ジャパン ベストニット セレクション2019 国産ニット一堂に
「ジャパン ベストニット セレクション(略してJBKS)2019」が、12月4日~5日、東京国際フォーラムで開催されました。
第12回目となる今回は国産ニット関連メーカー、60社が一堂に会して出展、その内訳はニット42社、カットソー4社、生地・素材・靴下・小物12社、協賛2社。来場者は市場の停滞もあって昨年に比べ減少し2,686人と発表されています。
各社提案ではSDGsへの意識の拡がりが注目されます。天然素材やリサイクル原料の使用、環境負荷の低い染色仕上げ法の採用、省資源に貢献する無縫製ニット“ホールガーメント”訴求など、といった動きが目立っていました。
最終日の午後、恒例の2019アワード表彰式も行われました。グランプリと経済産業省経済産業大臣賞にバーンズファクトリー、準グランプリに奥山メリヤスと昨年グランプリのサトウ エススクエアがそれぞれ受賞、また特別に設けられた奨励賞に今間メリヤスが選ばれました。
◇バーンズファクトリー 東京都・板橋区で2010年に創業。自社工場で丸編みを行い、糸という原料から縫製までコントロールし受注生産体制を確立しているニット企業です。
アワード受賞は今回で3回目とのことで、松浦永社長は「大変励みになります。これからもみんなで力を合わせていい未来を築きたい」と挨拶されました。
右は、シルエットの美しいカシミアニットのコートです。
しなやかな軽い着心地が魅力です。
縫製は“TPS”縫製という、特殊千鳥ミシンにより生地を突き合わせて縫製する、縫い代の無い製法になっていることも特徴です。縫い目が平坦で、生地に厚みが出ません。縫い代のアタリがないので、着心地良く着用できるのです。
(上の写真は裏側から見た縫い目)
◇丸正ニットファクトリー
新潟県見附市で天保3年創業の老舗で、プルミエールヴィジョン・パリにも出展し、ホールガーメントを積極的に設備してブランド開発につなげるなど、新しいことにチャレンジしているニット企業です。
今回の一押しは、経編と横編みをハイブリッドした製品(上写真)です。デザインの幅が広がり、目新しく映りました。
◇東亜ニット
◇トシテックス
桐生産地の小巾ラッセル編メーカーです。 今回は“きものストール”を提案。これはきもの地をテープ状にスリットして編み込んだストールで、服飾素材の付属としても使えるといいます。
アップサイクルへの取り組みの一つとして、期待されます。
◇島精機
本展示会に協賛出展している、日本を代表するニット編み機のトップメーカーです。
今回は、スプリング式可動型シンカーを搭載した4枚ベッド機構のホールガーメント横編機のMach2XS 103を紹介していました。
100cm幅で女性用ドレスが編めることや、8色使いが可能になったこと、今まで手編みが必要だったカフス部分も、その必要がなくなったことなど、新型機を実動しアピールしていたのが印象的です。
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