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2020年5月19日 (火)

ファッション業界の大きな関心事はサステナビリティ

  今、ファッション業界の大きな関心事はサステナビリティ (持続可能性)です。
   Img_48311 2020/21年秋冬コレクションウィークでも、多くのデザイナーが気候変動や環境への責任に声を上げていました。
 (右はステラ・マッカートニーのこの春発売されたセーターです。「We are the weather(私たちは天気)」の文言が入っています。)
  コロナ収束後も、この流れはさらに大きなうねりとなって続くとみられています。
 何故かというと、消費者がサステナブル(持続可能)な「品質」を求めているからです。

 コットン・インコーポレーテッドの2020年ライフスタイルモニターによると、消費者は新しい服を購入する際にフィット感(96%)、着心地(96%)に次いで「品質」(92%)を挙げています。またほとんどの消費者(63%)が、コットンやウールなどの天然繊維を使用したアパレルブランドの方が、より親近感を感じたり、愛着を覚えたりするといいます。少し高くてもサステナブルな素材を使用して、ファストファッションではない服を作っているデザイナーにとって、心強いデータですね。
 さらにもう少し詳しく見ていくと、4人に3人以上の消費者(78%)はコットンが最も好きな繊維であると回答しています。また、人工の繊維と比較して、81%の消費者はコットンが最もサステナブルで、最も柔らかく(81%)、最も着心地が良く(80%)、最高の品質(73%)で、その上66%が最も長持ちすると答えています。

 とはいえファッション業界が直面する問題の一つは、服に使用されている繊維のほとんどがプラスチックをベースにしていることです。
 エレン・マッカーサー財団の調査によると、最も一般的な素材はポリエステル(55%)、次いでナイロン(5%)、アクリル(2%)となっています。これらの合成繊維は、地球の海に入る主要なマイクロプラスチック汚染の35%を占めているのです。この微小なファイバーは洗濯で水路に流れ込み、天然繊維のように分解されません。その代わりに、最大で200年間水中を漂い続け、その間に繊維は水生生物によって消化され、食物連鎖に取り込まれます。世界保健機関(WHO)によると、マイクロプラスチックによる汚染は飲料水にも見られるといいます。
 サステナブル・ファッション・コレクティブの次の指摘にも注目です。「合成繊維は安価で大量生産が容易。だがマイクロプラスチック汚染の他に、ポリエステルの製造だけでも7,000万バレル近くの石油を使用している」というものです。デザイナーやブランドは、再生可能な天然繊維の使用を検討してみてはいかがでしょう。消費者が求めているのは価格の安さではないのですから。実際、ライフスタイルモニター調査によると、ほとんどの消費者が、Tシャツ(60%)、カジュアル衣料(56%)、デニム・ジーンズ(54%)、アクティブウェア(51%)などのアイテムで、綿がポリエステルなどの合成繊維で代替されないようにするために、少し高めの価格を支払うことを厭わないと答えています。
 
 最後にサステナビリティとは何か、です。ニューヨークでメンズウェアコレクションを発表しているデザイナー、ディヴィッド・ハートは「サステナビリティとは新しいものをつくることではない。今あるものでよしとすることが持続可能性で、もちろん生地もつくりも高品質でね」と。ハートは今シーズン、自身のアーカイブの中からお気に入りの作品をいくつか引っ張り出してきて、街中で見つけた古着と組み合わせたコレクションを披露しています。

 長く愛用できる「品質」こそ、サステナビリティなのですね。

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