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2019年12月12日 (木)

講演 “データ資本主義”時代の衣類型ウェアラブルデバイス

 時代が金融からデータへ、“データ資本主義”へ移り替わろうとしている今、テキスタイル市場にも変革の波が押し寄せよせつつあります。その中心的存在が衣類型ウェアラブルデバイスです。
 先頃開催された「ファッションワールド東京」で、この衣類型ウェアラブルデバイス市場に関するセミナーが開かれ、ビッグデータが私たちの生活にどのような影響を与えることになるのか、興味津々参加しました。
 講師はIDC Japanシニアマーケットアナリスト菅原 啓氏です。「“データ資本主義”時代のテキスタイル:衣類型ウェアラブルデバイスは何を変革し、何をもたらすのか」をテーマに、市場分析から新たな価値まで概略を語られました。

 まず、ウェアラブルデバイスには次の5種類があるといいます。①衣類型―服全体から手袋や靴など、②耳掛け型、③モジュラー型―ペンダント型の装飾、④時計型、⑤リストバンド型です。これらの中で、衣類型ウェアラブルデバイスの市場動向について、活発な成長を見せる市場であると前置きしました。出荷台数は年々増加し、2016年に全世界で25万台だったのが、2019年には75万台超と3倍以上に伸び、今後も2023年には600万台、日本でも60万台になると予測されているといいます。
 次に国内市場で人気の衣類型ウェアラブルデバイスを2つ、紹介しました。
 一つはミツフジの「ハモン hamon」です。生体情報のメタ分析ができるデバイスで、キムラタンのベビー服に導入され、うつぶせ寝見守りソリューションとして活用されています。またワコールも「ハモン」と協業し、女性のストレス因子を解析するブラジャー型ウェアラブル「アイブラ(i BRA)」を開発し、この7月から法人向けに販売をスタートさせています。
  もう一つはバンダイのUNLIMITIV(アンリミティブ)の子ども向けスポーツシューズ です。
Img_87521jpg  靴底にセンサーユニットが付いていて、スマホアプリと連動することでテータを収集し、遊びながら運動能力の進化をアシストしてくれるといいます。「履くだけで速く走れる靴が欲しい」という子どもたちの要求から開発されたとか。価格も3,000円台でリーズナブルですので、サイズさえあれば大人も欲しいかも。
 こんな風にいろいろなデザインやブランド、機能を持つものが出てきているのですね。今後さらに機能的で安価なものが現れると期待されます。
 最後に、衣類型ウェアラブルデバイスは何を変革し、何をもたらすか、です。菅原氏は、衣類がデータをとることにより、“エコシステム”に組み込まれて新たな価値を帯びることになるといいます。“エコシステム”とは、最近 IT分野でよく使われる言葉で、業界や製品がお互いに連携することによって成り立つ全体の大きなシステムを形成するさまをいうようです。私たちユーザーもこのシステムを形成する一つになっていくのですね。
 「データ資本主義」時代の到来をひしひしと感じたセミナーでした。

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