2020春夏リトゥンアフターワーズ“フローティング ノマド”
山縣良和が手がける「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」の2020年春夏コレクションが、上野恩賜公園・噴水広場を舞台に、誰もが自由に観覧できるオープンな環境で開催されました。
その2年ぶりのショーは、またしてもデザイナーの気概を感じさせる一大スペクタクルでした。それは壮大なスケールで現代社会が抱える難題を描いたストーリー性のある演出で、ファッションというより社会派のアート作品のようです。すっかり驚嘆させられました。
テーマは“フローティング ノマド(Floating Nomads)”、つまり浮遊するジプシー= 放浪の民です。
ショーの冒頭、夜の闇の中に立ち上った白煙とともに、不思議な膨らんだ衣装を着けたモデルたちが池の端に現れました。彼らは池の真ん中を貫くように架けられた橋の上を静かに、まるで流浪の民のように渡っていくのです。イメージしたのは苦難の道を歩む魔女であるそう。それが昨今世界中で問題になっている難民を思わせ、胸を打ちました。
(夜で写真が上手く撮れなかったのですが、ご紹介します)
ドレスのシルエットはもう自由奔放です。 哀愁が漂う中にもユーモアや楽しさを感じさせるものも見られます。装飾を乗せたり、膨らみをさらに重ねたり、大きなパッチを付けたり。頭上にはとんがり帽子や巨大なつばのある奇抜な帽子も登場。“着ぐるみ”たちもモデル一と緒にウォーキング、モデルに追いつこうと歩く姿が放浪者とダブって見えます。
色は圧倒的に赤が目立っていました。それに白や黒。柄ではブロックチェック柄のプリントが多く、赤/白、黒/白といったツートンで目につきました。
フィナーレには「アリラン」が大音量で流れたのも印象的でした。流れ行く人々の遥かなる故郷を想う気持に思わず身につまされてしまいました。
私はこのショーの前に行われた展示会も取材しています。そのときのテーマは「Anxious Witches(不安な魔女)」でした。これは2019年春夏シーズンに続く3部作「For witches」の最終章で、今回のコレクションはこの章を落とし込んだものだそう。 上は展示会の写真で、コットン素材もたくさん使われていました。
「これからも新しいことをやり続けたい」という山縣デザイナー、ますます期待しています。
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