2021春夏「PRO1」展 ⑴ 「タッチ&リ スタート」テーマに
「PRO1」はONEO(ワンオー)がインキュベーターとなり、世界各国からまだ見ぬクリエイターの卵を発掘するプロジェクトです。この合同展が、楽天ファッションウィーク東京と同時期の10月14日(水)~16日、渋谷セルリアンタワー東急ホテルにて開催されました。
今シーズンのテーマは「タッチ&リ スタート(TOUCH AND RESTART)」です。このテーマには「ニューノ-マル」のライフスタイルにタッチし、再出発していこうという想いが込められているとのこと。
各ブースでは“在りもの” や廃棄の対象となったものを利用した、アップサイクルの商品が目につきました。今春夏が飛んでしまった現在のファッション界の実情を表しているように思われます。 本展示会ではスリュー(SREU)が都内最高級ホテルの一室で古着の部屋を設け、1着1,000円で販売していたのが象徴的でした。
スリュー(SREU)
「全ての人に、一つの服を。一点物の既製服を」コンセプトとした、リメイクブランドです。
今年の春から、ワールドの“次世代ファッション業界の多様なアイデア・チャレンジを支援”する『クリエーターズサポートプログラム』とのコラボがスタート。ワールドグループのユーズドセレクトショップ「ラグタグ」の在庫からセレクトし、素材として使用する取組みを進めているといいます。
このブログ2020.8.19付けでスリューの米田社長の講演を簡単にまとめていますのでご覧ください。
カイキ(kaiki)
デザイナーの飯尾開毅さんが手がけるブランドで、スタートは2016年春夏コレクションから。2018年度Tokyo新人デザイナーファッション大賞でプロ部門入賞を受賞しています。
日常着のリラックス感に緊張感のある現代感覚をミックスしたレイヤードスタイルが中心です。
2021年春夏は“見逃していた”素材やアイディアを再発見し、新たな価値を見出すシーズンだとしています。
例えば30年前の西脇・播州織の柄をストレッチ糸使いで立体的に織り出したジャカードを使ったシャツなど。
(右のモデルが着用しているシャツです。)
ノントーキョー(NON TOKYO)
“都市との共存“をキーワードに、レジャーシーン向けプロダクトを展開するアパレルブランドです。 ブランドを手掛けるのは、右写真の市毛綾乃デザイナー。
2021年春夏は、自然の中で過ごすことが増えているデザイナー自身の生活スタイルを反映したコレクションを展開しているとのこと。
「NON-COMPULSORY DIVERSION(不必要なものの愉しみ)」をテーマに、ユーズドアイテムをアップサイクルしたり、再生繊維を使用したり、環境保護への取り組みもアピール。機能性とディテールに拘ったレジャーウェアで、大人の為の"アクティブウェア”を提案しています。
インプロセス (IN-PROCESS)
スティーブン・ホール(ロンドン生まれ)と大原由梨佳デザイン・デュオによるブランドです。 2021年春夏のテーマは「アーカイブ・ドリーム」で、プリントやテキスタイル、カッティングによる遊び心のあるコレクションを発表しています。
モアプラス(MORE PLUS)
篠原聖実デザイナーが手掛けるウィメンズブランドで、コンセプトは、LESS要らないものとMORE必要なことを選択できる大人服。 2021春夏は「レス・イズ・モア」をテーマに、タイムレス、シーズンレス、エフォートレス、シーンレスなプロダクツを提案。1980年代を象徴するヴィンテージブルゾンやシャツなど、既視感のあるアイテムが新鮮に見えます。
キリコミ(KIRIKOMI)
デザイナーのJIN SUNが装苑賞を授賞後、2019年に立ち上げたブランドです。 切り込みを入れて繋いでいく無縫製技法は他のどこにもないオリジナル。ドットは仲間とコミュニケーションがとれるモールスコードを表現しているとか。幾何学構成のシャープなデザインにミニマルなクチュールの美を感じました。
ユニークさで圧倒されたコレクションです。
ヨースケ ヤマナカ(Yohsuke Yamanaka)
シャツはシャツでもどこか歪んでいたり、アンバランスだったりする、実験的なシャツを提案しているブランドです。 服づくりの発想が興味深く、今後を期待しています。
コハル(KOHAL)
デザイナーはKoharu Saito。デザイナー自身がハンドメイドで製作しているブランドだそう。 2021春夏は「From the Planet」をテーマに、宇宙をイメージしたコレクションを発表しています。
ナイスナイス モーメント(NICENICE MOMENT)
どこか懐かしい感覚のニットや、締め付け感のないインナーが自然な心地よさを感じさせてくれるブランドです。