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2019年11月

2019年11月30日 (土)

「プロジェクト東京」9月展 注目のアパレルブランド

 少し前になりますが、「プロジェクト東京」が、9月末の2日間、渋谷ヒカリエにて開催されました。これはアパレルを始めジュエリーやライフスタイルブランドなど、ファッション業界が探し求めるブランドを発掘キュレートするファッションイベントです。年2回行われていて、この9月展では263ブランド、内日本196ブランド、海外67ブランドが参加したといいます。
 会場を巡り、とくにアパレルで注目したブランドをいくつかご紹介します。

ヴェントリロクィスト(Ventriloquist)
 デザイナーの伊藤理恵子さんと根本貴史さんのデュオが手がけるブランドです。腹話術師という意味のブランド名は、デザイナーが語らずとも作品がストーリーを語り出す、そんな服づくりを意図して名付けたそう。
 2020年春夏のテーマは「Hidden place(隠された場所)」で、想像上の楽園をイメージし、南国の鳥を題材にしたプリントのドレスを発表していました。
Img_87151jpg  またこのブランドは、職人の手を加えたものが多いのも特徴です。昔のものや時代背景を尊重し、現在のものに置き換えてデザインされているのです。ブース正面に打ち出されていたロングティアードスカートは、手間暇かけて藍染めしたレース使いで、染むらを活かしたラッフルフリルが懐かしい情緒を醸し出しています。
 
壺草苑
 東京・青梅の藍染工房です。日本古来の藍の染液を作る方法「天然藍灰汁醗酵建て」で、本物の藍でしか得られない美しい製品を並べていたのが印象的です。Img_86941

フーガ (HOUGA)
 デザイナーの石田萌さんが、“媚びない、自分らしいパーティードレス”をコンセプトに、この春に立ち上げたばかりのブランドです。
 身体に沿った華美なドレスが苦手な人へ向けて、曲線を使った立体的なシルエットや布をたっぷりと使った動きのある形で、自分らしいドレスアップをして欲しいといいます。Img_86981  2020年春夏は「ゴールデン・アフタヌーン」がテーマ。どこかワクワクときめく感じを覚えたコレクションでした。
 
コトン ドゥ (COTON DOUX)
 1994年、トレンドのパリ・マレで創業し、「世界で一番楽しいシャツの店」を目指すブランドです。ブースには遊び心いっぱいのオリジナルプリントのシャツが、メンズやレディース、キッズ向けに勢揃いしていました。 Img_87171  シャツだけではなくネクタイ・蝶ネクタイ・ポケットチーフ・ソックス・ボクサーパンツ・トランクスもあり、プリントデザインは年間約150種類といいます。ルーブル美術館のパートナーブランドでもあり、多くの著名人から愛されているとか。

フランク&ドリーズ (Frank&Dolly's)
 オーストラリアから日本に初上陸したブランドで、ハンドクラフトをキーワードにスローファッションを提案しています。
Img_87051   オーストラリア先住民のアボリジニのアートを思わせるプリミティブなモチーフのプリントデザインに目を奪われました。

ブキ アコモラフェ (BUKI AKOMOLAFE)
 西アフリカのナイジェリアからやって来たデザイナー、ブキ アコモラフェがドイツのベルリンで2016年に設立したブランドで、日本初上陸です。
Img_86861jpg   コンテンポラリーなハイエンドの婦人服が中心で、認定コットンやオーガニックヘンプ、アフリカンワックスプリントなどエコ素材にこだわりを見せています。リバーシブルのキルトピースも注目されます。

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2019年11月29日 (金)

毎日ファッション大賞 「アンリアレイジ」森永邦彦が大賞に

 2019年(第37回)「毎日ファッション大賞」表彰式が、11月8日、東京・恵比寿で開催されました。
 大賞を受賞したのは、「アンリアレイジ(ANREALAGE)」の森永邦彦氏です。2011年に新人賞をとられて以来、候補には挙がるものの大賞には至らず、もうとれないと思われていたそうでうれしさも一入だったようです。
Img_07211  コメントで、昨年亡くなられた毎日ファッション大賞の創設者である田中宏氏とのエピソードを語られていたのがとくに印象に残りました。
 田中氏はブランド立ち上げの頃から、背中を押してこられた方だそうです。森永氏は大賞受賞の知らせを聞いて、田中氏の言葉「ブレず、弛まず、あなたの道を」通り、この先も歩んでいこうと思われたといいます。
 誠実なお人柄と心のこもった挨拶にまたしても感銘しました。
 
 新人賞・資生堂奨励賞は「オーラリー(AURALEE)」の岩井良太デザイナーが受賞し、記念パーティで2020春夏メンズ・ウィメンズ コレクションが披露されました。
Img_07551jpg Img_07611jpg_20191129113801  Img_07421  「着る人の個性を引き出す服」というように、洗練されたシンプルなフォルムが好評のブランドです。凛とした直線的なラインで、裾で揺れるシルエットが優美です。
 
 また鯨岡阿美子賞は、鈴木淳・台東デザイナーズビレッジ村長に、話題賞は無印良品 銀座に、特別賞は日本環境設計に、選考委員特設賞「トモ コイズミ」の小泉智貴デザイナーにそれぞれ贈られました。Img_07291jpg 受賞者全員で記念撮影。

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2019年11月28日 (木)

「健康回復に活躍するコットン」寄稿

 「健康保持にはコットンが一番いい!」この事実は、小児科医が生まれたばかりのベビー服に綿100%の生地を推奨していることからも明らかです。 
  先般発行された一般財団法人日本綿業振興会発行の機関紙「COTTON PROMOTION コットンプロモーション」(2019年秋号)に、このことに関するコラムを寄稿しています。テーマは「健康回復に活躍するコットン」です。本紙と併せてご覧下さい。Scan0107

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2019年11月27日 (水)

「マドモアゼル プリヴェ」展 ガブリエル シャネルの世界

 先日、といっても10月末でしたが、天王洲アイルB&C HALLで開催されている「マドモアゼル プリヴェ(MADEMOISELLE PRIVE)」展を見てきました。「マドモアゼル プリヴェ」とは、パリのカンボン通り31番地にあるガブリエル シャネルのメゾンの入口に掲げられた言葉です。この言葉通り本展はシャネルのアトリエをテーマとした展覧会で、私もそのクリエイティブな世界を堪能した次第です。
 入場はラインを通じた日時指定制になっています。予約があっても行列させられ、それなりに待たされました。多くの人が投稿していますし、人気のほどがわかります。
 会場は2フロアで、5つのエリアを巡ります。用意されたQRコードを読み取り、解説を聴きながら回れる仕組みになっているのもいいですね。
 展示エリアは、ホワイト、ベージュ、黒、赤、ゴールドの色調別に分かれていて、一つひとつがアパルトマンの部屋のようなつくりになっています。「何があるのかしら」とお部屋を覗き見るといった感じになるのも興味深かったです。
 メゾンのエスプリを体現する美しいドレスは、1990年代以降のオートクチュールコレクションからのもので、今は亡きカール・ラガーフェルドのデザインです。ドレスに合わせて、フレグランスやジュエリーも展示されています。その各エリアをご紹介しましょう。
 
 まずホワイトのエリア「ミラード・ステアケース(鏡の階段)」です。マドモアゼル シャネルは階段の上段に座って、誰からも見られないようにして、ランウェイショーを見るのがお気に入りだったとか。
Img_04341_20191128122901  白はマドモアゼル シャネルが好んだ色の一つです。
 Img_04401 ベーシックカラーとして黒やシルバーと組み合わせるなどして美を表現したといいます。

  右は、バカラ社製クリスタルボトルの「シャネル N°5」とダイヤモンド ジュエリーの復刻版です。

 「シャネル N°5」は1921年に誕生した伝説的なフレグランスですね。その直線的でシンプルなデザインに、シャネルスタイルの真髄が表れているといつも思います。

 次がベージュのエリアで「ソファ」と名づけられています。シャネルは1930年代、アトリエのソファをサンドベージュのスウェードに張り替えたそうです。1913年にマドモアゼル シャネルがデザインした服もジャージーの自然な色合いを活かしたベージュでした。ベージュはシャネルにとって欠かせない色だったといいます。
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 その次はブラックのエリア「ダイニングルーム」です。シャネルが友人たちを招いたというダイニングルームには、漆塗りの中国風コロマンデル屏風が広がっていたといいます。
 黒はマドモアゼル シャネルの先見性とモダニティを最もよく表す色なのですね。エレガントでシンプルな黒いジャージードレス、「リトルブラックドレス」は、今やシャネルの固有名詞になっているほどです。Img_04471   この黒を取り上げたカール・ラガーフェルドのシリーズも見応えがありました。白いレースの付け襟やトリム、スパンコールなどがあしらった、カールらしい洗練されたドレスに注目です。
 
 さらに赤のエリア「ライティング デスク」です。赤といっても落ち着いた色調のレッドで、マドモアゼル シャネルのアパルトマンには書斎をはじめいたるところに採り入れられていたといいます。赤はガフリエルが愛した色だったのですね。
Img_04531  カール・ラガーフェルドも様々な色合いの赤のアイテムを発表し、ランウェイを印象的に見せていました。
 
 最後がバロックゴールドのエリア「ファイアプレイス(暖炉)」です。リビングの暖炉はゴールドに囲まれていて、火が絶えることなく炊かれていたといいます。
Img_04621  ゴールドはマドモアゼル シャネルの重要なインスピレーション源だったそうで、カール・ラガーフェルドもこれを受け継いでいます。コレクションではレースや刺繍、ツィードなどに煌めくゴールドを多用しているのです。その繊細・精緻な凝った生地や手仕事の装飾美に圧倒されました。

Img_04691jpg  壁面には多数のスケッチも架かっています。真ん中のキュービックな階段は、あのホワイトのエリアの項で記した「鏡の階段」ですね。

 見終わって、帰りがけに解説本とポーチをお土産にいただきました。入場無料なのにほんとうにうれしいサービス付き。別会場で見たムービーも必見のすばらしさでした。
 「ファッションは移り変わるけれど、スタイルは永遠」というマドモアゼル シャネルの名言を、カール・ラガーフェルドは見事に体得していたのですね。ムービーの中でカールが、「永遠のスタイルとは、"シャネルスタイル" と "ジーンズと "白いシャツ"」と述べていたのが印象的です。

 もう予約はとれないかもしれませんが---、開催は12月1日までです。

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2019年11月26日 (火)

平塚「八幡山の洋館」を訪ねて

 この初秋の一日、平塚の八幡山公園へ行ってきました。平塚八幡宮の奥に、こんなに美しい西洋館が建っていたとは、知らなかったです。
  ここは「八幡山の洋館」と呼ばれる旧横浜ゴム平塚製造所記念館で、国登録有形文化財になっているそうです。文化財とはいえ今も現役で、誰でも無料で見学できます。P_20190922_155543_vhdr_on1_1
  また同館利用団体の活動発表の場になっていて、この日は楽しいミュージックのコンサートが催されていました。 
 資料によると、この横浜ゴム製造所は戦時中、海軍の火薬製造工場だったそうです。この明るいピンクの洋館がかつてはそんな過酷な場所だったのですね。
P_20190922_163003_vhdr_on1_1   外に出ると、来たときは気付かなかった平和慰霊塔が見えました。長閑な一日でした。

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2019年11月25日 (月)

静嘉堂文庫美術館 初の染織展!「名物裂と古渡り更紗」

 今、静嘉堂文庫美術館で「名物裂と古渡り更紗」展が開催されています。今月初め、この内覧会に行ってきました。
 これは静嘉堂文庫美術館所蔵の茶道具と煎茶道具に含まれる優れた染織品を紹介する展覧会で、同館初の染織展であるそう。
Img_05931  河野元昭館長は「これらの染織品は日本文化そのもの」といいます。(右は金襴のネクタイを着けた河野館長)
  抹茶の文化は日本では連綿と受け継がれて現代に至っていますが、中国にはもうないのですね。本展の主軸となっている茶道具を包み飾る布「仕覆 = 士服(しふく)」というものも今の中国にはありません。「名物裂」とは、この厳選された布のことで、そのほとんどは中国渡来の貴重な織物です。裁ち切って使用したことから、“裂地”と呼ばれているのです。
 ところで「仕覆」とは、茶の湯で使われている言葉で、比較的新しい語であるそう。語源は「季節の服」の意味の「時服(じふく)」で、昭和初期頃から「しふく」と呼称されるようになったとか。
 日本では仕覆のような中身よりも価値ある高価な包装で品物を大切に扱い保存する文化が培われてきたのです。こうした「包む文化」は西洋など他の国々には見られない日本独特の文化と改めて感じ入ったことでした。
 
 ここから展覧会の模様を簡単にご紹介します。写真はほんの一部です。(美術館より許可を得て撮影しました)
 エピローグから第二章までは「名物裂」の展示になっていて、大きく次の3つの種類があるといいます。「金襴(きんらん)」という金糸を贅沢に使ったもの、なめらかな繻子織りの「緞子(どんす)」、縞や格子、絣などの「間道」(かんどう)です。
 第三章からは先は「古渡り更紗」です。名物裂が絹の織物なのに対し、古渡り更紗は木綿の型や手染めのプリント生地で、17世紀頃に南蛮貿易により伝えられ、とくにオランダの東インド会社を通して日本に来たものが多いといいます。“紋づくし”など様々な愛称がつけられていて、武士は中でも“ぶどう”や“リス”のモチーフを好んだそう。また本場の「インド更紗」は日本でつくられた「和更紗」に比べ退色が少なく、洗っても色落ちしないとのことです。そこには明らかに技術の違いがあったようです。
 
 プロローグ~至宝を包む~
Img_06981  静嘉堂文庫美術館が誇る国宝の“曜変天目”の仕覆です。いずれも明時代(14~16世紀)のもので、左手前は牡丹唐草紋の金地金襴です。金がはがれていますが、元は地紋の入子菱が金色に輝いていたそう。その右奥のものは白地金襴で格調の高さを感じます。

 第一章~名物裂、古渡り更紗を愛でる~「唐物茶入<利休物相>」の次第から
Img_06281  千利休が所持していたという茶入れに合わせて誂えられたという丸い仕覆です。明時代初期の裂地で仕立てられているといいます。
 
 第二章~茶入・棗を包む~織りの美、「名物裂」の世界
 ここでは中国の宋末~明時代に日本にもたらされた「金襴」、「緞子」、「間道」から、その後の桃山~江戸時代、南蛮貿易やオランダとの貿易により輸入された名物裂まで、大切に仕立てられた仕覆が展示されています。
Img_06001g  真ん中に置かれている仕覆は元から明時代の鶏頭金襴(14~15世紀)。江戸時代、当時の金額で200両ぐらいだったのではないか、と言われているそうです。

Img_06441  左は古金襴の裏を表にして仕立てた貴重な作例の仕覆、右は清水裂、片身替わりの仕覆です
 
 第三章~茶銚・茶心壺を包む~染めの美、「古渡り更紗」の世界
 「更紗」はヒンディ語の「sarasa(最高級)」から来た言葉で、インドの高度な染織技術によって誕生した木綿布です。ヨーロッパだけではなく、アジア、日本にも輸出されて、日本人は大いに魅了されたといいます。Img_06031_20191127165501
Img_06581g  上はインドの絣更紗(16~17世紀)の仕覆。
 
   江戸時代中期に煎茶文化が日本にもたらされると、更紗は茶銚・茶心壺など煎茶の主要な道具の仕覆に採用されるようになり、道具を華やかに引き立てるものとなっていきます。
 また大判の布のまま敷物にも用いられて、茶席に“異国の風” を吹き込んだともいわれています。 
Img_06741  敷物となっている鮮烈な赤地の更紗は、19世紀ヨーロッパのもの。ローラープリントによるもので、長さ16mあるそう。ここまで長い更紗を保管しているのは珍しいといいます。
 
 美しいデザインと繊細な手の技を今日に伝える名物裂と古渡り更紗、その優品を堪能させていただいたひと時でした。
 本展は12月15日までです。詳細はHPhttp://www.seikado.or.jp/exhibition/index.htmlをチェックしてください。

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2019年11月24日 (日)

2020春夏リトゥンアフターワーズ“フローティング ノマド”

  山縣良和が手がける「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」の2020年春夏コレクションが、上野恩賜公園・噴水広場を舞台に、誰もが自由に観覧できるオープンな環境で開催されました。
 その2年ぶりのショーは、またしてもデザイナーの気概を感じさせる一大スペクタクルでした。それは壮大なスケールで現代社会が抱える難題を描いたストーリー性のある演出で、ファッションというより社会派のアート作品のようです。すっかり驚嘆させられました。
 テーマは“フローティング ノマド(Floating Nomads)”、つまり浮遊するジプシー= 放浪の民です。
 ショーの冒頭、夜の闇の中に立ち上った白煙とともに、不思議な膨らんだ衣装を着けたモデルたちが池の端に現れました。彼らは池の真ん中を貫くように架けられた橋の上を静かに、まるで流浪の民のように渡っていくのです。イメージしたのは苦難の道を歩む魔女であるそう。それが昨今世界中で問題になっている難民を思わせ、胸を打ちました。
 (夜で写真が上手く撮れなかったのですが、ご紹介します)
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  ドレスのシルエットはもう自由奔放です。Img_08381 哀愁が漂う中にもユーモアや楽しさを感じさせるものも見られます。装飾を乗せたり、膨らみをさらに重ねたり、大きなパッチを付けたり。頭上にはとんがり帽子や巨大なつばのある奇抜な帽子も登場。“着ぐるみ”たちもモデル一と緒にウォーキング、モデルに追いつこうと歩く姿が放浪者とダブって見えます。
 色は圧倒的に赤が目立っていました。それに白や黒。柄ではブロックチェック柄のプリントが多く、赤/白、黒/白といったツートンで目につきました。
Img_08401 Img_08561jpg Img_08391  フィナーレには「アリラン」が大音量で流れたのも印象的でした。流れ行く人々の遥かなる故郷を想う気持に思わず身につまされてしまいました。
 
 私はこのショーの前に行われた展示会も取材しています。そのときのテーマは「Anxious Witches(不安な魔女)」でした。これは2019年春夏シーズンに続く3部作「For witches」の最終章で、今回のコレクションはこの章を落とし込んだものだそう。
Img_03431_20191126105901  上は展示会の写真で、コットン素材もたくさん使われていました。
 
 「これからも新しいことをやり続けたい」という山縣デザイナー、ますます期待しています。

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2019年11月23日 (土)

2020春夏RFWT「ザ ファクトリー」プロヴァンスからの風

 南仏プロヴァンスからの風に乗って、2020春夏RFWTにやって来たのが「ザ ファクトリー(THE FACTORY)」です。ブランドを手掛けるのはイタリア出身のデザイナー、ロシャン・シルバ。「時代を経ても色あせないもの」をコンセプトに、懐かしさや心地よさ、手のぬくもりを感じさせる温かみのあるスローな感覚をシンプルでモダンに見せるブランドです。

Img_02561jpg  今季のコレクションは、どこまでもラベンダー畑が続く19~20世紀の南仏プロヴァンス地方の作業着に着想。
 着心地のよいコットンやコットン/リネンを使用し、ギャザーやプリーツを多用、デフォルメしたフォルムにリラックスしたムードの抜け感を演出しています。
 カラーはラベンダー色をはじめとするスモーキーパステルが中心。
 郷愁を誘うヴィンテージ感を現代的に再構築した爽やかなコレクションでした。
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2019年11月22日 (金)

2020春夏RFWT「ダイエット ブッチャー スリム スキン」

 デザイナーの深民 尚が手がける「ダイエットブッチャースリムスキン(DIET BUTCHER SLIM SKIN)」が、RFWT渋谷ヒカリエにて2020年春夏コレクションを発表しました。
 一時期画家を目指したという深民 尚。今回はアートとファッション、カルチャーとファッションの共存をテーマに、心惹かれるアーティスト二人とコラボレーションしています。登場したアイテム、ジャケットやパンツ、ニット、スカーフ、バッグなどには、二人の作品がプリントだけでなくジャカードや刺繍と様々な手法で落とし込まれていました。
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Img_02541jpg  気張らずに街へ、旅行へ、普段着にファッションを楽しんでほしいとのメッセージも送られて、全体に軽やかでゆったりとリラックスした雰囲気のコレクションでした。

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2019年11月21日 (木)

2020春夏RFWT「リト」“ハイパー・ネイチャー”テーマに

 「リト(Rito)」は、繊維商社スタイレムで海外のハイブランドのテキスタイルデザインを手がけたデザイナー、嶋川美也子が2016A/Wに立ち上げたブランドです。その2020年春夏コレクションが、東京・渋谷のトランクホテルのチャペルにてプレゼンテーション形式で披露されました。
Img_02041  テーマは“ハイパー・ネイチャー”です。自然を超えた自由なクリエーションという視点で、デザイナーが提案したのはちょっと気だるい、もの憂い雰囲気です。
 ブードワール風のドレスやジャケット、ブラウス、ニットなど。
 流れるような流麗なドレープを演出するこだわりの素材が用いられています。
 カラーは神聖なチャペルという空間にふさわしい、静謐なホワイトが中心です。

 女性らしい優しさに満ちたコレクションでした。
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2019年11月20日 (水)

2020春夏RFWT「タエ アシダ」アートの流れに目を向けて

 芦田多恵が手がける「タエ アシダ(TAE ASHIDA)」が、今シーズンも2020年春夏コレクションを東京・六本木のグランド ハイアット 東京で発表しました。

Img_01571jpg  今シーズンはアートの流れに目を向けたアーティスティックなコレクションを展開しています。
 ファーストルックはまさにモダンアートを見るようなプリントのルックが登場。鮮やかな色彩も印象的でした。
 目や唇を描いたグラフィックな人の顔のイラストも斬新!
 先シーズン、デビューしたメンズルックも時折見られました。ジャケットにトカゲのモチーフを刺繍したものも。
 中盤のプリーツのドレスも美しい。
Img_01881 Img_01801_20191123185101  Img_01941jpg    洗練されてエレガント、そこに現代的でポップな要素をさりげなく採り入れた、タエ アシダならではのステキなコレクションでした。

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2019年11月19日 (火)

2020春夏RFWT ディーベック 「光と影」をテーマに

 釣り具の総合メーカー、「ダイワ(DAIWA)」が手掛ける「ディーベック(D-VEC)」。その春夏コレクションがRFWTの主会場の一つ、表参道ヒルズスペースオーにて発表されました。
 
Img_01391  スポーツの要素をシティファッションに上手に採り入れているブランドで、今シーズンは「光と影」をテーマに展開。
 アノラックやパーカー、トレンチ、サファリ風のジャケット、大きい立体的なポケットのアウターなど。ウィットにとんだエスプリのデザインが楽しい。
 素材は軽快なパラシュートクロスや撥水加工のコンパクト生地など、機能的なものが中心です。
 カラーはシックなベージュやグレー、カーキが主調、ビビッドなオレンジやブルー、黄緑を差してアクセントをつけています。
 全体に洗練されたモード感がさらに強まった印象でした。
Img_01481jpg Img_01311   
 

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2019年11月18日 (月)

2020春夏RFWT「ウィシャラウィッシュ」タイの伝統を発信

 タイで最も優秀な若手デザイナーと称されるウィシャラウィッシュ アカラサンティスック(Wisharawish Akarasantisook)が手がけるブランド「ウィシャラウィッシュ(Wisharawish)」が、この3月に続き2回目となる2020春夏コレクションをRFWT渋谷ヒカリエにて披露しました。
Img_01031jpg  ブランドのコンセプトはタイ国中の伝統工芸を現代社会に残すことといいます。
 自分自身であらゆるタイの地方の現場まで行き、伝統工芸をコラボレーションして別注しているそう。
 今シーズンも、ブランドを象徴するツイストした幾何学的なシルエットのドレスには、職人たちと協働して仕上げた素材が用いられています。伝統のタイシルクやろうけつ染めのバティック、インディゴ生地など。Img_01121
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Img_01181  タイの伝統を洗練されたクチュール感覚で発信するウィシャラウィッシュ、その才能に注目です。

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2019年11月17日 (日)

2020春夏RFWT「グローバルファッションコレクティブ」

 Vancouver Fashion Week(VFW)が立ち上げた「グローバルファッションコレクティブ(Global Fashion Collective)」が今回のRFWTに参加し、バンクーバーをはじめ、ニューヨーク、ノルウェー、タイ、日本で活躍する6つの有望ブランドが2020年春夏コレクションを披露しました。
  ここではその内二つの個性的なブランドをご紹介します。
 
Img_99771  一つは「Morph8ne(モルヒネ)」です。
 
 デザインを手掛けるのはタイのMorphine(モルヒネ)です。
 
テーマは「Cross My Heart」で、ゴスロリに英国調タータンをプラス、パンキッシュなファッションを提案しました。

Img_99711  Img_99931jpg
 もう一つはバンクーバーを拠点とする「Haus Zuk(ハウス ズック)」です。
 ブランドを手掛けるのはデザイナーのPeter Zuk(ピーター ズック)で、「OVERDOSE (過剰摂取)」をテーマに、LGBTに向けた驚きのコレクションを展開しました。
Img_99961 Img_00021  
Img_00091  フィナーレではデザイナー自ら「オカマ」と書いたTシャツを着て登場。
 ファッションですもの、こういうのもありですね。

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2019年11月16日 (土)

2020春夏RFWT「ユキ トリヰ」“マーガレット”をテーマに

 「ユキ トリヰ インターナショナル(YUKI TORII INTERNATIONAL)」が2020年春夏コレクションを恵比寿ガーデンホールにて発表しました。

 Img_00531 今シーズンもパリのブティックを背景に、ランウェイを極上のエレガントなドレスやスーツをまとったモデルたちがウォーキング。いずれも華やいだ社交界で見かけるような洗練された雰囲気にあふれた装い揃いです。
  テーマは“マーガレット”で、その清楚な花がそこかしこに。プリントで、またストライプと組み合わせてスポーティに、若々しいフレッシュな気分もいっぱい!
 カラーは春らしい上品なペールトーンが中心です。
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Img_00921 パリジェンヌの軽やかな「フレンチシック」にさらに磨きをかけた、優美なコレクションでした。

 

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2019年11月15日 (金)

2020春夏RFWT「ハレ」“ハレの日”の文化をテーマに

 アダストリアが展開するブランド「ハレ(HARE)」が、今季もRFWT渋谷ヒカリエで2020年春夏コレクションを披露しました。
 テーマはブランドネームにも重なる“ハレの日”です。東京オリンピックが開催される2020年は、世界が日本の伝統文化に注目する年でもあり、その非日常の“ハレ舞台”がクローズアップされることは間違いないでしょう。
Img_00161  ランウェイに登場したのは“和”をイメージさせるファッションです。
 肩で着る平面的な感覚のカットや着物のような前打合せ、半襟を思わせる襟や帯のようなベルト、ボトムには袴やモンペ風など、和服のディテールがそこかしこに見られました。
 浮世絵をプリントしたシャツにもビックリです。
 それらがまったく古くさくなくて、現代の洗練された感覚にぴったりとマッチしています。すてきな仕上がりの印象的なコレクションでした。
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2019年11月14日 (木)

2020春夏RFWTチルドレン・オブ・ザ・ディスコーダンス

 「チルドレン・オブ・ザ・ディスコーダンス(Children of the discordance)」が、RFWTの主会場の一つ、表参道ヒルズスペースオーにて2020年春夏の新作を発表しました。  
 ブランドを手掛けるのは、若者文化を背景にヴィンテージを新解釈して頭角を現している、志鎌英明デザイナーです。国内だけではなく海外にも進出し好調といいます。
  ブランド名に「不調和」という意味の「ディスコーダンス」を冠しているように、「あえて調和しない」がコンセプトだそう。Img_99381
Img_99391  今シーズンもランウェイには、多種多様な要素が人種のるつぼのように混じり合う、野生味あふれるルックスが多数登場しました。
 目立ったのはバンダナのパッチワークやほつれたデニム、ペーズリーなど。
 その小気味よい無秩序感が今風のストリート感を代表しているようで、恰好よかったです。

 クロスオーバーな強烈な個性に彩られたコレクションでした。
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2019年11月13日 (水)

2020春夏RFWTシンヤコヅカ 日常生活イメージする布使い

 最近はコレクションをインスタレーション形式で発表するブランドが増えています。「シンヤコヅカ(SHINYAKOZUKA)」もその一つで、私はその後の展示発売会を拝見しました。
 ブランドを手掛けるのはデザイナー小塚信哉。日々出会う普通の衣服や風景にインスピレーションを受け、ワークウェアやユニフォームが持つ機能性・匿名性をベースに活動しているといいます。

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Img_01231  今季はヤンファミリー(JANFAMILY)の写真集「ORDINARY LIFE(平凡な生活)」をヒントに制作。使われている生地も日常生活をイメージさせる実用的な布です。
 軽く薄いけれどしっかりとした自然素材が中心。台所用リネンや布巾からリビングのソファ、クッション生地など。
 ベーシックなものをパターンや組み合わせワークでいかに新鮮に見せるか、そんな実践をされている興味深いコレクションでした。

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2019年11月12日 (火)

2020春夏RFWT「トクコ・プルミエヴォル 」陽気なバハマ

 デザイナーの前田徳子が手がける「トクコ・プルミエヴォル(TOKUKO 1er Vol)」が、今季もRFWTに参加し、渋谷ヒカリエにて2020年春夏コレクションを発表しました。
 Img_99231pg テーマは陽気な「バハマ」です。
 フロリダ半島の東沖に点々と連なる島々の国で、いっぱいの陽光が降り注ぐビーチでゆっくりと過ごす時間は極上のパラダイス---。
 リラックスしたシルエットに開放感あふれるカラーパレットで描くグラフィックなプリント模様、南国風の花や植物のモチーフも。
 バハマののびのびとした暮らしを洗練されたエレガントなスタイリングで表現したドレスが印象的に映ります。
 時折、ドレッドヘアのメンズも登場しました。
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Img_99341  賑やかな“ジュンカヌー”ビーチのリズムに包まれたバハマワールドを堪能したコレクションでした。

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2019年11月11日 (月)

2020春夏RFWT 「チノ」 シックなフレンチスタイル

 デザイナー茅野誉之が手掛ける「チノ(CINOH)」が、RFWT渋谷ヒカリエで2020年春夏メンズとウィメンズの合同コレクションを発表しました。
 思い出に残るモノづくりを理念に掲げ、東京のストリートをベースに、遊び心と高揚感を持つ大人のリアルクローズを提案するブランドで、11月22日オープンの渋谷パルコにブランド初の直営店をオープンするなど、ビジネスも順調の様子です。
  今季のテーマはシックなフレンチスタイルです。
Img_98671  バスクシャツやボーダー、セ―ラーといったマリンアイテムからココ・シャネル風のコーディネートまで、細部にこだわったコンテンポラリーなデザインで、小粋なパリジャン、パリジェンヌ風のルックを見せています。
 素材は軽やかな薄地を中心にコットンやリネン、シルキーなタッチのものなど。オリジナルのスカーフ柄を組み合わせたジャケットも目新しく映ります。
 カラーもフランス国旗を思わせるトリコロールが多く、シーズンのフレンチシックなイメージを強調していました。
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2019年11月10日 (日)

2020春夏RFWT 「トモ コイズミ」 夢見る幻想的なラッフル

 先シーズン、ニューヨークコレクションでデビューした「トモ コイズミ」が、今季RFWTに参加して表参道ヒルズのスペース オーにて、2020年春夏コレクションを披露しました。ブランドを手掛けるのは衣装デザイナーの小泉智貴です。ニューヨークで一躍時の人となり、今年の毎日ファッション大賞では特別賞も授賞して、一大ブレークを巻き起こしています。
 Img_98351 そのファーストルックは真っ白なラッフルで盛り上げた白鳥のようなドレスです。リボンの装飾はテーマが「ギフトボックス」だからでしょう。
 次第に色彩がカラフルになり、イマジネーション豊かにふくらんだ鮮やかなフリルの華やかなドレスがステージを乱舞しました。
 オーガンジーの積み重なったラッフルが羽根のように震えています。
 それはまさに夢でも見ているかのような幻想的な光景でした。

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 現代はこのような遊び心のあるファンタジーが求められる時代なのかもしれません。そんなことを思いながら、コレクションを楽しませていただきました。

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2019年11月 9日 (土)

2020春夏RFWT 「スリュー」古着アップサイクルテーマに

 デザイナーの植木沙織が手掛ける「スリュー(SREU)」の2020春夏コレクションを拝見しました。このブランドは「フルギニレース」の名称で2016年にデビューし、RFWTランウェイショーで「スリュー」に改称したといいます。

Img_9782  元「フルギニレース」というように古着のアップサイクルがテーマのブランドで、今シーズンは新品のファブリックを組み合わせて古着をリメイク、オリジナリティのあるコレクションを見せていました。
 端切れのパッチワークに繊細なオーガンジーやレースを組み合わせたアシンメトリックなカットのドレスなど、古さを感じさせない旬なファッションです。
 カジュアルなデニムやTシャツの要素もそこかしこに散りばめられています。
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 クリエーションにサステナビリティという社会性を持たせた、東京コレクションでは希少なブランドです。今後が楽しみです。

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2019年11月 8日 (金)

2020春夏RFWT 新人デザイナーファッション大賞イベント

 今季RFWTではイベンも多数開催されました。その一つが「2019 Tokyo 新人デザイナーファッション大賞」のジョイントショーと表彰式です。これは若手デザイナーの登竜門となっているコンテストで、1984年にオンワード樫山により創設され、これまでに数多くの著名デザイナーを輩出してきたといいます。応募数で世界最大級のアマチュア部門に加え、2011年にスタートしたプロ部門では、世界で活躍できるデザイナーを発掘してビジネス支援が行なわれています。

 今回、渋谷ヒカリエにて実施された表彰式では、アマチュア部門でエスモードジャポンの田村奈々さんが大賞を、プロ部門では「ポートヴェル(PORTVEL)」のデザイナー濵田博昭さんが最高賞の東京都知事賞を受賞しました。
  
Img_97291jpg  上はアマチュア部門で大賞に輝いた田村奈々さんの作品で、テーマは「女性のための女性服」。 アシンメトリーなドレスで女性の体の美しさを表現したといいます。賞金100万円が贈られました。
 
Img_97551  上はプロ部門で東京都知事賞を受賞した「ポートヴェル」の濵田博昭さんです。
Img_97201jpg  シンプルで機能的であると同時に、現代のファッション感覚をさりげない表現で見せています。
 
 このプロ部門では「ポートヴェル」の他、「ベース マーク(BASE MARK)」、「meagratia(メアグラーティア)」、「P.E.O.T.W AG(ピーイーオーティーダブリュー エージー)」の3ブランドもショーを発表しました。
 ちなみに入賞者は全部で10組です。入賞者は「CREATORS TOKYO」の一員として、国内外の展示会やショールーム出展、ショーの開催、商品企画のディレクション、商標登録や経営に関する相談など、様々なビジネス支援を最長3年間にわたって受けることができるそうです。今後の活躍が期待されます。

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2019年11月 7日 (木)

2020春夏RFWTノブユキ マツイ「水鏡」循環のメタファー

 デザイナーの松井信之が手掛ける「ノブユキマツイ(Nobuyuki Matsui )」による2020春夏コレクションのインスタレーション展示が渋谷ヒカリエコートで行われました。
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 ダークなブルーの空間が広がる中、天井からは無数の氷柱のようなガラスが吊り下がっています。フロアには藍色に染めたたくさんの古着が敷き詰められています。その真ん中に深いブルーの袖のない上着を着装したボディが置かれていました。ガラスが散りばめられていて、まるで凍り付いているかのようです。ボタンも無論、透明なガラス製です。
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 テーマは「水鏡」です。水面は自身の姿を映し出します。鏡がなかった時代に水の反射は容姿を確認する手段だったのです。自然がつくり出した水鏡に服はどのように映るのか、今季はそこから発想し、コレクションを制作。「水鏡」を循環のメタファーととらえ、長く使える服を目指して、職人の手仕事による丁寧な服づくりにこだわられたといいます。
 サステナビリティという社会問題に取り組むデザイナーの姿勢に、改めて敬意を表します。

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2019年11月 6日 (水)

2020年春夏RFWT「レインメーカー」漂う和のムード

 京都を本拠地に活動する「レインメーカー(RAINMAKER)」がRFWT3日目、2020年春夏コレクションを開催しました。ブランドを手掛けるのは、デザイナーの渡部 宏一と岸 隆太朗のデュオです。
Img_96451   会場となった渋谷ヒカリエホールには創業300年の老舗松栄堂の香も用意され、気品のある香りが辺りを包んでいます。
 登場したのは和のムードを漂わせるメンズファッションです。
 着物や羽織、作務衣、半襟、帯---のエッセンスを採り入れた「和モダン」な紳士服が次々に目の前を通り過ぎていきました。
 小花柄のジャカードや深みのあるパープルの絞り染めをデザインしたウェアも---、洗練されてシックでした。
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 「洋」の世界に「和」の文化を見事に融合した印象的なコレクションでした。

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2019年11月 5日 (火)

2020春夏RFWT 「ネグレクトアダルトペイシェンツ」

 音楽プロデューサーの渡辺淳之介が手掛ける「ネグレクトアダルトペイシェンツ(NEGLECT ADULT PATiENTS)」がRFWTの渋谷ヒカリエで、2020春夏コレクションを発表しました。
Img_96241  今シーズンはデザイナーが若かりし頃に憧れたファッションをランウェイで表現したといいます。
 それは「好きだったけれど、そんな風にはなれなかった」というイメージが詰まったファッションです。
 一言でいえば「ヤンキー」風。ウィキペディアによれば、ヤンキーとは「周りの目よりも仲間と過ごす楽しいひと時を大切にし、そのためなら暴力も厭わない」という志向を持つ少年少女を指す、とあります。

  そんな若者たちの間で流行った「ジベタリアン」も登場。地べたに座って食事するパフォーマンスを見せるシーンも見られました。Img_96311
Img_96401  楽しそうに見えて、暗い影のあるパンキッシュなコレクションでした。

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2019年11月 4日 (月)

2020年春夏RFWT「バルムング」“1985” テーマに近未来

 「バルムング(BALMUNG)」を手掛けるのはデザイナーのHACHI(城下 龍一)。2018年度の「Tokyo新人デザイナーファッション大賞プロ部門」で東京都知事賞に選ばれたのが思い出されます。
 今季もこのRFWTの主会場、渋谷ヒカリエにて2020年春夏コレクションを開催、懐かしくも近未来感を覚えるショーを展開しました。
  テーマは“1985”で、デザイナーの生まれ年であるそう。
Img_96151jpg  ランウェイの中央には当時を思わせるブラウン管テレビやスーパーファミコン、障子などが設えられています。
 モデルたちはそんなノスタルジックな空間の周りをウォーキングしました。
 白を中心に、色はあってもブルーのみという、モノトーンの組み合わせがクールです。
 シースルー素材やシルバーの光りも目に付きます。
 レギンスやフォトプリント、ロゴマークなどスポーツのディテールもそこかしこに。
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  Img_96171  シンプルで、それでいて遊び心に満ちているコレクションでした。

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2019年11月 3日 (日)

2020春夏RFWT「イルイット」“花束”とヒップホップ

 デザイナー、工藤亮一が2015年に立ち上げたメンズファッションブランド「イルイット(ILL IT)」が、RFWT2日目、主会場の一つ表参道ヒルズ・スペースオーにて2020年春夏コレクションを披露しました。
Img_95841  ブランドネームの「ILL」はスラングで「カッコいい」、「IT」は「This is it! (これだ!)」といった意味です。ヒップホップやラップ、ロックなどのミュージックの要素が色濃く感じられるブランドですね。
 今季のテーマはこのヒップホップと“花束”だそう。
 花とはいえ、レイヤーされた力強いエネルギッシュな表現です。
 ヒップホップを連想させる、ストリートの多様な要素を組み合わせたルックが印象的なコレクションでした。Img_95751
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Img_95871  (会場がダークで、写真がすっかりアンダーになってしまいました。)

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2019年11月 2日 (土)

2020春夏RFWTボディソング「ずっと真夜中でいいのに」

 「ボディソング(bodysong.)」が2020春夏RFWTに参加し、渋谷ヒカリエにて新作コレクションを発表しました。
 今やファッションはミュージックなくしては成り立たないよう。同ブランドも服だけでなくアートやデザインのプロジェクトに参加し、ミュージシャン等への衣装製作、様々なジャンルのアーティストとのコラボレーションワークも行っているのです。
  今回は音楽ユニット「ずっと真夜中でいいのに。」とコラボレーション。
Img_95571  スクリーンの向こう側から流れるミュージックをバックに、モデルが登場しました。
  それは既存のアイテム、たとえばワークウェアやデニム、アイビー調トラッドなどを無造作に壊しては構築するシルエットです。
 ジッパーでとりはずせる仕組みの袖、パーツをつなぎ合わせたベスト、PVCボンディング使いなど。
 また大きく襟の開いたVネックのテニスセーターの型にとらわれない着こなしも印象的でした。
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 「インプロヴァイゼーション(即興)」を掲げるこのブランドらしいコレクションでした。

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2019年11月 1日 (金)

2020春夏RFWT「ヒロココシノ」楽器のシルエットに着想

 コシノヒロコ デザイナーが手がける「ヒロココシノ」の2020年春夏コレクションは、江東区東京都現代美術館で開催されました。今回はいつもと違って明るい自然光が降り注ぐ特設ランウェイでの発表となり、モデルとの距離も近く、細部まで見やすかったです。
Img_9511  テーマは「Play Around the Music」。
 楽器のシルエットとそのシェイプの美しさに着想した56体が、ピアニストの横山幸雄さんのライブ演奏にのって登場しました。
 魅せられたのは、鋭い直線、エレガントな流線、麗しい音を奏でるような優美なフォルムの数々です。
 バイオリンの曲線を思わせる幾何学柄、ピアノの鍵盤をイメージさせるストライプ---。絵画と音楽の見事な組み合わせは、もうまさに得も言われぬ美しさ!でした。
Img_94841 Img_94931 Img_95291  Img_95361  フィナーレで、ピアニストの横山幸雄さんとともに挨拶するコシノさん。

 アーティスト・ファッションデザイナー、コシノヒロコ本領発揮、今シーズンも眼福のコレクションを拝見し感謝感激でした。

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