篠原ともえ シカク展―シカクい生地と絵から生まれた服たち
今、篠原ともえさんの初個展「シカクSHIKAKU展―シカクい生地と絵から生まれた服たち―」が、20日まで渋谷ヒカリエ8階のギャラリーCUBEで開催されています。
副題に「シカクい生地と絵から生まれた服」とあるように、これはシカクから生まれた「絵を服に」した企画展です。シカクい生地とは、文字通り四角い端切れです。作品は、篠原さんがデザインしたコスチュームの余り布を集めてドレスに仕上げたものであるとのことです。
そこには昨今の創作活動に欠かせないサステナビリティの精神が息づいているようです。デザインのヒントは日本の着物で、篠原さんは着物をほどいた時、その四角の合理的な形とつくりに感動したといいます。きものは布をシカクいまま使用しますから裁断が少なく、廃棄物もほとんど出ません。
篠原さんは、そうしたモノを大切にする日本の文化を象徴する着物に着目し、四角い布を折ったり、重ねたりしながら、アーティスティックに造形したといいます。
上は、丸く立体的にふくらんだドレスで、一枚の布でつくられています。どこにもハサミが入っていなくて、すばらしいと思いました。光沢のある生地は生分解性のある素材だそうです。
小さく切った四角い布をレイヤーしたドレス作品など、手が込んでいます。ブルーやグレーのグラデーションも美しい。
篠原ともえさんは2015年の「コットンの日」のイベントに出演し、プロデューサー役を務めたことがありました。
右はそのときの写真です。
着用していた白いコットンのドレスはもちろん篠原さんの手づくりです。
光をイメージしてデザインしたといいます。
無数の綿の種がちりばめられていたのが印象的でした。
1995年にデビューして「シノラー」ブームを巻き起こした篠原さんが、こんな風にアーティスト/ファッションデザイナーの顔をもつマルチタレントに変身していたとは!
ほんとうなすてきな方ですね。ますますのご活躍を期待しています。
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