村上隆×ホリエモン「コラボビジネス論」
最近視聴した動画で面白かったのが、カイカイキキ代表アーティストの村上隆さんがホリエモンこと、堀江貴文さんと対談した「コラボビジネス論」です。
ルイ・ヴィトンやユニクロなどコラボレーションで話題の村上隆さんだからこそ話せる「コラボ論」が、 「アート」や「ビジネス」など様々なテーマで繰り広げられています。
その村上隆さんのコラボでは、この5日に開業したユニクロ原宿店(このブログ2020.6.11付け参照)で見た「ビリー・アイリッシュ」像(右)にインパクトを感じます。
実際、ユニクロのTシャツブランド「UT」で、音楽とアート、それぞれの世界の最前線で活躍するアーティストがコラボする「ビリー・アイリッシュ×村上隆」は大きな人気を得ているようです。
対談で、村上さんは、「こうしたコラボはすべて偶然で、ここ5、6年は100%インスタグラムでつながったことから始まった」そう。そして「日本のアート界は世界からみて高いポテンシャルを持ち続けている」と強調します。経済が不況になると逆に文化は成長するとの持論を展開、日本は超文化大国になる可能性を秘めているといいます。
とはいえ日本におけるアートビジネスは、残念ながら軽視され続けているとも語られ、「そうなのか」と目からウロコのお話も。現在、村上さんのお仕事の99.9%は海外だそうです。村上さんだけではなく、猪子寿之さんのチームラボも書道家の武田双雲さんも、数多くのアーティストが日本を離れて海外へ出ていっているのですね。
それは何故かというと日本は「百害あって一利なし」だからだそうです。その一例として日本に寄付税制がないことを指摘します。日本ではチャリティであっても寄付すると課税されるのです。マネージメントのことなど足かせはいろいろあるようですが、「日本のコレクターはかわいそう」と嘆かれていたのが印象的でした。
またもう一つ、心に残ったのが、堀江さんの次の言葉です。「不要不急なものこそ我々人類が人類であるために必要なもので、それをやめることは人間であることをやめましょう、と言っているのに等しい」と。村上さんはこれを受けて「人間は美を追求する動物」であり「不要不急を創ることが我々の人生を豊かにする」といった趣旨の発言をされていました。
今回の新型コロナ騒動で、日本ではアートは「不要不急」とみなされ助成対象から外されました。これはファッションも同じです。コロナ後は、アートマーケットが拡大すること必至ですのに---。
日本の文化支援策は世界各国と比べて何と遅れていることでしょう。そんな嘆き節が聞こえてくるようです。
コラボビジネスからアートビジネスの今後の課題まで、二人のトークは大変小気味よく、興味深かったです。
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