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2020年2月22日 (土)

パリFLV「シャルロット・ペリアン展」日本との繋がりを想う

 パリに来て、目的の「プルミエールヴィジョン・パリ」まで少し日が空いていることから、美術館巡りをしました。

 最初に向かったのは、ブローニュの森にある美術館「フォンダシオン ルイ・ヴィトン(FLV)」です。今、「Le Monde Nouveaud de Charlotte Perriand(シャルロット・ペリアンのニューワールド)」というシャルロット・ペリアン没後20周年の大回顧展が開催されているのです。
 シャルロット・ペリアンといっても日本ではあまりお馴染みではないようです。が、実は著名な建築家でありデザイナーです。私も以前、その個展を見たことがあって、日本との繋がりが深い、女性アーティストがフランスにいる、と思っていました。1940年に来日して輸出工芸指導の装飾美術顧問となり、ヨーロッパのモダンデザインを伝えたといいます。同時に日本の「民藝」の影響も強く受けたようで、木や竹など自然素材を用いた線構成の家具や意匠など、日本人の心をくすぐるような作品を数多く制作しているのです。
 
 本展では地下のギャラリーから上へ、ほぼ年代順に約400点が展示されていました。中でも私が興味を惹かれたのはギャラリー4で、1940年の「日本と再構築」のテーマを扱っていた展示室でした。 
Img_49031jpg_20200224164301  日本家屋の伝統的な畳の空間には、蚊帳を張った寝室が設えられていました。
Img_49071  その隣には名作の籐椅子や、茶室の炉を思わせる演出のほか、子どもの絵のようなデザインを拡大したタペストリーが架かっていました。作成したのは龍村美術織物だそうです。
Img_49171  上の御簾のような仕切りも龍村美術織物によるものです。
 Img_49431   ペリアンによる家具の代表作のひとつが「ニュアージュ・ブックシェルフ」です。桂離宮の違い棚からインスピレーションを得たものといいます。これはもういたるところに見られました。
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Img_49491  ペリアンが1927年に初めて門を叩いたル・コルビュジエの作品(上)や、一緒に働いたという画家、フェルナン・レジェの作品も数えきれないほどたくさん展示されていました。ピカソなど様々なアーティストの絵もあり、親しい交流があった様子がうかがえました。
 Img_49521jpg  イサム・ノグチの「アカリ」も出品されていました。

Img_49681  名作揃いの展示室を通り抜けて、最後に到達するのが「茶室」です。ペリアン96歳のときの作品で、パリのユネスコ庭園に造られたものだそう。傍らにイサム・ノグチの1979年作の彫刻が配置されていました。
 
Img_48971jpg  展覧会は室内だけではなく、外にもあり、それが「限りなく水に近い家」です。
Img_49751  この家は1930年に建てたものを再現した小さな木造家屋で、中に入ると人工の滝が借景となって迫ってきます。
 
 本展は当初の予想以上の反響があって、来場者が押し寄せているそうです。私も少しでしたが行列しました。
 今何故、ペリアンなのでしょうか?  そこには自然を尊重する姿勢や、レス・イズ・モアの精神、真に幸福な人間生活とは何なのか、といったメッセージが込められているからなのかもしれません。
 お見逃しなく、といってもこの24日までです。もうすぐ終了ですので残念なのですが---。

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