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2020年6月29日 (月)

ポストコロナのラグジュアリーブランドビジネス

 コロナ危機で先が見えない状況の中、好調だったラグジュアリーブランドも変革を迫られています。
Img_38141  上は、この2月、ミラノのラグジュアリーブランドが軒を並べるモンテナポレオーネ通りのスナップです。

 ポストコロナに向けてラグジュアリービジネスはどのような戦略をとったらよいのでしょうか。これを示唆するボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の興味深いレポートを紹介します。

  ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)とアルタガンマが実施したコロナ前後、1月と6月の調査によると、今年はラグジュアリー関連消費が25~40%落ち込むとのことです。購入に消極的な消費者の信頼を取り戻すためには、新たな戦略を練る必要があるといいます。
 インタビューで回答した人の47%が、回復は遅いとみています。ただし例外は中国で、77%がリバウンドを確信しているそうです。ポストコロナ時代となっても中国はラグジュアリーブランドの主要な顧客(現在、世界市場の約35%)であり続け、現地での購入が続くとみられています。
 この中国を別とすると、欧米市場の正常復帰は遅れる見通し、といいます。コロナへの健康不安がとくにミレニアル世代の間で強く、またその経済力も揺らいでいることが多いという理由からです。BCG のパートナーの一人、ニコラ・ピアノン氏は「ここ2年は困難をかかえることになる」と警告。「コロナ以前のレベルに復帰するのは2022年、あるいは2023年」と予測しています。一方、一部のセクター、たとえばストリートウェアやスポーツウェア、化粧品については急速な回復を予想していることも明らかにしています。
 BCGの調査ではまた、欧米のバイヤーとアジアのバイヤー、特に中国との間で、バイイング行動が分極化していることにも言及。前者は地味で控えめで個性的な高級感を好む傾向があり、後者は引き続き高揚感のある目に見える商品を好むとか。これもちょっと注目しておきたい現象ですね。
 さらにラグジュアリー市場で高まるデジタル販売について。新型コロナウイルスは既存の傾向、中でもデジタル化を加速させたと強調。E-コマースは2019年の12%に対し、2022年には20%に達するとみているそうです。また中古の高級品市場も急成長し、従来の高級品の4倍の成長率で、2022年には市場の約8%、250億ユーロを占めると予想されるといいます。
 このような変化に企業はどう対応していくべきでしょう。ここでは次の3つの柱、①国際化、②社会的責任を伴う持続可能な開発、③顧客との直接かつ即時の対話を意味する「同時性」を挙げ、これらに焦点を当てていくことがこれまで以上に重要になる、と指摘しています。
 ビジネスの中心に人々を戻し、世界の声に耳を傾け、誠実な方法で社会にコミットすることをためらわない、そうした姿勢が今後のラグジュアリーブランドにますます求められることになりそうです。

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