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2020年1月13日 (月)

杉原厚吉氏講演会 不可能立体最前線~脳の不条理な世界

  先般のAIITイノベーションデザインフォーラムで、明治大学の杉原厚吉研究特別教授が登壇、「不可能立体の最前線~脳が作り出す不条理な世界~」をテーマに講演されました。
 先生は、国際ベスト錯覚コンテスト(Best Illusion of the Year Contest)の常連ファイナリストで3回優勝、2回準優勝され、また現在、2月23日まで台湾の故宮博物院の特別展で作品が展示されている、不可能立体の第一人者です。
 まず“不可能立体”とは何か、ですが、これは絵を見たときなどのあり得ない立体の印象であり、そのような立体を表す“だまし絵”のことです。エッシャーの名画などに見る技法であり、ファッションデザインの表現にもよく使われます。
 この不可能立体をつくるトリックとして、次の3つ、①不連続のトリック : つながっているように見えるところにギャップを設ける。②曲面のトリック : 平面のように見えるところに曲面を使う。③非直角のトリック : 直角に見えるところに直角以外の角度を使う、があるといいます。
 次に紹介されたのが、あり得ない動きが見えてくる「不可能モーション立体」です。(ここから方程式による立体の探索が始まり、頭が混乱してきます----。) 人間の脳は、3組の平行線しか使われていないのに、面と面が直角に接続していると勝手に思ってしまうそう。脳が直角好きだからで、車を運転していて遭遇する“お化け坂”、つまり上り坂が下り坂に、また下り坂が上り坂に見える坂道錯視もその一つといいます。
 さらに変身立体という鏡に映すと姿が変わる立体について解説。これは二つの方向から見たとき、まったく別の形に見える立体で、本当に不思議!と思いました。
Img_16201jpg Img_16171  
 上の写真はそのとき先生がお持ちになられた実物見本の中の二つです。正面から見た立体は、鏡の中のものと全く異なる形をしています。
  P_20191120_203401_vhdr_on2_3 でもそれを横から見て、分かりました。
 右のように正面からは円筒形に見えたのが、実は角のある立方体だったのです。
 
 最後に、まとめとして不可能立体の背景には次の二つの性質があるといいます。①数理的性質 : 一枚の画像には奥行きの情報がない。②心理学的性質: 脳は直角を優先する傾向がある。確かに人は平行四辺形の立体を直方体と思って見ているようです。
 
 先生はこの錯視の考え方を、道路信号の位置や標識などに採り入れることで交通安全に役立てられるといいます。グラフィックデザインのポイントとして心に刻みたいと思いました。
 但し、なぜ人間は直角が好きなのか、その理由は謎のようです。

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