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2020年5月 2日 (土)

「フェーズフリー」日常と非日常を区別しない考え方

 新型コロナウイルスが蔓延している今は、まさに非常時です。そこで思い出したのが、日常と非日常を区別しない「フェーズフリー」という考え方です。  
 14111 私がこの言葉を知ったのは、昨年12月のIAUD(国際ユニヴァーサルデザイン協議会)研究部会のときです。その後の交流会で、フェーズフリー協会代表 クリエイティブディレクターの佐藤唯行氏によるプレゼンテーションが行われました。
 (右は同協会出版の書籍です。)

 佐藤氏によると「フェーズフリー」とは、日常時と非日常時という社会のフェーズ(時期、状態)を取り払うという意味だそう。 つまり災害からフリーになることであり、普段利用している商品やサービスが災害時に適切に使えるようにする価値を表した言葉であるとか。 
  フェーズフリー協会はこの考え方を基に“いつも”も“もしも”のときも、安心して暮らせる社会を目指して活動しているといいます。これはまさにユニバーサルデザイン(UD)に通じるコンセプトですね。
 同協会が関わった事例も挙げられました。そのいくつかを簡単に下記に記します。
 現在アスクルの通販カタログで販売されている「紙コップメジャーメント」―目盛り付きなので避難所などで粉ミルクの計量ができる紙コップ―、朝倉染布の超撥水風呂敷「流れ」―濡れたものを包んだり、傘代わりになったり、バケツ1杯分の水を汲むこともできる進化した風呂敷―などから、池袋エリア周遊バス路線を走る電気バス「イケバス」―災害時には蓄電池として活躍するバス―、愛媛県今治市クリーンセンター「バリクリーン」―地域の憩いの場・防災施設としての機能を有するごみ処理場―。
 この他にも、バオバオイッセイミヤケの蓄光素材を利用した夜の闇で発光するバッグ、歩くと発電するのでスマホの充電に役立つシューズ、スツール型防災トイレの「トイレスツール」など、様々な「フェーズフリー」のデザインを紹介。
 
 実際、災害というのはイメージしにくいものです。まさかそんなことが起こるとは想像できません。ですから“備える防災” は難しいのですね。そこで発想を変えてみる、日常時と災害が起きた非日常時という二つの時間を分けるのをやめるのです。そうすると私たちに必要なのは、防災のための特別なコトやモノではなく、日常時も非日常時も活用できる商品やサービス、そしてアイデアだった、ということが見えてくるといいます。
 
 そういえば昨今、コロナ対策で使用されている、おでこで測る非接触型体温計や、宅配ボックス・宅配ロッカーも現下非常時に有用で、しかもいつでも使えて便利な「フェーズフリー」ですね。
 これからの新しいモノづくりやサービス展開のヒントにしたいと、思ったことでした。

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