演後の質疑応答で、日本は少子高齢化の影響で、衣料費支出全体でも3.1%減とみられているそう。-5.6%は妥当な数字といいます)
 米国小売業ではデニムはフロア面積で32%と最大のシェアを占めていて、提供されるボトムの3分の1がデニムジーンズ。次いでカジュアルパンツ、ショートパンツ、レギンス、スカートと続くそう。
 またデニムジーンズは米中とも生活者の3分の2以上が、もっとも多くの場面で頻繁に着用し、クローゼットの中で何年間も保管している特別なアイテムになっているといいます。ほぼ半数の人がデニムジーンズを毎日か隔日で履いていて、4人に3人以上の人がデニムは流行遅れにならないと考えているというデータもあるそうです。
 さらにデニム購入のドライバー(推進要因)は、フィット感と快適さ、品質と耐久性、スタイルパフォーマンスと持続可能性にあると指摘。オンラインショッピングではフィットしたジーンズを見つけ難いですが、しかしアプリを使用してボディをスキャンし、カスタムフィットを作成するカスタムジーンズが人気を集めているとか。測定ツールを提供するブランドからジーンズを購入する生活者は66%に上っているといいます。
 快適さでは、もっとも快適なボトムは何かと訊いたところ、男女ともほぼ半数がデニムジーンズをトップに挙げたそう。女性はジーンズに次いでスエットパンツとジョギングパンツ、レギンス。男性はアクティブパンツとショートバンツだったとか。男性の場合、デニムジーンズは職場でもデートでも見栄えがよいアイテムと思われていて、汎用性が高いことも人気の要因といいます。
 好まれる素材は圧倒的にコットンで、生活者の4分の3が綿100%か、あるいは綿リッチ(綿の割合が多い)のストレッチが快適と回答しているそう。今後はますます速乾などの機能加工で付加価値をつけた革新的コットンデニムが広がりそうです。

 三つ目は「衣類を長持ちさせることの重要性」です。米中の生活者調査で、約3分の2が地球環境をより良くしたいと答え、9割が長く着ることが服の重要な属性と考えているといいます。
 実際、服の長持ち度はここ10年で増加し、2010年にTシャツは2.8年、ジーンズは4年だったのが、最新の調査ではTシャツは4.5年、ジーンズは5.1年に伸びたそうです。
 米国では一人平均86着の衣服がクローゼットにあり、その4分の1がTシャツとデニムジーンズ。長持ちするので何年も保管されていることから、ワードローブの中でもっとも古い衣類になっているといいます。実際、綿の割合が多いほど、保管期間が長い傾向があるようです。
 最後に綿リッチな衣類は長持ちするだけでなく、頻繁に着用されることから、耐摩耗性や生地強度を高めたコットンインコーポレイテッド社開発の「タフコットン」を紹介、セミナーを締めました。
 
 生活者はコロナ禍でよりカジュアルなウェアを求め、デニムジーンズを愛用し、長持ちさせることを期待していることが、データで示され、大変参考になりました。今回は米国と中国でしたが、来年は日本市場についても調査するとのことです。また楽しみにしています。

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2020年12月26日 (土)

東洋紡STC“MAMORU(マモル)”綿の持続可能性を訴求

 東洋紡STCの22年春夏向け総合展がこの8日~11日、東京・浅草橋で開催され、行ってきました。テーマは“MAMORU(マモル)~センイのチカラで人と地球をマモル”です。環境配慮への機運が高まっていることから、綿をサステナブルな素材として打ち出し、その持続可能性を訴求していました。Img_29971Img_29441
 「地球をまもる」では、 “コットンはエコ素材”のパネルを展示し、綿畑が空気清浄機の役割を果たしていることや、生産に要するエネルギー量は他の繊維の3分の1~10分の1と省エネ省資源素材であること、土に還るリサイクル素材であることなどを掲げていたのが印象的でした。
 Img_29941  ここでは新開発の改質抗菌防臭原綿「エービーコット(ABCott)」(アンチ・バクテリアコットン)を始め、機能コットン群の「デオドラントC」(消臭コットン)、「うるおいコット」(綿100%うるおい繊維)、「ホットナチュレネオ」(吸湿発熱コットン)が紹介され、来場者たちが興味深そうに見入っていました。
Img_29641  日清紡テキスタイルと取り組んだ未晒しのコットン不織布の出品(上の写真)もあり、「真っ白じゃなくていい」と訴えていたのも心に残りました。未漂白で綿の自然な色味を残すのも趣があります。この方が寂びた味わいを好む日本人に合っているように思えます。

 「人をまもる」では、 抗ウイルス素材「ヴァイアブロック」をアピール。繊維状と微粒子状の2タイプがあり、ウイルス感染価減少率99.999%以上だそう。Img_29931  
 コロナ禍に時宜を得た展示会でした。

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2020年12月25日 (金)

2021秋冬PTJ/JFW-JC ⑹ 刺繍やレースもサステナブル

 2021秋冬PTJ/JFW-JCで、装飾的な女性美を追求する刺繍やレースメーカー各社が、サステナブルへの想いを形に表現していたのが印象的でした。

落合レース
 1941年日本橋に創業以来、現在まで繋いできた日本のレース技術を、次世代へ橋渡ししようと職人たちと日々商品開発に励んでいるといいます。 Img_23851
Img_23901_20201225194501  同社のサステナブルは、「手と間(てとま)」をテーマに、「手」と「時間」をかけて丁寧にずっと大切にしたい「愛おしい」を作り続けることだそう。
 2008年よりプルミエールヴィジョン・アクセサリーに出展し、大手メゾンからのオーダーも年を追うごとに増えているといいます。

タナベ刺繍
 香川県東香川市で刺繍加工を手掛けるメーカーです。
Img_23601   今回はつい先頃、立ち上げたばかりの「Re shin.」を出展。「Re shin.」とは、「Re:針 Re:心 Re:新」のことで、“故を温めて、新しきを針る”をコンセプトにファッションを持続可能にしていくためのオーダーメイド刺繍ブランドだそう。
 クローゼットで眠っている、捨てられない思い入れのあるものや、まだ着られるはずなのに愛着がなくなってしまった服などを「刺繍」によってアップサイクルし、新しい価値あるアイテムに生まれ変わらせるといいます。
 アパレル産業を取り巻く様々な環境問題の改善に役立つ取り組みで、ハッとさせられました。

シャルマン工芸
 刺繍及びレースのオリジナル柄を企画、製造している大阪・本拠のメーカーです。
Img_23561jpg  ブースでは国内の紡績工場で出た落ち綿100%を再紡績したリサイクルコットン糸のレースをアピール。新作の円形の幾何柄エンブロイダリーレースが目新しく映りました。
 
リリーレース・インターナショナル
 自然素材やリサイクルポリエステル使いのサステナブルなラッセルレースを提案。
Img_25581  この9月に中止になったプルミエールヴィジョン・パリに出展予定だったという、プリーツ加工やフロッキー加工などファンシーなものも。

クリスタル・クロス
 Img_24691 レディスファッションのオリジナル生地の企画開発会社です。
 幅広い商品揃えの中から、今シーズンは温かくてふんわりとしたキルティング刺繍が人気といいます。

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2020年12月24日 (木)

2021秋冬PTJ/JFW-JC ⑸ プリント生地で気分を変える

 2021秋冬PTJ/JFW-JCで、目立ったのがプリント生地です。ハンドからオート、デジタルまで、様々な方法が登場し、クイックな対応も可能といいます。
 全体にシンプルがよいとはいえ、平板なだけでは物足りせん。たまには華やかな柄で気分を変えてみたくなります。無地だけしかないと思っていた意外な素材にもプリントを見つけました。徐々に広がりを見せているプリントに注目です。
 
グローブ
 大阪に本社を置く、ハンドプリントにこだわるテキスタイルコンバーターです。展示されていたブリント生地は100%手捺染だそうです。深みのある色彩表現は、職人ならではと思いました。
Img_23981  上の写真、手前のドレスは綿100%ローンにパッチワークプリントを施したもの。要望に応じて、オリジナルプリント生地をクイックに企画提案するといいます。
 
スタイルテックス
 高密度の綿織物を自社関連工場にて一貫生産しているメーカーです。
Img_24761   つくっているのは超長綿の80番手双糸使いの最高級コート地。
 Img_24771 耐光堅牢度に優れたスレン染料(糸染)に加え、新しく抗菌加工の商品を開発したとか。
 
 花柄のプリントが思いがけない魅力を生み出していました。

宇仁繊維
 ポリエステルを中心に綿やシルクといった天然素材からレース、ニット等、様々な生地を企画・生産・販売している同社。協力工場との連携もあって、小ロット・短期間の商品提供を実現させています。
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 今シーズンの人気は、白黒の微妙に形の違う千鳥のような斑点の散らし模様だそうです。

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2020年12月23日 (水)

2021秋冬PTJ/JFW-JC ⑷デニムさらなる差別化へ向けて

 デニムはコロナ禍、厳しい状況に陥っています。とはいえ世界でも最高品質と呼ばれるジャパンデニムです。国産デニムが人々を魅了しているのは、洗練された緻密で完璧なクオリティや、しなやかで軽量の着心地よいデニムづくりで世界をリードしているからです。昨今叫ばれているサステナビリティも、他の国に先駆けてより持続可能な生産方法に取組み、より環境にやさしいものづくりを追求し続けているのが日本のデニムメーカーです。このことをもっと誇ってよいと思います。
 2021秋冬PTJ/JFW-JCでは、さらなる差別化へ向けて開発にしのぎを削る各社の姿が見られました。
 
カイハラ
 ユニクロを始め、海外の名だたるブランドから指名を受ける、広島・福山のトップクラスのデニム生地メーカーです。その徹底した品質管理による高品質な生地は、年間800~1000種類に及ぶといいます。
Img_24851 
 ブースでは環境配慮型の新しい染色方法を訴求していました。「E-BLUE」は、精錬剤(洗剤)使用ゼロでも従来通りの美しい藍色染色が可能で水使用量20%ダウン、薬剤使用料ゼロ、排水処理電気使用量17%削減するとのこと。排水で流れ出るインディゴ染料を3分の1にダウンさせる「D- SPEC」もアピール。
 また伸縮性があって動きやすく、肌触りが滑らかな快適性、抗菌・消臭機能も併せ持つ「MOTION FIT DEO」など、様々な高機能デニムの提案も見られました。
 ここに来れば日本のデニムがいかに優れているのか、がわかります。
 
ダックテキスタイル
 広島県福山市を本拠地に、備中・備後地域の機屋と直結したものづくりと、東京・原宿にあるショールームを拠点にしたきめ細やかなフォロー体制で、顧客のニーズに応えるデニムの専門商社です。
Img_25281jpg  今シーズンはサステナブルに特化したデニムが中心。それに加えて目玉となっていたのが、上記カイハラと共同開発したフェイドレス デニム(上の写真)です。これならもう色落ちが気にならないといいます。摩擦堅牢度も4級をクリアし、次世代デニムの最右翼となりそう。この他、マスク向けの肌にやさしいデニムも人気とか。

 Img_25301 お得意のジャカードの新作も目を惹きます。右はバンダナ柄二重織ジャカードです。
 
 デザイン力が高い同社のデニム、いつも感心して見ています。

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2020年12月22日 (火)

2021秋冬PTJ/JFW-JC ⑶ 環境配慮広がる

 2021秋冬向けプレミアムテキスタイルジャパンとジャパンクリエーション(PTJ/JFW-JC)展で、注目は環境に配慮した素材です。サステナブル・プロジェクトも本格的にスタートしました。各社原料から製造方法まで開発が進み、自然素材も単にナチュラルというだけではない、質感や色柄などを楽しめるものが多くなり、バリエーションが広がっています。

カネマサ莫大小
  和歌山に丸編ニット工場を有するニットテキスタイル&アパレル製品の企画、製造、販売会社です。
 Img_25631_20201224104401 オリジナルの「スビンリサイクルオーガニック」の糸を備蓄し、超長綿のインド産オーガニックコットンを、スビン綿の落ち綿と組み合わせ、多彩な編み組織で提案していました。
 とくに「マルデオリmarudeorie」が素晴らしい。名前のようにまるで織物のようなニット生地で、同社独自の36Gから46Gのスーパーファインゲージジャカード機によって生み出されるといいます。
 このこだわりのニットで仕立てたコートやジャケットも展示していました。もうニットはフォーマル分野を侵食する存在になっています。技術の進化に驚き!です。

倉敷染
 「倉敷染」とは、岡山県織物染色工業協同組合の6社で構成され、各企業が一体となって、安全且つエコロジーで高品質な繊維製品を提供するために誕生したブランドです。コンセプトは「体にやさしい、未来にやさしい」、「SAFE&ECO」。
Img_25521   組合としてZDHCの有害化学物質リストに準じた厳しい安全基準を設定し、加工場での各種工程を経ても、有害物質が残留、発生しない生地を「倉敷染」と認定、安全でやさしいものづくりとともに環境負荷低減も目指すといいます。
 世界基準の安全にコミットしていこうという産地組合の動きで、期待しています。
 
山陽染工
 同社の児島ファクトリーは「倉敷染」の構成メンバーでもあります。
  今季の人気は、というと、それは「ビギ― BIGGIE加工」だそう。
  Img_24331  ビンテージ調の表面感と環境に配慮した製造工程、つまり染色の前工程を生成りに留めて薬品使用量を低減、処理も低温で行い、CO2削減にも寄与する、などが評価されているとのこと。
 どこか手染めのような表情感も味があっていいですね。
 
川越政
  1957年に大阪で創業し、テキスタイルと製品事業を手掛ける会社です。
 Img_2519jpg 今シーズンは再生繊維のキュプラを使用したチェックなど、サステナブルを訴求していました。
 右は、“アーミッシュ”ジャカードで、コットン100%、アメリカのパッチワークキルトのような柄がモダンです。

豊島
 今回は「フードテキスタイル」に絞って出展。これは廃棄される野菜や食材を染料として再活用するプロジェクトです。コーヒーの抽出カスなどで染めた合成皮革も展示して話題を集めていました。
Img_25221  優しい洗練された色合いが好ましく思えます。
 
名古屋紡績
 自社ブランド「ヤエ YA/E」の認知度向上を目指して初出展したといいます。
Img_25441  ルーツは紡績業で、50年以上にわたり世界中の綿花に触れ、糸作りを続けてきた実績があるといいます。生地をモダン、ヴィンテージ、サステナブル、パースペクティブの4つのカテゴリーに分類、とくにサステナブルでは、環境に対する負荷を最小限に抑えるよう原料を選りすぐり、生産背景を明確化するなど、力が入っていました。

小松和テキスタイル
 江戸時代に行われていた釜入れ技法の染色方法の「東炊き染」を始め、「琴平炊き」など、新しい機械には出せない昔ながらの染色機を使って、温度や湿度を調整しながら少しずつ丁寧に染色した自然素材のリネンやコットン。とくに今季はメリノウールのものも打ち出し、人気を集めていました。Img_24151
森菊
 今回は「NATURE & SONS」を前面に展開。これは2018年に立ち上げたサスティナブルマテリアルに特化した生地ブランドで、オーガニックコットンや再生繊維を中心に、混紡、交織、特殊加工など、エコ素材を取り揃えてアピールしていました。Img_24511  
大江
 丹後織物工業組合の中でシルクに斬新な加工を施し、他にはない新しい素材を開発している会社です。
  丹後の間伐材を使って、地元の加工場を活用して糸やシルク織物を染める「原木染」を手掛けていて、昨シーズンもこのブログ2020.1.16付けに記事を掲載しています。今回、改めてその格調高い上質感に感動しました。Img_25691

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2020年12月21日 (月)

2021秋冬PTJ/JFW-JC ⑵ 健康を守る衣料への取り組み

 先般開催された2021秋冬向けプレミアムテキスタイルジャパンとジャパンクリエーション(PTJ/JFW-JC)展で、主催者は感染防止対策から通路を広げ、出展件数・小間数とも通常よりも約2割減少させたといいます。出展したのは、PTJが66件/92.75小間、JFW-JCは47件・242社/168.9小間でした。
 新型コロナウイルス感染拡大もあって、健康を守るファッション衣料に向けての取り組みが目立った今シーズン。各小間ではサステナビリティとともに抗ウイルスや安心・安全、肌へのやさしい感触を打ち出した生地が多数見られました。

柴屋
 天然繊維素材の布帛をメインに800品番ほど在庫リスクしている繊維商社、テキスタイルコンバーターです。今回はクラボウが開発した抗菌・抗ウイルス加工、クレンゼ加工素材を訴求。クレンゼ加工を行った繊維素材は新型コロナウイルスに対する効果が確認されているといいます。 Img_24381_20201224094301
 幅広いラインナップの中で一押しは、加工工程(乾燥工程でのエネルギー使用の削減)でサステナビリティを謳った「天日干しシリーズ」だそう。自然乾燥特有の風合いが気持いいシリーズで、1Mからのカット出荷も対応可能というのもうれしいです。

松原
 ストレッチを中心とした様々な機能素材を展開し続けている大阪本拠のメーカーです。同社も抗菌・抗ウイルス性機能繊維加工「クレンゼ」をアピールしていました。ハイテンションニット中心に、ジャケットやボトムスから、薄手のシャツ・ブラウス向け、さらにはマスクも展開しています。Img_23481

鈴木晒整理
 遠州産地、静岡県浜松市にある染色整理加工場です。
 今回は銀イオンによる抗ウイルス性スプレー、「ピュアクレール」を出品して、大きな人だかりができる人気ぶりでした。これは衣料品やインテリア製品などに噴射するもので、花粉やハウスダストにも効果があるといいます。
Img_25021  天然由来の機能加工として「ボタニウィル」も開発。グレープフルーツの種子を使った抗ウイルス性加工です。

シーアイランドクラブ
 「シーアイランドコットン」を中心とする超長綿に特化した繊維商社です。
Photo_20201223134001  真っ先に目に飛び込んできたのは、アメリカン・シーアイランドコットンと近藤紡績所の新素材「わたのままwatanomama」とのコラボ素材でした。
 「わたのままwatanomama」は名前の通り、わたの綿毛を糸にせず、わたのまま編んで生地にしたものだそう。綿の実からはじけたあの白いふわふわな感じをそのまま身にまとう感覚を目指してつくったといいます。確かに限りなく柔らかく、軽く、どこまでも肌にやさしい感触でした。

東海染工
 名古屋に本拠地を置く染色加工会社で、テキスタイルを加工場目線で発信しています。
 今シーズンも「コンビネーション」をテーマに様々な新しい商品を提案していました。
 Img_23791jpg 中でも人気は、肌に優しい弱酸性加工「ナウルNEW」加工。超微粒子医薬品原料セラミックスを用いた極めて安全性の高い加工で、PHコントロール効果やデオドラント効果、制菌効果、紫外線遮蔽効果があるといいます。

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2020年12月20日 (日)

2021秋冬PTJ/JFW-JC ⑴ 来場者多く盛況のリアル展開催

  2021秋冬向けプレミアムテキスタイルジャパンとジャパンクリエーション(PTJ/JFW-JC)展が、去る11月18日~19日、東京・有楽町の東京国際フォーラム・展示ホールで開かれました。(このブログの予告記事2020.11.14付け参照)
 主催者の日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW)では、来場者は12,626人(昨年16,811人)で、予想以上に多くの方が来場したと発表しています。この新型コロナウイルス禍で直接生地に触れることをしにくいバイヤーにとって、リアル展の開催は大変貴重な機会となった模様です。「新しい商材を見ながら商談できた。これで企画が進められる」の声が随所で聞かれた商談会となりました。
 
 今シーズンの目新しい動きはサステナブル・プロジェクトの始動です。
 出展社ブースで目に付いたのはサステナビリティやエコという言葉でしたし、トレンド・インデックスコーナーの素材は約3割がサステナブル・テキスタイルだったといいます。
 シーズントレンドでは4つのテーマ「慣わしの美」、「極みの美」、「破天荒の美」、「精霊の美」の内、「慣わしの美」の素材すべてがサステナブル素材でした。これからはリサイクルや自然原料が標準装備となってきそうです。
 サステナブル・プロジェクトは来年も継続する見通しといいます。各社のさらなる取り組みが期待されます。
 
 下記、提案されたトレンドをご紹介します。
「慣わしの美」- Conventional Beauty -
~あらゆる社会の中で受け継がれる風習や慣習を懐かしく心温める慣わしの美~14_20201222120201 Img_25851
「精霊の美」- Supernatural Beauty -
~静寂と光の中で凛とした静と動の美しさ、自然界すべてに宿る精霊達の神秘な美~11pgImg_25741  
「極みの美」- Ultimate Beauty -
~研ぎ澄まされた先に行き着く至高の侘(ワビ)・寂(サビ)を、究極の精神で作り上げる美の追求~12_20201222120201 Img_25961
「破天荒の美」- Borderless Beauty -
~型破りな創造力、際立つ力、大胆に想像を絶する力、ダイナミックに全てを自由に放つ美~13Img_25831

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2020年12月19日 (土)

ヨコハマ・パラトリ 刺繍展で繋がるミナ ペルホネンの世界

 「ヨコハマ・パラトリエンナーレ(略してパラトリ)2020」が先月中旬、オンラインと横浜市役所を会場に開催されました。
 これは「障がい者」と「多様な分野のプロフェッショナル」による現代アートの国際展です。コア期間中にはたくさんのイベント・プログラムが組まれていました。
 私はその一つ、刺繍のプロジェクト「sing a sewing」を見てきました。これは港南福祉ホームの方たちが一針一針、刺してつくった刺繍の展覧会です。生地はファッションブランドのミナ ペルホネンが提供しています。ミナ ペルホネンはこの協働プロジェクトを2013年から毎年続けているといいます。Img_26241
 ミナのファンタジーあふれるプリントたちが、刺繍でさらにふんわりと温かいぬくもりに包まれて、やさしい空気感に満ちた空間を構成していました。それはもう一つの新しいミナ ペルホネンの世界でした。Img_26181_20201221112201 Img_26291
 ミナ ペルホネンのデザイナー、皆川 明さんが出演したオンライントークも視聴しました。刺繍プロジェクトに参加されていた方たちが、「布を選ぶことが楽しい」と言っていたのが印象的です。
 皆川さんが「今度は服に刺繍してみよう」と提案されたら、皆さん生き生きとした表情になって「ぜひやりたい」と。
 次回は額装の作品だけではなく、服も見られるのかもしれません。素晴らしいですね。

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2020年12月18日 (金)

太田伸之氏講演 日本ファッション界課題とサバイバル戦略

 先般のファッションワールド東京で、日本ファッション・ウィーク推進機構理事 太田 伸之氏が基調講演しました。テーマは「日本ファッション界が抱える課題とサバイバル戦略~世界標準のブランドを生み出し続けるために~」です。D109af7e446bdafb0366f9706d15517f029aff3c
 国内アパレル市場が縮小し、小売が減少を続ける中、ブランド側は「世界で売れる」ために何をすべきなのか。
 日本ファッション界を40年以上牽引し、新著「売場は明日をささやく 大変革期を生き抜くファッションMDの実学」(繊研新聞社)を出版された太田氏が、業界変革に必要な興味深い提言をされています。
 その概要を簡単にまとめてみました。

 まず取り上げたのが、ブランドを発展させていく上で不可欠な3つの要件です。
 1つはブランド固有の世界観を持つこと。それはつまり「十八番(おはこ)」を持つことで、ブランドにとってもっとも重要と断言します。
 近年はビジネス主導で、世界的なブランドのデザイナーもコロコロと変わり、誰がやっているのかわからない状況になっています。クリエイティブなデザイナーもブランドの継承に失敗しているケースが増えているのです。カルバンクラインもその一つで、ラフ・シモンズが退任してコレクションラインが閉鎖に追い込まれました。米国トップブランドが十八番を見失った例として、ショッキングだったと振り返ります。

 2つ目はブランドのDNAを継承すること。例えばシャネルです。Img_34191                (上は永遠のシャネル)
 日本法人シャネル元社長、リシャール・コラス氏は、新作サンプルが上がると「もしここにココ・シャネルがいたら何というだろう」から議論が始まるといいます。創業者が「ノー」と言いそうなものはシャネルではないのです。ブランドの一番大事なところを守って来たのがシャネルであり、カールのシャネルも同じ空気感で創作されていたとか。これはイッセイミヤケにも通底するところで、ブランド成功の鍵はDNAを受け継ぐことにあるといいます。

 3つ目は共有のビジネス戦略があること。ブランドビジネスに関わる資本家とマネジメントチーム、クリエーションに携わるデザインチームの3者が同じベクトルで仕事することが大切と強調します。
 デザイナーのクリエーションをマネージメントが理解する、その逆も然りで、その成功例として感動したのがマイケルコースといいます。マイケルコースは15年ほど前まで売上20億円足らずだったそうですが、現在売上6,000億円に成長、ジミーチュウやベルサーチェを傘下に収める一大ブランド企業となっています。背景にはCEOとなったジョン・アイドル氏による「服9割、雑貨1割」から「服1割、雑貨9割」のビジネスモデルへの変換があったそう。マネージメント戦略にデザイナー側も共感し、この方向転換が可能になったとか。今アメリカで一番元気な企業といわれているマイケルコースの裏話が興味深かったです。

 ブランドビジネスは、固有のアイデンティティがあり十八番を持ち、それが継承され、なおかつマネージメントとクリエーション側がお互いに理解し合って、同じゴールに向かって走るという構図があって初めて代々継がれていくことを分かりやすい言葉で解説され、さすがと思いました。

 次に日本ファッション界が抱える課題とサバイバル戦略についてです。クールジャパン機構 代表取締役社長として活躍されていた頃の体験を交えて語られました。
 何よりも問題なのは、日本のブランドに「顔」がないことだそう。自動車もパソコンも、性能はよくて安価なのに、それが残念といいます。ベンツやマックにはちゃんと「顔」があって、それが魔力となって売れています。日本のより性能が劣っていて高価なのにもかかわらず、です。
 ファッションブランドもそうあるべきで、かっこいいから高いと言わなければいけないと主張します。それには「顔」をつくることが先決で、十八番を守る、時流に乗って右往左往しない、しっかりアイデンティティを守る、安売りしないことが鉄則とも。
 今や国内市場は人口減もありシュリンクしていますし、インバウンドも来ないから海外へ打って出るしかありません。ブランドに「顔」があれば、世界市場を攻めることができます。そのために「顔」のあるブランドをつくっていかなければ、と何度も明言しました。
 またずっと以前から提唱されていることですが、改めて卸売りを止めることを提案しました。今はもう消費者との距離を縮める時代で、卸売りで売って海外の小売店に任せるビジネスモデルはもうアウトなのです。ネットでもリアルでも消費者に直接に近いかたちで販売すべきと念を押します。小さくてもいいから店を持ち自分たちで小売りをやること、場所はメインストリートの1階に限りません。十八番を持ち、うちはかっこいい、かっこいいから高いと胸を張って海外を攻めること、そうしないと国内マーケットで死んでしまうとも。かなり具体的にアドバイスされていたのが印象的でした。
 最後に日本のファッションビジネスはブランドビジネスをもっと追求すべきと語って、締めくくりました。

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2020年12月17日 (木)

ファッションワールド東京 昔懐かしい「ガラ紡」に出会う

 先般のファッションワールド東京で、「ガラ紡」の製品に出会いました。
 ガラ紡は、明治初期に開発された日本独自の紡績機です。ワタを詰めた筒を回転させ上に向かってひきのばしながら糸を巻き取っていくという、手紡ぎの原理を動力化した方法で糸を紡ぎ出すもので、『臥雲辰致(がうんたっち)』という発明家が発明したといわれています。ガラガラと音を立てるので「ガラ紡」と名付けられたそう。
 愛知県の三河地方で一大産地を形成したといいますが、明治中期には衰退し、洋式紡績機にとって代わられてしまいました。
 それが日本の終戦直後に復活し、落ち綿や再利用繊維をガラ紡機にかけ、糸にしていたといいます。これぞ今、言われる「リユース」ですね。この技術は改良を重ねながら受け継がれて現在に至っているのです。
 
 この昔懐かしい「ガラ紡」の製品を出展していたのが、奈良県のレッグウェアメーカーのマルエーニットです。「コットンガラボウCotton Garabou」の名称で、マスクや手袋、タオルなどの小物を中心に、リビング&ベッドシリーズとバス&キッチンシリーズを打ち出していました。
Img_2130  
 落ち綿をゆっくり紡いで糸にするので、独特の凹凸が生まれ、手紡ぎのような風合いが楽しめます。またこの凹凸が汚れを落とす役割を果たすので、石鹸や洗剤が要らないそう。
 サステナブルが叫ばれ、環境に優しい製品が求められている今、いろいろな意味で「ガラ紡」に注目です。

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2020年12月16日 (水)

ファッションワールド東京 繊維産地の布マスクに注目

 先般開催されたファッションワールド東京で、とくに目に付いたのが布マスクです。様々な企業が訴求する中、テキスタイル製造の繊維産地が生き残りをかけてつくっている布マスクに注目しました。
 長年培われてきた技術からは産地の特色が見えてきます。ノウハウを生かした機能性に加え、ファッション性にも優れている、そのいくつかをご紹介します。

 桐生産地では桐生商工会議所のサポートにより次の4社、金井レース加工、イヅハラ産業、桐生絹織、染と織 櫟KUNUGIが出展。おしゃれなマスクの競演を見せていました。

 金井レース加工では、「レースマスク」が目を惹きます。Img_21061   レースの染色には、特許取得の「天然コラーゲン」と「法定色素」の加水分解水が使われていて、保湿力アップや乾燥から肌を守る効果があるとか。内側は綿100%パシーマ(エコテックス規格でもっとも厳しいグループ)ガーゼです。
 「べっぴん」と呼ばれるレースマスクカバーもあったらいいな、と思うアイテムです。地味なマスクもこのカバーを上から重ねれば、ステキなマスクに変身するのです!
 
 イヅハラ産業は、「ふわっふわっ美マスク」を展示。特許技術による6層構造の立体織ジャカードでウイルスや花粉等をガード、ナノ銀パワーで抗菌・防臭・健康を守るマスクとアピールしていました。Img_21011
 西脇産地では播州織工業組合が出展。播州織は西脇市を中心とした地域で生産される先染め綿織物で、抗コロナマスクを前面に展開していたのが印象的です。この加工はBOK抗ウイルス加工と呼ばれ、ウイルスを2時間で99.9%減少させる効果があり、実証済みだそう。Img_2117jpg  三層構造になっていて、一層目と二層目は抗ウイルス加工、三層目はダブルガーゼで保湿効果があって肌触りのよいシルクプロテイン加工を施したマスクです。
 
 他にも岡山デニムのマスクや今治タオルのマスクなど、布マスクには個性豊かなものがいっぱい。どの産地でつくられたものなのか、探索するのも楽しいですね。

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2020年12月15日 (火)

篠原ともえ サステナビリティ広げるクリエイションの可能性

 先般のファッションワールド東京で、デザイナー/アーティストの篠原 ともえさんとWWDジャパン編集長向 千鶴さんが対談する興味深いセミナーが開催されました。テーマは「サステナビリティが広げるクリエイションの可能性」です。向 さんが篠原さんにインタビューする形式で行われました。

 1990年代にシノラーブームを巻き起こした篠原さん。幼いころから絵を描くのが大好きで、夢はデザイナーになることだったとか。タレントとして活動しながら衣装デザイナーとしても活躍され、松任谷由実コンサートツアーや嵐ドームコンサートなど、アーティストのステージ衣裳を手がけているといいます。

 対談の本題である「サステナビリティ」について、篠原さんは次のように語っています。
 今年はデザイン活動25周年でもあり、展覧会を企画しました。注目したのが「サステナブル」というキーワードで、とくに心に響いたのが「ファッションは売って終わりではなく、人に届いてどういう風に終わりを遂げるかまで考えていく」という言葉だったとか。
 単にクリエイションするだけではなく、社会的メッセージを込めたい―。そんな思いで何を創ろうかと、自問自答するうちに、二つの答えを見つけたそう。一つは残布で、嵐やユーミンの衣裳づくりをする中で、現場に大量の余り布が出たことから、これを何とかドレスにしたいと考えたといいます。
 もう一つが着物です。着物のお針子をしていた祖母をルーツに持っていることに気付き、世代を超えて残せるものは何かを模索する中で、着物のように四角いパターンで余り布を出さない衣裳をつくることを思いついたそう。
 着物は布を四角いまま使いますから裁断が少なく、廃棄物もほとんど出ません。その合理的なカタチとつくりは、まさにサステナブルです。
 
 篠原さんは、サステナビリティというと、新しいものを採り入れるという風に考えている人が多いけれど、ヒントは自分の中に何があるか、見つめ直すことにあるといいます。もともと自分の中にあったものを引き出して、モノづくりにつなげるというのが正解ということでしょう。
 
 具体的な服づくりについても解説されました。
 紹介された服は、この7月に開催された篠原さん初めての個展「シカクSHIKAKU展―シカクい生地と絵から生まれた服たち―」(このブログ)で発表されたもので、私も拝見してこのブログ2020.7.17付けに記事を掲載しています。
Img_88651  右はその時の写真で、篠原さんはこのドレスに「つまみガンジー」と名付けていました。オーガンジーをつまみのように、小さく四角にカットしてつなぎ合わせたドレスだからでしょう。
 扇子に着想した蛇腹のような「ジャバジャバ・トレス」とか「布パンコール」など、そんな楽しい名前をつけると興味を持ってもらえるとか。
 この日、着用されていたドレスも、四角いカタチで3mの生地を使用してつくったものと見せてくれました。

 最後にこれから何を手掛けていくかと問われた篠原さん。この春主人と会社を立ち上げて、力強いサポーターができたので、チームワークで悩みや課題を乗り切って、自分にしかできないものづくりをしていきたいと話していました。
 美しい明るい笑顔が印象的でした。

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2020年12月14日 (月)

ギャップ U.S.コットン・トラスト・プロトコルに加入

  このほど一般財団法人日本綿業振興会より「Gap(ギャップ)」が、Uscotton_trustprotocol_logo_ U.S.コットン・トラスト・プロトコルに加入したというニュースが飛び込んできました。

  ギャップといえば、SPAというビジネスモデルを1986年に初めて提唱したことで知られる、米国最大のアパレル小売企業の一つです。
 この10月に加盟企業の募集を開始したばかりのU.S.トラスト・プロトコルにとって朗報ですね。
 
 ギャップは2025年までにサステナブルなコットンを100%にする取り組みを進めているといいます。このためにU.S.コットン・トラスト・プロトコルとテキスタイル・エクスチェンジの2025サステナブル・コットン・チャレンジに加盟したということのようです。
 これによりU.S.トラスト・プロトコルは、米国の綿作農場におけるサステナビリティの取り組みに関する実証データを提示して、ギャップの目標達成を支援していくといいます。
 
 U.S.トラスト・プロトコルのメンバーになることで、自社のサプライチェーンで扱う綿花がより責任をもって栽培されているという保証が得られます。
 ギャップのような世界的大手企業が加盟したことで、トラスト・プロトコルの認知度が上がり、サステナビリティを訴求する動きがさらに広がることを願っています。

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2020年12月13日 (日)

「明治神宮の鎮座」展で修復中の大礼服特別展示に感銘

 先頃まで明治神宮ミュージアムで開催されていた明治神宮鎮座百年祭記念展「明治神宮の鎮座」展に行って来ました。お目当ては、先般のシンポジウム「美の継承―明治の皇后のドレスをめぐる探究の物語」で伺った修復中の大聖寺門跡所蔵の大礼服特別展示です。

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 明治神宮ミュージアムは昨年10月に開館したばかりの真新しい建物でした。設計を手がけたのは隈研吾氏で、日本伝統の入母屋造の建物が杜の緑に溶け込み、しっとりと落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
 1階は明るく開放的で、外の緑の木立とつながるつくりになっています。いつまでもいたくなるような居心地のよい空間でした。
 常設の宝物展示と特別展が見られるのは2階です。ここに明治天皇や昭憲皇太后ゆかりの品々とともに、大礼服修復プロジェクトで修復が進められている大聖寺門跡所蔵の大礼服が展示されていました。

 この現存する最古の大礼服はどこでつくられたのでしょうか?
 Scan0202 生地は「日本製では」との声も多くあるそうですが、当時の日本のジャカード織機ではこのような複雑で大胆な文様を織り出すことは不可能だったと思われているようです。バラの花葉模様というのもヨーロッパ的ですね。(写真はパンフレットから)
 しかしながら、昨日のこのブログに書いた大礼服修復復元プロジェクトの実行委員長のモニカ・ベーテさんによると、金属刺繍の裏にあった補強用の和紙に日本語の文字が見つかり、これこそ日本製の証拠ではないかといいます。
 一方、仕立ては明らかに日本で行われたようです。明治21年の記録に御所内で大礼服を縫ったとの記載があり、縫い糸がヨーロッパであまり使われていない二本撚り糸であることや、縫い方の特徴などから日本でつくられたとみられているのですね。

 それにしても破損個所の修復という作業の何と細かくて複雑なこと!知れば知るほど深い超絶技巧に感銘させられました。

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2020年12月12日 (土)

明治神宮鎮座100年記念シンポジウム 皇后のドレスに思う

 Scan0201 大正9年(1920)鎮座から100年の節目を迎えた明治神宮で、この10~12月にかけて鎮座100年祭が行われました。
  その行事の一つが「美の継承―明治の皇后のドレスをめぐる探究の物語」と題した記念シンポジウムです。
 洋装を奨励し近代化に貢献した昭憲皇太后と皇后の大礼服に思いを巡らしてきました。
 シンポジウムの表題は、第一部「明治の皇后と日本の近代化」、第二部「昭憲皇太后大礼服の隠された物語」です。

 第一部では、一番手に国際文化研究センター副所長・教授 瀧井一博氏が登壇。「明治維新の完成―1889年の大日本帝国憲法の制定」について、明治維新とは新文明の創造であり、明治憲法とともに大礼服がその象徴的存在であることなどを講演されました。
 
 二番手として演壇に上ったのが京都服飾文化研究財団理事・名誉キュレーター 深井晃子氏です。「明治時代における日本と世界の宮廷服」をテーマに語られました。そのお話しを簡単にまとめてみます。
 明治という年代は「洋服」という言葉が生まれ、洋装が西欧化の象徴となった時代です。宮廷での儀式の際に着用された宮廷服には日本固有の「和」に加えて西欧の「洋」が採用され、明治19年に女子宮廷服が制定されました。
 洋式の宮廷服で最上級の正装が「大礼服」で、フランス語で「マントー・ドュ・クールmanteau du court」、英語で「コート・トレーンcourt train」と呼ばれ、ドレスにトレーン(引き裾)が付いているのが特徴です。「中礼服」はネックラインを深く大きくカットした「ローブ・デコルテrobe  décolleté」でイブニングドレスとして用いられ、それを少し抑えた「小礼服」を「ローブ・ミーデコルテrobe mi- décolleté」、通常礼服は首元を隠す昼用のドレス「ローブ・モンタントrobe montante」と解説。
 次いで西欧の有力女王たちのマントー・ドュ・クールを紹介。アーミンの毛皮を裏張りしたものなど、華麗です。トレーンは格式が高いほど長く重かったとか。
 日本に現存するマントー・ドュ・クールは、昭憲皇太后の大礼服で3種類あるそう。最古のものが大聖寺門跡のもので、トレーンは最も長く4m、幅も1.76mとかなり広い。ボディスはレーシング締めで、スカートは失われてしまったものの当時流行のバッスルスタイルだったといいます。生地はバラの花を織り出した紋織りに重厚な刺繍を施したもので、刺繍糸にモール糸が使われていることに着目しているそう。オーストリアのハプスブルグ家で使われていたものと共通点があるといいます。
 生地がどこでつくられ、どこで仕立てられたのか、まだまだ謎に満ちている様子です。なお他の二つの大礼服については生地も仕立ても日本製だそう。
 昭憲皇太后は自ら率先して洋装し、国産の生地や縫製など、国内繊維産業の推進促進に尽力されたといいます。皇后の近代化への強い願いを感じます。
 
 三番手は中世日本研究所所長のモニカ・ベーテ氏です。ベーテ氏はこのプロジェクトの発起人で、研究修復復元プロジェクトの実行委員長でもあります。「昭憲皇太后と大礼服」と題して、大礼服修復やプロジェクト設立の経緯などを、英米独仏プロジェクトの研究成果をもとに講演されました。

 第二部「昭憲皇太后大礼服の隠された物語」は登壇者によるディカッションです。美しい大礼服の不可解な傷み、国内外の専門家のアドバイス、西陣の職人さんたちの困難な作業など、興味深く拝聴しました。

 私たちは伝統をどのように次代へ引き継いでいくことができるのか、改めて考えさせられたシンポジウムでした。

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2020年12月11日 (金)

「大山阿夫利神社」と「大山寺」で紅葉ライトアップ

 神奈川県丹沢大山国定公園に位置する大山は紅葉の名所です。11月下旬、ライトアップが行われているというので、行って来ました。
 圧巻だったのは大山寺です。20201129175814imgp77991jpg 参道は真っ赤に染まった紅葉のトンネルになっていました。階段には石灯篭が並んで何とも神秘的!

   さらに上ると「大山阿夫利(あふり)神社下社」です。コロナで人が少なく、静かでした。
20201129183028imgp78401
20201129182646imgp78341jpg  神社の境内からは相模湾の夜景が広がります。江ノ島の灯台も光って見えました。
 


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2020年12月10日 (木)

「コットンの日2020」(2) ウォルマート元CEOが基調講演

 「コットンの日2020」イベントの大トリは、ウォルマートの元CEOマイク・デューク(Mike Duke)氏です。「危機時の指導者、サステナビリティ、コロナ後の小売業」をテーマに基調講演されました。
 1_20201212203501  ウォルマートといえば世界最大の売上を誇るスーパーマーケットチェーンです。6年前まで最高経営責任者を務められていたデューク氏が登壇されるというので、私も興味津々視聴しました。コロナ危機をどう乗り越えるか、業界にとって参考になるお話しが満載!主なトピックを簡単にまとめてみました。

 講演内容は大きく3つありました。(1)「リーダーシップ」、(2)「サステナビリティ(持続可能性)」、(3)「将来への見通し」です。
 
 (1)は危機の時代における「リーダーシップ」です。ご自身の師の一人であるウォルマートの創設者サム・ウォルトン氏を引き合いに、下記3つの要件を挙げました。
 一つは「誠実さと信頼」で、どんなに才能があろうと信頼される誠実さがなければ成功はできないと明言。ウォルマートにこの誠実の文化を植え付けたのはウォルトン氏で、例えば贈答品に関するポリシーがそれ。ウォルマートの社員は贈答品や食事をご馳走してもらうことなどを禁じられているそうで、取引先と不適切な関係につながらないように、そこはしっかりと整備したとか。またコミュニケーションを透明にする「オープン ドア ポリシー」は現在も続く企業モットーであるそう。リーダーが間違っていると思ったら声を上げることが推奨されるなど、社内の風通しを良くすることで誠実さが培われてきたといいます。
 二つ目は「人を思いやる心」です。リーダーは周りの人に心を配り、人材に投資し人を育成、チームワークに目を向けなければいけないときっぱり。人への思いやりを優先したリーダーは面白いほど結果を出すといいます。また人は「人に尽くすリーダーに尽くしたい」と思うものであり、リーダーシップは驕り高ぶるのではなく、謙虚であるべきとも。
 三つ目は「卓越性の文化と環境」をリーダーがつくり出すことで、ウォルマートでは卓越性への研鑽と呼んでいるそうです。例えばレジで働いているなら素晴らしいレジ係になるように、与えられた役割の中でベストを尽くし、卓越性を目指すことが必要で、リーダーはこの卓越性の文化と環境をつくらなければならないといいます。リーダーシップにおいて重要なのはリーダーとしての資質だけでなく、組織の中でリーダーとして作り出す文化と環境も大事であるということですね。
 
 (2)の「サステナビリティ(持続可能性)」は、ウォルマートの非常に重要な理念。1962年にウォルトン氏がアーカンサスに1号店を立ち上げて以来、従業員に対してだけでなく地域社会に対してもできる限りのことをしようと誓い、会社が大きくなるにつれその対象は世界へと広がっていったといいます。
 2005年秋にハリケーン「カトリーナ」が襲った際、ウォルマートはその復興プロセスの中で、三つの持続可能性目標を打ち出したといいます。一つは事業で発生するゴミをゼロにすること、もう一つは再生可能エネルギーの利用を100%にすること、三つ目は顧客と世界の市場に持続可能な環境に配慮した商品を提供すること。
 この三つの目標を掲げて15年が経過、今や素晴らしい進捗が見られるといいます。店舗から出た廃棄物の9割を削減、光熱費や包装コスト、輸送費も900万ドル削減したそう。包装を簡素化して効率化を高めリサイクルを推進した結果と胸を張ります。とはいえ目標を100%達成できたものはなく、持続可能性に引き続き取り組んでいくといいます。現CEOが持続可能な事業を行えるよう基準をどんどん高めていることを誇りに思っているそうです。
 
 (3)の「将来への見通し」についての考えは次のようです。コロナ危機に陥る前から始まっていたトレンドが加速、このトレンドは今後も続くとみているといいます。
 一つはEコマースです。世界各国の消費者は店舗に足を運ぶのではなくオンラインで買い物することを欲しています。顧客に物理的なサービスを提供できるのは良いことですが、しかしEコマースのトレンドは今後も拡大するでしょう。
 二つ目はモールの衰退です。ここ数年アメリカではモールに来る客が減っています。これは必ずしも全世界にあてはまることではありませんが、今年は急速にアメリカ及び多くの先進国においてモールへの客足が減少する現象が広がりました。長年モールでキャリアを積んできたデューク氏にとって、これはほんとうに辛いことだそうです。しかし顧客はモールで1日過ごすというこれまでの買い方ではない買い物方法を求めていると言わざるをえないといいます。
 三つ目は服装で、カジュアルへのシフトが起きています。リモートワークが広がる中で服装はさらにカジュアル化し、スーツやネクタイなどかっちりとした服装にはあまりお金をかけなくなくなっています。着こなしが明らかに変化してきているのです。
 また一部アパレルで小売りを通さない直接販売(DtoC)を増やしたところがあり、小売りに携わる者としてこの傾向に注視しているといいます。時としてその方がより効率的でかつお客様のニーズによりよく応えられますから。
 
 最後に顧客について、はっきりと加速したトレンドがみられるといいます。それはコロナ禍で安全性を重視する傾向で、利便性を高く、安全に買い物したいという欲求です。オンラインで注文した商品を受け取るために店舗に来たとしても買い物時間はなるべく短くしたい、非接触な環境を求めたい。しかも品質や価値、イノベーションは絶対にあきらめたくない―これがとてもとても重要といいます。

 以上のように小売業は今、大きく変化しています。しかしビジネスは明るい、そう確信していると話して講演を締め括りました。
 今後の方向を示唆する貴重なレクチャーで、さすが業界の大物、といった感じでした。

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2020年12月 9日 (水)

「コットンの日2020」⑴ 米国から初のオンライン開催

 今年の「コットンの日 COTTON DAY 2020」イベントは、コロナ感染拡大により5月10日から延期され、この10月23日に米国から日本に向けて初のオンラインで開催されました。2_20201211112801
 テーマは「変化を導く新しい世界のパートナー」です。アメリカ綿の最新情報やサステナビリティに関するセミナーが行われ、WEBサイト上にはロビーが用意されて、アメリカ綿業界による展示コーナーや各社商談コーナーが設けられ、来場者との交流会も開かれました。

 開会にあたり、リッキー・クラーク国際綿花評議会(CCI)会長が「米国綿花産業の大切なパートナーである日本の皆様とお目にかかる機会を持てたことは大きな喜び」と挨拶。

 次にハンク・ライリー国際綿花評議会(CCI)理事長が「世界の綿花市況見通し」をテーマに講演しました。
 ・2020綿花年度の米綿生産量は作付面積の減少と天候不順により、2019年度より約290万俵減少する見込み。
 ・世界的に需要は回復傾向にあるが、生産も少なくなっており、期末在庫に大きな変化はない。
 ・米綿輸出でここ数ヶ月最大の輸入国となっているのは中国で全体の38%を占める。農産品の輸入を増やすという合意を踏まえ今後の動きを注視している。
 
 続いて全米綿花評議会(NCC)ゲーリー・アダムス代表が、「U.S.コットン・トラスト・プロトコル」の策定を解説。
 ・U.S.コットン・トラスト・プロトコルとは、責任ある綿花生産に定量化と検証が可能な目標と計測を採り入れたシステムです。(このブログ2020.7.20付け2020.11.13付けに掲載しています。興味のある方はご覧ください。)
 
 さらに国際綿花評議会(CCI)ブルース・アサリー専務理事が登壇。「COTTON USA SOLUTIONSについて」語りました。
・COTTON USA SOLUTIONSとは、CCIがこの10月からスタートさせた紡績メーカー向けのコンサルティングサービスです。
・CCIの紡績専門家チームが開発した次の5つのプログラム?①紡績調査、②紡績交流プログラム、③技術セミナー、④紡績マスターコース、⑤紡績コンサルティング―から、専門技術や知識を提供する。
・コットンUSAライセンシーには対面でもオンラインでも無料で提供可能。

 なお、詳細は一般財団法人日本綿業振興会発行の機関紙「COTTON PROMOTION コットンプロモーション」(2020年秋号)を参照ください。

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2020年12月 8日 (火)

深井晃子氏 海を渡るきもの-想像力と創造性を刺激する力

 このほど京都服飾文化研究財団名誉キュレーター深井晃子氏によるオンラインレクチャー「Kimono Crossing the Sea─Its Power to Inspire Imagination and Creativity (海を渡るきもの-想像力と創造性を刺激する力)」が、ロンドン日本文化センター主催により行われました。1_20201210194401
 これはこの10月末まで開催されていたロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館の「Kimono: Kyoto to Catwalk (京都からキャットウォークへ)」の記念イベントです。レクチャーに先立ち、きもの学芸員のアンナ・ジャクソン氏が展覧会を簡単に紹介。深井氏が「きものの美を鑑賞するだけではなく文化的背景や広がりを見て、ファッションとしてのきものにも目が向けられている」と感謝の意を表して、講演がスタートしました。
 その内容を簡単にまとめてみましょう。
 
 きものの形は江戸時代からほとんど変わっていません。変化したのは柄だけです。きものは今では特別な場でのみ着るものとなってしまいました。とはいえ若い世代の間では魅力的なものに映っているようです。世界的なファッションデザイナーたちも様々な角度からきものに着目しています。
 このきものがかつて欧州で旋風を巻き起こした時代がありました。それは日本が開国し、ジャポニスムの日本熱が吹き荒れた19世紀後半です。深井氏は当時の進歩的な画家やデザイナーたちがきものを日本表象のわかりやすいツールとして使い、何を引き出し何を創造していったのか、「きものの創造力」をテーマに豊富なビジュアルを用いて分かりやすく解説されました。

 まず事例として挙げたのが、ティソの「湯上りの日本娘」の絵とバートンが描いた「ショージ・スミス夫人」の上品なきもの姿です。二つの絵の共通点はきものの「ゆるやかさ」にあると指摘します。帯を締めなければきものはゆるやかな衣服です。ルーズさはきものが持つ本質的な特徴でもあるのです。絵に見るように、きものはリラックスするのに適したラウンジウェア(部屋着)として人気を集めたようです。スミス夫人のきものにはボタンが付いている、いわば東西のハイブリッドきものだったそうで、興味深い発見です。
 鎖国を解いた日本は万博に出展し、1867年のパリ万博で日本ブームに火が付きます。芸術家や文化人たちは、ジャポニスムをオリエンタリズムの流れに続く新しいバージョンと捉え、中でも日本の明快なアイコンとなったのが、きものだったといいます。絵画やイラストにはきものを着た女性が頻繁に登場するようになりました。ところがその意味について追及されることはほとんどなかったそうです。というのもこうした作品は玉石混交で、ときに異国趣味の質の悪いジャポニスムとみなされたこともあったようなのです。
 当初、ジャポニスムは表層的な日本趣味の引用だったといいます。しかし画家たちは次第に異国趣味を超えて日本の特質に気付くようになります。突破口を切り拓こうとしていたのがモネたち印象派です。このとき彼らが出会ったのが日本美術の装飾性で、浮世絵が果たした役割は大きかったと言われています。そしてきものもその一端を担ったのではないかと推察されているのですね。
 きものの平坦な色彩空間や装飾性を使った画面構成で、新たな造形世界を先取りしたマネやホィッスラー、きものから抽出された装飾的要素が画面の中に完全に溶けこんでいるマチスやクリムトの作品も印象的です。

 次にきもの独特のゆるやかさに戻って、その独自性について語られました。ゆるやかさはきものが平面的な構成であることに起因します。平面構成なので体型に無関係で、ジェンダーニュートラル、つまり単一の形です。違いを出す鍵は、生地の表面デザインにあります。それ故にきものは洗練された色彩や柄、絵画的な装飾性を持つことになりました。それは西洋の画家たちの感性に訴え、新たな創造への道へと誘っていったのです。
 ゆるやかさやきものの平面構成はファッションデザイナーたちにも重要なヒントを与えたといいます。20世紀に入ってファッションに現代服への動きが起こりますが、このときデザイナーたちが向き合った命題はコルセットから女性の身体を開放することでした。ポール・ポワレは古代ギリシアの肩から布をかける直線構造の服とともに、きものにも注目し、女性の身体をコルセットから解放しました。彼はきものが西洋の服と根本的に構成が違う服である点を見抜いていたのですね。
 それをさらに推し進めたのがマドレーヌ・ビオネです。新しい裁断方法で知られるビオネはシャネルとともに1920年代のファッションリーダーでした。深井氏は彼女がデザインしたシンプルなチューブ型ドレスを示し、そこにもきものの影が色濃く投影されているといいます。
 
 最後に海を渡ったきものに、西洋の人々が見たのは、異国の美や洗練だけではなく、きもののゆるやかさ、それを生み出す直線構造、平面性、またそこに展開する絵画的な装飾性など、きものが持つ本質的な特質だったと断言。きものは伝統を抜け出し新しい方向を模索していた革新的画家やデザイナーたちに、大きなひらめきを与えたと強調しました。
 きものはこれからも新しい創造への誘惑性をかりたてていくことでしょう。ぜひそうあって欲しいと願ってレクチャーを締め括りました。

 なお「Kimono: Kyoto to Catwalk (京都からキャットウォークへ)」の動画(6分間)が公開されていますのでご紹介します。

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2020年12月 7日 (月)

JAFCA「来年の色は希望のホワイト 今年の色はグレー」

 毎年末、「来年の色、今年の色」を選定し発信している日本流行色協会(JAFCA)。今年も「来年の色は希望のホワイト 今年の色はグレー」の発表がありました。
 これによると来年(2021年)は“はじまりの色、希望のホワイト”です。色名はゼロホワイト Zero Whiteで、マンセル値:N9.5です。
 18051120201203223008_b5fc966f09f52a 白は白紙に戻すなど「はじまり」を示す言葉によく使われます。2021年を象徴する白は、希望を胸にゼロから考えるという意味を込めて、「Zero Whiteゼロホワイト」と名付けたといいます。
 この他、白には「清潔さ」というイメージがあり、2021年は「清潔さ」がウイルス対策の視点からも、商品をデザインする上で大事なキーワードになってくると思われます。
 「清潔さ」を表現するために欠かすことのできない白に注目です。
 
 「今年(2020年)の色」は、“コロナ禍による不安な気持ちを象徴するグレー”です。
 グレーはWEBで一般の方からのアンケートで選ばれ、全体の26.9%を占め、2位以下を大きく引き離し圧倒したといいます。ちなみに2位はベージュ、3位は緑だったそう。
 いずれも生活者の“気分”=時代のムードを敏感に反映していると思われ、納得です。
 
 今年はコロナ禍で、社会経済や日常生活などに大きな変化があった年でした。来年に向けてこの変化を前向きにとらえ、新しいスタートの年にしたいと、私自身強く念じています。

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2020年12月 6日 (日)

ロングライフデザイン賞受賞展 サステナブルなデザイン

 去る10月30日から11月8日、東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3にて、「2020年度グッドデザイン ロングライフデザイン賞受賞展」が開催されました。Img_21311g
 ロングライフデザイン賞とは長年にわたって人々に支持され、今後もその価値を発揮し続けると考えられるデザインに贈られる賞です。
 新型コロナ禍の今年、人々の価値観は資源を使いすぎず、大切にして、より良い状態で未来へつなぐサステナブル(持続可能)な社会へと大きくシフトしました。クローズアップされたのは、新しく生まれたものではなく、スタンダードとして愛され続けるサステナブルなデザインです。
 展覧会では、「長く使える」、「ずっと続けていける」デザイン19点が展示されました。
 改めて見ると決して古臭くなくて、目新しく見えるものばかりです。
 
 中でも私が注目したデザインを3つご紹介します。
 
元祖すり口醤油差し
 我が家でも使っているもので、1976年に開発されたとは思われない、洗練された形をしています。ドリップしにくいので使いやすく、機能的です。Img_21411g

吉田カバンのポーター/タンカー
 発売されたのは35年前とか。ミリタリー調のデザインで、裏地のオレンジ色が新鮮に見えます。親戚で持っている人がいて、今も世代を超えて憧れられている存在です。Img_21431pg  
フリクション
 今やボールペンだけではなく、蛍光ペンや色鉛筆、スタンプなどにも広がっているそう。インクジェットプリンターのインクにも使えるようになるとのことです。そうなると印刷ミスをしても白紙に戻して印刷し直せるプリンターが発売されて、資源ロスの削減になりますね。Img_21391pg
 進化するロングライフデザインへのアプローチに、目が離せません。

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2020年12月 5日 (土)

「KING&QUEEN―名画で読み解く英国王室物語―展」

 上野の東京都美術館で開催中の「KING&QUEEN―名画で読み解く英国王室物語―展」を見てきました。
1_20201206112901  ここでいう名画とは肖像画です。英国で肖像画制作が始まったテューダー朝から現ウィンザー朝まで5つの王朝の歴史を追いながら、貴重な肖像画・肖像写真など、およそ90点を展覧しました。私も以前行ったことがあるロンドン・ナショナル・ポートレートギャラリー所蔵の作品が中心ですが、このように英国王室のものが一堂にまとまるとなかなか壮大です。ナビゲーターの中野京子さんが「肖像画には物語がある」と述べられているように、一人ひとりが興味深いエピソードに満ちています。

 そのいくつかを順を追ってご紹介します。

 16世紀テューダー朝のヘンリー8世は、6人の妻を不幸に陥れた絶対君主です。画家のホルバインはいかにも冷酷そうに描いている、と思いました。
 わずか9日間の女王だったレディ・ジェーン・グレイの肖像画もありました。とても16歳とは思われない凛とした威厳のある姿です。中野京子さんが「怖い絵」の代表として挙げる、ポール・ドラローシュ作の《レディ・ジェーン・グレイの処刑》を想うと、胸が締め付けられる思いがしました。
 テューダー朝の最後を飾るエリザベス1世の肖像画は、さすがに豪奢。衣裳にたくさんの真珠が縫い付けられているのは、処女性の象徴といわれる真珠を好んだ女王らしいです。
 
 次のスチュワート朝では、17世紀初期を思わせるスペイン風衣裳をまとったチャールズ1世が印象的です。英国王室で芸術をもっとも支援したといわれ、人柄も温厚そうにみえます。この国王に、処刑という未来が待っていたとは何という悲劇! このときの版画が出品されていて、歴史は残酷と思いました。
 アン女王のスラリとした肖像画も展示されています。ところがグルメ好きで晩年は太り過ぎて、通常の棺には納まらず、真四角だったとか。それほど太ったのですね。17回も妊娠したのに世継ぎを残せず、スチュワート朝最後の女王となりました。
 
 18世紀ハノーヴァー朝になると、風刺画が登場します。暴飲暴食で肥満したジョージ4世が皮肉たっぷりに描かれていて、日本の皇室と比べてオープンなお国柄が分かります。
  
 さらに時代は下って、19世紀ヴィクトリア女王が登場します。黒い喪服のイメージが強い女王で、黒いジェットのジュエリーの発信源もこの方でした。とはいえ結婚式は白いウエディングドレスで臨み、「ウエディングドレスは白」の流行を世界中に定着させたといわれています。
 現代ファッションの原点に英国王室の存在があることに改めて気づかされます。

 最終章は第一次、第二次世界大戦を切り抜けてきたウィンザー朝です。1952年に25歳で君主となったエリザベス女王の肖像画がたくさん展示されています。
Img_23361_20201206112801  本展で唯一撮影可能だったのが右の即位を記念する肖像画です。ノーマン・ハートネルがデザインしたイブニングガウンを身に着け、ダイヤモンドの王冠をかぶっています。ポンド紙幣などに印刷されていて、もうすっかりお馴染みですね。
 アンディ・ウォーホルによる肖像画もあり、ポップな媒体など、今やもう様々なところに採用されています。これが王室のビジネスにも一役かっていることを思うと、商魂たくましいなと感じます。
 ダイアナ元妃はスチュワート朝の血筋を引く家柄です。結婚式数日前に描かれたという肖像画が出ていて、何とズボンを穿いて脚組みしています。王室メンバーが大胆なパンツ姿で描かれるとは、当時としては珍しくて相当画期的なことだったと思われます。ダイアナ元妃はだからこそ、王室の伝統を変える功績を残すことができたのでしょう。
 
 心に残る名画は他にも多数。開催は1月11日までです。

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2020年12月 4日 (金)

「アップサイクル ブーム」寄稿 サステナブル社会へ向けて

 サステナブル(持続可能)な社会へ向けて、元の製品よりも次元の高いモノを生み出すアップサイクルがブームのように広がっています。そこで一般財団法人日本綿業振興会発行の機関紙「COTTON PROMOTION コットンプロモーション」(2020年秋号)のコラム「マーケティング・アイ」に、「アップサイクルブーム」と題して寄稿しました。
 本紙と併せてご覧下さい。
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2020年12月 3日 (木)

テキスタイルネットワーク ジャパン展 「1寸先はバラ色

 この10月22日~23日、テキスタイルネットワーク ジャパン(TN JAPAN)展が前回同様、東京・中目黒にて開催されました。出展したのはほぼ例年並みの約20社で、来客も多く盛況でした。
  コロナ禍でしたが、リアルな生地に触れることを求めるバイヤーの期待に応えられたようです。東京まで来ることができない産地担当者とモニター越しに商談し、熱心に意見交換する姿が目立ちました。

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 今回のテーマは「1寸先はバラ色」です。今の縮んだ気分をファッションでバラ色に変えたい、そんなポジティブな思いに満ちたコレクションを展開しているメーカーが多く見られました。

遠孫織布(西脇産地)
Img_19781  Img_19791 播州織でもジャカード織物に特化している同社は、10年以上前の古い柄をモダンにアップデートし、手応えを得たといいます。
 小ロットでの自社販売も強みです。
 
福田織物(遠州産地)
 新しい風合いや表面感に積極的にチャレンジしています。
 右下は、同社の進化系コーデュロイのブランド、“ベコ(BECCO)”の一つ。ふくらみ感がやわらかいです。コットン100%。
 左下は、新作の綿/ポリエステル混ダブルクロスです。綿とポリエステルの収縮差を利用したシワの表面感が好評といいます。
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辻村染織(遠州産地)

 Img_19631 どこか懐かしい感じのカスリ織物です。
 リズム感のあるデザインに惹かれました。


 
遠州ネット(遠州産地)
 同社得意のレノクロスに水玉ブリントを施した生地で仕立てたシャツを展示。コットン100%。Img_19591  製品にするとイメージがわきますね。

双葉レース(福井産地)
 Img_19751 ラッシェルレースのメーカーで、綿や麻など天然素材を多く扱っています。
  右のようなシンプルな幾何柄の人気が続いているといいます。

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2020年12月 2日 (水)

プラグイン10月展 バーチャルリアリティシステム初導入

 シーズン恒例のファッションとライフスタイルブランド合同展「プラグイン」が、10月21日~23日に渋谷ヒカリエで開催されました。
 延べ2,274名が来場し、多くの出会いやビジネスマッチングが実現したと報告されています。また初のバーチャルリアリティシステムが導入され、この11月からWEB上の展示場が公開されています。展示会終了後もマッチングの機会を利用できるとあって好評の様子です。

 目に付いたブースをいくつかご紹介します。

東京ファッションテクノロジーラボ(TFL)
 TFLが運営するファッションテックの専門スクール「Tokyo Fashion technology Lab(略称:TFL)」のAI研究会が、ファッションにおける感性分析を行う人工知能「Nadera」を公開。Img_20201
 「Nadera」は、感性を定量的に評価する能力を実装した人工知能のファッションデザイナーで、個人の内面や感性を捉えた「あなたを表現する服」をデザインするといいます。ファッション画像を読み込ませると、ファッション業界で広く使用される「ソフィスティケート」「エレガント」「ロマンティック」「エスニック」「カントリー」「アクティブ」「マニッシュ」の7カテゴリーに「フューチャリズム」を加えた合計8つのカテゴリーで分析し、結果をグラフで表示するとのことです。
 この11月から、アパレル関連企業等に向けてB to Bサービスを開始、ここではその試行版を紹介していました。アパレルのデザイナーらしい人たちが興味深そうに説明を受けていたのが印象的でした。

RUFLEXⓇ (ルフレクス)
 Reflective Design Conceptをもとに開発された特殊な再帰反射糸を用いたアイテムシリーズを展開しているブランドです。
Img_20061  夜間、車のライトで反射して”輝いて”見える「安心・安全」を追求したフェーズフリーコレクションで、夜間だけでなく、昼間もカジュアルにさりげなく着用できるファッション性も高く評価されていました。
 
クスーク(KSWK)
 「シンプルな生き方は、人生を豊かにする」、このテーマをもとに大人のファッションを見つめ直したというブランドです。
Img_19981  コットンのカットソーを中心に、日常に寄り添う気軽さと、そっと引き立つ品を感じさせる“カジュアルリッチ”なアイテムを提案しています。

ダブルフェース トーキョー(Doubleface Tokyo)
 「その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのか」をはっきりと追跡可能な状態にする「トレーサビリティー(TRACEABILITY)」にこだわっているブランドです。Img_20031 「トラッドを微妙に半歩ずらした上質な日常着」にコンセプトに、生地もオリジナルの上質な国産のものを使用。
 日本製で流通経路履歴には責任を持って応えられるといいます。

ケンイチ イチカワ ホワイト レーベル (KENICHI ICHIKAWA White Label)
 ミニマルアートをデザインに落とし込んだ服づくりが興味深い、クチュールブランドです。Img_20111
くくり(cucuri)

Img_19951jpg  400年の歴史を誇る有松絞。
 その拠点で誕生したブランドが山上商店の「くくり(cucuri)」です。
 絞りの中でもヒートセット技法に着眼し、現代のライフスタイルにあったデザインを展開しています。
 部分的に採り入れているところが、なかなかステキ!です。
 

 

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2020年12月 1日 (火)

2021春夏「PRO1」展 ⑵ 「タイセンス」タイのブランド

 「PRO1」合同展で目に留まったのが、タイ国からやってきたファッションブランドです。総勢7ブランドが、「タイセンス(THAISENSE)」を掲げて出展していました。
 どれもレベルが高いのに驚かされました。その内、下記二つをご紹介します。

SIMONSSISTER サイモンシスター
 芸術とは何か、美しさとは何かにアプローチし、非日常的なスタイルでドレスアップすることを愛する人のためのブランドだそう。
Img_15581  何と言っても大胆なグラフィックがすばらしい。そのクリエーションセンスにびっくり!しました。

ISSUE イシュー
Img_15611  創業20周年を迎えたブランドで、仏教の国らしい自然観を感じさせます。
 デザイナーは旅で出会った経験をヒントにデザインしているとか。バロックをモチーフとしたグラフィックデザインもブランドの特徴といいます。
 
 清々しい風を感じたステキなコレクションでした。

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