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2020年1月19日 (日)

「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」展

 今、「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」展がパナソニック汐留美術館にて開催されています。先日この内覧会に行ってきました。
 冒頭、遠山館長が「今年は東京五輪の年ということで、日本をテーマにした企画展を4本計画している、その第一弾が本展です」と挨拶。「日本が工業化して大量生産が本格化した1930年代から60年代にスポットを当て、当時の家具や建築などに見られるモダンデザインに影響を与えた建築家やインテリアデザイナー、家具デザイナーの作品資料など約160点を展示しています」と概容を語られました。
 続くギャラリーツアーでは、大村理恵子学芸員が「モダンデザインとは?」に触れ、「大衆の生活をより豊かにするために量産していこうという時代になったとき、新しい美の概念が必要になり、欧州でこれをモダンデザインと呼ぶようになりました。その特徴は機能的で合理的、シンプルな造形を持つデザインです。各国に拡がって異文化交流し、それぞれの国に土着のデザインが生まれていきました」。

 本展では5章仕立てで、日本におけるモダンデザインの開花の過程が紐解かれます。(写真は特別な許可を得て撮影しております)
 
 第1章 ブルーノ・タウトと井上房一郎たち「ミラテス」を中心に
 ブルーノ・タウトはドイツから来日したドイツ人建築家で、京都桂離宮に出会い、日本建築の美を欧州に伝えた人物です。
Img_27511  上は、「ミラテス」という銀座にあった伝説の家具工芸店です。
 タウトは群馬県高崎で工芸の指導と執筆活動をしていて、その時に懇意になった井上房一郎が軽井沢と銀座に「ミラテス」をオープン、タウトのデザインによる生活用品などを扱ったといいます。ここではそうしたタウトの作品や「画帖―桂離宮」も展示されていて、印象的でした。 

Img_27621  上は、タウトが来日中に竣工した建築作品「旧日向別邸」、別名「熱海の家」のインテリアです。
 
 第2章 アントニン&ノエミ・レーモンド
 井上房一郎と親交のあったもう一組の建築家、アントニン&ノエミ・レーモンド夫妻の作品を紹介するコーナーです。アントニンはチェコ出身のアメリカ人建築家で、世界初のコンクリート打ちっ放しの住宅を実現、ノエミはフランス出身のインテリアデザイナーです。
Img_27711jpg  上は、赤星四郎別邸です。和風の要素を取り入れた上質な洋風建築は当時の人々を魅了したといいます。
 
第3章 剣持勇の「ジャパニーズ・モダン」
 タウトの助手を務め、「ジャパニーズ・モダン」を提唱したデザイナー、剣持勇のコーナーです。
Img_27871jpg  上の奥にあるのが、代表作ともいえる籐の丸椅子です。他に柏戸椅子なども出品されています。
 すべて釘など使わず木組みでつくられていることがわかります。
 剣持作品には確かに、素材を探求したり手触りに拘ったり、大胆なデザインと繊細なディテールが共存していて現代的です。

第4章 ジョージ・ナカシマと讃岐民具連
 日系二世のジョージ・ナカシマが作った家具が展示されています。
Img_27951  40年代からのものなのに、それが全然古臭くなく洗練されていてステキです!

第5章 イサム・ノグチの「萬來舎」とあかり
 言わずと知れたイサム・ノグチのあかりシリーズです。岐阜提灯の技術を応用して1950年代に制作されたといいます。
Img_28041   今ではごく普通にどこにでも見かけるこのあかりですが、イサム・ノグチは、単なる照明器具ではなく“光の彫刻”と考えていたそうです。だからこそバリエーション豊かに展開していくことになったのですね。
 (このコーナーは誰でも写真撮影できます。)
 
 本展を見て、1930年代から60年代は大量生産の時代だったとはいえ、必ずしも工業生産ばかりではなかったことが理解出来ました。手仕事による量産を考えたモノづくりがされていたのですね。一つひとつの作品には職人たちの未来への夢が込められているようでした。
 
 展覧会は3月22日までです。詳細はホームページhttps://panasonic.co.jp/ls/museum/exhibition/20/200111/ をご覧ください。

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