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2020年6月15日 (月)

「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」展

 今、東京都現代美術館で「オラファー・エリアソン ときに川は橋となる」展が開催されています。本展は開催直前に新型コロナ禍で延期となり、この9日から再開されました。
 
 Scan0149 オラファー・エリアソンは、アイスランド系デンマーク人アーティストです。
 この作家が興味深いのはアートを介したサステナブルな世界の実現を試みていることです。
 たとえばグリーンランドのフィヨルドに浮かぶ氷の塊を採取して、ロンドンの街中に置いたり、ニューヨークに巨大な滝をつくったり---。自然現象を用いた巨大なインスタレーションによる表現活動です。

 彼の個展はNHK日曜美術館(4月23日)で放映され、私は開館したらすぐに行ってみたいと思っていました。そのレポートを簡単ですがご紹介します。
 
Img_81271  上の3枚の水彩画は、「あなたが移ろう氷河の形態学」。左から「過去」、「メタンの問題」、「未来」と名づけられています。紙の上にグリーンランドの氷河を置いて、氷が溶けていくところに絵の具を垂らして描いたものとか。自然現象を共同制作の相手とみなすエリアソンらしい作品で、かげろうのように揺らめく光を感じます。
 
Img_81331  次のコーナーは、煌めく光の万華鏡!その彩りの美しさに、もう目が点になりました。作品名は「太陽の中心への探査」です。中心から来る光が幾何学的に組み合わされたガラスを通って、壁や床に反射して写っています。光源や光の動きはソーラーパネルのパワーで生まれているとのことです。
 
Img_8131  この展示室には何もないのです。でもそこを通り過ぎようとすると、壁面に重なり合う影が映ります。これは「あなたに今起きていること、起きたこと、これから起きること」という作品で、私の影です。エリアソンは「あなたが行動するときだけ物事が見える」と言っているのですね。動けば新しい発見につながる、そんなことをアートが表現しているなんて! 教えられました。
 
Img_81371  上は「サステナビリティの研究室」です。ここにはベルリンにあるエリアソンのスタジオで開発された、野菜くずを原料にした顔料などのサステナブルな素材や、制作過程で出たガラスや木の破片などを利用した作品が多数、展示されています。
 
Img_81481  「人間を超えたレゾネーター(共振器)」という作品。美しい光の同心円を鑑賞します。暗い海を明るく遠くまで照らす灯台の光の仕組みが応用されているそうです。
 
Img_81521  本展の展覧会名となっている「ときに川は橋となる」の作品。中央に水が入った丸い水盤が置かれていて、水面で起こるゆらぎやさざなみが上空のスクリーンに投射されるインスタレーションです。絶えず流動的に変化する世界状況を反映したエリアソンの新作といいます。

 最後が「ビューティー」(動画)、本展のちらしにも使われている目玉作品です。
 滝のように流れ落ちるウォーターミスト(霧状の水)には、虹がかかっています。波打つ様子はまるでオーロラのようです。見る人の位置によって色や形が変化して見えます。裏側にも歩いて行ってみたのですが、ミストしか見えませんでした。
 それにしても部屋の中に、自然現象を人工的につくり出してしまうとは! オラファー・エリアソン、ほんとうに驚きでした。

  なお、開催は9月27日までとなっています。

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