2020春夏ファッションデザイナー合同展「タイムスケープ」
去る10月28日~29日「タイムスケープ(TIMESCAPE)」展が、東京・赤坂の日本服飾文化振興財団「服飾資料館」にて行われ、立ち寄ってみました。これは新たに始まったファッションデザイナーの合同展示会で、「タイムスケープ」とは、“時間を眺めるようなデザイン ― 時の流れを俯瞰して、歴史に学び、今を生き、未来へ臨む ― ” と言う意味だそう。
2020春夏に向けて今回参加したのはデザイナー5人です。息づく自然界の息吹に着想し、過去、現在、未来へ続くそれぞれのストーリーをコレクションで表現していました。
セイジ イノウエ Seiji INOUE 井上セイジさんが手がけるブランドです。
今シーズンのテーマは「コネクト・ウィズ・ネイチャー Connect with nature」。
自然との繋がりと旅で感じた情景を様々な角度から表現したといいます。
100年から60年前のアーカイブに、旅先で見つけた街路樹や遠くに見える風景を織り交ぜ、多彩にミックスしたプリントをシンプルなシルエットのドレスにのせて提案。
明るい爽やかなタッチが印象的でした。
コ ハクション ko haction
デザイナーは小池俊介さんです。 今シーズンは「アオサ・ライト・グリーン AOSA LIGHT GREEN」プロジェクトを発表していました。これはアオサという海藻で染めたシリーズです。
実はこのアオサは海辺の厄介者になっているとか。静岡県浜松市の浜名湖ではアオサが大量発生しているそうです。この除去作業に着目した浜松の染色織人がアオサの色素を抽出することに成功し、小池さんがご自身のコレクションに採り入れているのです。2020年春夏向けにはTシャツだけでなく、ドレスやコートにアイテムを広げて展開。サステナビリティの流れもあり、期待されます。
パーミニット PERMINUTE
デザイナーの半澤慶樹さんは日本服飾文化振興財団 助成制度2018年「JFLF賞」ファイナリストに選出されたそう。 今シーズンは「リマインディング・テンペラチャー・オブ・ライブズ reminding temperature of lives」をテーマに、前シーズン、実験的に出した草木染のリサーチからコレクションづくりをスタート。兵庫県の工場で見つけた草木染のキュプラの色合いに惹かれて、単に牧歌的だけではない、ブランドのテイストを表現したといいます。
有機的なカットのドレスに生命感のようなものを感じます。
キタキカク kitakikaku
新たなブランド「H_BALLET」を発表。バレエの楽しさや感動を一人でも多くの方に味わってほしいという気持から生まれたブランドといいます。
アドバイザーにバレエダンサーの針山愛美さんを迎え、バレエウェアを軸に、人と芸術をつなげることをテーマにした様々なアイテムを展開。バレエはもう舞台衣装だけではない、もっと身近な存在なのですよ、ということが伝わってくるようでした。
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