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2019年10月 5日 (土)

PVパリ⑻ スマートトーク エコ・ファッション消費調査

 プルミエール・ヴィジョン(PV)パリのスマートクリエーションエリアでは、スマートトーク(Smart Talks)が連日行われました。
 その一つ、「エコ・ファッション の消費に関する研究」というテーマで、IFM(フランスモード学院)のジルダ・マンヴィエル氏とトマ・ドラットル氏により発表した調査結果は、大変興味深いものでした。フランス、イタリア、ドイツ、USAの5,000人を対象にアンケート調査したもので、PVジェネラルマネージャーのジル・ラスボルド氏も「この研究は、責任あるファッション市場とその製品に対する消費者の認識を理解し、購入動機やその障害となっているモノやコトを除去するのに役立つ」と述べています。
Img_75791  その概略をまとめてみましょう。

 これによると、ヨーロッパの消費者のほぼ50%が2019年に環境に優しいファッションアイテムを購入したと報告し、フランスでは消費者の46%がリサイクルやオーガニック、フランス製、古着などを購入したといいます。とはいえファッションは食品やビューティなど他のセクターに遅れをとっています。特にフランスとイタリアでは、オーガニックビューティー製品が大きな成功を収めており、2019年、フランスの消費者の57%がオーガニックビューティー製品を購入したといいます。
 またフランスでは、環境に配慮したファッション製品を購入した消費者の46%が、2019年に平均370ユーロをファッション製品(衣類と靴)に費やすと予測されています。フランス国内では、環境保護意識の高まりを背景に、衣類と靴の平均予算の約25%をエコに消費するとみられていて、有毒化学物質の不使用にも特別な注意を払っているとのことです。今夏、ビアリッツで開催されたG7への準備段階で開始されたファッション協定などのイニシアチブを反映しているともみられています。
 
 素材については、消費者はより責任のあるファッション製品を材料で選択することも示していて、表示されれば、天然繊維とリサイクル原料を好みます。環境に良くないと答えたのはトップからポリエステル、アクリル、ポリアミド、および皮革です。ここで環境に良いとされるオーガニックコットンへの強い懐疑論が飛び出したことも印象に残りました。これには先入観の問題や、情報の欠如も大きく影響しているようです。実際、消費者は、エコ責任(その定義と基準)に関する知識が不足していると感じていて、フランスの消費者の約50.4%が、適切な製品を選択するのに十分な知識がないと認めています。さらにもう一つ、困難にしているのがブランド側の透明性の欠如や環境認証の不足です。責任あるファッションブランドを知っていると報告したフランスの消費者は23%と少なく、価格も33%が障壁とみています。このため二次流通による中古品の購入が増加し、2019年にアメリカ人女性の56.1%、フランス人女性の42.2%が中古品を購入したといいます。
 
 環境に配慮したファッション製品をどこでつくるかでは、フランスでは自国が80%、46%がヨーロッパ生産と答え、イタリアでは65%、ドイツでは71%と国内生産に対する好みが依然として強く出ています。「輸送の悪影響を可能な限り減らすために、製品はできる限り近くで製造されなければならない」とフランスの消費者は主張していますし、また社会的責任のある生産のために従業員の健康と安全への敬意を強調しています。
 
 この研究成果は、市場拡大を目指す業界やブランドに正しいキーを提供するものとみられています。「ここ数年のうちに、環境に責任を持つ商品の生産を尊重する新システムの導入を見ることになる」と、PVジェネラルマネージャーのジル・ラスボルド氏も語っていました。
 エコ ファッションへ向けて、世界が大きく動き出したのを感じさせたスマートトークでした。

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