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2019年12月

2019年12月31日 (火)

2020-21年秋冬ミラノウニカ 流行色2019 WINTER掲載

Scan0112  この春発行された「流行色2019 WINTER No.599」に、今年7月に開催された「2020-21年秋冬ミラノウニカ」の柳原美紗子の記事が、掲載されました。

 その概要や発表されたトレンドテーマやカラー、また展示場で見られた素材の特徴などを4ページにわたり解説しています。ご参照ください。
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2019年12月30日 (月)

日本文化を世界へ インテリアショップAREAパリオープン

 この11月18日、インテリアブランド「AREA TOKYO (エリア・トーキョー)」が海外初の店舗をパリにオープンしたそうです。そこでこの程、同ブランドを展開するクラウンの野田 豪代表が東京・北青山のショップにて記者発表会を行いました。
Img_09081_20191230151801  AREAは2003年に茅ヶ崎でスタートしたインテリアブランドで、「素材」「つくり」「デザイン」が三位一体となる日本製オリジナル家具や建具を展開。2006年頃から海外進出に向けて準備を始め、今年ようやく念願を叶えたといいます。
 パリ店は、市内サンジェルマン・デ・プレ地区のギャラリー街“ユニヴェルシテ通り(4 rue de l'université 75007 Paris FRANCE)”に位置しているそうで、私も今度ぜひ訪ねてみたいと思いました。 
 ショップのデザインは、デザイナーの橋本夕紀夫 氏(橋本夕紀夫デザインスタジオ)監修で、テーマは「SHADE & SHADOW」、つまり日本文化の中にある“陰影礼賛”です。暗がりに潜む空間を様々なところに配してあるといいます。
 ここにたどり着くまでの経緯を、野田代表は、次のように語られました。
 実はパリ出店に際して何を持っていくのか、考えあぐねていたといいます。世界の中のモダンなのか日本の伝統なのか---、と迷っているうちに、日本人のルーツにたどり着き、「日本は終点」であり世界中から起こった文化が流れ込む“ふきだまり”になっていることに気づいたとか。“ふきだまり”というと様々なものがミックスして深化するイメージがありますが、そこから谷崎潤一郎の「陰影礼賛」を思いつき、日本文化はヨーロッパの家具をどのように咀嚼し発展させたのか? また日本インテリアの立ち位置、さらにその可能性を、フランスを始めヨーロッパ各国の方々に、問いかける場所にしていきたい---。そう思うようになって、この考え方を新作家具に落とし込んだといいます。
 
 その一部をご紹介します。
 
Img_09111  手前は風神雷神図の風神をモチーフにしたパネル。
 
Img_09151jpg  奥には老梅図屏風や雪見障子にヒントをとった作品。

Img_09201  また会津の郷土玩具“赤べこ”は、野田代表が「日本らしさを見せたい」と思いついたアイデアだそう。
 パリでも大好評とか。可愛いですね。
 
 日本文化を世界へ、と意気込む野田代表。次はニューヨークに出店したいそうです。期待が高まります。

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2019年12月29日 (日)

渋谷の街が変わった! 若者も大人も楽しめるSC開業

 今年末、街の風景が大きく変わったといえば渋谷でしょう。11月1日に「渋谷スクランブルスクエア」、11月22日に「渋谷パルコ」、12月5日に「東急プラザ渋谷」の3つの大型SCがオープンしました。ファッションではラグジュアリーブランドやデザイナーブランドが増え、アートを採り入れた施設や感度の高いライフスタイルショップが拡充されています。これまで「若者の街」というイメージで発展してきた渋谷が、これら新商業施設の開業で、「若者も大人も、また外国人も楽しめる街」へ変貌し始めているのです。

「渋谷スクランブルスクエア第一期(東棟)」
 10月末に行われた内覧会に参加しました。ここは渋谷エリアで最も高い47階建てビルの地下2階から14階を占める商業施設です。東急東横百貨店の跡地に建っていますから渋谷駅に直結・直上していて、交通至便なことは言うまでもありません。 
Img_03711jpg  まずは230mの展望施設「渋谷スカイ」を訪れようと、エレベーターに乗り込みました。Img_03701jpg 天井から光から降り注ぐ演出に驚いているうちに、あっという間に屋上へ到着。広々とした心地よいスクエア(広場)から、東京を一望しました。
 ここはまさに渋谷のランドマークタワー、渋谷の新名所になりそうです。

 12階と13階はレストランフロアで、美味しいメニューを堪能できます。日本初のスペイン料理のお店「ホセ・ルイス」も出ています。
 10階と11階はライフスタイル・グッズ・フロアで、11階に中川政七商店がツタヤブックストアと軒を並べています。

Img_04141jpg 日本全国つづ浦々からの工芸技術を活かした生活雑貨が人気の店です。

 7階から9階はファッションフロアで、セレクトショップなどが出店しています。
 またビューティが6階にあるというのも新しい構成です。

 注目のラグジュアリーブランドは、駅の改札階でもある3階に入っています。
Img_04301  上はブランドのシグネチャーカラー、白黒のインテリアでまとめたジバンシーです。この他、バレンシアガ、サンローラン、ディオール、サカイ、ブルガリ、ティファニーなど。洗練されたモード感あふれるフロアです。
 
「渋谷パルコ」
 ここはファッションとアート、エンターテインメントが見事に融合しているSC。

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 渋谷駅から600m離れていても、行ってみようと思わせられてしまいますから不思議です。

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 1階の入口付近に陣取っているのはグッチで、奥にはロエベやディオール×リモアなどもあります。以前はなかったラグジュアリーブランドを導入して、富裕層を狙っているようです。 

Img_24601 コム・デ・ギャルソン・ガールは、赤やピンクを訴求。ポップな水玉模様をあしらうなど、ガーリーなファッションを提案しています。

 2階は今をときめくデザイナーブランドが勢揃いしています。
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 中でも人気なのが2 G(ツージー)。ギャラリーとセレクトショップとアートトイショップが一体化したスタジオです。入口のデザインからしてアートムードたっぷり。

 6階は、任天堂が入っていて、ポケモンセンターもあって大人気!Img_25341 ここはもう人でごった返していました。インバウンドも多いようです。
 
Img_25251  右は、地下の飲食店街「キッチンカオス」にあるシンボルデザインです。デザイン設計は藤本壮介さんで、派手なネオンサインがカオスのような路地裏を表現しているようです。
 何とジビエと昆虫食を出す「米とサーカス」も出店していてビックリ!
 驚きに満ちた新生パルコです。
 2020年3月にはパルコ劇場がオープンする予定で、これに先駆けてこけら落とし公演が1月末に行われるそう。
 話題の多いパルコに、ますます目が離せません。

「東急プラザ渋谷」
 かつての東急プラザが、「大人を楽しめる渋谷へ」をコンセプトに、ライフスタイルを提案する商業施設に生まれ変わっています。
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 ターゲットは40代以上、年齢を重ねるに連れて足が遠のいていた層に向けて渋谷の面白さや楽しさをアピールしていくそうです。
 それを象徴するのが、5階の「シブヤライフラウンジ」。イオンのお直し・リメイク・オーダーのサロン「アトリエ・クチュリエール」があったり、資産運用や投資、保険などの様々な大人の悩みに対応するサービスカウンターがあったり。大人世代の要望に応えての展開。この中心にロボットのペッパーが働く「ペッパーパーラー」があるのもおもしろいです。
 
 こんな風に渋谷の新SCを見てきた私、一見似ているようですが、やはりそれぞれの特徴を活かした業態になっていると思いました。「渋谷スクランブルスクエア」はエレガントな高級感、「渋谷パルコ」はビジネス×アート、「東急プラザ渋谷」は大人のライフスタイルを打ち出しているというように。

 さて来年は6月にあの宮下公園に、巨大な商業施設がオープンするとのことになっています。またしても生まれ変わる渋谷、街歩きがますます楽しくなりそうです。

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2019年12月28日 (土)

新1万円札の顔 渋沢栄一を紐解く 東の渋沢と西の五代

 この4月、新しい紙幣を2024年度に発行することが発表されました。20年ぶりとなる紙幣刷新で、新1万円札の顔となるのが渋沢栄一です。 
  東京商工会議所では今年度、東京商工会議所の創設者で初代会頭でもあった渋沢栄一を記念するセミナーを複数回開いています。
 Img_05231jpg 明治初期の日本経済発展の礎を築いた実業家の一方で、東京養護院に情熱を注ぐなど社会事業家でもあった渋沢栄一とは、どのような人物だったのでしょう。その人となりに興味を持ち、先般、開催された講演会に参加しました。
  登壇したのは大阪商工会議所大阪企業家ミュージアム館長・大阪大学名誉教授 宮本又郎 氏です。「激動期におけるビジネスリーダーの役割~東の渋沢栄一、西の五代友厚を中心に~」をテーマに語られました。
 まずは東の渋沢栄一と西の五代友厚の人物評です。五代友厚はNHK朝ドラ「あさが来た」でディーン・フジオカが演じて一躍有名になった大阪経済界の重鎮でした。渋沢は豪農の出で、五代は薩摩武士の出身。ともに明治政府の官僚で経済界の実力者だったことなど、共通点は多いようです。そんな二人もパリ万博を巡ってさや当てがあったそう。ちなみに五代は日本初の洋式紡績工場、鹿児島紡績所の設立に尽力し、これが現在のユニチカの礎になったのですね。
 次に両者の功績を振り返りながら、彼らの行動理念や現代経営にもつながる要諦などを検証していきます。新事業の創出を積極的に援助した二人、渋沢は主に移植産業、銀行や鉄道を、五代は在来産業、両替商金融事業を展開し、蓄財せずに、渋沢は91歳没で長寿を全う、五代は49歳で没しています。 
 二人が目指した新しいビジネスモデルやニュービジョンについて触れる中、とくに心に深く刻まれたのが渋沢の「合本主義」と「道徳経済合一説」です。渋沢は“日本資本主義の父”といわれていますが、自身では決して資本主義という言葉は使わず、「合本主義」と呼んでいたそうです。これは「公益を追求するという使命や目的を達成するのに最も適した人材と資本を集め、事業を推進させるという考え方」と定義される概念で、また「道徳経済合一説」は道徳と経済は一致するという説です。宮本先生はこれを「合成の誤謬」、狭い道をみんなが我先にと通ろうとすると却って混雑してスムースに通行できなくなるという例えを使って、他者の利益を尊重することで自分も利益を得られるという渋沢の思想を紹介しました。サステナビリティへの流れから最近、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が提唱したCSV (Creating Shared Value共通価値の創造)が注目されていますが、渋沢栄一は明治時代に既にこれを実践していたのですね。
 最後に今日における財界指導者の役割として、ベンチャーをもっと支援すべきあり、渋沢栄一の合本主義の精神「他利尊重」でいくことこそSDG’sの目標に叶うと強調して講演を締めくくりました。

 なお会場となった東京丸の内の東京商工会議所ビル6階には、東商渋沢ミュージアムがあり、渋沢栄一の直筆書物や銅像などが展示されています。足跡を訪ねてみたら意外な名言に出会えるかも。Img_05261 Img_05291

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2019年12月27日 (金)

ザ・タイガースのピー(瞳みのる)講演会はすばらしかった!

 ザ・タイガースといえば、1960年代後半、若者たちを熱狂の渦に巻き込んだグループ・サウンズです。そのドラマーだった「ピー」こと、瞳みのるさんによる特別講演会が、先月初め、日本ファッション協会うらら会主催で紀尾井フォーラムにて開かれました。
Img_05911  登壇した瞳さんは、73歳になられた今も若々しくてスラリと格好いい。ホント、ステキで、北京から帰国したばかりとは思えないほど、エネルギーに溢れていました。
 キャリアについてはウィキペディアなどで詳しく報じられている通りです。
 ザ・タイガースで沢田研二に次ぐ人気を博していたにも関わらず、1971年の解散コンサートを最後に、芸能界から完全引退してしまったのです。その潔い態度はほんとうに見事というほかありません。地元京都の高校に入り直して、中国文化に興味を持つようになり慶応大学に入学、中国文学を専攻します。卒業後は高校教師として教鞭をとる傍ら、中国語・中国文学研究者の道へ進みます。華やかなアイドルから地味な文学者へ大転身されていたのですね。ほんとうにビックリ!しました。2010年に慶応義塾高校を退職するまでは、一切、表に出ないようにしていたそうです。2011年に自らの沈黙を破って自伝『ロング・グッバイのあとで。ザ・タイガースでピーと呼ばれた男』を出版し、ベストセラーになって、音楽活動を再開されたといいます。2014年に自らのバンド「二十二世紀バンド」を結成、以来毎年ライブツアーを行っているとのこと。この間の苦労話やエピソードを楽しそうに語られました。
 講演の最後にご自身の作詞作曲による「道」を熱唱され、ほんとうにすばらしかった! 何をするのにも努力されているのですね。
 胸が熱くなる思いで帰路についたことでした。

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2019年12月26日 (木)

2020春夏プロスペール展示会 有力ブランドを集めて

 この3日~5日、昨日のブログでお伝えした「パッサージュPASSAGE」展など様々なファッションのPRを担当している「プロスペール」のプレスルームで、有力ブランドを集めた2020春夏ものの展示会が開かれました。

 目新しく映ったブランドをご紹介します。

ライフ ウィズ フラワーズ LIFE WITH FLOWERS
 2015年、ロイスクレヨンよりスタートしたブランドで、コンセプトは「STANDARDを大切に、遊び心を感じる新しさの提案」とか。
Img_18191jpg  今シーズンは「water surface (水面)」をテーマに、澄んだ鏡のような水面が少し揺らめき、光を帯び、徐々にまわりの色が写り込んでいく情景に着想。シアー感や凹凸のある素材を加えて、シンプルでシャープなラインの中にもどこか優しげで、心地よい雰囲気のワードローブを展開しています。爽やかなグリーンがステキに見えました。

ミドラ MIDDLA
  デザイナーの安藤大春さんが手がけるブランドです。Img_18161
 「ミドラ」をスタートさせたのは2015年春夏コレクションからとか。でもその前から「レスザン」というブランドを手がけられていたのですね。
 当時から基本のシャツをモダンにデザインする手腕に惹かれていたのを覚えています。カットがシャープで、洗練されていて、それでいて女性らしい。
 今シーズンは白地の透ける素材にサバンナに棲息しているような動物のモチーフをプリントしたシャツドレスに目が留まりました。垢ぬけた都会的な仕上がりがこのブランドらしいです。Img_18171jpg

フーラ フーラ Hoola Hoola
 イタリアのベニスが本拠地のバッグのブランドです。特徴は何と言ってもモジュラー型になっていることです。バッグを構成している部品を自由に組み合わせて、自分だけのバッグをつくれるのです。季節に合わせて色を組み替えたり、スタイルを切り替えたときに再装飾してみたり、好みで変更できる魅力的なバッグのコレクションで、ビックリ!
Img_18211jpg  花やロゼット、ストラップなど、カラーも春らしいパステルから涼しげなジェラートカラーまで豊富に揃っています。
 楽しくてしかもシックなモジュラーバッグ、ワードローブの様々な衣装を引き立てるアクセサリーとして、活躍してくれること間違いなしですね。

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2019年12月25日 (水)

2020春夏パッサージュ合同展 有力ブランドが新作発表

 2020春夏「パッサージュPASSAGE」合同展が、10月29日~31日、渋谷ストリームホールにて開催されました。ガスアズインターフェイス(GAS AS I/F)とネストクリエーション・ラボ(NEST)が共同主催する展示会で、今季もクリエイティブなウェアやバッグ、靴、帽子、アイウェア、アクセサリーなど、国内外から60を超える有力ブランドが揃い、新作コレクションを発表していました。
 中でも注目したブランドをいくつかご紹介します。

アオイ ワナカ AOI WANAKA
Img_05601  2018年にスタートしたブランドで、手掛けるのは和中 碧デザイナーです。
 自立した女性へ向けて「日常に彩りを添えるデザイン 時間を共に歩む服を」提案しているといいます。(このブログ2018.11.4付けと2019.4.4付けでショーの記事を掲載しています。)
  今シーズンのテーマは「Dawn (夜明け)」。
 レースやギャザーなどロマンティックなムードと、機能的なスポーツ感覚が絶妙なバランスで融合している印象的なコレクションです。 Img_05591

ジュップ・ド・サテン Jupe de Satin
Img_05631  元マルニで企画開発に携わっていたというイタリア人デザイナー、ガブリエラ・アゴスティーニによるメイド・イン・イタリーのブランドです。
 イタリアらしいグラフィカルなプリントデザインが魅力の、美しい優雅なコレクションです。
 シャツやスカート、パンツ、ドレスなどは自社工場で縫製し、その他は外部に委託していて、外部委託の縫製工場はケリンググループのブランド商品を生産しているといいます。品質も言うことなしですね。Img_05641  
ギャルデ・コレクティブ GARDÉ COLLECTIVE
 デザイナーは真木 喜久子さんです。GARDÉいうブランド名は、「Garçonne少年のようにいつまでも、Amour 愛情、Rêve 夢、Doux 優しさ、Émotion 感動」のÉnergie エネルギーを持ち続けるCOLLECTIVE “集団” でありたいという思いから名付けられていたのですね。
Img_05661 今シーズンのテーマは「Reborn(再生)」とのこと。とくに切り絵作家の柴田あゆみさんと写真家・大門美奈さんの作品とコラボしたデザインに注目が集まっていました。

マイリ Mhairi
 “Less but better (より少なく、しかしより長く)”をコンセプトに、ミニマルで洗練されたリラックス感のあるワードローブを提案している、注目のブランドです。
Img_05681  今シーズンも身体にストレスを与えないシルエットと立体的な裁断テクニックのある質の高いコレクションを見せていました。

ケア・バイ・ミー CARE BY ME
 デンマークのデザイナー、カミラ・グリツ(Camilla Gullits)さんが、ネパールとデンマークを行き来しながら手がけているライフスタイルのブランドです。
Img_05701  ノルディックの洗練された心地よい暮らしとネパールの自然から恵みを受けたカシミヤのファブリックやサステナブルなニットウェアを提案。人も環境も大切にする気持ちが伝わるブランドです。

バーンストーマー BARNSTORMER
 どこかで聞いたことのあるブランド名と思っていましたら---。創業は40年前だそうで、日本初の本格的な日本製チノパンを生み出したブランドでした。2000年前後に活動休止したものの、2014年に復活を果たしたそう。
Img_05771  復活にあたりチノクロスも開発からスタート、昔ながらのシャトル織機を使ったセルビッジなどこだわりの素材で、大人が履きやすい、絶妙なシルエットのチノパンを提案。男女向けでここでは女性向けがメインでした。

ディーソファ Dsofa
 本展初出展で、ブランドを手がけるのはデザイナーの竹内淳子さん。ブランド名は「Design Dress」、so 「空色 透明感」、fa 「fashion 表現」、sofa 「リラックスした空気」からつけたそう。
Img_05811jpg_20191225120401  ギャザーや透け感、異素材の組み合わせなど、ドレスイメージのブラウスを提案していて、それがとても魅力的に映りました。今後が楽しみなブランドです。

スリウム THURIUM
 デザイナーの及川絵美さんが手がけるブランドです。ブランドのアイコンとなっているアンスリウム(Anthurium)の花のように、曲線的なラインで女性のボディを美しく見せる服つくりをしているといいます。
Img_05731  今シーズンのテーマは「宝モノを見つけたとき」。それは時が経っても色褪せずに残っている“記憶”という宝モノ。どこか懐かしいドレープのドレスを見せていました。

マリア・プラス Maglia Plus
 クラシック×モード×フェミニンをコンセプトに、三輪 由和さんがディレクションするブランドです。「マリアMaglia」はイタリア語でニット、「プラスPlus」は上をいくという意味を込めたブランド名で、上質のニットを中心に、カットソーや布帛を展開しているといいます。
Img_05841  洗練された女性のスポーティなリアルクローズスタイルを提案していました。

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2019年12月24日 (火)

2020春夏ファッションデザイナー合同展「タイムスケープ」

 去る10月28日~29日「タイムスケープ(TIMESCAPE)」展が、東京・赤坂の日本服飾文化振興財団「服飾資料館」にて行われ、立ち寄ってみました。これは新たに始まったファッションデザイナーの合同展示会で、「タイムスケープ」とは、“時間を眺めるようなデザイン ― 時の流れを俯瞰して、歴史に学び、今を生き、未来へ臨む ― ” と言う意味だそう。
 2020春夏に向けて今回参加したのはデザイナー5人です。息づく自然界の息吹に着想し、過去、現在、未来へ続くそれぞれのストーリーをコレクションで表現していました。

セイジ イノウエ Seiji INOUE
Img_05431  井上セイジさんが手がけるブランドです。
 今シーズンのテーマは「コネクト・ウィズ・ネイチャー Connect with nature」。
 自然との繋がりと旅で感じた情景を様々な角度から表現したといいます。
 100年から60年前のアーカイブに、旅先で見つけた街路樹や遠くに見える風景を織り交ぜ、多彩にミックスしたプリントをシンプルなシルエットのドレスにのせて提案。
 明るい爽やかなタッチが印象的でした。
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コ ハクション ko haction
 デザイナーは小池俊介さんです。
Img_05401  今シーズンは「アオサ・ライト・グリーン AOSA LIGHT GREEN」プロジェクトを発表していました。これはアオサという海藻で染めたシリーズです。
 実はこのアオサは海辺の厄介者になっているとか。静岡県浜松市の浜名湖ではアオサが大量発生しているそうです。この除去作業に着目した浜松の染色織人がアオサの色素を抽出することに成功し、小池さんがご自身のコレクションに採り入れているのです。2020年春夏向けにはTシャツだけでなく、ドレスやコートにアイテムを広げて展開。サステナビリティの流れもあり、期待されます。

パーミニット PERMINUTE
 デザイナーの半澤慶樹さんは日本服飾文化振興財団 助成制度2018年「JFLF賞」ファイナリストに選出されたそう。
Img_0548jpg  今シーズンは「リマインディング・テンペラチャー・オブ・ライブズ reminding temperature of lives」をテーマに、前シーズン、実験的に出した草木染のリサーチからコレクションづくりをスタート。兵庫県の工場で見つけた草木染のキュプラの色合いに惹かれて、単に牧歌的だけではない、ブランドのテイストを表現したといいます。
 有機的なカットのドレスに生命感のようなものを感じます。
 
キタキカク kitakikaku
 新たなブランド「H_BALLET」を発表。バレエの楽しさや感動を一人でも多くの方に味わってほしいという気持から生まれたブランドといいます。
 アドバイザーにバレエダンサーの針山愛美さんを迎え、バレエウェアを軸に、人と芸術をつなげることをテーマにした様々なアイテムを展開。バレエはもう舞台衣装だけではない、もっと身近な存在なのですよ、ということが伝わってくるようでした。
Img_05541jpg Img_05571_20191224131801

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2019年12月23日 (月)

2020春夏プラグイン ユニセックスやアップサイクルに注目

 2020年春夏ファッションとライフスタイルの合同展「プラグイン(PLUG IN)」(繊研新聞社主催)が、この10月23日~25日、渋谷ヒカリエで開催されました。
 出展したのは115社144ブランドで、来場者は中日に大雨が降ったにも関わらず、前年同期に比べ少し増加し、3,197人と発表されています。なかなか盛況だった様子です。
 ウェア関係は全体の2割程度で、バッグやアクセサリー、シューズが多い中、私はウェアを中心に見て回りました。目にとまったのが、次の新しいユニセックスカジュアルウェアやアップサイクルを旨とするブランドでした。

フェリチタ (Fericita ! )
 ブランドを手掛けるのはアプローズジャパン、ポジティブな気持ちになれるウェアをデザインするユニセックスブランドです。デニムや、日本のニット産地・新潟でつくられるニット、カットソーでコーディネイトの楽しさを感じて欲しいといいます。
 今回、来場者が印象に残ったブランドを選出するアワードで、2位に選ばれました。
Img_03321  「いつもと違う自分へ、日々のルーティンを変えてみよう、“Change routine”」をキャッチフレーズに、彩りの美しいニットやカットソーが評価された模様です。
 
アソビナ(ASOVINA ) × 飯田繊工
 “アートを身近に!”をコンセプトに新進気鋭のクリエーターが生み出す作品をウェアやグッズにして発信しているブランドです。
Img_03281  注目は、右の“iTTo Yarn”です。これは「Tシャツからつくる糸」で、環境や廃棄の視点から、少しでもこれらの問題を解決したいとの思いから生まれたブランドだそう。廃棄されたTシャツや生地、残反などを回収し、手芸糸にアップサイクルされているのです。鮮やかな色に染め上がっていて、毛羽だっていないのもいいですね。

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2019年12月22日 (日)

2020春夏PRO1.TRADE SHOW「今」結ぶブランド集結

 2020春夏向けファッション合同展「PR01. TRADE SHOW」(ワンオー PR01.事業部主催)が、10月15日~17日、渋谷のセルリアンタワー東急ホテルにて開催されました。会場となったホテルルームにはファッションの「今」を伝える54の有力若手デザイナーブランドが集結、日程が楽天ファッションウィーク東京(RFWT)と同時期だったこともあり、にぎやかな商談風景でした。

ハトラ (HATRA)
  ブランドを手がけるのは長見佳祐デザイナーです。「居心地の良い服」をコンセプトにパーカーをメインにした服づくりで衝撃的なデビューを果たしたことで知られていますね。
Img_98011  今季のテーマは「Tuner/調律体」だそう。
 異次元の世界とつながるウエーブや境界線上の存在に思いを馳せ、“釣り人”をイメージしてデザインしたとか。
 魚網を思わせるメッシュ使いのドレスや、エプロンパンツ、“深淵”を喚起させるアートな意匠のカットソーといったワードローブが並びます。
 複雑なアシンメトリー、立体的カット、構築的なシルエットが特徴の、どこか未来的な感覚なコレクションです。
Img_98031  
コハル (KOHAL)
  ブランドを手がけるのは東京出身のKoharu Saitoさん。Img_98091 タエ・アシダのアシスタントデザイナーを務めた後、パリでトム・ブラウンNYのコレクション制作に携わり、今年にコハルを立ち上げた新進気鋭のデザイナーです。
 スモッキング刺繍など、1針1針手作業でつくるクチュール的技法が詰まったドレスを提案。
 そのほとんどは一点物といいます。
 生地は国内外各地から仕入れた個性豊かなテキスタイルを使用。
 細部までこだわったエレガントなコレクションに、魅せられました。

イン・プロセス (IN-PROCESS)
 スティーブン・ホールと大原由梨佳のデュオが手がけるブランドです。
Img_98121  今季は「フューズド・アルティザナル(FUSED ARTISANAL)」をテーマに、ベーシックな服に再アプローチ。普遍的なスーツやトレンチ、シャツ、デニムなどをどう面白く、かつ着やすく、キレイに仕立てられるかを追求したといいます。異なる要素と組み合わせ、現代感覚に落とし込む手法で、このブランドらしさを表現していました。

ルリ.W (RURI.W)
 デザイナー渡邉瑠璃さんが手掛けるブランドです。
Img_98051  テーマは「カセクシス/アプレボーイ ''CATHEXIS'' APRES-BOY SS01」で、シンプルで、ピュア、ナチュラルな感覚のワードローブを提案しています。
 ピンクやベージュに絞ったカラー展開も今風で好感しました。
 
ローランダー (LOWRUNDER)
Img_98261  コンセプトは「時代を再構築する服」だそう。古着や職人の手仕事にインスパイアされたコレクションで、デニムや生地の切れ端をなど利用し、新しい表情を見せる服を提案しています。

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2019年12月21日 (土)

2020/21秋冬 T・N Japan東京展「未来を始めています」

 T・N Japan(テキスタイル・ネットワーク・ジャパン)東京展は、日本全国の産地のテキスタイル職人による合同展です。この10月24日~25日、渋谷文化ファッションインキュベーションにて、「未来を始めています」をテーマに13社が集結、2020/21秋冬向けた新作を発表し、商談を進めていました。

 印象に残ったメーカーをいくつかご紹介します。

宮下織物 (富士吉田産地)
 ウェディングドレスを中心に舞台衣装の為の生地を織っているメーカーです。ミラノウニカの日本パビリオンの常連で海外販路の開拓も進んでいる様子です。
Img_04921_20191221232401  上は、先頃行われたパリオペラ座バレエ団の日本公演で、ダンサーのドレスに使用されたジャカード織物です。クジャクの羽根のモチーフが何ともゴージャス!

京都紋付 (京都産地)
 日本の伝統的な正装である黒紋付だけを約100年間染め続けている工房です。染め職人の熟練の技と経験をもとに、つくられる”黒”はここでしか出せない究極の黒です。
Img_05151  とくに「クロフィネ KURO FINE」という“深黒加工”の取り組みが興味深かったです。これは愛着があって所有しているものを黒色に染めることで使用する機会を増やしてもらおうという再利用のプロジェクトで、今のサステナビリティの潮流に沿うものですね。デニムなどカジュアルな服も、黒にすると洗練された味わいが加わって、また違った雰囲気で着こなせそうです。価格はコートなど5,000円程度からといいます。
 
古橋織布 (遠州産地) 
  コットンを始めとする天然素材の良さを引き出すために、従来のImg_04721jpg 織物より5~10%も糸密度を高くし、低速のシャトル織機で織り上げているといいます。
 ミラノウニカの日本パビリオンに長年出展し、海外でも人気のメーカーです。

辻村染織 (遠州産地)    
 Img_04741 藍染・刺子、作務衣の販売、産地直送を手掛けるメーカーです。
 同社のルーツという刺し子織。
 白刺し子柄の綿100%です。

匠の夢(見附産地)
Img_04851jpg   感性豊かな独特の先染め織物で好評のメーカーです。
 カラーミックス調や大胆なチェックが目を惹きます。



遠孫織布
 (西脇産地)
 色使いの美しいカットジャカードを提案していて、注目です。
Img_04801jpg_20191221232401 Img_05021jpg_20191221232301




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2019年12月20日 (金)

2020/21秋冬尾州マテリアル・エキシビション エコテーマに

 一宮地場産業ファッションデザインセンター(FDC)主催の「2020/21秋冬 尾州マテリアル・エキシビション BISHU MATERIAL EXHIBITION」が、10月9日~11日、東京・北青山のテピアにて開催されました。
 参加したのは尾州産地のテキスタイルメーカー16社です。各社の新作約1,400点が出品され、会期3日間で1,554名が来場、1社平均690点のサンプルリクエストがあったといいます。

Img_91341  また今シーズンは「エコ (ECO)」をテーマに展開。「サステナブルゾーン」の新設も話題となりました。ここではリサイクルやオーガニック、ノンミュールシングウール、フッ素フリーの撥水加工など環境に配慮した生地63点が展示されました。

 注目のトレンドコーナーでは、FDCが提携しているネリーロディ社のトレンド情報を基に製作した開発素材144点が、次の3つの柱 ― アウトドア・フィーリング、アーバン・バイブレーション、アーカイック・フューチャリズム ― で分類展示されましたのでご紹介します。
 
アウトドア・フィーリング OUTDOOR FEELING
Img_91431  伝統とモダンの組み合わせ、機能的で快適、アウトドアやスカンジナビアからの影響。

Img_91451Img_91471pg 虫文毛織  2方向 綿ストレッチ        ヒラノ W/Cリファインチェック
     
アーバン・バイブレーション URBAN VIBRATION
Img_91571   ゲーム文化や夜遊びの刺激に満ちたリュクスの世界。デジタルのメリーゴーラウンド。

Img_91511Img_91551pg 日本エース Wフェイス カルゼ     ファインテキスタイル ソフト綿ツィル

アーカイック・フューチャリズム ARCHAIC FUTURISM
Img_91641  人類の前へ前ヘという競争に反するウェルビーイング、スマートとスローの組み合わせ。

Img_91591Img_91621jpg 林実業 W/Cブロック楊柳     西川毛織 ランダムポイント       
 さらに今回で4回目となる、糸の展示会「尾州ヤーンフェア BISHU YARN FAIR」が同時開催されました。下記、注目した2社です。

浅野撚糸
  空気を最大限に工夫して撚糸する「スーパーゼロ」シリーズのタオル 「エアーかおる」を前面に。
Img_91691jpg  一般の綿糸とスーパーゼロを秤にかけ、ボリュームがあるのに軽いスーパーゼロの特徴を目に見える形でアピールしていました。

豊島
  食品の製造過程で出る野菜や食材の残渣から抽出した色素で染めた素材「フード・テキスタイル」が印象的です。自然由来でありながら色落ちしにくく長く使える生地がつくれることを訴求していました。Img_91721

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2019年12月19日 (木)

繊維産地を担うテキスタイルデザイナー展『ニ・ナウ』の力

 繊維産地を担うテキスタイルデザイナー展『ニ・ナウ』展が、10月10日~11日に東京・代官山で開催され、初日の出展者によるプレゼンテーションに行ってきました。
 主宰する小島日和さんの司会で、出展者一人ひとりが作品制作の苦労話などを語るという、テキスタイルデザイナーを目指す若者たちにとって大きな励みになるトークイベントでした。
Img_91821  出展したのは次の7人です。穐原真奈(大城戸織布)さん、井上美里(槙田商店)さん、江崎久美子(宮田織物)さん、大岡千鶴(タケヤリ)さん、小野圭耶(東播染工)さん、川上由綺(桐生整染)さん、そして小島日和(terihaeru)さんです。
 
  初参加した江崎さんは筑後出身で、自分の手を動かしてつくる織物に興味を持ち、女性が長く働ける職場づくりを目指す地元の宮田織物に入社したというバリバリの若手です。
 同Img_91981社のアイコニックな製品のハンテンを羽織られてインタビューに応えていました。
 「3年が経って、繊維業界活性化に取り組んでいる『ニ・ナウ』の小島さんを知り、一緒にやりたいと申し込みをし、社長の一押しもあって出展が叶いました」と笑顔でコメント。
Img_92001pg  右は、久留米絣の産地ならではの経糸と緯糸の組み合わせにより表現された綿織物です。
 とくに色の出し方にこだわっているそうで、モダンな仕上がりがステキですね。

 もう一人、新メンバーとして参加したタケヤリの大岡千鶴さんは、趣のある墨流しの技法を取り入れた帆布を提案。「帆布の加工バリエーションを増やし、新しい使い方を広げたい、産地を盛り上げるためにできることをやりたい」などと挨拶されていました。

Img_91921jpg  上は、今や『ニ・ナウ』の常連となった東播染工の小野圭耶さんです。
 今シーズンは、米綿の色付きオーガニック綿花を使用し、染色しない自然のままのコットンの色を活かして、くっきりとしたストライプを高密度な織り組織で表現した新作を発表していました。

 産地の衰退が叫ばれる日本ですが、このような若いデザイナーたちが繊維の産地を支えようと頑張っている姿を見て、「大丈夫、何とかなる」と思いました。次シーズンも期待しています。

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2019年12月18日 (水)

「カルティエが魅せる職人技」展 カルティエの職人技体感

 この10月半ば、21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3で「カルティエが魅せる職人技」展が開催されていました。これは国立新美術館で開かれていた企画展「カルティエ、時の結晶」のクラフツマンシップを体験する期間限定のイベントでした。
Img_90341  会場には普段なら絶対に見ることのできないジュエリーや時計制作のための道具、カルティエのクリエイションの源となる石が展示されていて、その上、職人によるデモンストレーションも行われていました。 
 
Img_90291  上は、宝石彫刻師のフィリップ・二コラ氏です。
 宝石を彫刻する技術、グリプティックという歴史ある職人技をお持ちで、2008年に「メートルダール (フランス文化・通信省がフランス伝統工芸の最高技能者として認定する職人に与える称号) 」に認定されたといいます。
 そのユニークな技法を間近で拝見できるなんて、このような機会はもうめったにないです。ワァーっと女性たちに取り巻かれていました。

 またストローマルケトリの職人も来ていました。
Img_90361  ストローマルケトリとは、藁をナイフでカットしたものを着色し、貼り合わせ、平らな面に意匠を描く寄せ藁細工で、寄せ木細工のような感じのものです。カルティエはストローマルケトリを高級素材と組み合わせて、時計など傑出したピースをつくり出してきたのですね。
 
 希少なクリエイションの秘密の一端を垣間見たひと時でした。

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2019年12月17日 (火)

全国ファッションデザインコンテスト 日本綿業振興会賞は?

 今秋は度重なる大型台風や大雨の影響で、イベントが中止されるケースが数多くありました。第57回を迎えた全国ファッションデザインコンテストのショー形式による審査会も台風19号の接近のため取りやめとなり、私も日本綿業振興会賞の審査に臨むことができませんでした。
 後日、主催者の杉野学園から実物制作について内部審査が実施され、日本綿業振興会賞には兵庫県マロニエファッション専門学校の魚本帆菜(うおもとはんな)さんが受賞したお知らせを受けました。

57thjfdc_57ts-jfdc19101200641jpg  右がその作品です。応募総数1689点のデザイン画から実物制作された31点の中から日本綿業振興会賞に選ばれた力作です。
 一見して思ったのが何かの“虫”です。昨日のこのブログに書いた「虫」展で見たような虫です。
 後から取り寄せた制作者のコメントによると「“ダンゴ虫”のイメージ」とあり、やはりそうだったのか---と思いました。黒いハリのある布でつくった襞の重なりは、ダンゴ虫の甲羅を思わせ、一つひとつが“節”のようです。真ん中の白いものは“卵”を模しているのでしょうか。後ろから見ると、小判型の体型が浮き上がっていて、まさにダンゴ虫! 
57thjfdc_57ts-jfdc19101200701 57thjfdc_57ts-jfdc19101200711
 子どもの頃、家の中に入ってきた小さなダンゴ虫と遊びました。ちょっとつつくと体を丸める虫がおもしろかったのですね。そんな虫好きがワァーっと喜びそうな服に仕上がっています。この造形力、すばらしいです。
 作者のコメントには次のように記されていました。
 「自己保身のため、他を遮断するシルエットにダンゴ虫のイメージを取り入れ、周りとの関わりを絶った“ワタシ”の世界で、自己表現の重要性、個性の必要性を問います。自身の存在意義を問います。」なかなか意味深な重い意図が込められていたのですね。
 “ワタシ”独りの世界を見つめることは成長の一段階です。魚本さん、受賞を機に新しい社会に向かって大いに羽ばたいていって欲しいと願っています。

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2019年12月16日 (月)

企画展「虫展」 トーク「虫好きの場所」でブレイクダンスも

 21_21 DESIGN SIGHTで11月4日まで開催されていた企画展「虫展」は、久しぶりに楽しかったです。
 トーク「虫好きの場所」にも参加しました。本展ディレクターでグラフィックデザイナーの佐藤 卓さんと女性漫画家で随筆家のヤマザキマリさん、ブレイクダンサーの小林真大さんの三人が虫の魅力と面白さを語り合い、すっかり引き込まれてしまいました。
 それにしてもあのヤマザキマリさんがそんなにも虫好きだったとは、ほんとうにビックリです。マンションではたくさんのカブト虫を飼っているそうです。身につけていたアクセサリーも虫を象ったモチーフ、グッチのバッグにもトンボや蝶があしらわれていました。
 小林さんは、何と蛾の愛好家で、現在、「蛾の宝庫」と言われるラオス在住です。現地ではヨーロッパと同じで、蝶も蛾も区別がないとか。確かにフランス語のパピヨン(papillon)は蝶だけではなく蛾も指します。しかも蛾の方が蝶より美しいそうです。小林さんの日常生活はいつも昆虫と一緒で、昆虫も普通に食すといいます。中でもスズメガはエビのような味わいでおいしいそうです。と言われてもとても食べる気にはなれない私ですが---。
 日本でも無印良品が来春に”コオロギせんべい”を発売するとか。2020年は昆虫食元年なんて言われているんですって。昆虫は今後大きなタンパク質源として期待されているといいます。
 中盤からはたくさんの興味深い虫の画像を見せていただきました。虫は本展の副題「デザインのお手本」であることを改めて学びました。昨日のこのブログに記したクモ糸ファイバーもそうですが、自然からインスピレーションを得て創り出されたデザインをバイオミミクリー(生体模倣)と呼んでいます。自然の形、プロセス、そして生態系を模倣することは、より持続可能なデザインを創造するためになくてはならないものになってきそうですね。

 最後に小林真大さんとお友達のラオス人のお二人が、ブレイクダンスを披露してくれました。蛾が舞うイメージを身体で表現され、激しい動きに目が点! ほんとうにすばらしかったです。

 展示会場には、20の作品と作品にまつわる「虫トピックス」が展示されていました。
Img_90661  中でも注目した作品をご紹介します。
 
極薄和紙の巣 隈 研吾×佐藤 淳
 空中を舞うかのように儚げなトビケラを優しく包み込む巣。世界で最も薄い和紙を、わずか3mmのヒノキとケヤキの骨組みで引き締めたモジュールできているそう。Img_90931  これはホント、美しかったです。
 
シロモンクロゾウムシの脚 佐藤 卓
Img_91131   エントランス付近に設置されていて、巨大さに驚きました。700倍に拡大したシロモンクロゾウムシの中脚ですって。
 
虫漢字のかんじ 向井 翠 Img_91011  虫がついている漢字がズラリと並んでいますがーーー、圧倒的に読めない漢字が多くて。でも指で押すと、内側に読み方が書いてあって、勉強になりました。
 
擬態化のデザイン 長谷川弘佳
 Img_91291jpg  コノハガの擬態を表現したもの。
  葉に見えます。

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2019年12月15日 (日)

アウトドア ファッションの未来に微生物由来タンパク質繊維

  2019 メンズファッションブランドナビによると、アウトドアウェアの人気ブランドランキングの第一位は、ゴールドウインの「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」でした。
Img_24631jpg  このブランドのショップ(渋谷パルコ)では今、スパイバー(Spiber)による石油や動物資源に頼らない微生物由来のタンパク質を使ったアウトドアジャケット「ムーン・パーカ MOON PARKAⓇ」が店頭を飾っています。
 アパレル産業においては今や、環境への配慮、対策は必要不可欠です。アウトドアウェア分野ではこの意識がとくに高く、上記ゴールドウインとスパイバーは、機能性と環境性を高度に両立した素材、製品のあり方を考え、共同開発に取組んできたといいます。

 先般のファッションワールド東京では、“ジャパン ノース・フェイスを作った男”といわれるゴールドウイン副社長の渡辺 貴生氏(このブログ2019.9.2も参照)とスパイバー代表の関山 和秀氏が登壇。「アウトドア、ファッションの未来」をテーマに基調講演されました。

 まず関山氏がプレゼンテーション。タンパク質に目をつけ、鋼鉄よりも強いといわれる蜘蛛の糸という魅力的な材料を基に微生物を使ってつくれないか、と研究を始めたといいます。その主成分のタンパク質は20 種類のアミノ酸が直鎖状に繋がった生体高分子で、アミノ酸の組み合わせパターンはほぼ無限に存在するそうです。関山氏らは微生物の発酵プロセスを利用して繰り返し実験、その結果、発酵構造タンパク質(ブリュード プロテインBrewed Protein)ファイバー、「クモノス QMONOSⓇ」の開発に成功したのです。
 2015年にゴールドウインとの協力が実を結び、「ムーン・パーカ」のプロトタイプを発表、今年2019年に製品化されたと語られました。

 次に渡辺氏が、ムーン・パーカに先駆けてTシャツを今夏250着限定で発売し完売したことを報告。今年はアポロ11号から50周年という記念の年でもあり、開発当初は水に弱かったそうですが、防水透湿機能を改良し、開拓者精神に則って、ムーン・パーカを製品化したといいます。12月12日からの抽選販売を発表したところ、50着限定なのに応募者多数ですぐに受付終了となったとか。価格は1着15万円ですが、大人気のようです。

 続いてこの新素材の今後について、興味深いお話がありました。今後この繊維を使って様々な種類の素材がつくられるようになり、循環型ではないタイプの繊維は、ファーフリーファーやレザー、インシュレーションを含めてあらゆるものが、この発酵構造タンパク質繊維に置き換えられていくというのです。
 現在、タイに量産のためのプラントを計画中で、2030年までに100万着の服の原料を生産するといいます。ゴールドウインではあと5年以内に他のブランドも一定アイテムをこの構造タンパク質繊維に変えていき、一着丸ごと再生可能なものにしていくそうですし、2025年には他のメーカーも使えるようにしたいとのことでした。

 最後にまとめとして、関山氏は「人類が直面する課題解決に貢献したいという気持で取り組んだ。アパレル先行で始めたが、自動車など多様な業種に広げていきたい」。渡辺氏は、「テクノロジーは環境をより良いものに変えることができる。スポーツやアウトドアをこの方向に少しでも前進させていきたい」などと語られました。
 お二人の環境への強い思いが伝わるセミナーでした。

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2019年12月14日 (土)

「エクラ」の編集から見えてくる、ミセスマーケットの潮流

 出版不況といわれる中、50歳前後のおしゃれな女性を対象にした雑誌「エクラ」は、この11月号も完売するなど、販売が絶好調といいます。この「エクラ」の長内育子編集長が先般「ファッションワールド東京」のセミナーに登壇、「『エクラ』の編集から見えてくる、ミセスマーケットの潮流」をテーマに講演しました。

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  エクラは、“J(ジャパン)マダム”をイメージして、2007年9月に集英社より創刊した雑誌です。“Jマダム”とは「ミラノマダムより可愛い、パリマダムより若々しい 」女性で、軽やかなファッションを楽しむ50歳前後のアラウンド50、“アラフィー”を想定しているとのこと。アラフィフではなく“アラフィー”と呼んでいるのも小意気ですね。
    表紙はいつも富岡佳子さんです。親しみやすい雰囲気で、主婦層を中心に幅広く女性たちに支持されていモデルさんです。
  また雑誌編集部門と通販チームと一緒に動いていることも強みで、“アラフィー”のための情報発信としての役割に努めているといいます。
 加えて今どきの“アラフィー”像について、おしゃれ感度が高く、SNS発信力があると分析。SNS利用率は90%だそうで、もうほとんどの女性がやっていることが分かります。その内インスタのユーザーは53.8%、フェイスブックを個人で発信している人は60%もいるとのこと。
 “エクラ売れ”という言葉もあり、エクラに載ったものは必ずヒットするというのも驚きです。掲載されたそのままのファッションが欲しいという人も多くいて、同じ服が700点以上売れたこともあったといいます。
 さらに「同窓会では2番目にキレイでいたい」というのもエクラが目指す女性の姿だそう。なぜ1番ではないのかというと、同窓会というハレの場では、悪目立ちしたくない、感じのいい人でありたいという心理が働くからとか。センスをチェックされる同世代の集まりでは“イイネ”が響くとも。
 シルエットでは体型カバーが大切で、アイテムでは体型を美しく見せるワンピースが人気だそう。カラーではワントーンがブームで、今秋冬はベージュやブラウンが受けているといいます。そういえば店頭ではエレガントな茶系が目に付きます。
 エクラが提案するクオリティの高い“Jマダム”ブランドが今、アツイ!私も早速チェックです。
 最後に“アラフィー”を「乙女の心、大人の財布」にたとえられました。開高 健の「少年の心、大人の財布」に倣い、“乙女の心”とは好奇心旺盛なチャレンジ精神、“大人の財布”は金銭的にも精神的にも余裕のある女性ということでしょうね。
 今や、ミセスマーケットは様変わり、前向きで高感度、洗練された大人のおしゃれを楽しむ“Jマダム”に変貌していることが分かりました。
 “アラフィー”市場の大きな可能性を感じた講演でした。

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2019年12月13日 (金)

スマートテキスタイル最前線! 要素技術と世界の開発動向

 昨日のこのブログの続きで、最近のスマートテキスタイルの状況について福井大学産学官連携本部 客員教授・名誉教授/繊維技術活性化協会 理事長 堀 照夫氏が講演されました。テーマは「スマートテキスタイル最前線! 要素技術と世界の開発動向とは?」です。そのポイントをまとめました。Img_87501jpg

 まずスマートテキスタイルとは何か。直訳すると“賢い繊維”です。とくに周囲の環境の変化に応じて,着用者の好ましい状態に動的に修整する機能を持つテキスタイル素材をこう呼んでいるといいます。したがってここには電子・電気・情報などの分野が関わってくることになります。IT機器を「身に着ける」ウェアラブルに対応する繊維といわれるのもこのためなのですね。
 世界の開発動向を見ると、先行しているのはフランスなどEU、また台湾もそうです。アメリカは非公開ですが最先端技術を持つNASAがあることから、進んでいるとみられています。日本は欧米らに比べ遅れていますが,ここ数年加速度的に進み出しているといいます。
 次にスマートテキスタイル用部品と要素技術を挙げて解説されました。
①生地 ― 肌との接触を考慮した着心地のよいもの
②導電性センサー ― 耐久性があり、30回の洗濯に耐えるもの
③センサー、デバイス、ICチップ ― 小型、軽量、耐久性があるもの
④電源 ― バッテリーは小型、薄型、軽量
 またお互いを接続する技術として回路構成のためのハング、接着、プリントなども。
 さらに国内に様々ある導電繊維を下記のように分類されました。
①銀イオン繊維 ― 塩化銀を練り込んだりメッキしたりすることにより電気が流れる抗菌性のある繊維で、メッキしやすいナイロンがメイン。ミツフジやセーレン、ウラセなど
②導電性インキやペースト ― ナガセケムテックスのコーティング剤
③伸縮性導電糸 ― 旭化成ロボ電の伸縮性電線
④ヒーティング材料 ― 三機コンシスの温かい手袋など
⑤圧電素子テキスタイル ― 帝人×関西大学の圧電組紐や圧電ロールなど
⑥テキスタイル用新電源 ― 住江織物の繊維状布帛型太陽電池
⑦布状各種センサー ― 槌屋
 この他、いろいろ。
 その上で生体信号を測定できるテキスタイル、心拍モニタリングなどを行う生体センシングウェアの展開例として、ヒトエ(東レ)、ココミ(東洋紡)、スマートフィット(クラボウ)、ハモン(ミツフジ)、帝人、グンゼ、ゼノマなど。海外ではフランスのシティズンサイエンス(Cytizen Science)社のスマートシャツなどを紹介。
 上記がいずれも接触型なのに対して、最近、非接触型で心拍モニタリングをする衣服、ノン・コンタクト・スマートスーツ(Non-contact Smart Suit)が台湾工業技術研究院で発表されたことにも触れ、世界は進化していると思いました。
 その上もう一つ、画期的と思ったのが、フランスのバイオセレニティ(Bioserenity)社研究所のスマートテキスタイルを使ったウェアです。このウェアには多数のセンサーが入っていて、一着で60項目ものデータをパリの病院のナースステーションに送ることができるといいます。2020年からは在宅でのデータ送信も可能になるといい、これまでの年間5万着から今年は10万着をつくって用意しているそう。しかも素材はコットン100%であるとのことで、堀 先生は、「これぞ最先端」と絶賛されていました。
 
 最後に、スマートテキスタイルの開発には電気電子メーカーやソフトウェア、ハードウェアとの共創が必須と述べて、講演を締めくくりました。

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2019年12月12日 (木)

講演 “データ資本主義”時代の衣類型ウェアラブルデバイス

 時代が金融からデータへ、“データ資本主義”へ移り替わろうとしている今、テキスタイル市場にも変革の波が押し寄せよせつつあります。その中心的存在が衣類型ウェアラブルデバイスです。
 先頃開催された「ファッションワールド東京」で、この衣類型ウェアラブルデバイス市場に関するセミナーが開かれ、ビッグデータが私たちの生活にどのような影響を与えることになるのか、興味津々参加しました。
 講師はIDC Japanシニアマーケットアナリスト菅原 啓氏です。「“データ資本主義”時代のテキスタイル:衣類型ウェアラブルデバイスは何を変革し、何をもたらすのか」をテーマに、市場分析から新たな価値まで概略を語られました。

 まず、ウェアラブルデバイスには次の5種類があるといいます。①衣類型―服全体から手袋や靴など、②耳掛け型、③モジュラー型―ペンダント型の装飾、④時計型、⑤リストバンド型です。これらの中で、衣類型ウェアラブルデバイスの市場動向について、活発な成長を見せる市場であると前置きしました。出荷台数は年々増加し、2016年に全世界で25万台だったのが、2019年には75万台超と3倍以上に伸び、今後も2023年には600万台、日本でも60万台になると予測されているといいます。
 次に国内市場で人気の衣類型ウェアラブルデバイスを2つ、紹介しました。
 一つはミツフジの「ハモン hamon」です。生体情報のメタ分析ができるデバイスで、キムラタンのベビー服に導入され、うつぶせ寝見守りソリューションとして活用されています。またワコールも「ハモン」と協業し、女性のストレス因子を解析するブラジャー型ウェアラブル「アイブラ(i BRA)」を開発し、この7月から法人向けに販売をスタートさせています。
  もう一つはバンダイのUNLIMITIV(アンリミティブ)の子ども向けスポーツシューズ です。
Img_87521jpg  靴底にセンサーユニットが付いていて、スマホアプリと連動することでテータを収集し、遊びながら運動能力の進化をアシストしてくれるといいます。「履くだけで速く走れる靴が欲しい」という子どもたちの要求から開発されたとか。価格も3,000円台でリーズナブルですので、サイズさえあれば大人も欲しいかも。
 こんな風にいろいろなデザインやブランド、機能を持つものが出てきているのですね。今後さらに機能的で安価なものが現れると期待されます。
 最後に、衣類型ウェアラブルデバイスは何を変革し、何をもたらすか、です。菅原氏は、衣類がデータをとることにより、“エコシステム”に組み込まれて新たな価値を帯びることになるといいます。“エコシステム”とは、最近 IT分野でよく使われる言葉で、業界や製品がお互いに連携することによって成り立つ全体の大きなシステムを形成するさまをいうようです。私たちユーザーもこのシステムを形成する一つになっていくのですね。
 「データ資本主義」時代の到来をひしひしと感じたセミナーでした。

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2019年12月11日 (水)

対談 デザイナー「コシノ ジュンコ」軌跡と行動哲学

 先般の「ファッションワールド東京 秋」セミナーで、世界的デザイナーのコシノジュンコさんが登壇しました。今年80歳になられてなお第一線で活躍されているコシノさん、このブログでも昨夏の講演会(2018.8.30付け)の模様を記していますのでご覧ください。

Img_87691  今回は対談で、お相手は装苑の児島幹規 編集長でした。コシノさんの活動を常に見続けてきた同氏だけに引き出しが上手。デザイナー「コシノジュンコ」の人生の軌跡から行動哲学まで、様々な話題にあふれたトークとなりました。 

 デザイナーとしての始まりは装苑賞を受賞した19歳のとき、1960年です。一歩引いて世界を見ているようなところがあったというコシノさん。「洋服屋で終わりたくない」と、人がやらないことを目指して、結果をつくっていったとか。よく遊んだけれど遊び仲間は同業者ではなくて全く違う業種の人たちだったそう。そんな遊び心が役に立ち、いわゆる“壁も乗り越えたといいます。
 和太鼓の「ドラムタオ」の衣装を手掛けたり、オペラや花火をデザインしたり---。未知のものを開拓することに夢中になる性格で、「今までやったことがない、できないことをやることが“宝になる」、との名言?も飛び出しました。
  1978年に初めてパリコレに出たときも、西欧にないものを考えて、日本のルーツに中国伝来のものが多いことから中国にイメージをふくらませてショーを行ったそう。その中国ではまだ誰もやっていない1985年からショーをスタートさせ、またキューバでも1996年にサルサをテーマに現地の人たちを巻き込んでのショーをしたといいます。

 また亡き作詞家の安井かずみさんから、フランスの高名な彫刻家セザールとの交流まで、様々な人物とのエピソードも語られ、最後にタレントのブルゾンちえみの“母と呼ばれていることも明かして、びっくり! 確かに似ています。

 思いつくままのフリートークでしたが、中でも印象的だったのはコシノさんの流行についての考え方です。流行に興味はないけれど、「無いと空しい重要なもの」、「とらわれ過ぎると自分が無くなる」、「流行は終わるけれど好きなことは終わらない」、「ファッションとは流行ではなく、もっと広い、世の中全体の流れのこと」など。

 これからもこれはと思ったものをファッションで表現し伝えていくと語るコシノさん、ますます期待しています。

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2019年12月10日 (火)

講演 ユナイテッドアローズ ブランドビジネスへの挑戦

 先般開催の「ファッションワールド東京 秋」では、ファッション業界のキーパーソンによるセミナーも多数行われました。その一つが、(株)ユナイテッドアローズ(UA)上席執行役員 第一事業本部 副本部長/(株)デザインズ 代表取締役社長 田中 和安氏が登壇した基調講演です。セレクトショップが曲がり角を迎えたといわれる中、ファッション業界はどうあるべきか、「ユナイテッドアローズが挑戦するブランドレーベルの育成 ~小売視点とブランド視点の融合・BLAMINKの事例をもとに~」をテーマに語られました。

 第一に、問いかけたのが「洋服が売れないのは本当か?」です。
 売れない要因として、“イノベーション”という変化に追いついていけず、①若者のファッション離れ、②人口減少・少子高齢化、③デフレ経済があるといわれます。が、しかし「我々は売れると思っている」ときっぱり。
 服が売れないのは、選び方や買い方に変化が起こっているからで、服は売れると次のように分析されました。①服は必需品であり、服を着なくなることはあり得ない、②自己表見や自己実現は世界的な流れであり、自分らしさを表現するのに服ほど手っ取り早いものはない、③美意識への高まり、文化的成熟はもう後戻りできない、④ファッション消費はグローバルで増加している。

 第二に、「商売は競争か?」です。
 競争というと勝つか負けるかの話になり、コストとスピード勝負の結果、商品の同質化が起こります。こうなると客は欲しいものがなくなり、勝者も疲弊してしまうといいます。とくに現在はビジネス環境の変化で、大量消費に対する反省とともにノームコア疲れが見られます。こうした現状において、「商売は競争よりも“共走”」の精神でいかないとうまくいかないと指摘します。“共走”とは全員が勝ち組になって差別化していくことであり、このためのブランディングは最重要になってくると断言しました。

 第三に、ブランディングの事例として「ブラミンク(BLAMINK)」にフォーカス。
 Img_18053 これはUAがトレンドマーケット向け事業として2016年秋にローンチした新ブランドです。南青山に旗艦店を構えています。
 このブランドを立ち上げた理由は、高感度富裕層が増えているからと明快です。価格が高くても長く着られるものが欲しいという客層の声に応えてのオープンであるそう。店舗では将来ビンテージとなって、アートピースのように時間の経過とともに値打ちが上がる服を展開しています。私も行って見て洗練された高級感漂うムードに圧倒されました。日本発のラグジュアリーを目指すブランドというのに納得です。
 ラグジュアリーブランドというと、①最低でも100年の歴史がある、②世界に流通し、主要都市で注目されている、③独自性がある、とされています。ですから日本のブランドでは無理かと落ち込んだこともあったとか。しかしラグジュアリーであるかどうかを決めるのは顧客であると気づき、独自性のある「モノ」、価値ある「ウツワ(店)」、優秀なスタッフ「ヒト」を揃えて、設立に踏み切ったと胸の内を明かされました。 
 
 最後に、UAにとってのブランド開発とは、①個性を豊かにする差別化、②「ブラミンク」のジャパンラグジュアリーへのチャレンジ、③PB強化を挙げ、「すべては顧客のために」の言葉で講演を締めくくりました。

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2019年12月 9日 (月)

「ファッションワールド東京 秋」展 過去最大規模で開催

 この10月2日~4日、リードエグジビションが主催するファッション展「ファッションワールド東京 秋」が東京ビッグサイトにて開催されました。出展社は世界35ヵ国から1,050社、来場者は3日間で20,239人と発表されています。文字通り、日本最大規模のファッションの展示会でした。

 見どころは多数ありましたが、とくに「アパレルエキスポ」から興味深く思ったブランドをご紹介します。
 
着る保湿クリーム
 リオグループホールディングスが手がける、肌の保湿に悩む人にうれしいブランドです。
 シルクのように上質な綿100%の生地に、天然由来の成分を配合したアパレルラインで、その成分はシアバターとオリーブオイル、シルクアミノ酸。毎日欠かさずに乾燥対策をしたい方や、保湿クリームのベタベタ感が苦手の方に、着て保湿できるなんて、いいですね。
Img_87591jpg   ブースではパジャマ/ルームウェアはもとより、着る人を素敵にするモードなドレス、洗練されたフォーマルウェア、ブラックフォーマルまで、女性が美しく見えるスタイルを提案していました。通販の「ナチュラン」サイトで、ランキング1位を獲得したそう。
 
ロボット・フォー・ジャパン ROBOT FOU JAPAN
  2016年に日本で誕生し、特許を取得して自社開発したという無縫製シャツのブランドです。特殊なニット生地を使用し、優れた粘着技術によりつくられているといいます。シームレス仕様も可能だそう。ポリウレタン混で伸縮性と弾力性があり、シワになりにくいのでアイロンフリーであることも訴求しています。
Img_87651jpg  なお事務所は横浜で、生産工場は中国広東省にあるとのこと。

 次に特設ゾーンとして新設された「メイド・イン・ジャパンフェア」から。

シオラ Siora
 和歌山産地でオリジナル素材を提案する「スティル・ライフ(Still Life)」が、2018年に初めて立ち上げたカットソーブランドです。
Img_88371   ニット生地に独特のハリ感やシャリ感、ヌメリ感があり、どこか懐かしいヴィンテージ感のあるコレクションです。

アイナリー AineRy
  沖縄発デニムブランドです。
Img_88431   ブランドを手掛けるのは、デザイナーの嘉数(かかず)義成さん。これまで琉球藍は栽培管理が複雑で、扱うにも長年の経験と熟練が必要だったため、量産不可能とされてきたそうです。それを自ら、栽培し育てながら、琉球藍100%のデニムを誕生させたといいます。化学染料では表現できない独特の味わいが魅力です。

 さらに50ものブランドが集中する「デザイナーゾーン」から。

ウシロマエ ushiromae
 デザイナーの後田タカコさんが2015年、立ち上げたブランドで、テーマは和と洋の融合だそう。浴衣や着物を用いた服は、洗練された感覚で小粋です。
Img_89001  「ウシロマエ」という名前のように、着方はいろいろ。後ろを前に、裏を表に、下を上に。多様性・機能性・流行りに関係ない、いつまでも長く愛用できる服づくりを目指しているといいます。
 
パキコ PAKICO
 「世界で一枚だけの手織りのストール」で、多くの方に使って頂きたいと初出展したといいます。
Img_89021   出展したパキコさんは、2016年から“さをり織り”という手法で、縦糸の成形からまったくのオリジナルでストールを制作しているそうです。
(写真はパキコさんで、さをり織りのドレスを纏っていました) 
  素材はコットンが中心で、一人でコツコツと織っているとのことです。手の温もりを感じさせる手織りの織物で、こんなにもセンスのいいものを見たのは初めて。たくさんの引き合いがあるといいな、と思ったことでした。

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2019年12月 8日 (日)

舘鼻則孝展 日本独特の文化を再定義 「アローズ」初公開

 東京・銀座のポーラ ミュージアム アネックスで開催されている舘鼻則孝の個展を見てきました。
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 舘鼻則孝は、日本独特の文化を現代に再定義し、新しい視点による世界観を表現する現代美術家です。
 遊女が履いた高下駄から着想を得たという「ヒールレスシューズ」の作者として知られていますね。
 
 本展では日本独自の死生観「It’s always the others who die (死ぬのはいつも他の人)」をテーマに生まれたという作品「アローズ」が初公開されていました。
Img_17461jpg  上は、一本一本丁寧に手づくりした矢を225本使ったというインスタレーションで、すべて木でつくられているそう。
 
Img_17481  もちろんヒールレスシューズの新作も、稲光を記号化したような絵画を背景にたくさん出品されていました。
 右はレディー・ガガが履いて一躍、脚光を浴びたもの。

Img_17531 それにしてもシューズの高さにはびっくり! 高さが45cmもあるので、人が履くことは想定していないのでしょうが---。
 とはいえそのシンプルでスタイリッシュなデザインに魅せられます。

Img_17521 
 開催は22日まで。日本と西洋の不思議な融合が楽しめる展覧会です。

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2019年12月 7日 (土)

メゾン マルジェラ アーティザナル コレクション展を体感

 今、東京・恵比寿にあるメゾン マルジェラ トーキョーで、ジョン・ガリアーノが手掛けた「アーティザナル コレクション」展が開催されています。
 展示されているのは2019年春夏の「メゾン マルジェラ オートクチュール アーティザナル Co-ed」のコレクションで、テーマは“デカダンス”です。
Img_18581  右は、入口正面の三方鏡張りのコーナーにディスプレーされているルックで、カラフルで華麗、アバンギャルドなデザインにドッキリ! 
 使用されている生地はプードル柄のジャカード地です。
 ここではもう服に区別がありません。
 裏と表はもとより、トップスとボトムス、男女の別もない、あらゆる仕切りを取り払った新しい概念の服づくりが行われているのを目の当たりにします。

 パンフレットでガリアーノが語る“デカダンス”についての考え方が興味深いので、要約してご紹介します。
 「私は何か新しいチャプターを始めたくて仕方がなかった。思いついたのが“デカダンス”というアイデアだ。なぜなら世の中には過剰、改ざん、衰退を表す、エネルギーが満ち溢れているからで、その過剰な気ままさとそこから来る遊び心にインスパイアされたのが今回のコレクションだ」。次いで「私はこのアイデアを鏡に映し出す必要があった。鏡は何がリアルで何がリアルでないかを描き出す方法だ。プードルというモチーフはすごくデカダンと思う。ショーのためにクリップされて毛の色を染めた華やかで美しいプードルだからね」。
Img_18781 Img_18651pg  
           左は、プードル柄のジャカードのスカートがカットされて、ボディの上を移動して、ドレスとして再解釈されたもの。ブラックタフタのプリーツディテールをほどこしたアンダードレスに重ねて。
右は、ヘリンボーン柄のスカートをセーラーパンツに着想を得たネックラインのトップに変容させ、ネックラインに鮮やかなイエローのライニングをほどこしたもの。ボトムはオーバーダイされたコートのトップ部分をカットし、ショーツに再解釈したパンツルック。
 
Img_18741_20191208155001  上は、メゾンマルジェラの2019秋冬Co-edコレクションの展示です。“デカダンス”に続く“デフィレ”コレクションで、想像力を掻き立てられる印象的なピースがハンガー展示されていました。
 
 これはガリアーノのクリエイテイブな才能を体感できる千載一遇のチャンスです。ファッションデザインを学ぶ方は必見かも。ちなみに開催は11日までです

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2019年12月 6日 (金)

「ベンベルグ裏地ミュージアム+(プラス)」を訪問して

 先般、旭化成の「ベンベルグ裏地ミュージアム+(プラス)」を訪問する機会がありました。日本ファッション協会うらら会の企業訪問の一環として行われ、格別の便宜を図っていただき実現したものです。
 ミュージアムが開設されたのは2014年で、千代田区神保町にあったそうですが、本社移転にともない、昨年11月、東京ミッドタウン日比谷に移転し、リニューアル・オープンしたとのこと。見学は業界関係者に限られ、予約制になっています。

 「ベンベルグ」は、キュプラの商標で長年裏地として親しまれてきた再生繊維です。原料がコットンリンター(綿花を採った後の短い繊維)であることから、エコな素材として脚光を浴びるようになりました。サステナビリティという追い風にも乗り、昨年あたりから再びベンベルグに注力してプロモートするようになったといいます。Img_89502
 キュプラは銅アンモニアを使用してつくられることから、銅アンモニア繊維とも呼ばれています。発明されたのは19世紀末のことでドイツのメーカー、ベンベルグ社によるものだったといいます。旭化成はこれを日本で「ベンベルグ」と呼んで売り出したのです。しかしながらドイツのベンベルグ社は製造工程で銅の回収ができずに撤退してしまいました。イタリアのメーカーも手掛けていたのですが、2009年に生産を終了し、現在キュプラを製造しているのは銅を100%回収する技術を有する旭化成のみだそうです。
Img_89431jpg  滑りやすいので裏地に最適ですし、最近はドレス素材としても人気があります。ミュージアムにはたくさんのサンプルや有力ブランドのファッション衣料が展示されていました。旭化成つながりでコム・デ・ギャルソンのものも見られました。

Img_89511  輸出では中近東向けが好調のようで、とくにインドのサリーには最も多く使われているといいます。

 あまり広くない空間にその歴史や製造法など、情報がギュッと詰まっている、そんなミュージアムでした。

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2019年12月 5日 (木)

高野口パイル「ぷわぷわ15」展 各社個性を訴求

 この10月2~4日、ラフォーレ原宿にて紀州繊維工業協同組合主催のパイルファブリックの総合展「ぷわぷわ15」が開催されました。出展したのは日本有数のパイル産地、高野口の13社です。エコファーに追い風が吹く中、多数のバイヤーが来場し、各社得意の「個性」をアピールすることができたといいます。
 機能性を持たせる、染め織りに変化をつけるなど、バリエーションが拡大する一方、エコやサステナビリティの打ち出しも多く、ともに新しい動きとして注目されます。

ヤマシタパイル
 目玉は世界初のアウトラストファーです。
Img_88751jpg  アウトラストは、快適に保つ温度調節機能(32℃)のある繊維で、Img_88781 パイル部分に使用されているとのこと。 ポリエステル<アウトラスト>50%、アクリル50%のファーです。
 また「ナチュラルテキスタイル」のテーマで、心地よいコットンパイルの提案もみられ、こちらも好評といいます。

妙中パイル織物
Img_88821  様々なビロード状の生地を提案しています。
 立体的なレリーフやプリーツ加工などを加えた装飾性の高いものなど、アパレルにまたポーチといった雑貨小物に、用途が広がっている様子です。
 
松岡織物
 コーデュロイやカットコーデュロイのようなパイルや、表がツイルやヘリンボンで裏がモコモコしたリバーシブルパイルなどを発信していました。
Img_88971jpg Img_88911jpg
 いずれも軽くて心地よい感触の、コットン100%素材です。エコフレンドリーで、カジュアルなアウトドアウェアにぴったりな生地と思いました。

野上織物
 美しい「再織」に目を奪われました。
Img_88891  「再織」とはシェニール織のことです。一度織り上げた生地をタテ糸に沿って裁断し、モール状に仕上げ、そのモール糸をヨコ糸に使い再度織り上げるのでこう呼ばれているのです。綿の持つやわらかな風合いを艶やかに、表裏無く表現できる特殊な織物で、ラグジュアリーブランドからの引き合いが増えているといいます。

青野パイル
Img_88861jpg  シンカーベロア、多色ベロアで注目のメーカーです。
 レーヨンやコットン混でニードルパンチのような味わい深い雰囲気を表現しています。
 右はそのシリーズの一つです。

吉田染工
Img_88731  ツィードのようなファンシーな表現は、パイルではなく、島精機のスライというコンピューターシャカードニット機により生み出されたものです。
 広がる可能性に期待しています。
 

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2019年12月 4日 (水)

「桐生テキスタイル2020秋冬」展 サステナブルを意識

 この10月3日~4日、東京・北青山テピアで開催された桐生織物協同組合主催「桐生テキスタイルコレクション2020秋冬」に行ってきました。
 出展したのは桐生産地の織物メーカー11社です。今シーズンはサステナブルを意識した提案が目に付きました。自然素材使いのものも多く、秋冬物でしたが綿も目に付きました。端切れを利用したものやアップサイクルのユニークな素材にも注目です。
 そのいくつかをご紹介します。
 
トシテックス(Toshi-Tex)
 アップサイクルのブランケットニットを提案していたのが印象的です。
Img_88631  右は、加工ミスやオーバー生産で在庫となっているニット生地をテープ状にカットして格子状に組み合わせ、ニードルパンチ加工でブランケットにしたものです。
 テープの幅を変えたり、色の組み合わせを工夫したり、また布帛と合わせたり、カラフルで斬新なファブリックの可能性は無限大に広がるといいます。

テックスボックス(TEX BOX)
 端切れを使ったニードルパンチ。そのアートなデザインと技術のすばらしさに、いつも驚嘆させられます。
Img_88561 Img_88551

 






小林当織物

 伝統の英国調チェックをやや大柄にアレンジするなど、洗練されたジャカード織物をみせています。
Img_88521 Img_88501jpg_20191201224401  
ミタショー
 Img_88611 今シーズンもトレンド感のあるコレクションを見せています。
 キュプラなどサステナブルな素材や、綿混のカットジャカードにも注目です。

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2019年12月 3日 (火)

丹後織物総合展/展示商談会 製品化して提案へ

 この10月2日と3日、“ちりめんの故郷”京丹後市や与謝野町の生地メーカー13社が出展して、代官山ヒルサイドテラスで丹後織物総合展/展示商談会が開催されました。
 今年は生地を製品化して提案しているところが多く、バイヤーに好評だったようです。

山政テキスタイル
Img_87871    丹後産地が得意とする強撚糸加工技術を駆使したオリジナル素材を提案。
 ポリエステルちりめんに箔加工の生地などを見せていました。

宮眞
 Img_87861jpg シルクにとどまらず複合など新素材にチャレンジしているメーカーです。
 部屋着を展示してアピールしていました。


 
大江
Img_87921  多種多様なシルク生地を手掛けているメーカーです。
 今シーズンは作務衣やインナー、ベビー服など幅広い展開が可能なテキスタイルを揃えていました。

民谷螺鈿
Img_87951  ずば抜けた匠の技で、貝殻を織り込んだ螺鈿織など唯一無二のテキスタイルを展示。
 カード入れや長財布など小物の提案が好調の様子です。

創作工房 糸あそび
 Img_87971 絹や毛、麻、綿など天然素材にこだわり、ツィードやジャカードなど、手技とテクノロジーの融合により開発したユニークなストールの提案が注目されます。

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2019年12月 2日 (月)

ジャンポール・ゴルチエ特別企画展 創造への尽きない情熱

 この9月末、オンワードホールディングスの複合施設「カシヤマ ダイカンヤマ」で開催されていたジャンポール・ゴルチエ特別企画展に行ってきました。「エクスパンディング ファッション バイ ジャンポール・ゴルチエ(EXPANDING FASHION by JEAN PAUL GAULTIER)」と題された展覧会は、ゴルチエのファッション創造への尽きない情熱を感じた素晴らしいものでした。

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 ジャンポール・ゴルチエは1981年よりオンワードグループとパートナーシップを築き、前衛的かつ挑戦的なコレクションでセンセーションを巻き起こしてきました。2003年から2011年、エルメスのアーティスティック ディレクターを務めた後、2015年自身のプレタポルテコレクションを終了、香水とオートクチュール部門のみにフォーカスしつつ、現在も世界のファッションシーンを牽引するトップデザイナーとして君臨しています。

 本展ではオートクチュールコレクションを中心に13体が展示されていました。印象に残った作品をご紹介します。

 下の二つの作品は、今年初めに行われた2019年春夏オートクチュールコレクションで話題となった「プリーツゲーム、歌舞伎」です。歌舞伎をイメージした色とりどりのダイアモンド柄のドレス、プリーツオーガンジーのサッシュがゴージャスです。
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  上は、左が2015/16年秋冬オートクチュールコレクション「パリ~ブレスト」、アイボリーのプリーツフリルチュールドレスとシルクのストライプセーラーです。右は2016/17年秋冬オートクチュールコレクション「ベジタル」のテーマから、グリーンのクレープのロングドレス。バイカラーのラメメッシュリボンテープが上に伸びるデザインは森の妖精のようでした。

Img_88251jpg  右は、2009年春夏プレタポルテコレクション「踊り子たち」。
 タトゥープリントしたオーバーサイズの引き裾のローブ、おそろいのタンクトップとショートパンツです。

 ステージでは2018年にパリで上演されたミュージカルショー「ファッションフリーク」の映像も上映されていました。もうまさに夢のように華麗なポップカルチャーの世界です。  
 さすが「時代の寵児」、ゴルチエ! 記憶に残る展覧会でした。

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2019年12月 1日 (日)

国際福祉機器展 「超高齢社会を救う人にやさしいロボット」

 先般、東京ビッグサイトで開催された第46回「国際福祉機器展 H.C.R. 2019」で、信州大学発ベンチャー「アシストモーション(AssistMotion)」が出展し、同社代表の橋本 稔氏が「超高齢社会を救う人にやさしいロボット」と題して講演しました。
  
  橋本代表はこの春まで信州大学繊維学部の特任教授でした。Img_87331 国際福祉機器展では長年にわたり同大学として参加されていたのです。(このブログ2018.11.25付けもご参照ください) 今年は大学を退官されたこともあり、2017年にご自身が創設した企業「アシストモーション」で出展されていました。

 講演内容は大きく次の二つでした。

 一つは、ウエアラブル(着る)ロボティックウェア「クララcurara ⓇWR」です。ちなみにWRは、WALKING REHABILITATION(ウォーキング・リハビリテーション)の略です。もう一つは腰サポートウェア「ハイジ heige LS」です。
 まず「クララ」は歩行をアシストするロボットで、4号機スタンダードモデルには次のような特徴があります。
 ⑴ 4kgと軽量で、動きやすい。⑵ 装着が簡単。着脱は1分程度でできて容易。⑶ 優しいアシスト。装着している人のリズムに合わせて歩行をアシストする。⑷ 充電一回で2時間使用可能。⑸ 小回りの利いた歩行ができ、街中を歩いてもそれほど違和感はない。歩幅が広がり速く歩けるようになるなど。
 既に病院や介護施設などで実証実験されていて、自立支援に役立っているといいます。
 その上でこのほど新たに開発した起立アシスト制御技術が紹介されました。これまで椅子に座った状態から立つことが一苦労だったのが、この新技術ですっと立ち上れるようになるそう。デモンストレーションも行われました。立つ動作に合わせてロボットが立ち上がりやすくしてくれるといいます。

 次に「ハイジ」です。これは背面に設置されたPVCゲルアクチュエータが伸縮し、筋力をサポートしてくれるものだそう。PVCゲルアクチュエータとは、ポリ塩化ビニル(PVC)を可塑剤によりゲル化した高分子素材で、電圧を印加すると陽極の表面に沿って変形する特異な性質を持っているといいます。この電気応答性を利用して、実現されたのが生体筋肉のように伸縮駆動する世界初の“人工筋肉”なのです。やわらかくて軽量、透明、しかも比較的安価で、国際会議のデモセッションでは最優秀賞を獲得するなど、今大いに注目されているといいます。
 試作機では円筒の中に約2kgのアクチュエータが入っていて、クララの起立アシストもこの筋肉の働きでふんわりと浮くように立ち上がることかできたとか。
Img_87321  とくに挙上動作が楽になるそうで、重さ10 kgもの箱を持ち上げる実演も実施されました。写真はそのときの様子を撮ったものです。
 試着されてスイッチが入った途端、引っ張り力が働いて、軽く持ち上げることができたそう。腰への負担が軽くなる効果を実感したとのお話しでした。
 これは今後、介護現場や農作業、建設、運輸など、あらゆる作業シーンで腰の負担を軽減するサポートウェアとして使われることになりそうです。

 最後に、これらをどう事業化していくか、抱負を語られていたのでご紹介します。
 「クララ」は2020年の量産化を目指していて、これに先駆け、有償モニタ貸出しをするとのことです。初期費用12万円、月額8万円で、最低でも3ヶ月間使用した感想をフィードバックしていただき、さらなる改良につなげていくそう。このお試し価格で、“着るロボット”をぜひ体感して欲しいといいます。
 「ハイジ」は2021年を目標に製品化に向けて邁進していくとのことでした。
 
 我が国ではロコモ(運動器症候群)は、“国民病”とまで言われています。変形性関節症と骨粗鬆症に限っても、推計患者数は10年前の統計で4700万人だったそうですから、現在はもっと増えていると思われます。
 私もいつか歩けなくなります。でも「クララ」や「ハイジ」で希望を見出せそう。最期まで自立して生きていくために、ウエアラブルロボティックウェアはなくてはならないものになってくるでしょう。早く普及して多くの人々が救われる社会になることを願ってやみません。 
 このことにご尽力されているアシストモーションの橋本代表に改めて敬意を表します。

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