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2020年7月10日 (金)

パリ・オートクチュール⑵ 「ディオール神話」圧巻の美

 今シーズンのオートクチュールコレクションは、この6日~8日に開催され、全部で34のクチュールメゾンが、2020/21秋冬に向けたクリエーションをオンラインで発表しました。朝から夜まで1時間刻みに組まれたスケジュールの下、各ブランドは映像を通して、コレクションの考え方や思想、美的センスを披露しています。
 ここではとくに記憶に残ったブランドをピックアップしてご紹介します。
 
 初日、ハイライトとなったのがディオール(Dior)です。「ディオール神話」と題したショートムービーは圧巻の美しさでした。10分程度の短いものですが、撮影したのは、あの「ゴモラ」などで知られるマッテオ・ガッローネ(Matteo Garrone)監督です。古代ローマの遺跡を背景に撮り下ろした映像は、さすがに本格的で、すっかり引き込まれてしまいました。

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(写真はディオールのオートクチュールコレクションから)

 冒頭、ミニチュアのマネキンの服をつくっている工房の風景が出てきます。これは何なのかな、と思っていましたら、その後登場する二人組が担いでいるトランクの中に入っていたマネキン人形でした。
 トランクはディオールのパリ旗艦店を象っています。扉を開くと、そこは人形によるファッションショーの舞台です。これは第二次世界大戦後、疲弊したオートクチュールを立て直すためにつくられた「テアトル・ド・ラ・モード」を模したものだったのです。
 そこにはコロナ危機を乗り越えて、モード業界を復興させたいというディオールの強い意志のあらわれを感じます。デザイナーのマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)は今シーズン、現在を戦後の復興期になぞらえて、原点への回帰を提案しているようです。
 ムービーには、美しい人魚や森の精霊、ニンフたち、半獣神といった存在が現れ、トランクの中にあったクチュールコレクションを身にまとって、美しく変身していきます。
 そのこの世のものとは思われない美しい姿は、これぞオートクチュール! 圧倒されました。

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