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2020年2月11日 (火)

ミラノウニカ⑴ 持続可能性とトレンドを統合し変革へ挑戦

 ロンドン経由でイタリアのミラノにやって来ました。何故かというと、この4~6日、ミラノのフィエラ・ロー会場にて開催されたファッションテキスタイルの見本市、第30回ミラノウニカ( MILANO UNICA、略してMU )の最新情報を取材するためです。
 今回、MUに出展したのは、イタリアを中心とする欧州企業と特別プロジェクトの日本と韓国を含めた477社でした。これは前年2月展と比べて微増といいます。出展各社はメンズ、レディス、キッズ用ハイエンド向けテキスタイルと服飾付属品の2021年春夏向けコレクションを披露、とくにサステナブルに関わる提案が大幅に増加していて、このことはこれまでにない特徴ではなかったかと思います。
 来場者数に関してですが、MUでは以前から人数ではなく来場した企業数を公表しています。中日に行われたMUのエルコレ・ボット・ポアーラ会長との記者会見では、初日の来場社数が前年同期比2%増だったとのことで、会長自身、思いがけない数字に喜びを隠せない様子でした。とはいえ人数的には新型ウィルスの影響などで、一社あたりの来場者の数は落ち込んだとみられています。
 最終的な来場社数は、リリースによると前年同期比2%減とわずかながらの減少と発表されました。出展者は概してバイヤーの数よりも商談の質を評価し、総じて満足度が高かったことから懸念は克服されたと伝えています。
 
 初日に催されたオープニングセレモニーでは、エルコレ・ボット・ポアーラ会長が挨拶。サステナビリティ(持続可能性)というテーマに焦点を置きながら、今期の主要ポイントを次のように説明しました。
 011_cerimonia_mu30_high_ph_erdna11 「政治や経済情勢の不安定さに加え、中国で広がるウィルス性伝染病や羊毛価格に大きな影響を与えるオーストラリアの森林火災など、公衆衛生面でも国際貿易面でも重大なリスクを抱える昨今、私たちができることは、より一層のサステナビリティを追求すべく、産業界の責務のハードルを上げ、同時に提案の創造性のレベルを引き上げること。それはまた若い世代の感性を映し出す市場のニーズを的確に汲み上げるためにも必要」とアピール。
 このためMUトレンドエリアでは新たな変革への挑戦が行われていました。それが「サステナビリティ プロジェクト」と「トレンド デザイン」の統合です。これまでサステナブル素材はトレンドとは別区画で展示されていたのですが、今回は、トレンドのクリエイティブなサンプルと同じテーブルの上で、各ストーリーの中心に据えられました。
 トレンドディレクターのステファノ・ファッダ氏は、「トレンドコーナーで展示した素材は全部で1,500点、その内1,000点がサステナブル素材」と、サステナブルな素材がトレンド素材を大幅に上回ったと話しています。そしていずれは「トレンドエリアは100%サステナブルな素材になる」と語っていました。
 ボット・ポアーラ会長はさらに、「この変革は、単に創造性とサステナビリティの物理的な共有を目的にしたものではなく、メイド・イン・イタリーの戦略的資産、すなわち創造性とサステナビリティの間の文化的、実践的な融合を意図したもの」と述べ、これからのテキスタイル産業におけるサステナビリティの認証について言及、「個々の認証のみならず、全生産工程の認証によってその価値が測られることになる」と。続けて「創造性とサステナビリティの融合は、決して容易な事業ではなく、コストも伴うが、しかし業界全体が負担と責任を負って取り組むべきことであり、こうした前向きな意欲を具体的なカタチにしようと思うのなら、これはどうしても受けて立つべき挑戦だ」と、強調したのも印象的でした。

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