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2020年2月25日 (火)

「アライアとバレンシアガ」展 響き合うフォルムの彫刻家

 パリのマレ地区にあるアズディン・アライアのギャラリーでは、「アライアとバレンシアガ」展が開催されていました。
 二人はともに“フォルムの彫刻家”と称される、パリモード界の巨匠です。その美しいボディラインを形づくる服が、まるで対話でもしているかのように対になって、響き合いながら、順路に沿って展示されています。

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 ディレクションを担当したのはオリビエ・サイヤール氏で、両者を比較しながら見ることができる構成は、さすが辣腕キュレーターの仕事と思いました。触ってはいけないとはいうものの、至近距離で細部まで鑑賞できますので、モードを学ぶ学生は必見といったところでしょう。
 展示作品は全部で56点ありました。(パンフレットにはその全ての写真が掲載されています。) そのいくつかをご紹介します。

Img_52131jpg 右:アライア(1988年秋冬クチュール コレクション) 黒のロング ビスチェ ドレス。
 左:バレンシアガ(1966年秋冬オートクチュール コレクション) 黒のシルク クロッケ、ストラップレス、ドレープのイブニングドレス。

Img_52651jpg  右:アライア(2012年秋冬コレクション) ネイビーブルーのウール ジャケット。
 左:バレンシアガ(1953年秋冬オートクチュール コレクション) オークル色のウールのコート、ファスナーなし、4つのフラップポケット付き。

Img_52701  右:アライア(2011年秋冬クチュール コレクション) バーガンディ色の穴開きベルベット ドレス。
 左:バレンシアガ(1968年春夏オートクチュール コレクション) 黒のギピュールレースのカクテルドレス。

 こうして見ると、スペイン出身のクリストバル・バレンシアガとチュニジア出身のアズディン・アライア、この二人の天才は密接な関係にあったように思われます。 
 最後のビデオ上映によると、プレタポルテが台頭した1968年、バレンシアガは突然クチュールメゾンを閉鎖。アトリエで長年働いていたマダム・ルネが、残された多くの布地やドレスを当時無名だったアズディン・アライアに自由に選ばせたのだそうです。
 バレンシアガの後を継いだジバンシーは、亡くなるまで二人の展覧会の実現を望んでいたとのことで、ようやく本展開催が叶った、ということのようです。
 
 二人の魂の共鳴を感じたすばらしい展覧会。開催は6月28日までです。パリに行ったらぜひ訪れてみてはいかがでしょう。

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